クロスアンジュ LIGHTNING EDITION ~天使とドラゴンと五人の巨人使い~   作:ヒビキ7991

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番外編
番外編①/激闘?天馬の妻に相応しいのは誰だ!?《前編》


~喫茶アンジュ~

 

 

ロザリー

「だーかーらー、違うって!」

 

クリス

「違うのはロザリーの方だよ!」

 

 

エンブリヲとの最終決戦から数ヶ月が経ったある日、喫茶アンジュではロザリーとクリスが何やらもめていた。

 

 

アンジュ

「あの2人どうしたの?」

 

タスク

「また喧嘩か何かかな?」

 

 

カランカラン

 

 

店の扉が開き、ヒルダと剣城がやって来た。

 

 

ヒルダ

「ようアンジュ!」

 

アンジュ

「いらっしゃいヒルダ。剣城もいらっしゃい。」

 

 

さらに2人に続くように、サリアと神童、エルシャと霧野、ヴィヴィアンと信助、さらにサラマンディーネがやって来た。

 

 

アンジュ

「あら、みんな来てたんだ。」

 

 

一同はテーブルに着き、アンジュは皆に水を配って回る。

 

 

サリア

「こんにちはアンジュ。喫茶店の方はどう?」

 

アンジュ

「問題無いし順調よ。サリアの方こそ、コスチュームデザイナーの方はどうなのよ?」

 

サリア

「それがね聞いてよ!この間私がデザインしたコスチュームが、あの大人気アイドルグループ《ライディング・ガールズ》、別名《R.D.G.S.》の衣装に採用されたの!」

 

ヴィヴィアン

「それマジ!?凄いじゃんサリア!」

 

 

サリアの話に興奮するヴィヴィアン。

 

 

サリア

「でしょ?で、今度はある男性アイドルグループのコスチュームを依頼されてるの。神童、コスチュームが完成した時はよろしくね?」

 

神童

「分かってますよ、サリアさん。」

 

 

あの一件後、サリアはコスチュームデザイナーとして活躍し、日々様々なコスチュームを考案している。時にアンジュやヒルダ、さらには神童に自身の考えたコスチュームのモデルとして試着を依頼しているとか。

 

 

エルシャ

「そういえば、ヴィヴィちゃんはこの間サッカー部の一軍選手になったのよね?」

 

ヴィヴィアン

「うん!今はまだベンチだけど、このままレギュラー狙おうと思ってるんだ!」

 

信助

「ヴィヴィアンさんならきっと成れますよ!僕、応援してますからね!」

 

霧野

「俺も応援してますよ。」

 

 

ヴィヴィアンはつい最近、雷門サッカー部二軍から一軍のメンバーに選ばれた。と言っても今はまだベンチだが、ヴィヴィアン本人は信助と同じチームになれて凄く嬉しいらしい。

 

 

サリア

「ヒルダはどうなの?家政婦業には馴れた?」

 

ヒルダ

「いや、まだ分からない所が多い。いつも京介の母さんに迷惑掛けてばかりで、正直申し訳ないよ・・・。」

 

剣城

「そんなことありませんよ。ヒルダさん家事も料理も凄く上手で、家に来てくれて凄く助かってるって母さんが言ってましたよ。」

 

 

ヒルダはアウローラを離れ、今は剣城の家で家政婦として同棲している。ここだけの話、いずれ剣城との結婚も視野に入れてるとかいないとか・・・。

 

 

ロザリー

「ったく、分かってねぇなぁクリスは!」

 

クリス

「分かってないのはロザリーの方でしょ!?」

 

 

と、一同は店の奥でもめるロザリーとクリスに気づいた。

 

 

サリア

「あの2人、どうしたの?」

 

神童

「また仲間割れですか?」

 

ヒルダ

「いや違う。あれは多分・・・自分達の選んだ男のどっちがイイ男かでもめてるんだ。」

 

ヴィヴィアン

「ナヌッ!?」

 

 

ヒルダの発言で一同は驚いた。

 

 

ロザリー

「アタシは断然錦だと思うぜ?言葉遣いとか少し変わってるけど、豪快で優しくて、一緒に居て楽しいからさ。」

 

クリス

「私は狩屋君だと思うな。少し口が悪くて攻撃的なところがあるけど、一緒に居て面白いし、ちょっとツンデレっぽいのが何か可愛くてさ。」

 

 

実はあの一件後、ロザリーは錦と、クリスは狩屋と交流を交わすようになったらしい。

 

 

ロザリー

「なるほどなぁ・・・そう考えると確かに狩屋も良いかも知れないな!」

 

クリス

「でしょ?でも、錦君も良いと私は思うよ?」

 

ロザリー

「だろ!?」

 

 

と、いつの間にかもめ合いは終息してしまった。

 

 

