クロスアンジュ LIGHTNING EDITION ~天使とドラゴンと五人の巨人使い~   作:ヒビキ7991

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Ep.27/世界消滅へのカウントダウン《後編》

~暁ノ御柱 最深部~

 

 

その頃、サラマンディーネの乗る焔龍號はメインシャフトを進み、アウラの居る暁ノ御柱地下最深部に到着した。

 

 

サラマンディーネ

「アウラ・・・アウラなのですね!」

 

 

焔龍號はアウラに近づく。だが、アウラの周囲は強力なバリアで包囲されていた。

 

 

アンジュ

「サラ子!」

 

天馬

「すみません、遅れました!」

 

 

そこへアンジュのヴィルキスと天馬のペガサスが合流。

 

 

天馬

「いっけえええええええええ!」

 

 

バッシュウウウウウウゥゥゥ!!

 

 

ペガサスはソニックバレットから高出力のビームをアウラに向けて放つ。だがバリアには効果が無い。

 

 

天馬

「俺のソニックバレットが効かない!?」

 

アンジュ

「何て強力なバリアなの!」

 

 

と、今度は天井の穴から大量のドローンが出てきた。

 

 

サラマンディーネ

「仕方ありませんね・・・アンジュ、天馬殿、あの円盤の相手をお願いします!」

 

天馬

「サラマンディーネさん、まさか収斂時空砲を撃つつもりですか!?」

 

サラマンディーネ

「それしか、アウラを救う方法はありません!」

 

アンジュ

「アウラごと吹き飛ばさない?」

 

サラマンディーネ

「3割引きで撃ちますから、御安心を!」

 

アンジュ

「じゃあ、さっさとヤっちゃいなさい!」

 

天馬

「コイツらの相手は俺達が引き受けます!」

 

 

焔龍號はアウラから距離をとり、ヴィルキスとペガサスは焔龍號に近づこうとする物を中心にドローンを落としていく。

 

 

サラマンディーネ

「~♪」

 

 

サラマンディーネはアウラに狙いを定め、永遠語りを歌う。

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

サラマンディーネの歌と共鳴するかの様に焔龍號のボディが金色に変わり、肩の収斂時空砲が展開した。

 

 

バッシュウウウウウウゥゥゥ!!

 

 

焔龍號は収斂時空砲をアウラに向けて発射。

 

 

ピカアアアァ!

 

 

収斂時空砲がバリアにぶつかった瞬間、辺りは強い光に包まれた。光はメインシャフトを通り地上に放たれ、ついにアウラが地上に姿を見せた。

 

 

サラマンディーネ

「アウラ!」

 

天馬

「やったー!」

 

アンジュ

「これで時空融合を止められるわ!」

 

 

アンジュ達は急いで地上へ向かう。そしてアンジュと入れ違いになるように、エンブリヲとヒステリカが最深部に到着した。

 

 

エンブリヲ

「フッ、やってくれるじゃないか・・・。」

 

ジル

「アンタの負けだね、エンブリヲ。」

 

 

そこへジルとレイジアが到着した。

 

 

エンブリヲ

「アレクトラ・・・。」

 

ジル

「出ていくんでしょ?勝とうが負けようが、この世界を捨てて・・・お願い、私も連れて行ってよ。」

 

エンブリヲ

「ナニ?」

 

 

エンブリヲは驚いた。今まで散々自分に牙を向けていた女が、突然掌を反したのだから。二人は各々の機体を降り、エンブリヲはジルに問い返した。

 

 

エンブリヲ

「どういう風の吹き回しだ?アレクトラ。」

 

ジル

「分かったんだ。私、まだ貴方を・・・。」

 

エンブリヲ

「そうか・・・だが済まない、残念だが君を連れていく事は出来ない。」

 

ジル

「どうして?あんなに愛してくれたじゃない?」

 

エンブリヲ

「私は、君を救ってあげただけだ。だって、見ていられなかったからね。あの頃の、許されぬ恋に見悶える君の姿が・・・。」

 

ジル

「・・・そうやって、私から全てを奪ったんじゃない。心も、誇りも、全て!」

 

 

ジルはエンブリヲの本心を知り、右腕と怒りの目を向ける。

 

 

エンブリヲ

「その右腕で、私を殺すつもりかい?」

 

ジル

「違うわ。だって、貴方は死なないでしょ?だから・・・。」

 

 

カチャ

 

 

ジル

「こうするのさ!!」

 

 

バンッ!

