知世の野望 ~The Magic of Happiness~   作:(略して)将軍

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イメージがわかなくて、大きく間をあけてしまった……
SRPG開発の方も停滞気味だったし、これでやる気が再燃してほしいなぁ


流れて追って仮装武闘会

 

 

コクエンと対抗できるほどの戦力を持っているというロッドマイスター・シュリ。

彼女もジュエルシードを集めているらしく、さくらさんも彼女の所に流されて行ったそうなので、さくらさんを迎えに行くついでに、ジュエルシードを譲ってもらえるように交渉しようとしていた所で……

 

話によれば、さくらさんは流されて行った先で、シュリに文字通りの水をぶっかける様な真似をしてしまい、彼女を激怒させてしまったのだという……。

 

もちろん、さくらさんがわざとそんな事をした訳じゃないと思うし、そもそも元をただせば、その辺の原因は全部あのきらと言うこのせいなんだけど……。

 

 

 

とんでもない事になってしまったと頭を抱えながら、コクエンと比べればまだ話が通じそうな相手そうだったので、、僕達はマリさん達に頼み込み、どうにかシュリの本距離まで案内して貰える事になった。

 

 

シュリがどんな性格なのかは知らないけれど、あのド天然の……

 

いや、ふんわりとした雰囲気のさくらさんに危害を加える様な危険な相手だという事はない……と思いたい。

 

 

そう思いながら、彼女達の案内でそこそこ整備された道をたどってシュリの本拠地までたどり着くと……

 

そこは周囲が大きな防壁に囲まれ、四隅に円筒形の塔と円錐形の屋根で構成された塔が設置されている中にそびえ立つ。コクエンの拠点とは対照的な洋風造りのお城がそびえ立っていた。

 

 

話によれば、シュリもコクエンと張り合うほどの実力者だそうだけど、力を手に入れるとこういう建物が作りたくなるのだろうか……?

 

 

「さぁ、入り口はこっちよ。」

 

 

そんな事を考えていると、マリさんは手招きして入り口の方へ案内してくれた。

 

 

後について行きながら、何気なく周囲を眺め回してみると、これもシュリの指示なのか、周辺には城の雰囲気にあった建物が所せましとばかり、規則的に並んでいる。

 

 

 

「西部劇の次は、ファンタジーRPGの世界観かいな……

 なんや、ゲームの世界に来たような気分やで。」

 

 

「確かに、あそこのお店なんかカウンターで注文したら、薬草とか売ってくれそうな雰囲気よね。」

 

 

ケルベロスとアリサは、この風景に思う所があるようで楽しそうに、場の雰囲気について話し合っている。

 

 

……この辺、僕にはあんまりよくわからない感じだ。

 

 

「シュリは、派手好みなヤツだからな。

 アイツ好みの煌びやかな雰囲気をベースに、この辺りはこんな具合に仕上がってったんだ。」

 

 

「そういや、さくらも前にお城暮らししてみたいとか言っとったなぁ……

 案外、ここで満喫しとるんとちゃうか?」

 

 

「そうだと良いんだけれど……

 さ、あそこが城に出入りする為の受付よ。」

 

 

そういってマリさんが指さした先には、大きな入り口の前では、ちょっと城の雰囲気に似合わないミリタリールックの女の子達が、門を守る様に立ち並んでいた。

 

……気配から察するに、彼女達も結構な力量のロッドマイスターみたいだ。

 

 

「あれは、シュリの親衛隊……? 妙だな、あいつらが門番をしているなんて……」

 

 

「それに、雰囲気もなんだか前と違う……?」

 

 

彼女達を見ると、美利とマリさんは訝しげな顔をした。

 

 

察するに、普段とはどこか違う感じなのだろうか……?

普段がどうなのかは知らないし、現状特に彼女達と敵対している訳ではないはずなので、二人は少し注意しながらも門の所まで行き、彼女達と話したところ……

 

 

 

 

「……か、仮装舞踏会?」

 

 

「ううん、仮装武闘会。

 今日は、ペアを組んだロッドマイスターが仮装して相手のペアと戦い勝ち進んでいくイベントをやってるの。」

 

 

予想外と言えば予想外過ぎる返答が帰って来てしまった。

 

 

「……あの、私達は先ほどこちらへ連れてこられた女の子を迎えに来たのですが……

 なんでも、シュリさんを事故でずぶ濡れにしてしまったそうで……」

 

 

「え……? あなた達、あの生意気なスク水の子の仲間!?」

 

 

門番の子達は、知世さんが訪ねた内容を聞くと、すぐさま表情が険しくなり、

マギロッドを構えながら、こちらを睨んできたが……

 

 

「あ、いえ! そっちじゃなくてもう一人の子!

