やはりこの恋は……   作:すのどろ Snowdrop

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雪ノ下と由比ヶ浜と別れ数年。俺は都内の大学2年生になっていた。一色は再び俺の後輩。相変わらずあざとい。


いろは√
1話


八幡sidestart

 

「せーんぱいっ」

 

(うわ……)

 

俺の大学でのベストプレイスに来たのはあざとい後輩、一色いろはである。

ちなみに今のベストプレイスは大学の喫煙所近くの茂みで覆われたところ。

 

「今うわ、とか思いませんでした?」

 

と言いながら俺の隣に座った。体が触れ合うほどに近くで。

 

「言ってない。あとあざとい」

 

「失礼ですね!あざとくなんて「なくはないだろ」むぅ〜」

 

「ところでですね、明日暇じゃないですかー」

 

「いや知らねーよ」

 

「先輩のことですよー」

 

「………………………、あぁ、暇だが」

 

何故箸を落とした………。しかも驚愕の表情を浮かべて俺を見ている。そして俺は無視してその落とした箸を拾い、いろはす(水)で適当ではあるが洗った。

 

「そんな……、あの先輩が……自分から暇だなんて言うなんて……。なんですか誘ってるんですかそれとも誘ってほしいんですか確かに誘ってますけどやっぱり先輩から普通に誘ってほしいですお願いします。あ、あと箸ありがとうございます。……先輩の方があざといですよ」

 

俺の心情(^ω^#)

最近俺を振り切れて無いしなぁ、一色。しかも息切れするなら区切れよ。そして俺はあざとくない!断じて否だ!

 

「うるせぇよ、はぁ……はぁぁぁぁ………、…………あー、そういや明日お前の誕生日だったな。」

 

一色の顔が赤い。怒らせちまったかぁ。でもたまには信じるのも一興か。今更どんなことあったって変わんねーしな。

 

「明日、うちに、来い。じゃあな」

 

そう言い残し俺はここを後にした。

 

なんか命令形で言ったらぞくぞくした!

色々目覚めそう!

 

八幡sideout

 

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いろはsidestart

 

先輩が私の誕生日を覚えていてくれてた。しかも先輩から誘ってくれた。いざとなったら脅……穏便に話し合いで説得しようと思っていたのに。あんなに強引に言われたら行かない訳にはいかないじゃないですか。先輩のばか、ボケナス、八幡、大好き……。

 

そのまま1人残された私はそんなことを考えて更に赤くなる。むしろ血が出てきそう。色んなところから。私はそのまま1時間過ごしてしまった。

 

それに……、先輩に命令された時ぞくぞくきちゃった……。私ってそういう性癖なんですかね?

 

いろはsideout

 

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八幡sideRe:start

 

ついあんなことを口走ってしまった。なんであんなこと言っちまったんだろうか……。はあ、なんて言い訳しようか。言い訳なんてできないけど。来るかどうかは別として午後の講義サボって準備するかー。一年前までの俺だったら絶対そんなこと言わなかったな。

あぁ、今更後悔。でも一々小町に色々言われそうだし黒歴史掘り起こされそうだし。仕方ないと割り切ろう。

それにしてもあの頃の俺はあんなことを何故言ってしまったんだ。

 

『俺は……俺は……それでも……それでも、俺は……本物が欲しい……』

 

イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろーーーーー!俺!!

あれ、ここ、俺の家?

いつの間に。よし、切り替えよう。準備だ。まず小町。

 

『どしたのー?お兄ちゃん。あと1分早かったら先生にスマホ取られてたんだけど』

 

「いやマナーモードにしとけよ……。ちょっと用があるんだが学校終わったら迎えに行くしこっち来れるか」

 

『ほーん?まぁ、別にいいけど。終わったら連絡するねー』

 

「おう、またあとでな」

 

電話を切る。

まぁ、メールだけで事は済むんだが、小町の顔がみたいからな。週3で会ってるけど。ていうか家に来るんだけど。

 

さて、今は13:18。あの頃は思いもしなかった。仕事だ。誰だよ将来専業主夫になりたいとか言ってた奴。俺だよ。

 

 

 

時は流れ1年後。嘘ですごめんなさい。3時間後。

俺は学校まで小町を迎えに行くついでに一色へのプレゼントを買いにららぽーとへとやってきた。もちろん1人だ。むしろいつも1人。ふひっ

 

あいつが欲しそうな物。うぅむ、ネックレス、高い。指輪、色々言われるから却下。ブレスレット、高い。化粧品、俺は知らん。ヘアピンが無難か。

てか俺ってあいつに似合うヘアピンを選べる気がしないんだが。

 

「いらっしゃいませ、何かお探しでしょうか。」

 

うるせぇな、鬱陶しい。

 

「彼女へのプレゼントを」

 

「そうですか、では、これなんかどうでしょう」

 

差し出してきたのは白い桜の花弁の形をした髪飾りだった。

なかなかいいのではないだろうか。

 

「あ、それ良さそうですね。それでお願いします」

 

「かしこまりました。包装致しますのでしばらくお待ちください。」

 

意外と高かった。まぁ、一色が喜んでくれればそれでいいんだがな。

 

八幡sideRe:out

 

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いろはsideRe:start

 

その日の授業は全て頭に入らなかった。授業だけでなく友達の話も、知らない男子共の話も(これはいつも聞いていない)、知ってる男子共の話も(これもいつも聞いていない)。つまり、頭に残っているのは先輩に明日誘われたことのみだ。何してくれるんだろ。濡……興f……。楽しみだなぁ。

私がこんなのになったのは先輩のせいだ。先輩のせい先輩のせい先輩のせい先輩のせい!

もっと一緒にいたい話したい色々なところに行きたい。

そして、どんなことでも受け入れたい……。

そんなことを考えてた私はいつの間にか自分の家に着いていた。

先輩のこと考えてると時間過ぎるのが早いなぁ。

あ、私から同棲の提案してみようかな!この想い、もう止められない。明日、私は先輩に言う。この想いを伝えて……。私はフラれるんだろう。先輩は私を妹みたいに扱ってるしなぁ。でも勇気を出して……。

 

いろはRe:out

 




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