 

 

ジルは右手を外し、右腕から凍結バレットを放ち、エンブリヲの身体に撃ち込んだ。

 

 

エンブリヲ

「こ、これは凍結バレット!?」

 

 

エンブリヲは瞬く間に凍り付いた。

 

 

ジル

「コレで、もう何処にも逃げられまい。」

 

 

『なるほど、こんな手を考えていたとはね。』

 

 

突然ヒステリカが動き出し、エンブリヲの声を発しだした。

 

 

ジル

「ナニッ!?」

 

エンブリヲ

『だが、まだ詰めが甘いな。』

 

 

ヒステリカは頭部の女神像の目からレーザーを放つ。

 

 

ドーン!

 

 

だが突然、ジルの目の前に巨大な火の玉が落ち、レーザーを防いだ。

 

 

エンブリヲ・ジル

「!?」

 

 

炎が消え、ジルとヒステリカの前に一人の青年が姿を見せた。赤褐色の肌に赤い衣を纏った美青年・・・そう、エンマ大王だ。

 

 

ジル

「お前は・・・?」

 

 

ヒステリカは凍り付けになったエンブリヲをレーザーで破壊。その直後、ヒステリカの肩に新たなエンブリヲが現れた。

 

 

エンブリヲ

「貴様、いったい何者だ?」

 

エンマ大王

「我はエンマ大王!妖怪の頂点に君臨する者だ!」

 

エンブリヲ

「エンマ大王?」

 

エンマ大王

「エンブリヲ、お前の目論みは全て絶たれた!今すぐ投降し、世界を元に戻せ!」

 

エンブリヲ

「フッ、果たしてそうかな?」

 

エンマ大王

「何?」

 

エンブリヲ

「貴様は知るまい。アウラを解放したところで、時空融合を止める事は出来んよ。」

 

 

そう言い残し、エンブリヲとヒステリカは飛び立った。

 

 

ジル

「どういう事だ?アウラが解放されれば、時空融合を止められるのでは無かったのか?」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~皇宮 上空~

 

 

その頃、アンジュ達はメインシャフトを抜けタスクと合流していた。だが、時空融合は止まる事無く、進む一方だ。

 

 

アンジュ

「ねえ、これってどういう事?」

 

天馬

「アウラを解放したのに、時空融合が止まらない!何で・・・?」

 

 

「アウラのエネルギーはあくまで時空融合の起爆剤だ。後は無限宇宙の位相エネルギーによって、勝手に融合は進むのさ。」

 

 

いつの間にか、アンジュの後ろにはエンブリヲが居た。

 

 

アンジュ

「っ!?」

 

 

シュン!

 

 

エンブリヲはアンジュが振り向くと同時に、アンジュの指輪とライダースーツをヴィルキスに残し、アンジュと共に消えた。

 

 

天馬

「アンジュさん!?」

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

すると突然、ペガサスが光り出した。

 

 

天馬

「っ!?」

 

 

シュン!

 

 

そしてアンジュとエンブリヲと同様に、一瞬で姿を消した。

 

 

タスク

「アンジュ!?」

 

サラマンディーネ

「天馬殿!?」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~アウローラ 格納庫~

 

 

タスクとサラマンディーネはヴィルキスを回収、ジルはエンマ大王を連れて地上に戻り、一同はアウローラに帰還した。そこにはサリア、ターニャ、イヌマの3人の姿もある。

 

 

サリア

「ごめんなさい、アレクトラ・・・私・・・。」

 

 

サリア達はジルに、今までの事を深く謝罪する。だがジルは、そんなサリアの頭を優しく撫でる。

 

 

サリア

「えっ?」

 

ジル

「・・・ホント、アンタは私そっくりだよ。まるで妹みたいだ。真面目で、泣き虫で、思い込みの激しいとこから、男の趣味まで。だからアンタを巻き込みたく無かったんだ・・・。」

 

サリア

「アレクトラ・・・!」

 

 

ギュッ

 

 

サリアはジルを抱きしめ、ジルもサリアを優しく抱きしめる。そしてサリアはジルの胸の中で、思いっきり泣いた。

 

 

サリア

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!」

 

ジル

「私の方こそ、キツく当たってゴメン・・・。」

 

 

一同はサリアとジルを優しく見守る。一方その傍らでは、エンマ大王が手鏡でアンジュと天馬を探していた。

 

 

エンマ大王

「ダメだ、何処にも二人の姿が見えん!」

 

明日人

「くそっ、何処行っちゃったんだ二人とも・・・。」

 

 

ドーン!

