部隊配属となってもゴッドイーターのすることは変わらずアラガミとの命のやりとりの日々が続く。
すべてはエイジス計画の遂行。その為に…
『ミッション終了。お疲れ様です。』
『愚か者の空母』そこで任務を達成したライに通信越しにヒバリから任務終了の種を伝えられる。
今回討伐したのは鮫の顔でその頭部には砲身のようなものがついたアラガミ『グボロ・グボロ』。
そのアラガミをライは単体で倒した。
今のライは時間が掛かるが中型種のアラガミ1体ならライ単体でも討伐できる実力を有していた。
「もう少し早めに片付けられた。スタングレネードが効いてる内に倒しきれなかったのは課題だな。」
今回の討伐で浮き出た自身の問題点を把握するライ。中型種と単体でやりあえれば十分な実力者ともいえるのだが当人は満足してないようだ。
「いろいろ試したけど1番使いやすいのはロングブレードだな。状況に応じてバスターブレードもありか。銃はスナイパーとブラストのアラガミに応じて使い分けだな。」
などと考えていると遠くからヘリの音が聞こえてきた。どうやら迎えがきたようだ。
「お疲れ様。」
「サクヤさん。お疲れ様です。」
アナグラに戻ってくるとサクヤに話しかけられた。
「頑張ってるみたいね。評判いいわよ。」
「そうなんですか?」
「ええ。さすが新型といえばいいのかしら。でもあまり無理はしないでね。」
笑顔でライを褒めるサクヤ。だがその表情が少し暗くなる。
「ゴッドイーターは凄い人程早死にしていなくなるの。それは期待の裏返しなのだけど…その期待が時に枷になることもあるわ。」
「特に君は新型としていろんなところから期待されてるわ。だけどそれを貴方1人で背負うこともないわ。私達は仲間なのだから頼ってもいいのよ。」
『はぁ…」
「だ・か・ら・あまり1人で無茶しないように!!ただでさえ問題児もいるし隊長は変に能天気だからこれ以上問題児が増えたら私でもフォローできないわよ。」
『は…はい…」
凄むサクヤに怯むライ。サクヤからすればライは自分と同じストッパー側にいてほしいという切実な思いだろう。
「よろしい。でも正直貴方やコウタが配属になってくれて助かったわ。今までは遠距離神機使いは私だけだったから火力不足は否めなかったし援護も偏りがちだったから。」
「貴方達が入ってきたおかげで役割分担もできるから作戦の幅も増えるからいいこと尽くしね。」
「さて、疲れてるのに呼び止めてごめんなさいね。もし任務で人手が足りなかったらいつでも呼んでちょうだい。」
言うだけ言ってエレベーターの方に向かうサクヤを見送るライ。
「心配してくれたのかな?」
「そうだと思いますよ?」
サクヤの言動を思い出して不意に出た呟きが聞こえたのかヒバリが返答する。
「気をつけよう。」
サクヤの心配の返事なのか独り言の方なのかそれとも両方なのかとりあえず気をつけようと決意したライだった。