タスク

「いつの間にか終息したね・・・。」

 

ヒルダ

「本人達がさっきの会話聞いたら、どう思うかね?」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~河川敷~

 

 

錦・狩屋

「「ヘックション!」」

 

 

丁度その頃、河川敷でのんびりしてた錦と狩屋が同時にクシャミをした。

 

 

狩屋

「あれ、錦センパイ風邪スか?」

 

「おぅ………それか、誰かワシらの噂でもしとるんじゃろか?」

 

狩屋

「何となく誰がしてるかは検討が付きますけど………後で喫茶アンジュに寄ってみます?」

 

「じゃな!」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~喫茶アンジュ~

 

 

カランカラン

 

 

と、今度は天馬が喫茶アンジュにやって来た。

 

 

天馬

「お邪魔しまーす!」

 

アンジュ

「いらっしゃい、天馬!」

 

天馬

「あ、アンジュさん!こんにちは!」

 

 

入店早々共に笑顔を見せる天馬とアンジュ。

 

 

剣城

「おい天馬、こっちに来ないか?」

 

天馬

「剣城!それに皆さんも!」

 

 

天馬は剣城達のテーブルに着いた。すると・・・。

 

 

カランカラン

 

 

ナオミ

「絶対私だと思います!」

 

ココ

「いーや、私です!」

 

シルヴィア

「いいえ、私に決まっておりますわ!」

 

 

今度はナオミ・ココ・シルヴィアの3人が何やら口論をしながらやって来た。

 

 

アンジュ

「いらっしゃ・・・って、いったい何事?」

 

 

ダンッ!

 

 

と、突然3人が天馬の前に立ち、シルヴィアがテーブルを強く叩いた。

 

 

シルヴィア

「天馬様!」

 

天馬

「な、何ですか・・・?」

 

 

ヒシヒシと伝わるプレッシャーに少し恐怖する天馬。

 

 

シルヴィア

「そろそろハッキリして下さい!私達3人の中で、誰が天馬様の奥方に相応しいと思いますか!?」

 

天馬

「えっ!?え~っと・・・。」

 

 

突然の質問に困る天馬。だが一方で、同じ空間に居たアンジュ達も少し困った表情をしていた。

 

 

アンジュ

「何、まだ決着ついてなかったの?」

 

剣城

「無理ないですよ。天馬は善くも悪くも博愛主義ですからね・・・。」

 

 

剣城が少し呆れ気味に話す。

 

 

天馬

「え~っと、みんなとても良い人達ですから、俺なんかには勿体無いと言いますか、何と言うか・・・。」

 

ナオミ

「もう、またそうやってはぐらかす。これじゃ一向に進まないじゃん・・・。」

 

ココ

「そうですよ!全く・・・。」

 

 

天馬の回答に呆れ困るナオミとココ。

 

 

天馬

「いや、本心なんですけど・・・。」

 

 

「なるほど、これはこれは・・・。」

 

 

と、そこへ思わぬ客が現れた。

 

 

アンジュ

「ジャスミン!」

 

 

ジャスミンは入り口で腕を組み仁王立ちで静かに笑っていた。

 

 

ジャスミン

「悪いけど話は聞かせてもらったよ。ここはアタシが、一肌脱いでやろうじゃないか!」

 

 

嫌な予感しかしない………その場に居た誰もがそう思った瞬間であった。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~アルゼナル 食堂~

 

 

それから数日後、今では誰も使わなくなったアルゼナル食堂にて、あるイベントが開かれた。食堂の一角には大きなステージが設置され、ステージの前にはヒルダ達を始めとするメイルライダー全員や、剣城達を始めとする雷門中サッカー部とイナズマジャパンのメンバー。さらにアウラの民や、ミスティ達喫茶アンジュの従業員、円堂や豪炎寺といったサッカー部関係者達が集められていた。

 

 

ジャスミン

『アーアー、テステス、マイクテス。』

 

 

突然、ジャスミンがマイクを持ってステージに現れた。

 

 

ジャスミン

『えー、この度は皆々様、御忙しい中御集まり頂いた事、実に感謝しております。只今より、ジャスミン・モール及び喫茶アンジュ主催による・・・。』

 

 

バッ!

 

 

ステージの一番上に掛けられた幕が外れ、タイトルが姿を見せた。

 

 

ジャスミン

『第一回、《松風天馬のお嫁さんに相応しいのは誰だ!?コンテスト》を開催致します!』

 

 

神童

「本当にやるとはな・・・。」

 

サリア

「ジャスミンって時々妙な事するのよね・・・。」

 

 

歓声に混じって不安そうな声がチラホラと聞こえてきた。

 

 

ジャスミン

『司会はこの私、ジャスミン・モール店主ジャスミン!解説は、元アルゼナル総司令ジル!審査員は、木枯らし荘の管理人木野秋さん、雷門中サッカー部顧問音無春奈さん、そして、アウラの民の姫ことサラマンディーネさんです!よろしくお願いします!』

 

 

審査員席の秋と春奈とサラマンディーネ、実況席のジルは一礼をした。と、ジルの隣には何故か天馬の姿が。

 

 

天馬

「え~っと、これって俺が居る必要有るんですか?」

 

ジル

「当然だ。コレはお前が主役のイベントだからな。」

 

 

ジャスミン

『それでは早速、出場者紹介と参りましょう!』

 

 

プシュー!

