『鎮魂の廃寺』にてコンゴウ討伐の任務についたライ。
今回の同行者はコウタでこの任務は実地演習の総仕上げの面もある。
任務達成後、ライとコウタは正式に部隊配属となり訓練兵の肩書きがなくなり、1人のゴッドイーターと認められるのである。
とはいえ極東支部ではヴァジュラを1人で倒せれば一人前と認められるそうだが…
『アラガミの結合崩壊を確認。もう少しです!!」
無線からオペレーターのヒバリの声が響く。
「コウタ。援護!!」
「了解!!」
ライの指示に応えるようにコウタの神機のアサルトがコンゴウに火を噴く。その隙にライが接近し肉薄になったコンゴウにブーストハンマーを振るう。
勢いよく振るわれたハンマーにより吹き飛ぶコンゴウ。さらに追撃でブラストで連射。
コンゴウも残る力で衝撃波を放つが放たれるまで時間が掛かるため、容易に回避される。
「これで!!」
神機を捕食形態としコンゴウを喰らうそしてそのまま近くの建物に叩きつける。
これが決定打となりコンゴウは倒れた。
かくしてライとコウタは実地演習最後の試験任務を達成した。
「よくやった。これでお前達の実地演習訓練を終了とする。並びに双方共にフェンリル極東支部保守第1部隊配属を言い渡す。これからお前達は訓練兵ではなく、1人のゴッドイーターとなる。励めよ。」
ツバキに辞令を言い渡され最後に激励を受ける。
「報告は以上だ。」
そう言うとツバキはエレベーターの方へと向かう。
「はぁ…やっとゴッドイーターになれた…」
「おめでとう。」
「お前もおめでとう。同じ部隊だしこれからもよろしくな。」
そう言って拳を突き出すコウタ。それに習いライも拳をぶつける。
「よう。」
「リンドウさん。」
拳をぶつけているとエレベーターからリンドウ、サクヤ、ソーマの第1部隊の面子が出てきた。
「ツバキ教官から聞いたわ。私たちの部隊に所属になったのね。」
「新型の方は使えそうだが、お前大丈夫か?」
「大丈夫だよ!!」
三者三様の歓迎の言葉を掛けられる。ソーマとコウタの仲は悪そうだが…
「ソーマ。折角仲間が増えたんだ。そう言うなよ。」
「すぐ死にそうな奴を仲間と思えと?」
「ソーマ!!ごめんなさい。」
サクヤがソーマの代わりに謝罪する。
チームとしては妙にバラバラに見えたライだった。
「まぁうちはこんなところだ。面倒な奴もいるが仲良くやってくれ。」
場を纏める様にそう言うリンドウ。
「よろしくお願いします。」
ライもその後に一礼しながらそう言った。
「そうか。もう部隊配属となったか。」
「はい。これでエリックの穴は防げたと思います。」
支部長室でツバキから報告を受けるヨハネス。
「君から見て新型の彼はどう映る?」
「優秀ですよ。戦術理解も早く、状況判断も早い。さらに実戦での臨機応変の対応もできますし並みのアラガミなら討伐できると思います。」
「ほう。普段厳しい君がそこまで言うのは珍しい。」
「教官として見た結果です。ですがやはりどこか寂しげな印象を受けます。新型は奴1人ですから…」
「そのことだが本部からも新型の適合者探しを優先する様に指示がきている。その寂しさも新型が増えれば拭えるだろう。」
「そうか。もう実戦に入ったか。」
ツバキが退室したのを確認したヨハネスは1人呟く。
「彼が来たならもう"彼"は必要ないな。」
「私の周りを嗅ぐ"狗"には早々に消えてもらおう。」
そう呟くとヨハネスは"とある人物"に連絡を取る。
「私だ。こちらの準備は整った。そちらの調整はどうだ?」
「そうか。ならばこちらに赴いてもらおうか。もう1人の"新型"にね。」
そう言うヨハネスの眼光は怪しく光った。しかしそれを見たものは誰もいない。
目標としていたゴールデンウィーク中に3話投稿できました。