活動報告のSSは健全な人は見ちゃダメですからね!!
※番外編時空は、本編とは一切の関係がございません。
※多分よく似たパラレルワールド
【翡翠レストラン開店記念SS】
UPO内において、1つの噂がある。
第3の街【ギアーズ】には、1つの奇妙なカフェが存在していると。
曰く、そのカフェには一定の条件を満たさないと頼めない裏メニューがある。
曰く、そのカフェはプレイヤーを食べるプレイヤーが集まっている。
曰く、その主人は極振りのヤベー奴。
曰く、曰く曰く曰く……ゲーム内の掲示板を探せば、ある時期より大量にヒットするようになるその情報。それは、ほぼ全てが布教班による真実である。
『Café du jade』
見た目はおしゃれなカフェだが、裏はちょっとアマゾン御用達なヤベーイ店である。別名『(店主にとって)注文しないでも料理が来る料理店』高難度イベントの翡翠食堂に満足できなかったプレイヤーの有志と、翡翠ちゃん本人の意思で作られた聖地である。
そんな場所が完成した経緯を、ほんの少しだけお見せしよう。
◇
少女は、どこか物足りない気持ちでUPOにログインしていた。
あの高難度イベントが終わってから、何かが物足りない。あの時味わったプレイヤーの味は忘れられない。
ひたひたと散歩する。
ゆらゆらの頭はからっぽで、
きちきちした目的なんてうわのそら。
くぅくぅおなかが鳴りました。
やっぱり解決するには、自分であの場所を作るしかない。そう決心したのが数日前。それなのに何故か、建設予定地には資材が山のように積まれていた。
「どうしてでしょう?」
見覚えのない最高級品の山。それも、何故か自分宛に使って欲しいと書かれたメッセージカード付き。
「何故ですかね……どうでしょう、良いですね」
圧縮された独り言を呟き、どこか納得した様子で少女は頷いた。理由は知らないけれど、とりあえず利用することに決めたらしい。
翌日にも、翌々日にも、更にその次の日も、毎日毎日同じように素材の山が届けられていた。
「助けましたっけ?」
特に鶴か地蔵辺りを。そんなことを考えている間にも素材は溜まり続け、気がつけば
「おかしいです」
こう何度も自分に都合の良いことが起これば、誰だってその異常性に気がつく。それは極振りだって例外じゃない。
「まあいいです。作りましょう」
しかし、欲望に忠実であってこその極振りだった。僅かな迷いは秒で切り捨てられ、ここに自身の望む空間の建造が決意された。
そうして始まるのは、トントン拍子という言葉すら生ぬるい程の爆速建築。ザイルと呼び集められた隠れファンによる、ゲーム特有の超速建築だった。されど一切のやっつけ仕事はなく、毎時完成度が上がっていく様は正に変態の所業。
そして数日も経たず、店は完成した。
「完璧です……」
佇まいはお洒落なカフェで、内装とメニューも(常識的範囲で)完璧、大通りに面した姿はプレイヤーの目を引くこと間違いなしだ。
そうして真っ当な収入源を得つつ、地下の土地を買い取って作った階層には別の施設を作ってある。あの高難度ダンジョンの再現は出来ないが、運営に申請してフリーで対戦ができる空間が設定されてある。同類からの有難い計らいであった。
実は開店以降、裏の賑わいと共に表のカフェ業が『UPO内で美味しい飯屋ランキング』のトップ争いをすることになるのだが、それはまた別の話。
【ユキセナ藜でちょっとえっちなSS】
ことの発端は、空さんがうちに泊まりに来たことだった。高校に進学してから稀に起きるようになったのは、すでに沙織がそうだったから構わない。でも問題なのは、そのタイミングが重なったことだった。
「あ、とーくん一緒にお風呂入ろ?」
「なら、私も……」
でもって、沙織がふざけて言ったその言葉に空さんも乗ってきてしまったことが、最大級の問題だった。普段なら冗談で流せるそれが、空さんの対抗心によって現実化する。してしまう。
「えー、あー、不純異性交遊になるし、流石にマズイでしょ」
「私は水着持ってきてるし」
「実は、私も」
「なんでそんな、準備いいんですか……」
何故このタイミングで持ってきている……あ、いや、そういえば今日はプールあったっけ。そこから逆算するに、これは計画的な犯行で間違いない。計ったなぁ!
