「お前達第1部隊の新たな仲間を紹介する。待望の新型神機使いだ。」
珍しく第1部隊全員が招集された。招集を掛けた張本人のツバキからその内容が伝えられる。
「はじめまして。『アリサ・イリニチーナ・アミエーラ』です。本日1200(ヒトフタマルマル)付でロシア支部から此方の支部に配属となりました。」
新たな仲間は白い肌と赤を基調とした帽子や衣服が印象的な少女だった。年齢はコウタと同年代くらいか。
「女の子ならいつでも大歓迎だよ!!」
「…よくそんな浮ついた考えでここまで生きてこられましたね。」
「え…?」
歓迎するコウタにアリサはまるで呆れるような軽蔑するような言葉を返す。
「彼女は実戦経験こそ少ないが演習では抜群の成績を残している。追い抜かれないように精進するように。」
「り…了解。」
アリサの言動は神機使いとしての誇り(プライド)を持っているからだろう。そしてその言動に裏打ちされた実力を持っていることも今、ツバキに実証された。
「アリサは今後、リンドウと行動をするように。」
「了解しました。」
「リンドウは資料等の引き継ぎがあるので私と来るように。他の者は持ち場に戻れ。」
ツバキの号令により解散となる。ツバキはリンドウを連れてエレベーターの方に向かい、残された者はアリサに自己紹介をする。
「皇ライだ。よろしく。」
「…貴方が極東支部初の新型神機使いですか。」
「まぁそうなるね。それにしても僕を知っているような口ぶりだけど。」
「此方の支部長から話を聞いていましたから。とても優秀な神機使いと聞いてます。」
「買い被りすぎだよ。」
「謙遜ですか?その必要はないと思いますが。」
「なにが言いたいんだい?」
なにやら不穏な空気が漂い始める。それに気づいてるのか気づかないふりをしているのかわからないがアリサは言葉を続ける。
「私達は新型神機に選ばれた存在です。旧式神機使いとは違って個人で状況を打破できる力を持ち合わせています。これから神機使いの主流は私達になります。今は私達2人ですがだからといって肩身を狭い思いをする必要はあるとは思えません。」
「別にそのつもりはないよ。それに新型や旧型関係なく神機使いは神機使いだ。だから新型だからといって旧型神機使いを悪く言うのは間違っている。」
「…ガッカリです。貴方も私と同じ考えの持ち主と思っていたのですが。」
「人の考えは個人それぞれだ。君の考えを僕は否定しないし僕の考えを君が理解する必要もない。」
「そうですか。なら私は私の思想、信念で貴方より優秀だということを証明します。まぁ私より優秀な神機使いなんて存在しませんがね。」
そう言うとアリサはこれで話は終わりとばかりに去っていく。
「絶対的な自信…か。」
その後ろ姿を見つめながら静かな口調で呟くライ。
ライにはアリサのような自信は持ってない。
ないから情報を頭に叩き込みその情報を下に策を練り、時に臨機応変に対応に繋げる。
それを自信にするには考えた策で結果を残さなければならない。
故にライはアリサのような自信を持てない。
だから羨ましいのだ。
自身に絶対的な自信を持てるアリサが…