神喰らう無色の反逆者   作:COLD

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多重人格

「君が此処に来るのもなんだか久しく感じるね。」

 

「そうですね。最近はいろいろありましたから、」

 

久しぶりにサカキの研究室に顔を出したライ。後ろには一緒に来たのかソーマの姿もあった。

 

「そうだね。最近はヨハンの手伝いもしてるようだしね。彼のことだ。なにやら無理難題を押し付けられているんじゃないかい?」

 

「支部長の命令で口外はできませんが個人的には楽しんでますよ。ところでシオの姿がありませんが。」

 

今回、サカキの研究室を訪れたライだが本来いるはずのシオの姿が見当たらなかった。

 

「シオはアリサ君とコウタ君と一緒にバイキングに出てもらってるよ。そろそろ戻ってくると思うけど最近は君も忙しくしてたしいろいろあったからシオも君に会えなくて寂しがってたよ。」

 

「それは悪いことをしましたね。……でも。」

 

「本当に僕に会いたがっているのかは分かりませんがね。」

 

「まるでシオが君を見てないような言い方だね。」

 

「なんとなくですけどね。」

 

そう言いながら弱弱しく笑うライ。

 

「ところで僕を呼んだのはなんの要件ですか?」

 

「なに、最近体調の変化とかなにか変わったところとかなかったかい?」

 

「体調は特に変わりませんが空腹感を感じるようにはなりましたかね?仕事が増えたからエネルギー消費が激しくなったのかもしれないです。」

 

サカキの問いにそう答えるライ。ライの返答ではたいした変化はないように聞こえる。

 

「なるほど。君自身には変わりないようだね。でも君の神機はかなり損傷したと聞いたけど。」

 

「ああ、リッカから報告受けたんですね。なにやら僕もさっき彼女から話を聞きましたけど近接パーツが焼けて罅割れしてたみたいです。リッカの見解では一定の放熱量をかなりオーバーして過負荷を与えた結果と言ってました。」

 

神機が壊れるような使い方はヤメテと口酸っぱく言われたと続けるライ。そんなライにサカキはさらに問いかける。

 

「君は神機が過負荷状態の時の自分の状態は覚えているかい?」

 

「覚えてないですね。そもそもどうやって倒したかも曖昧です。」

 

「そうか。本人が覚えてないんじゃ仕方ないな。」

 

「あの時はかなり消耗してましたからね。なんじゃすみません。」

 

「いや、謝ることじゃない。あくまで私の興味本位で聞いただけだから。」

 

「おにーちゃん!!」

 

サカキとそんな会話をしているとライの背後に衝撃が走る。

 

「あれ、リーダーとソーマも来てたんだ。」

 

「まぁな。」

 

「やぁコウタ君。ありがとう。シオ。お腹一杯になったかい?」

 

「オナカイッパイマンゾクマンゾク。」

 

「少し見ないうちにまた言葉を覚えたようですね。満足って。」

 

抱きつくシオを受け止めながらそんなことを言うライ。

 

「シオ久しぶり。最近はあまり来れなくてごめんね。」

 

「ヒサシブリ!!」

 

そう言いまたライに密着するよう抱きつくシオ。その状態でライの顔を見上げる。

 

「なんかこう見ると兄妹に見えるな。髪の色も似てるし。」

 

「そうか?」

 

何気にそんなことを言うコウタ。それに反応したのは珍しくソーマだった。

 

「あながち間違ってないと思うよ。シオは人に近いアラガミで君たちゴットイーターはアラガミに近い人間なのだから要は比率の問題だ。」

 

賛同するようにサカキがそう言うとシオが明るい表情に変わる。恐らく褒められたと思ったのだろう。

 

「となると僕たちゴットイーターとアラガミは親戚かなにかですか。」

 

「うわーそれって俺ら家族間で殺しあってるってことじゃねーか。」

 

「コウタが兄妹とか言うからだよ。」

 

「ミンナトモダチミンナキョウダイ!!」

 

「フッ…友達…兄弟…か。」

 

声大きくシオがそう言うと場が少しばかり和んだがライは小さく呟いた。

 

…その表情はまるで嘲笑するような見下すような表情だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい。」

 

「なんだい?」

 

これから任務ということでサカキの研究室を出てきたライとソーマ。

 

「シオが友達やら兄弟やら言ったあと、なんであんなこと呟いた。」

 

「呟いた?僕が?」

 

「しらばっくれんな。これでも耳もいいんだ。呟いただろうが。」

 

ソーマにはライの呟きが聞こえてたようでライを問い詰めるが何故かライの方は覚えてないような反応をする。

 

「…覚えてないのか?自分が言ったことだぞ?」

 

「すまない。覚えてない。」

 

「無意識に言ったのかもしれないけどね。もしくは“もう1人“の僕が呟いたのか。」

 

「もう1人?だと?」

 

「博士には言わなかったけどプリティヴィーマータ戦ではなんか僕の中から声が聞こえた気がするんだ。」

 

朦朧としてたのは本当だから確証はないけどねと続けるライ。

 

「もしくはアラガミかもしれない。偏食因子とはいえオラクル細胞には変わりないし言い換えれば体内にアラガミを飼ってるようなものだしね。」

 

「お前…自分のことだろうが。なんでそんな他人事にように言うんだよ。」

 

「それは単純に自分自身に興味ないからだよ。むしろ僕が僕自身を嫌っている。憎んでもいる。」

 

あっけらかんと答えるライ。その姿にソーマは少しばかり恐怖を感じた。

 

「そういえば前にソーマに聞かれたね。なにをしにここにきただったかな?」

 

「あの時は答えなかったけど。多分僕は僕を殺すためにゴットイーターになったんだ。でもただアラガミに喰い殺されるなんて芸がない。僕は僕を徹底的に絶望させたいそして死にたい。」

 

「なんでお前がお前を憎む?」

 

「さぁね。記憶がないから理由まではわからない。でも人体改造されるくらい軽い命だ。そこまでの価値は僕にはない。」

 

「ああ、言っとくけど他のメンバーには内緒で頼むよ。下手にバレたら僕の念願が叶わなくなりかねないから。」

 

そう言いソーマに釘をさすライ。その際に見せたライの表情は恐ろしいものだったと後にソーマは語る。

 

「しかしここまで話すと僕は多重人格者なのかもしれないね。」

 

また他人事のようにそんなことを言うライ。しかしそれは聞いたソーマからすれば納得出来るような答えだった。

 

 

 

 

 

 




今更ながらギアスに出てくる集合無意識は別に神ではないんですよね?
批判するつもりはないですがコードギアスは謎は謎のままで終わってることが多い気がする。

ギアスも謎のままだしCの世界の説明もよくわからないしシャルル達がラグナレクの接続で集合無意識を殺してなにをしたかったのもわからないし。

なんとなくですがビスマルクの未来予知のギアスが暴走したらどんな感じなんだろう?

命令形ギアス(絶対遵守や記憶改竄)の暴走は大惨事だと思いますがマオやC.C.のギアスはそこまで暴走しても被害は少なそう。まぁ人間不信にはなるだろうけど。

ロロのギアスの暴走はずっと停止なのかな?心臓の負担はロロの欠陥とV.V.が言ってたし。

それはそれとして話はゴットイーター

ゼロレクイエムからゴットイーター世界は53年。
53年ならゼロレクイエム時代の20代が70代だから生きてる可能性はありそう。
そういう存在を出した方がいいですかね?

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