神喰らう無色の反逆者   作:COLD

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特務

後にシオの家出と呼ばれる脱走事件が解決したあと、とある人物にも大きな変化が見られた。

 

「最近、ソーマが気にかけてくるようになったのだが。」

 

「そうなんですか?」

 

「確かに。最近のソーマはリーダーとシオに優しくなった気がする。」

 

ゴットイーターの日課であるアラガミ討伐を終えて、帰投用のヘリを待っている中、ライは今回のパーティメンバーであるアリサとコウタに最近のソーマについて相談していた。

 

「嫌なんですか?」

 

「そうじゃないけど、いきなり態度が変わると性格柄裏がありそうで疑ぐり深くなる。」

 

「そうだよなー。特にあのソーマが優しくなると思うと何か起きそうで不気味だよなー」

 

「そうですか?」

 

「アリサ、例えば明日からコウタがすごく真面目になったらどう思う?」

 

「……気色悪いです。想像しただけで鳥肌が立ちました。」

 

「例えばの話なのになんかスゲー傷ついたんだけど。」

 

ライのたとえ話に即答するアリサ。鳥肌が立つほどに悪寒が走ったようだ。

 

「でもシオちゃんを見つけたのはソーマですからその時に何かあったんじゃないんですか?」

 

「それなら優しくなるのはシオだけだろ?」

 

「まぁいいじゃん。ソーマが丸くなったならリーダーも統率しやすいじゃん。いいことだろ?」

 

「…まるでソーマだけが問題児のような言い方ですね。あなたも大概ですよ?」

 

「いやー入隊当初のアリサに比べたらマシだと思うぜ?」

 

「な!?あの時のことを言うのはずるいです!!」

 

ライの話をそっちのけでアリサとコウタの言い争いはヒートアップする。そんな2人を見てライは…

 

「意外と相性は良さそうだな。君たちは。」

 

「それを聞いたアリサとコウタ(特にアリサ)は全力で否定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呼び出してすまない。」

 

アナグラに戻り、いつもどおりオペレーターであるヒバリに任務完了の報告をしたライだがその時に支部長室に来るようにと指示が降った。

 

いざ支部長室にくるとそこには任務に出る前までヨーロッパへと行っていた極東支部支部長であるヨハネスの姿があった。

 

「お帰りになられてたのですね。」

 

「ああ、先程帰ってきたばかりでね。」

 

そう言うヨハネスの横には鞄が置かれていた。

 

「ヨーロッパを周っている時も君の活躍は耳に入っていたよ。君と言う優秀で強力なゴットイーターが極東にいてくれて極東支部支部長として誇らしく思う。」

 

「さて、今回呼び出したのは以前、話せなかった『特務』の説明だ。エイジス計画も佳境を迎えた今、この特務が大事になってくる。」

 

「特務」

 

「特務は普通の任務とは違い、基本的には単独で遂行してもらう。さらに特務となった任務は最高クラスの機密情報として扱ってもらう。故にいくら同じ部隊所属の者にも話すのは禁止だ。」

 

「また、この特務は全て私直轄の案件だ。報告も全て私にするように。」

 

「さらにその特務で得た素材全ても私に提供するように。そのかわり、それ相応の報酬を用意しよう。」

 

一通り特務について説明をするヨハネス。

 

「リンドウ君も相当の活躍をしてくれた。そんな彼を失ったのは残念だ。」

 

「それは以前リンドウさんがウロヴォロスのコア剥離に成功したことを言っているのですか?」

 

「その通り。特務の対象となる任務は所謂禁忌種や接触禁機種の討伐がメインだ。君は既にリンドウ君と同格かそれ以上のゴットイーターであることを私が確信している。そして特務を言い渡すということは私から最大の信頼の証と受け取ってほしい。」

 

「話は以上だ。特務の発行はまた後日になるがエイジス計画を完全にするため、そして人類存亡のため力を貸して欲しい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します。」

 

支部長室を出るライ。特務の説明にあと、ヨーロッパでのお土産をもらって出てきた。

 

「遂にお前もこちらに来たか。」

 

外にはソーマが壁にもたれかかった姿でライを待っていた。

 

「ソーマ。」

 

「これだけ伝えとく。奴を信じるな。」

 

それだけ忠告するとソーマはエレベーターの方へと向かう。

 

取り残されたライは先程のヨハネスとの会話を思い出していた。

 

ライを期待し信頼する言葉。

 

ヨハネスの言葉は全て本心だろうとライは感じていた。

 

しかしライは高い洞察力を持っている。

 

ヨハネスの言葉にもう一つ感じていたものがある。

 

それは“空虚感”

 

これはヨハネスと話すたびに感じていたもので、ヨハネスの言葉に重みを感じなかった。

 

仮にヨハネスが嘘を言ったのならライは必ず看破していただろう。

 

しかしヨハネスの言葉は真実。だが言葉には重みがない。

 

故にライはヨハネスを信用も信頼もしきれないでいた。

 

言葉が空虚のヨハネス。記憶において空虚のライ。

 

ヨハネスの言葉の空虚に気づいたのはライ自身が空虚の存在だからかもしれない。




神機も人工的とはいえアラガミだからコアを喰い続けたらノヴァになるんじゃないかと疑っている最近の作者です。

まぁ人為的に手を加えられてるから抑制はされてるでしょうが。

それはそうとアーク計画のノヴァはやはりアイーシャなのでしょうか。

アラガミ化したアイーシャを核としてあらゆるアラガミのコアを与えてあんな巨像クラスのノヴァに仕立てあげたのでしょうかね?

とまぁ世間話まがいはこの辺にして次からリンドウの弔い合戦(ピター戦)に話が入ります。

そこで以前から考えているライのアラガミ化について、片鱗くらいは出せればと思っています。

ようやく折り返し地点を越えた無印。去年何ヶ月かサボったとはいえなんとかここまで来ました。

ギアスの在り方はまだ考え中ですが一応出せればと思っています。

アラガミ化したらギアスの紋様が浮き出るというのもありか?知らぬ間にライがコード所持者になってて不老不死というのも…

正直プロローグでC.C.がCの世界に連れてったのでなんかしてそうだし。

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