知世の野望 ~The Magic of Happiness~   作:(略して)将軍

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長くなり過ぎないよう、予定の半分くらいの箇所で投稿してみました
これも、後で修正とか入れるんだろうなぁ……

参戦作品が増えてしまった


ウェスタンリゾート・マイヤー

 

 

 

私達が町の門にたどり着き、町の名前が書かれた看板をを潜り抜けようとすると……

 

 

「……待った、おめぇ達ちょっとそこで止まれ」

 

 

どこからか、私達を制止する声が聞こえてきました。

 

 

「え……? 誰よ、今の声?」

 

 

声はするのに、しゃべってる人の姿が見つからなかったので、みんなで声の主を探そうと周囲をきょろきょろと見回してみましたがやはり誰もいません。

 

 

「ちがう、こっちだこっち、おめえ達の頭の上だ。」

 

 

そう言われて私達が上を見上げると、看板横にある見張り台らしき場所から、ケープを身につけ目の下に白いペイントを入れ、髪を後ろで一本の三つ編みにまとめた男の子が、こちらを見下ろしているのが見えました。

 

 

「ね、ネイティブアメリカン……?」

 

彼の恰好を見て、アリサちゃんが少し呆れた顔でそう漏らしていましたが、向こうは気を悪くした様子もなく、私達を観察しながら少し訛った言葉で話を続けます。

 

「おめぇ達、見ねぇ顔だな?

 おまけに、外国の人まで来るなんて珍しいべ……それにしても、日本語すげぇうめーなぁ」

 

井出君はアリサちゃんとユーノ君に、感心しながらそう言いました。

 

「……キミも、ロッドマイスターなの?」

 

 

「おー、おめぇも日本語うめぇな、もちろんここにいる連中はだいたいそうだ……

 おっと、オラは井出安行(いでやすゆき)、よろしくな!」

 

「これはどうもご丁寧に、大道寺知世と申します。」

 

 

その後、私に続きみんなも自己紹介した後で……

私は、彼にこの町について尋ねてみました。

 

 

「ところで井出君、この町はいったいどの様な所なのですか?」

 

 

「なんだk、知らねぇで来たのか?

 ここは、元々オラ同様にマギロッドを受け取った仲間達の溜まり場だったんだけど、オラ達のリーダーが、あっちこっちで悪さする連中を懲らしめてる内に、どんどん人が集まってここまで大きくなってよ……

 今じゃ、あっちこっちから、気の知れたロッドマイスターが集まってんだ。」

 

 

「へぇ……でも、なんで街並みが西部劇風なの?」

 

 

井出君の説明に感心しつつも、やはりこの街並みの雰囲気は気になるようで、疑問に思ったさくらちゃんが、その点について質問すると……

 

 

「そりゃ、オラ達が西部劇が大好きだからに決まってるべ。」

 

「ほえ~……」

 

「ず、ずいぶんストレートな答えですね……」

 

 

井出君のあっさりとした答えに、さくらちゃんは呆けてしまい、なのはちゃんも少し呆れた顔でそう言いました。

 

 

「風間……オラ達のリーダーは、家族そろって西部劇マニアでよ、オラもソイツの家にお邪魔する時に何度も西部劇の映画を見せてもらうウチに、すっかりハマっちまっただ。

 それに、後から集まったみんなも風間のファンばっかりだから、反対意見は出なかったしな。」

 

「本当に……?

 まさか力にものを言わせて、無理矢理いう事を聞かせてるんじゃないでしょうね?」

 

この間のコクエン君達の事があったからか、アリサちゃんが疑わしそうにそう言った所……

 

「オラ、嘘はキライだ、

 白人ウソつき、インディアンウソつかない。」

 

「当て付けか! この!!