 

 

突然、轟音と共にアウローラが強く振動し始めた。

 

 

タスク

「何だ!?」

 

ディケイド

「恐らく、時空融合の終わりが近づいてるって事だろう!」

 

 

だが、揺れは少しずつ小さくなり、そして止まった。

 

 

ナオミ

「止まった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『時間と空間の狭間・・・虚数の海・・・エンブリオはそこにいます。』

 

 

突然、格納庫内に謎の女性の声が聞こえてくる。

 

 

ヒルダ

「だ、誰だ!?」

 

サラマンディーネ

「この声は、まさかアウラ!?」

 

 

声の主はアウラ。アウラは自身の周りに結界を張り、生き残ったドラゴン達とアウローラを時空融合から守り、同時に時空融合の進行を抑えていた。

 

 

「ねえ、さっきエンブリヲは時空の狭間に居るって言ったよね?天馬とアンジュさんもそこに?」

 

アウラ

『恐らく。ですが彼らが居るのは、あらゆる宇宙からも孤立した、特異点からも辿り着けない場所。』

 

ヴィヴィアン

「そこまでどうやって行けば良いのさ!?」

 

アウラ

『ヴィルキス・・・時空跳躍システムが解放されたあの機体と、ディケイドとディエンドの世界を渡る力。それらが合わされば、エンブリヲの居るところへ辿り着けます。』

 

タスク

「でも、ヴィルキスを使えるのはアンジュだけだ・・・。」

 

アウラ

『いいえ。ラグナメイルは本来、人類の未来を照らす光として作られし物。強き意志、人の想いに、必ず応えてくれるはずです。私が時空融合を抑えている間に、早く!』

 

タスク

「強き意思・・・。」

 

ヒルダ

「タスク、アンタがやりな。悔しいけど、アンジュとはアンタが一番強く繋がってる。」

 

タスク

「分かった、やってみる!」

 

 

タスクはアンジュの指輪を左手の中指に通し、ヴィルキスに乗り込んだ。

 

 

タスク

「頼むヴィルキス、俺に力を貸してくれ!」

 

 

タスクはヴィルキスの起動スイッチを押す。

 

 

タスク

「っ!?」

 

 

だが、ヴィルキスは動かない。

 

 

サリア

「動かない!?」

 

信助

「そんな・・・!」

 

タスク

「動け!動け動け!動けよヴィルキス!」

 

 

タスクはヴィルキスに問い掛けるが、ヴィルキスは動かない。

 

 

タスク

「どうして・・・どうして動いてくれないんだ!?」

 

 

ガンッ!

 

 

タスクはヴィルキスのボディを殴るが、それでもヴィルキスは動かない。

 

 

タスク

「ヴィルキス、お前もずっとアンジュを守って来たんだろ!?なのに、あんな奴に奪われて良いのかよ!?目を覚ませよ、ヴィルキス!!俺に・・・俺達に力を貸してくれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『タスク・・・。』

 

 

タスク

「っ!?」

 

 

突然、タスクの耳に僅かだが、アンジュの声が聞こえてきた。

 

 

ヒルダ

「どうした!?」

 

タスク

「今、確かにアンジュの声が聞こえた!」

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

突然、アンジュの指輪とヴィルキスのコックピットのモニターが光り出し、遂にヴィルキスが起動。白く美しいボディは、赤いラインの入った黒いボディへと変化した。

 

 

明日人

「ヴィルキスが!」

 

ヴィヴィアン

「スゲー!」

 

サラマンディーネ

「今です!私達も共に!」

 

ヒルダ

「おう!クリス、アンタのテオドーラを貸してくれ!」

 

クリス

「分かった!」

 

