「サクヤさん…」
自身の部屋に戻ると扉の前に1枚の手紙。宛先は自身で手紙を書いたのはサクヤだった。
「別にこんなことしなくてもいいのに…」
ライ自身規律に厳しいわけではないので自由行動には寛容である。
実際ライ自身特務であるとはいえ単独任務を受けることが多い。よってライ自身強く言えないというのもあるのだが…
「律儀だな。」
なんとなくそう呟きながら手紙を広げる。
内容はリンドウの意思を継いでエイジス島に潜入してアーク計画の真相を調べること。
単独行動の謝罪などだった。
「とりあえずアーク計画に関しては報告待ちだな。」
そもそもライはヨハネスに目を掛けられている。それは言い換えれば監視とも言える。
それがライの行動を制限させている。故に表立っての行動は難しい。
「さて、このことは“彼女”は知っているのだろうか?」
「やっぱり!!1人で行くなんて!!」
「まぁ、よくも悪くも命令違反だからね。巻き込まない為の配慮だろう。」
「それでも!!それでも…」
やはりアリサにも一言もなしにエイジス島潜入に向かったらしい。
「…すみませんリーダー。私…」
「止めないよ。多分今なら追いつけるんじゃない?」
「…すみません。行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
「ここにはいないようだ。」
「そうだね。」
翌日、支部長の指示通りライはソーマと共に特殊なコアを持つアラガミの捜索をしていた。
「どこにいるんだろうね。」
「さぁな。」
「シオも探さないといけないのにね。」
「…いつまで茶番をするつもりだ。気づいてるんだろ?」
「………」
「お前は賢い奴だ。あの野郎が血眼になって探しているのがシオだということを。」
「……だったら?」
「悪いが俺はアイツにシオを渡すつもりはない。」
「じゃあサカキ博士に?」
「アイツもクソ親父と同じだ。もしシオに危害を加えようものなら俺はアイツを奴らの手から逃す。」
そうはっきりと宣言するソーマ。しかし特務には従順に従うのはあまりに皮肉だ。
「お前はどうだ?」
「僕?」
「お前はシオをどうするつもりだ?命令通り親父にシオを差し出すか?」
ソーマの問いに考え始めるライ。だが…
「流石に“妹”を犠牲にするつもりはないな。」
「……!!リーダーじゃねぇな。」
「あれ?すぐに気づかれるとは。ああそういえばアンタアラガミを探知できるんだったか。」
「リーダーをどうした?」
「思考の海に流されてるよ。あれは長考コースだな。その隙をついて表に出てきた。」
あっけらかんに答えるシオの“兄”。
「しかしアンタが妹をそんなに大切に思ってくれているとは。兄冥利に尽きるといえばいいのかね?」
「そんなんじゃねぇよ。」
「本当に?まぁどうでもいいけど。」
「でもアンタはどちらを選ぶ?」
「は?」
突然の選択問題。そして兄の口角が釣り上がる。そして自身を指差しながら言った。
「“妹”か“宿主”どちらかを犠牲にしないといけない場合アンタはどちらの命を助け捨てる?」
「言っとくけど近い未来の選択だから。」
「なんだと?」
「おっと。それじゃまたな。」
「あ…おい。」
「ん?あ、ごめん。答えが出てない。」
いつのまにか兄からライに変わった。
「いや、いい。」
「どうした?」
「なんでもねぇよ。ここにはシオがいない。次行くぞ。」
話を強引に切り、ヘリの下へ向かうソーマ。
不思議に思いつつそのソーマの後を追うライだった。
ゴールデンウィークなのに1話しか投稿できなかった…
去年は3話投稿してたのに。
まぁ意欲が湧かなかったのですが。
それはさておいて本当にギアスについてどうしよう。
あとまだ先だけど無印が終わったらすぐにバーストに入るべきか?
悩みが尽きないな…