「いた!!」
「あれが新種…」
「トカゲ?…いや、龍?」
「火を噴くのか。遠距離攻撃もあるようだからお前ら気をつけろ!!」
ヘリで新型アラガミを確認したライ、アリサ、コウタ、ソーマの4人。
「火を噴くらしいから氷属性が弱点かもしれない。情報が少ない新型だから気を引き締めていこう。」
「「了解!!」」
最低限の指示を出すとライ達はヘリを飛び降りた。
新型アラガミとの戦闘は一筋縄ではいかない。
情報がない故に弱点もわからない、対処法も探り探りで突き止めていかないといけないため長期戦になりやすい。
「デカイ割りに身軽だな…」
「それに見た目の割に動きも速いですね。こんなアラガミ始めてです。」
「だが火を噴く時は動きが止まる。隙がないわけじゃない。」
ライ達第1部隊もアラガミを分析しながら戦っているためか討伐に多少の時間がかかっている。
「だが苦戦するほどでもない。情報もある程度揃った。…倒すぞ。」
「「「了解!!」」」
“倒すぞ”ライのその一言で彼らの動きが変わる。情報を得る戦い方から敵を倒す戦い方にシフトチェンジしたともいえる。
身体能力の高い新種を追い詰めていく第1部隊の面々。
だがそれが悪かったのだろうか。
「な…なんだ!!?」
「炎の…羽根?」
追い詰めたのが原因か、突如として背から炎の翼らしきものが生えたと同時に凶暴性が増した新種のアラガミ。
「…なんだ?」
「宙に浮いて丸まってる?」
凶暴性が増したと思ったら次はまるで体育座りするように丸まる新型。
だが炎を中心に集約しているあたり、大技を放つ気配。
「全員…回避…いや…防御!!!」
ライは最初こそ全員に回避指示を出そうとした。だが同時に放たれた火炎の竜巻により装甲による防御を指示した。
「グ……」
「うわぁぁぁああああ!!!!!」
「キャアアアアアアアアア!!!!!」
「クソッタレが…」
数十秒から1分はあっただろうかと思われるほどの熱波の暴力。その威力は凄まじく、装甲で防御しても数メートルは吹き飛ばされた。
「なんですか!?今のは!?」
「力を圧縮して一気に放出…これが奴の最大の攻撃という奴か。」
「とりあえずあれが来る時は追撃せずに防御すること。全範囲攻撃のようだから回避は無理そうだ。」
仕切り直すように再度神機を構える。新種も片手に炎の槍を持って今か今かとライ達を見据えていた。
結果としてライ達と新型アラガミの戦いの軍配はライ達ぬ上がった。
「……レアモノだな。」
「うーん。ちょっとてこづったけどそこまで苦戦しなかったな〜」
ソーマの神機で新種アラガミのコアを回収する傍らでコウタは神機で新種アラガミを突いていた。
「さっさと帰りますよ。」
「同感だ。」
アリサの言葉にソーマも同意して歩き出す。コウタが少し騒いでいたが2人は気にも止めず、そんなコウタに苦笑しながらライも続こうとしたが…
「ったく…」
「コウタ!!後ろ!!」
悪態をついたアリサが後ろみた瞬間、叫んだ。
「へ?う…うわぁぁぁああああ!!!」
「なんだと!!?」
アリサの叫びにライもソーマもコウタも後ろを向いた。そこには…
……倒してコアを回収したはずの新種アラガミがまるで何事もなかったように動いていた。
「コウタ!!」
アラガミの間近にいる尻餅をついたコウタとアラガミの間に割って入り装甲を展開するライ。
だがアラガミが勢いよくその腕を振り抜く。
振り抜いた腕と神機の装甲がぶつかる。
同時にこの瞬間、ライの神機が限界を迎えた。
もともとリッカから損傷が激しいと言われてたが度重なる出撃で整備を蔑ろにしてたツケがここできたのだ。
装甲が砕ける音が響く。同時にライも勢いに吹き飛ばされた。
「リーダー!!」
アリサの声が聞こえたが吹き飛ばされた時に頭を強打したのかライは意識を失った。
この後、どうにか新型アラガミをやり過ごし第1部隊は撤退した。