 

 

ステージの床から煙が吹き出し、1人目の出場者が煙の中から姿を見せた。

 

 

ジャスミン

『エントリーナンバー1番!元ミスルギ皇国第二皇女・・・シルヴィア・斑鳩・ミスルギ!』

 

 

シルヴィア

「天馬様のハートを掴むのは、他でもないこの私です!」

 

 

プシュー!

 

 

続いて2人目の出場者。

 

 

ジャスミン

『エントリーナンバー2番!アルゼナルの鋼の戦乙女・・・ナオミ・東雲!』

 

 

ナオミ

「精一杯、頑張ります!」

 

 

プシュー!

 

 

続いて3人目

 

 

ジャスミン

『エントリーナンバー3番!アルゼナル第一中隊の癒しキャラ・・・ココ・リーヴ!』

 

 

ココ

「えっと、正々堂々頑張ります!」

 

 

プシュー!

 

 

続いて4人目

 

 

天馬

「って、4人目!?いったい誰が・・・。」

 

 

ジャスミン

『エントリーナンバー4番!雷門中サッカー部の蒼き女神・・・空野葵!』

 

天馬

「って、葵!?」

 

 

まさかの人物の登場に天馬は驚いた。

 

 

「雷門中サッカー部のマネージャー、空野葵です!よろしくお願いします!」

 

 

プシュー!

 

 

更に5人目。

 

 

天馬

「今度は誰だ?」

 

 

ジャスミン

『エントリーナンバー5番!喫茶アンジュの看板娘・・・モモカ・荻野目!』

 

天馬

「モモカさんまで!?」

 

 

またしてもまさかの人物の登場に驚く天馬。

 

 

モモカ

「身の周りの御世話は、私にお任せ下さい!」

 

 

プシュー!

 

 

更に6人目。

 

 

天馬

「って、まだ来るの・・・?」

 

 

だが、6人目の出場者を見て天馬は目を疑った。

 

 

ジャスミン

『そして、エントリーナンバー6番!喫茶アンジュの名物女将、血塗れの白き翼の天使・・・アンジュ!』

 

アンジュ

「この勝負、絶対に勝つ!」

 

 

天馬

「アンジュさん!?ちょっと、何で!?」

 

 

天馬はこの場に出る筈の無いアンジュが出てきた事に今日一驚いた。だが、驚いたのは天馬だけではない。

 

 

ヒルダ

「アンジュ!?何でお前がエントリーしてるんだよ!?」

 

 

ヒルダ達アルゼナルメンバーも同じくらい驚いていた。だが、誰よりも一番驚く筈のタスクは妙に冷静だった。

 

 

ヒルダ

「おいタスク!いったいどうなってるんだよ!?」

 

タスク

「どうって、アンジュが出たいって言うから俺がエントリーさせたんだよ?」

 

ヒルダ

「良いのかよソレ!?お前それでもアンジュのカレシか!?」

 

タスク

「アンジュが欲張りなのは君も知ってるだろ?アンジュ、このコンテストやるって決まってから、どうしても天馬君を自分のモノにしたいって聞かなくてさ・・・まぁ仮にコレが浮気だったとしても、天馬君ならアンジュを安心して預けられるって俺自身も思ってる。だから俺自身も、アンジュがエントリーするのに反対はしなかった。」

 

神童

「まぁでも、結婚を前提とするのなら一応、1人の女性が複数の男性との結婚が出来る一妻多夫制という制度がありますけど………。」

 

サリア

「そもそも、その制度ってこの国で通じるの?」

 

 

ジャスミン

『よし、それじゃルール説明だ!』

 

 

ドンッ!

 

 

天馬

「うわっ!?」

 

 

突然、天馬の目の前に数本の札が入った抽選箱が現れた。

 

 

ジャスミン

『エントリーした6人にはこれから、天馬が選んだお題に沿ってバトルロワイヤルをしてもらう。お題は全部で7種類。一番多くポイントを獲得した者が勝者だ。て事で天馬、早速だがその抽選箱からお題を1つ引いてくれ!』

 

天馬

「は、はい!(もう、こうなったら成るように成れだ!)」

 

 

天馬は抽選箱から札を1つ引く。果たして最初のお題は・・・。

 

 

 


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