やはり一色いろはの部活はまちがっている。   作:としまん

2 / 4
いろはす成分すくなめ・・・
いろはす好きなのに・・・・・・
もっといろはす書きたい・・・・・





やはり一色いろはの部活はまちがっている。2

「50番から60番の方ー」

 

ライブハウススタッフが、チケットの整理番号を読み上げる。

 

「あ、私たちの番号ですよ。いきましょう先輩」

 

「お・・・おう。」

 

一色いろはに連れられて、人生初のクラブハウスに足を踏み入れたのだった。

 

クラブなんて非処女、非童貞がいくところと思っていたけど童貞でも入れるんですね。ちなみに俺の認識では一色はひしょ・・・

 

「・・・・先輩。なんか失礼なこと考えていませんか?」

 

「・・・・いや、べつに。」

 

「そうならいいんですけど。」

 

あぶない。あぶない。あいかわらず女のカンってやつは鋭すぎて怖い。

 

「あ、先輩。ドリンク代は500円だそうです。」

 

「ドリンク代?」

 

「こういうクラブハウスに入るときは、たいていドリンク代が別途でかかるんです。」

 

「・・・んだよ。それ。チケット代の中に入れるか、チケット代下げればいいのに。」

 

「ですよねー。」

 

そんなやりとりをしつつ、ドリンク代を受付スタッフに渡し中へ入る。

 

ドリンク代をもっとごねてもよかったが、人生初のクラブというやつに少しだけドキドキというか好奇心が勝っていたので素直にしたがったわけだ。

俺ってなんかリア充になりつつある?

一色は俺にオタクにしてくれって依頼してないのにさ。

 

中に入ると50人くらいの人がステージの正面にいたが、横1列15人ってところか?俺たちは前から5列目の中央くらいのところに位置することができた。

 

でも、周りみんな女。

 

すっげー居心地悪いです。はい。なんで俺ここにいんの?

 

「よかったですね。先輩。けっこういいとこじゃないですか?」

 

「そんなもんなのかね?っつか座るとこないの?」

 

「ないですよ?オルスタですから。」

 

「は?オルスタ?」

 

「は?先輩、まさかオルスタを知らないんですか?」

 

え?なにこいつ?こんなのも知らないの?信じらんないってリアクションで一色がからんでくる。

 

「ばかをいえ。知ってるにきまっている。オルスタっていうのは今年ZOZOマリンで開催される予定で、今年こそはファン投票で選手を送り込みたいよな。去年はファン選出0だったから・・・」

 

「はいはい。オルスタってのはオールスタンディングってやつですよ。先輩、わたし場所確保してますから、ドリンクとりにいってきてください。」

 

俺の溢れんばかりの千葉ロッテマリーンズ愛のトークを中断して一色は入り口で渡されたドリンク引換券を渡してきた。

ちくしょう。今年こそは大地と田村はファン投票でおくりこんでやる。

そして一色は始球式また連れてかないでやろうか。

 

ぎゅううううう。

 

「いたっっ!なにすんだお前。」

 

するとそこには俺の腕をつねっている、とっても素敵ないろはすスマイルさんがいらっしゃいました。

 

「先輩。今、なに考えてました?私、エビアンでお願いします。交換はあそこのカウンターバーですよ。」

 

こわ!いろはすこわっっ!

(お前くだんねえこと考えてないでとっとといってこいよ。次の始球式は私も連れてけよ。)

なんて考えてるんだるうか。

 

「は、はい。」

 

抵抗しないでとっとと行くとしますか。

 

カウンターバーはフロアから少しだけ離れたところにあってちょっと怖めのおじさんが接客していた。

俺はチケットを2枚だしてメニューを見てみる。

なんだこれ?聞いたことのない品ばっかりがあるメニュー表だ。

シンデレラとかサラトガクーラーとかプッシーキャットとか想像もつかない。

プッシーキャットとかなんかエロくない?

メニューを前に固まっていると

 

「ご注文は?」

 

カウンターのおじさんが聞いてきた。

こわいよ。客商売でそれってありなの?

