クロスアンジュ LIGHTNING EDITION ~天使とドラゴンと五人の巨人使い~   作:ヒビキ7991

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Ep.27/世界消滅へのカウントダウン《中編》

ダダダダダダダッ!!

 

 

アンジュ達がラグナメイルと戦っている一方、ヴィヴィアン達はドローン軍団からアウローラを守っていた。

 

 

ヴィヴィアン

「飛んで火に入るカブトムシー!」

 

 

だが、いくら落としてもドローンが減る気配が無い。

 

 

ココ

「落としても落としてもキリが無いよ…」

 

霧野

「いったい何処から湧いてくるんだコイツら!」

 

ゾーラ

「泣きごと言ってんじゃないよ!この船でみんなと一緒に帰るんだ!お前ら、しっかり守りな!!」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~皇宮上空~

 

 

皇宮上空では、サリアのクレオパトラとジルのレイジアが激しくぶつかり合っていた。

 

 

ジル

「ラグナメイルと騎士の紋章・・・それで強くなったつもりか?」

 

サリア

「エンブリオ様は、私に全てを与えてくれたわ!強さも、愛も、全て!」

 

ジル

「愛だと?ヤツは誰も愛したりはしない。利用するためだけに餌を与え、可愛がるだけだ。私もそうやって弄ばれ、全てを失った・・・目を覚ませ、サリア!」

 

サリア

「言ったでしょ?貴方の言葉は信じないって!アレクトラ、私を利用していたのは貴方の方よ!」

 

 

ガキーン!

 

 

クレオパトラとレイジアは激しく刃をぶつける。

 

 

サリア

「私には何も無かった!皇女でもなければ歌も知らないし、指輪だって持ってない!どんなに頑張っても選ばれなかった!ヴィルキスにも、貴方にも!!」

 

 

ガンッ!

 

 

クレオパトラはレイジアを蹴り飛ばした。

 

 

ジル

「チィッ!」

 

サリア

「でも、エンブリヲ様はそんな私を選んでくれた!!だからアレクトラ、貴方なんかもう要らないのよ!!!」

 

 

ガシャーン!

 

 

クレオパトラは剣を振り下ろし、レイジアの光の盾を破壊し、左足を切断した。

 

 

ジル

「クッ!なるほど・・・強くなったじゃないか、サリア!!」

 

サリア

「っ!!うるさい!!!」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~市街地上空~

 

 

市街地上空では、ロザリーのグレイブとヒルダのアーキバス、そして剣城のランスロットがテオドーラと戦っていた。

 

 

ロザリー

「こんのおおおおお!!」

 

 

ズドーン! ズドーン!

 

 

グレイブは肩の連装砲から砲弾を発射する。だがテオドーラは光の盾を展開し砲弾を防いだ。

 

 

ヒルダ・剣城

「はああああああ!!」

 

 

ガキーン!

 

 

今度はアーキバスとランスロットが剣で攻撃するが、テオドーラは光の剣を出現させ二機の剣を防ぎ、二機を蹴り飛ばした。

 

 

ヒルダ

「くそっ!」

 

剣城

「以前より、更に強さが増している!」

 

クリス

「弱っ・・・その程度で殺すとか、笑わせないでよ!」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~メインシャフト入口 上空~

 

 

そしてメインシャフトの真上では、エンブリヲのヒステリカとタスクのアーキバスが交戦していた。

 

 

エンブリヲ

「全く無駄な抵抗をする。世界の崩壊は止められないと言うのに・・・。」

 

タスク

「いや、止めてみせる!この世界を守るって、アンジュと約束したからな!」

 

エンブリヲ

「哀れな男だ・・・アンジュは、私と共に新世界に行くのだよ!!」

 

 

ガキーン!

 

 

ヒステリカとアーキバスは剣をぶつけ合い、火花を散らす。

 

 

エンブリヲ

「決して汚されることの無い美しさ、しなやかな野獣の様な気高さ、実に飼い慣らし甲斐がある。タスク、お前は知るまい。アンジュの乱れた姿・・・彼女の生まれたままの姿を。」

 

タスク

「知ってるさ!アンジュの、内腿のホクロの数まで!」

 

エンブリヲ

「ナニ?」

 

 

タスクの発言に、エンブリヲは少し動揺した。

 

 

タスク

「お前は何も知らないんだな?じゃあ教えてやるよ。アンジュは乱暴で気紛れだけど、よく笑って、直ぐ怒って、思い切り泣く、最高に可愛い女の子さ!彼女を飼い慣らすだって?寂しい男だな、お前は!!」

 

 

ガキーン! ドーン!

