「ここはリンドウさんの記憶の世界なんだっけ?」
「ええ。そうですがどうしました?」
「いや、改めてリンドウさんの凄さをこの記憶の追体験を通して実感したからさ。」
ライとレンはアナグラ内にいると思われるリンドウを探すため探索していた。
だがエレベーターや部屋の扉を開けるとアラガミのいる場所に繋がっていてそのアラガミを倒さなければ先に進めないようになっていた。
「僕は第二世代の神機に適したゴットイーターだ。近距離と遠距離武器を複合して戦える。神機の進化するべくして進化した形だろう。」
「でも第一世代神機でスサノオやウロヴォロスといった化け物クラスと討伐したリンドウさんの技量には僕は到底及ばないと痛感したよ。」
「貴方もかなりの腕前だと思いますが?」
「それは第二世代神機の性能がいいから。第一世代の神機でもそれなりの戦果をあげられる自信はあるけどリンドウさんほどの戦果をあげられる自信はないかな。」
「その性能を最大限活用できるのも徐々に増えている新型神機使いの中でも貴方だけでしょうね。近接も遠距離もできると多少なりとも偏りが出ますから。アネットさんがいい例です。」
「ハハ。ありがとう。」
謙遜しながらそう言うライ。
「さて、休憩も終わりにして次に進みましょうか。」
「うん。」
扉を開く。扉の先に広がったのは廃墟だった。
「……どうやら、終着点についたみたいですね。」
レンは険しい表情をしながらそう呟いた。
「ここって…リンドウさんと別れた…」
「はい。その廃教会です。そしてここにリンドウがいます。」
レンははっきりと言った。ここにリンドウがいると。
その言葉通り少し歩くと壁に凭れかかった人影いた。
「リンドウさん!!」
ライとレンは人影…リンドウに駆け寄る。
「……大丈夫。どうにか間に合ったようです。でも同時に限界も近いみたいです。」
「……これが貴方への最後のお願いです。リンドウに戦う力を与えてやってください。」
「戦う力…神機のことか?でも神機は…」
「大丈夫です。リンドウの神機は…“ここに”あります。」
レンがそう言うとレンの身体から白い光が溢れ出た。
光が収束すると…
「……レン?」
そこにレンの姿はなくなり、何故か
「う……」
同時に眠っていたリンドウが呻いた。目を覚ましたらしい。
「リンドウさん。」
「お前…新入りか?」
「やっと見つけましたよ。」
「……まさかこんなところまで来るとはな。凄い行動力だな。」
「それに、今はリーダーだったか。出世したな。」
「いや、俺のせいでそうならざるを得なかったか。スマンな。俺のせいで。」
「そう思うなら貸しとしておきますよ。」
リンドウの言葉にそう返すライ。同時に手に持ったリンドウの神機を渡す。
「……生きることから逃げるな…か。諦めていた方は俺の方だったか。」
「死ぬのは生きるより楽ですからね。特に
「そうだな。それにお前の言ったことは俺がお前に教えたことだもんな。」
「それなら俺も見苦しく生き足掻かないとな。」
そう言うとリンドウは自身の神機を手に取った。
「言っとくが俺がお前に教えたことだが言ったお前なんだから付き合ってもらうぞ?」
「分かってます。またふらりといなくなられたら困りますから。」
「もうしねえよ。多分な。」
そんな会話をしてると遠くから呻き声のような咆哮がそして踏み締めるような足音が聞こえた。
「来るぞ。」
リンドウの言葉の後、
「流石、人にもアラガミにも人気者ですね。」
「喜んでいいのかは分からんが一応褒め言葉として受け取るよ。」
ハンニバルを前にしているにも関わらず軽口を叩くライとリンドウ。
そしてここに極東支部最強と謳われる第一部隊。その新旧隊長コンビによる