 ウチのデザートレイクタウンを、襲ってきたそっちの子から守ってもらったんだけど、

 その際、プールの底が抜けちゃって、その子と一緒にこっちまで流されちゃって……」

 

 

マリさんがフォローしてくれたので、ひとまず構えを解いてくれた。

 

 

だけどほっとしたのもつかの間、彼女達はお互いに顔を見合わせてから改めてこちらを向くと……

 

 

「もう一人……? いえ、私達は何も聞いてないけど……」

 

 

さくらさんの事など知らないとばかりにそう言ってきたのだった。

見た感じ、ウソをついてる様子は無さそうだが……

 

 

「え!? そんな……!? だって、風間さんが……」

 

 

なのはが珍しく動揺して、美利の目撃談を話そうとしたけれど、それを口にする前に慌てた顔のマリさんに口を押さえられてしまう。

 

 

「むぐっ!?」

 

 

その辺の行動を見て、彼女達は怪しそうに僕達を見つめて来たけれど、美利は平静を装い、なのはの代わりにさくらさんについて訪ねてくれた。

 

 

 

「いや、すまない……

 一緒に流されて行った子が、そいつと一緒に、シュリ達に連れていかれたとここに来る途中で聞いたんでな……

 ……何かの手違いと言う可能性もあるし、このまま放っておくわけにもいかない。

 悪いが、中に入って探させてもらえないか?」

 

 

美利がそう言ってから、帽子を取って丁重に彼女達に頭を下げる。

それをみて、彼女達はまんざらでもないという顔をしてから……

 

 

「うーん……今日はさっき言った仮面武闘会をやっているから、招待状を持っていなければ、通しちゃいけないって言われてるのよね……」

 

 

「でも、ああいわれて断るって言うのも……」

 

 

 

互いに顔を見合わせて、僕達そっちのけで相談をはじめてしまった。

 

 

(むー! むー!)

 

 

一方で、マリさんに口をふさがれてしまったなのはは、なにかを言いたそうに、マリさんの手を外そうともがき続けていた。

 

 

 

「あ……ゴメンね、風間が探ってた事ばらされると、ちょっと立場的にマズかったから……」

 

 

「ぷはっ……マリさん、いきなり酷いの……」

 

 

マリさんはそう言ってからなのはの口から手を外したので、なのはは大きく息を吸いながら、いきなり口をふさいだことに対して、不満げに彼女へと抗議の声を上げたが……

 

 

この行為に不信を抱いたのは、なのはだけではなかった。

 

 

「……ちょっと、立場的にマズいってどういうこと?」

 

 

「少し前、ウチととあるロッドマイスターとの間で揉め事があってな……

 そいつが最近、シュリの所に出入りしてるって話があったんだ。」

 

 

アリサの問いに、美利は深刻そうな顔で答えた。

この雰囲気から察するに、そのロッドマイスターは友好的な相手ではないみたいだ……

 

 

「それで、シュリさんの所を探っていた訳ですか……

 いったい、どのような方なんです?」

 

 

続けて、知世さんがその相手の事を尋ねると……

 

 

「悪いが、その話は後だ。

 ……アッチも、ちょうど話が終わったみたいだしな」

 

 

美利はその質問に答えずに、そのまま受付の子達の方を向いた。

どうやら彼女達は話し合いを終たようで、その結論を伝えてくれるようだ。

 

 

「……さっきも言った通り、今は中で仮装武闘会をやってるから、一般の見学者は中に入れる事は出来ないんだけど……」

 

 

「でも、武闘会への飛び入り参加者ならば受けつけてるから、参加ペアとして登録するなら入場を許可するわ。

 ……もっとも、腕に自信があればの話だけれど。」

 

 