 大体アンタ日本人でしょうが!!」

 

どこかで聞いたようなフレーズを言い返した為、、アリサちゃんが強烈なツッコミを入れたのでした。

 

「まぁまぁ、アリサちゃん落ち着いて……」

 

「……と事は、その衣装はトントのコスプレか、というかその呼び方使っていいワケ?」

 

「どっち使っても問題あんなら、好きな方使えばいいだろ?

 ……てか、人の事コスプレっておめぇら、人の事言える恰好か?」

 

 

そう言われて、アリサちゃんは『ぐっ』と言葉に詰まってしまいました。

……確かに、さくらちゃんをはじめ今回来ている服は、みんな明らかに私服って感じはしませんものね。

 

 

「……あーもう、わかった、悪かったわよ。

 ところで、私達いつまでここで足止めされなきゃいけないワケ?

 いい加減、ここで立ちっぱなしはきついんだけど……」

 

 

熱さでイライラしてきたのか、アリサちゃんはちょっとキツイ口調で井出君にそう言い放つと……

 

 

「おっと、ついつい話し込んじまっただ、別にもう入っても構わねえんだけどよ……

 おめぇ達、町に何の用があってきたんだ?」

 

 

彼は申し訳なさそうな雰囲気を見せながらも、私達の目的について尋ねてきたので……

 

 

「僕達、ジュエルシードって言う宝石を探してるんだけど……」

 

 

「ジュエルシード……!?」

 

 

ユーノ君が返答時に、ジュエルシードと発言した直後、井出君はわずかに驚いた様子を見せました。

 

 

「何か知ってるの!?」

 

 

その表情を見て、井出君がジュエルシードについて知ってると確信したらしいユーノ君は、更に話を聞こうとしましたが……

 

 

「……その話についてなら、小野寺に聞いた方がいいべ。」

 

 

井出君は自ら語ろうとせず、小野寺という方の事を教えてくれました。

 

 

「小野寺……さん、ですか?」

 

 

「この町で、一番の情報通だ、道をまっすぐ行ったとこにあるプールに居るはずだから、そこで話を聞けばいいべ。」

 

 

「なんか、怪しいわねその態度……

 もしかして、ワナにかけようとしてないでしょうね?」

 

 

なにかを隠している様な井出君の態度に、アリサちゃんは疑わしい目で井出君の事を睨みましたが……

 

 

「オラ、嘘は大キライだ、

 白人ウソつき、インディアンウソつかない。」

 

 

「それはもういいっ!!」

 

 

井出君が、先ほどとほぼ同じフレーズを言ったため、再びそれに対する鋭いツッコミが炸裂したのでした。

 

 

「まぁまぁ、アリサちゃんその辺で……

 井出君も、嘘を言っている様子はありませんし、ひとまずその小野寺さんという方に、話を伺う事に致しましょう。」

 

 

「うーん、知世さんがそう言うんだったら……

 罠だったとしても、みんながいれば大丈夫だろうし、ここで立ちっぱなしってのもつらいし……」

 

 

「ははっ、ワリィワリィ……

 もう入ってもいいだよ、でも騒ぎは起こさねぇようにしてくれよな。」

 

 

こうして、私達は井出君に許可をいただき、町の中に足を踏み入れました。

 

 

街並みは、外で見た通りの西部劇風な雰囲気ですが、あちらこちらで少し街の雰囲気に似合わないレモネードスタンドのワゴンがありました。

 

 

「商売までやってるのか……商魂たくましいな……

 確かに、この暑さじゃ欲しくなるけれど……」

 

「それでは、いただいてからプールに行く事にしましょうか。」

 

私は、スタンドの子に冷えたレモネードを注文してみんなに配り、そこで一息ついてから、

小野寺さんの居るというプールへと向かったのです。

 

 

 

 

 

 

「うわぁ……おっきいプール!」

 

 

更衣室で水着に着替えてから、プールサイドまで行くと、学校や専門の施設にあるよりも大きなプールと、そこで遊ぶ子供たちの姿がありました。

 

 

作りは少しシンプルでしたが、プール内から吹き上げる噴水など、一般のプールでは見かけないギミックなどが組み込まれており、それらを利用してみんな楽しそうに遊んでいます。

 

 

「うーん……」

 

「どうしたの、アリサちゃん?」

 

この光景を見て、アリサちゃんは何かを不思議に思ったなのはちゃんが訪ねた所……

 

 

「いや、この状況でプールって聞くとイヤな予感がしてきて……

 なんというか、ユーノが一緒だと、ただじゃ済まさない感じがするって言うか……」

 

 

「急にどうしたの、アリサちゃん、海鳴にだって海鳴スパラクーアがあるじゃない?