 

 

アーキバスはヒステリカの剣を弾き、キックを叩き込んだ。ヒステリカは少し後退りしバランスをとる。

 

 

エンブリヲ

「貴様、アンジュに何をした?」

 

タスク

「アンジュとしたんだよ、最後までね!」

 

エンブリヲ

「ナニィ!?」

 

タスク

「触れて、キスして、抱きまくったんだ!」

 

エンブリヲ

「貴様、下らんホラ話で我が妻を愚弄するか!?」

 

タスク

「真実だ!彼女は、俺を受け入れてくれた・・・だからもう、俺は何も怖くない!!」

 

エンブリヲ

「何と卑猥で破廉恥な真似を・・・。」

 

 

キィン!

 

 

エンブリヲの怒りに反応するかの様に、ヒステリカの目が一瞬だけ強く光った。

 

 

エンブリヲ

「許さんぞ、我が妻を凌辱するなど・・・貴様の存在、全ての宇宙から消し去ってくれる!!」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~アウローラ 上空~

 

 

一方、ヴィヴィアン達も全身全霊を尽くしてアウローラを守っていた。

 

 

ヴィヴィアン

「飛んでけ、ブンブン丸!」

 

 

ドドドドドンッ!

 

 

信助

「うおおおおお!!」

 

 

ドカーン!

 

 

ヴィヴィアンのレイザーはブーメランブレードを投げドローンを次々と攻撃。信助のタイタニアスは両手に巨大なバリアを展開し、ドローンを挟み込み破壊する。

 

 

ドカーン!

 

 

だが生き残った数機がアウローラのフィールドを突破し、エンジンを攻撃。

 

 

信助

「しまった!アウローラが!」

 

 

ザバーン!

 

 

アウローラはエンジンを損傷し、推進力を失い急降下。沿岸部の入江に着水した。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~アウローラ コックピット~

 

 

ジャスミン

「状況報告!」

 

オリビエ

「先の攻撃により、第一エンジン損傷!着水時の衝撃により、第二・第三・第七ブロック破損!」

 

エマ

「防御システムダウン!フィールド消失しました!」

 

エルシャ

「対空火器も沈黙!」

 

ジャスミン

「丸腰って事か・・・。」

 

 

ジャスミンは慌ててメイに連絡を入れる。

 

 

ジャスミン

「メイ、治せるかい?」

 

メイ

『任せて!20分で片付ける!』

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~アウローラ 上部甲板~

 

 

アウローラが機能を失い、ドローン達は一斉に襲いかかる。

 

 

ディケイド

「海東、アウローラの対空火器が沈黙した!」

 

ディエンド

「よし、分かった!」

 

 

シュン!

 

 

G3-Xと威吹鬼が甲板から消え、ディエンドはドライバーに三枚のカードを装填。

 

 

《KAMEN RIDE 『ZOLDA』!『KAIXA』!『PSYGR』!》

 

 

ディエンド

「出血大サービス第二弾!」

 

 

ディエンドは新たに三人のライダー、鏡の世界ミラーワールドで戦う13人の戦士の一人《仮面ライダーゾルダ》と、彼の契約モンスターである《マグナギガ》。一度死んだ人間が覚醒し蘇ることで生まれる人類の進化形態オルフェノクと戦う為に生み出された、己の信念だけに生き愛する者の為に戦ったΧ(カイ)の戦士《仮面ライダーカイザ》と、彼の専用マシン《サイドバッシャー》。そして同じく、帝王のベルトの1つである「天のベルト」を持つΨ(プサイ)の戦士《仮面ライダーサイガ》を召喚した。

 

 

ゾルダ

「こういうゴチャゴチャした戦いは好きじゃないが、まあ仕方ない!」

 

 

ゾルダはマグナギガの背中に専用武器《機召銃マグナバイザー》をセット。そして目標をドローン軍団に定め引き金を引くと、マグナギガの装甲が開き、ミサイルやレーザー、砲弾が次々と発射され、ドローンを次々と破壊。

 

 

カイザ

「俺に帰る場所なんかねぇ。だがせめて、アイツらの帰る場所くらいは守ってやる!」

 

 

カイザはサイドバッシャーをビークルモードからバトルモードへ変形させ、右腕の4連装濃縮フォトンブラッドバルカン砲《フォトンバルカン》と、左腕の6連装ミサイル砲《エグザップバスター》を一斉発射し、ドローンを攻撃。

 

 

サイガ

「Let the game begin!」

 

 

サイガは背中に装備したバックパックで飛行しながらドローンを次々落としていく。

 

 

霧野

「スッゲー!」

 

 

だがドローンは次から次へと現れ、一向に無くなる兆しが無い。その時だった。

 

 

ギャアアアアアアアア!!