「いや、でも、3人で入れるほどうちの風呂は広くないじゃん。物理的に無理だって無理」
「なに言ってるのとーくん? ここのお風呂、昔からものすごく広いよね?」
「え?」
「私も、初めて来た時、びっくりした、です」
「あれぇ?」
何か記憶違いが起きている。額に手を当てて考えてみるけど、うちの風呂は至って一般的な風呂だったはずだ。断じて広いものではない。
「そんなに疑うなら、直接見て来たら?」
「そうだね、一応見てくる」
もし広かったら、一緒に風呂に入ることが出来ない言い訳が本当になくなってしまう。だからそんなことはない、そう思っていたのだが……
「うっわマジで広くなってる」
具体的に言うなら、アニメ版の○物語シリーズの風呂場並みに。そのくせ湯船はいつものサイズ。絶対におかしい。いやこれやっぱり空間捻じ曲がってるでしょ。
「ほらほら、大丈夫だから早く入ろ、とーくん」
「逃がさない、です」
「ファッ!?」
驚愕に固まっていると、いつの間にか両隣に水着に着替え済みの2人がいた。2人ともイベントで見たのと酷似した水着……というか、あのイベントの時そのものの格好をしていた。
目のやり場に困る肌色の多さと、掴まれた手から伝わる柔らかさがヤバイ。
「とーくんが頼むなら、前だって洗ってあげるよ?」
「恥ずかしい、です、けど。もし、そう言って、くれるなら……」
あっ(察し)このまま風呂に入ったら確実に喰われる未来が見えた。サンキューモナド。サンキューシュルク。某大乱闘叩き込み兄弟達でも助かってます。
「捕まってたまるか!」
そう思って駆け出す。そのままいつものように、加速紋章を使おうとして……ゲーム内じゃないのにそれが出現した。
「は?」
しかも真っ当に作用した。
何てことだ……射出された体は止まらない、加速する! そうして何故かそこにあったステンドグラスを突き破りアイキャンフライ。飛び出した先は崖だった。
「はぁッ!?」
あまりの意味不明さに叫びつつ、唐突な落下する感覚に襲われた。その時、脳裏に電流が走る。ああつまり、この支離滅裂なコレは──
「……夢か、やっぱり」
地面に叩きつけられる直前、目が覚めた。
見慣れた天井だ。あの事件以降、沙織に加え空さんが泊まりに来ることも増えたから、微妙に女の子の匂いが混じるようになってしまった自室だ。
「んぅ……とーくんのえっち……」
「確かに、あんな夢を見てる辺りそうかもな……」
いつも通りベッドに潜り込んできていた沙織の寝言に、思わずそう呟いた。欲求不満なのかもしれない。ビルの資材は腐るほどあるし、今度また第四の街……は無理だから、第五の街でも爆破しよう。事前にアナウンスしてからだけど。
そんなことを考えながらスマホを見れば、時刻は既に午前4時過ぎを示していた。
「ご飯作ろう……」
お弁当も、一応沙織の分まで作るか。昨日そんな話は聞いてないし、どうせ持って行くだろうから。
「ん、やぁ……」
「はいはい」
抱き枕にされていた腕を引き抜き、ベッドから降りる。その後、なんか不満そうな顔をしていたので、軽く頭を撫でてから毛布をかけ直した。
「ご飯……作る前に、軽くランニングしてこよう。うん。そうしよう」
さっきの夢を見る前に、もっと過激な夢を見ていた気がする。そのせいか、なんというか、男子特有のムラっとした感じがするのだ。そういう時は、全力で走って雑念ごと吹き飛ばすのが一番である。
「あー……起きた時いないとアレだし、書き置きしとくか」
1時間もかからないとは思うけど。『ランニングに行ってきます』くらい書いておけば問題ないだろう。
「行ってきます」
そうして俺は、日も昇り切らない街中に駆け出した。
作者はスマブラクソ雑魚ナメクジ勢です。
使えるキャラ?ピット・ブラピ・シュルク・ガノンおじさんです