うさぎです。って返せるふいんきじゃないよ。

迫力がシティーハンターにでてくる海坊主くらいあるよ。

 

「あー。エビアンと、あ、その、、、マッ缶ってあります?」

 

「・・・・」

 

沈黙。

 

あ、ないな。っつか怖いよこの人。

にらまないで。ちょっと涙目になりそうになっていると。

 

「あるよ。」

 

おじさんは、カウンターの下からエビアンとマッ缶の500PETを出してきた。

 

あるんだ。

 

ペットボトルだから正確にはマッ缶とは言えないけれど、正真正銘、千葉のソウルドリンクがでてきた。

すげーや!シティーハンターだと思ったら、HEROだった。

 

そうこうしているうちに人も続々と入り続け、フロアの混雑もちょっとした混雑した総武線なみになってきた。

俺は、一色のところに戻ると、エビアンを手渡し、俺の分のマッ缶の蓋を開けエナジー補給。

 

「マッ缶・・・あったんですね。」

 

あざとさを忘れて素で驚ている一色

 

「おう。カウンターの人が『あるよ』って言ってだしてくれた。」

 

「はあ。」

 

なにそのリアクション。一色らしくないな。

 

するとフロアが一段と暗くなり、反対にステージにスポットライトが集中した。

 

袖から金髪の男性。本日の主役であろう朝倉大介とおもわれる人物がが登場すると会場のボルテージは急騰し、

 

 

 

俺のテンションは底をついていた。

 

あ、リア充だ。

 

はい。目を輝かせている一色さんの隣で、八幡さんは、死んだ魚のような目をさらに昏くしていました。

 

『こんにちはー。王子様がお姫様たちにあいにきたよー。』

 

自分で王子様とかいっちゃいますかね。

 

で、なにゆえ王子さまはチーバくんとぴーにゃっつを持っているんでしょうか。

 

「先輩。大ちゃんチーバくん持ってますけど、もう片方はなんでしょうね。」

 

一色が俺に小声で聞いてくる。

あ、あの人、大ちゃんっていうんだ。

 

「あれは、千葉県完全非公式観光大使ぴーにゃっつだ。ピーナッツ柄の猫で特技はかわいい。だ。」

 

マリーンズ検定より厳しい千葉検定マスターの俺にかかればこんなのはちょっとした豆知識の範疇。

それにしても公式のチーバくんと非公式のぴーにゃっつを並べるとはなかなかやるな。

そういえば船橋の梨農家の知り合いが❍ナッシー殺してえっていってたのをおもいだしていると。

 

『今、言ったの誰!?』

 

えっ!?ひろってきましたよ。マジですか?

やめてくれよ。目立つのは苦手なんだ。

そうおもって体をちいさくしていると

 

「はーい(^O^)/」

 

一色さんてば俺の腕をつかんであげて返事しちゃいましたよ・・・。

 

『あ、男子きてくれてるんだ。ありがとねー。そう。これ、ぴーにゃっつ。かわいーでしょ。』

 

注目されて居心地わるい・・

と思いきや、そんなことはなかった。

俺に注目する人なんてまったくなく、ステージ上に

 

「かわいー。」「大ちゃんのほうがかわいー。」

 

と、ガールズ達が声をかけていた。

 

『ありがとー。でもみんなのほうがかわいーよ?でもね、僕の魔法でもっときれいにしてあげる』

 

フロアから悲鳴とも歓声ともいえる声があがり

 

朝倉大介の千葉部活の一曲目

 

ディスティニープリンセスメドレーが流れはじめた。

 

 

 

そのころ

 

「こんなところにいてもしょうがないし、帰りましょうか。」

「えーっ?もったいまいよー。千葉まできたんだから、そごうでも行ってあそぼーよー。」

 

千葉駅前で、ゆきのんと由比ヶ浜がゆりゆりしてましたとさ。まる。

 

 

 

 




うちの八幡君はリア充苦手です。
でも千葉好きなひとにはガードが下がります。
でてくるカクテルはすべてソフトドリンクですが、実際のクラブだと置いてあるとこはまずないです。
次回は、いろはす目線で書いてみたいと思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。