ロザリー

「必ず、生きて帰って来いよな!」

 

 

ヒルダはロザリーから指輪を受け取り、テオドーラに乗り込む。

 

 

ジル

「サリア、お前の後ろに乗せれくれ!私はアイツと決着をつけなければならない!」

 

サリア

「分かったわ!」

 

 

サリアはクレオパトラに乗り込み、サリアの後ろにジルが乗り込む。

 

 

エンマ大王

「明日人、我々も共に行くぞ!」

 

明日人

「はい!」

 

「私達も!」

 

ナオミ

「うん!」

 

 

明日人とエンマ大王はガンダムAEG-FX、葵はウイングガンダムゼロ、ナオミはダブルゼータガンダムに乗り込む。

 

 

ターニャ

「ヴィヴィアン、エルシャ、私達のラグナメイルを使って!」

 

イヌマ

「私達の代わりに、エンブリヲを倒して!」

 

ヴィヴィアン

「おしっ、任されたー!」

 

エルシャ

「分かったわ!」

 

 

ヴィヴィアンとエルシャはターニャとイヌマから指輪を受け取り、ヴィヴィアンはヴィクトリア、エルシャはエイレーネに乗り込む。

 

 

ディケイド

「海東、俺達も行くぞ!」

 

ディエンド

「ああ!」

 

 

ディケイドとディエンドは各々、タッチパネル式携帯電話型アイテム《ケータッチ》を取り出し、各々カードを装填しパネルを操作。

 

 

《『KUUGA』!『AGITO』!『RYUKI』!『FAIZ』!『BLADE』!『HIBIKI』!『KABUTO』!『DEN-O』!『KIVA』!》

 

 

《『G4』!『RYUGA』!『ORGR』!『GLAIVE』!『KABUKI』!『CAUCASUS』!『AAC』!『SKULL』!》

 

 

そして最後に自身のマークをタッチ。

 

 

《FINAL KAMEN RIDE『DECADE』!》

 

 

《FINAL KAMEN RIDE『DE-END』!》

 

 

二人は新たな姿に変化し、ディケイドは9枚のカードを胸部と肩に、ディエンドは8枚のカードを胸部に出現させる。さらに各々頭部に自身のカードを出現させ、ケータッチをベルト中央にセットし、ディケイドはバックルを右腰に装着。《仮面ライダーディケイドコンプリートフォーム》と、《仮面ライダーディエンドコンプリートフォーム》に変身し、ディケイドはヴィヴィアン、ディエンドはエルシャの後ろに乗り込む。

 

 

神童

「俺達も行くぞ!」

 

剣城・霧野・信助

「おう!」

 

 

剣城はランスロット・スクリーム、神童はマエストロ、霧野はブリュンヒルデ、信助はタイタニアス、サラマンディーネは焔龍號に乗り込み、そしてタスクの後ろにモモカが乗り込んだ。

 

 

タスク

「モモカ!?」

 

モモカ

「私も連れて行って下さい!私はアンジュリーゼの筆頭侍女です!例え地の果てでも、アンジュリーゼ様の御側に!」

 

タスク

「モモカ・・・よし、分かった!」

 

 

タスクはヘルメットを被り、一同は各々の機体を起動させる。

 

 

タスク

「みんな行くぞ!」

 

 

「「おう!!」」

 

 

タスクはヴィルキスのスロットルを回し、ディケイドとディエンドはドライバーにカードを装填。

 

 

《FINAL ATTCK RIDE『DE・DE・DE DECADE』!》

 

 

《FINAL ATTCK RIDE『DE・DE・DE DE-END』!》

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

各々の機体が目映い光りに包まれ、そして一瞬にして格納庫から消えた。

 

 

ナーガ・カナメ

「皆様、どうか御武運を!」

 

 

To Be Continued…




~次回予告~


天馬
「遂に迎えた、エンブリヲとの最終決戦!」

アンジュ
「私達はエンブリヲを倒して、必ず世界を救ってみせる!」

天馬
「大丈夫、俺達には頼りになる仲間達が居る!」

アンジュ
「みんなと一緒なら、きっと何だって出来る!」





天馬・アンジュ
「次回、《最終決戦!俺達の世界を救え!!》」



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