 それに、なんでここでユーノ君が?」

 

「なんというか……うーん、なんでだろ?」

 

 

……どうも、アリサちゃんは経験のない記憶を受け取ってしまったみたいですわね。

 

 

まぁ、それについては私も割と他人ごとではない気もしますけど、あんまり深く言うと大変な事になりそうでし、アリサちゃんも気のせいと言う結論に行きついたようなので、ひとまず放っておく事にしましょう。

 

 

「みんな、おまたせ……」

 

 

「あ、ユーノ君こっち……

 って、どうしたの、その顔……?」

 

なのはちゃんが手を振ってユーノ君を誘導しましたが、ユーノ君はなんだか非常にげんなりとした顔をしていました。

 

どうも、更衣室でなにかあったようですが……

 

 

「……ねぇ、僕ってそんなに男っぽく見えない?」

 

 

「ほえ……?」

 

 

私達がそれについて聞き出す前に、ユーノ君は自分の容姿について私達に訪ねてきました。

 

 

「……あー、そう言えば男子更衣室の方が騒がしかった気がするけど、もしかして……」

 

 

どうやらアリサちゃんは、なにが起こったのかを察したようで……。

 

 

「僕が入ったとたん、更衣室内が一気にざわついてさ……

 着替えてる時も、周囲の子達はみんな背中向けてたし、着替え終わったら終わったで、なんか視線を感じて……」

 

 

ユーノ君はうんざりだと言いたげな表情で、更衣室で何があったのかを教えてくださいました。

 

 

「き、気にしない方がいいよユーノ君!

 ウチのお兄ちゃんも、線は細い方だし……」

 

「そうそう! なのはちゃんの言うとおりだよ!

 ウチのお兄ちゃんも、力持ちなのに痩せてるし、女の子に間違われるのは、ユーノ君がかわいいって事だから……」

 

「はうっ……!?」

 

 

気落ちしたユーノ君に対し、なのはちゃんとさくらちゃんはフォローをしていらっしゃいましたが、さくらちゃんの一言は、かえって心を抉ってしまったようで……

 

 

「……さくらさん、それフォローになってませんよ。」

 

 

「あ……!? ゴメンね! ユーノ君!!」

 

 

「いいんです……それよりも、早く小野寺さんを探さないと……」

 

 

さくらちゃんの発言に対して、ユーノ君自身は特に不機嫌には思わなかったようですが、

結局ユーノ君はうつむいたまま、小野寺さんを探すよう促してきました。

 

 

「それでは……あの、すいません、

 こちらに小野寺さんという方を探しているのですが……」

 

 

そこで、近くを歩いていた女の子に小野寺さんについて尋ねたところ……

 

 

「マリちゃんの事?

 マリちゃんなら、ほら、あそこに居る……」

 

彼女がプールの奥の方を指さした先では、パーカーを身につけた、ショートカットにハート型の髪飾りを身につけた、元気のいい女の子が……

 

 

「みんなー! 時間よー!!

 プールからいったん上がりなさーい!!」

 

 

プールの中の子供たちに、上がるよう大きな声で呼びかけていました。

 

 

 




とりあえず、フルネームで出てくるのは版権キャラと思っておいてください
今回のは作品はともかくとして、キャラの方は結構マイナーだし、元と使い方が違うから
検索しないとそうそうわからないとは思いますが……

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