「……予想は出来てたけど、だいぶ無茶な展開になって来たわね……

 どうする? 妙な話になって来たけど……」

 

 

アリサは彼女達の返答を聞くと、眉間にしわを寄せ、さもありなんといわんばかりの表情をしながら、僕達に問いかけて来た。

 

 

「まぁ、別に優勝する必要はないんだし……

 参加するだけなら、いいんじゃないかな?」

 

 

「……うん、さくらちゃんを迎えに行かないといけないし、出来るだけの事はしなきゃ。」

 

 

なのはの方も、さくらさんの事が気にかかっているようで、意外と乗り気のようだった。

 

 

「参加者だけとなると、私とアリサちゃんは参加できませんから、この場はなのはちゃんとユーノ君にお任せする事になってしまいますわね。」

 

 

「うーん、二人だけに任せるのは何か心配だけど……」

 

 

知世さんとアリサは僕達の事を、心配そうな目で見ている……

いや、アリサのはなんだかちょっと意味合いが違う感じにも見えるけど……

 

そんな僕達を見かねたのか、マリさんは僕達の方に一歩前に踏み出して……

 

 

「……いえ、ここは私達も協力させてもらうわ。

 町を守って貰う為に巻き込んじゃったんだもの、いいでしょ、風間?」

 

 

「全く、強引なヤツだ。

 まぁ、妙な探りを入れるより、この催しに参加した方が確実か……

 オーケー、俺達もエントリーだ。」

 

 

美利ともども、武闘会に参加して僕達に協力を宣言してくれた。

 

 

「二人とも、ありがとうございます。」

 

 

「……ところで仮装武闘会って言っていたが、仮装の部分はどうすればいいんだ?」

 

 

そう言えば……『仮装』武闘会って、いったい何をすればいいんだろう?

少し嫌な予感がしたけれど、我慢して詳しく話を聞いてみると……

 

 

「なにしろ、シュリ様主催の仮装大会だから……

 怪獣の着ぐるみや、モンスターの被り物みたいな受け狙いのキワモノはダメ、あくまで美しさを表現しなければ、参加許可は出来ないわ。」

 

 

「美しさ……ねぇ。」

 

 

それを聞いて、アリサの目が怪しい物を見るように細めて来たけれど、それは見なかったことにする。

 

 

「風間君と、そっちの女の子は……うん、なかなかの恰好だし、その格好で大丈夫だけど……

 小野寺さんと、そこの金髪のキミは、そのままだとちょっと……

 素材はいいけど、恰好が普通過ぎるのと、色合い的に地味かなって。」

 

 

「色合いが地味……」

 

 

まぁ、発掘現場で使ってた格好だものなぁ……

現場ではいろいろと便利なのだけど、仮装にあうかと言われれば……

 

 

「私は風間と違って、普段着だから仕方ないけど……

 でも、いきなり仮装と言われたって……」

 

 

もし参加できないなんて事になったら、武闘会へはなのはと美利がペアで参加することになってしまうだろう……

 

 

うーん、相性は悪くなさそうだけど、なんだろう、この妙に嫌な感じは……

 

 

 

「大丈夫よ、表の通りに今回の仮装武闘会の為の衣装を用意してあるお店があるから、今なら売れ残りくらいは残ってると思うわ?」

 

 

すると、僕の心配を見かねたのか、受付の子達は衣装についての情報を教えてくれた。

 

 

余り物というのは、あんまりいいイメージはないけど、背に腹は代えられないか。

 

 

「それじゃあ、そっちに行って適当な衣装を探してこよう。」

 

 

「時間があれば、私の方でご用意したかった所なのですが……

 ならば、せめてコーディネートのほうで協力いたしますわ。」

 

 

「いやぁ、ホント楽しみね……うふふふふ……」

 

 

 

……知世さんとアリサは、どこかで見たような怪しい雰囲気を醸し出しはじめたので、僕はそれを警戒しつつ、衣装探しのため、教えてくれた店へと向かったのだった。

 

 

 

……絶対に、前回と同じ轍は踏むもんか!

 

 

 




仮装武闘会ネタはコクエン編やってる頃から考えてたのに、いざとなったら筆が乗らなくなってしまった……
なんで最近は、やりたいネタに到達したタイミングでやる気が無くなるのか……

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