 

 

突然、ミスルギ皇国の上空に幾つものシンギュラーが出現し、大量のドラゴン達が現れた。

 

 

神童

「ドラゴン!いったい何故・・・?」

 

 

その様子は、コックピットのジャスミン達にも見えていた。

 

 

ジャスミン

「何が起きてるんだい!?」

 

リィザ

「恐らく時空融合の影響で重力場が脆弱になり、特異点が自然開放したのでしょう。」

 

 

すると、コックピットのディスプレイに一人の人物が映し出された。

 

 

大巫女

『聞こえるか、ノーマの民よ。我はアウラの巫女。』

 

リィザ

「大巫女様!」

 

大巫女

『我らアウラの民は、これより貴艦を援護する!』

 

 

ドラゴン達は一斉に攻撃を開始し、ドローンを全て破壊。そして動けなくなったアウローラを、三体のガレオン級ドラゴンが引き上げた。

 

 

ディケイド

「スッゲェ・・・。」

 

ディエンド

「ここまで来ると、もうサービスは必要無いかな?」

 

 

その様子は、タスクとエンブリヲの目にも入っていた。

 

 

タスク

「形勢逆転だな、エンブリヲ!」

 

エンブリヲ

「そう見えるか?」

 

 

そう言うと、ヒステリカはドラゴンの軍勢に手を伸ばす。

 

 

タスク

「エンブリヲ、いったい何を?」

 

 

キィン!

 

 

シュン!

 

 

すると又してもヒステリカの目が一瞬光り、同時にサリア達がラグナメイルと共にドラゴンの軍勢の中に瞬間移動した。

 

 

サリア・ジル

「っ!?」

 

ターニャ・イヌマ

「っ!?」

 

クリス

「エンブリヲ君、これは!?」

 

 

エンブリヲ

「君達は、私のために時間を稼いでくれ。私は花嫁を迎えに行かなければならない。頼んだよ。」

 

 

エンブリヲがそう言うと、ヒステリカはメインシャフトへと向かった。

 

 

ターニャ

「コントロールが効かない!?」

 

イヌマ

「どうなってるの!?」

 

サリア

「エンブリヲ様、お待ちください!」

 

 

ギャアアアアアアア!

 

 

突然コントロールが効かず暴れまわるヴィクトリア、エイレーネ、クレオパトラにドラゴンが襲いかかる。

 

 

ガシッ!

 

 

だが、間一髪でヴィクトリアをウイングゼロが、エイレーネをダブルゼータが、そしてクレオパトラをレイジアが救った。だがレイジアはドラゴンの攻撃を受け、右スラスターを失った。

 

 

ジル

「これがエンブリオの本性だ!目を覚ませ、サリア!私のように全てを失う前に!」

 

サリア

「アレクトラ・・・。」

 

 

ジルはそう言い残し、ヒステリカの後を追いかけた。

 

 

クリス

「嘘・・・嘘だよね?エンブリヲ君・・・。」

 

 

クリスは絶望していた。友達と信じていた者に捨てられ、裏切られた事に。

 

 

クリス

「また捨てられた・・・また裏切られた・・・!うわあああああ!!」

 

 

ババババババッ!

 

 

クリス

「もう・・・もう何も信じない!みんな死んじゃえ!!」

 

 

絶望し自暴自棄となったクリスは銃を乱射し、ドラゴン達を次々と落としていく。

 

 

ガシッ!

 

 

だがヒルダのアーキバスがテオドーラを背後から拘束、動きを封じた。

 

 

ヒルダ

「やめろクリス!自分から友達だって言う奴が、本当の友達なわけ無いだろ!」

 

クリス

「アンタ達が、私を見捨てたからでしょ!?」

 

 

テオドーラはアーキバスを振り払い剣を振り下ろす。だが今度はロザリーのグレイブがテオドーラの剣を受け止めた。

 

 

ロザリー

「聞いてくれクリス!私は見捨ててなんかない!」

 

クリス

「よって集って私の事馬鹿にして、私がこんな苦しんでるのに・・・どうして分かってくれないのよ!?」

 

 

ガンッ!

 

 

テオドーラはグレイブを蹴り飛ばす。だが、今度は剣城のランスロットが背後からテオドーラの動きを封じ、テオドーラのハッチをひっぺがした。

 

 

剣城

「ある男が言っていた!友達っていうのは、言葉を交わし、思いをぶつけ合ううちになるもの、それが本当の友達だって!」

 

ロザリー

「そうだよ!言わなきゃ分からないよ!アタシ、馬鹿なんだから!!」

 

 

ロザリーはグレイブをフライトモードに変形させ、テオドーラに急接近。

 

 

ロザリー

「クリス!!」

 

 

そして自らテオドーラに向けてジャンプし、クリスに抱きついた。だがその拍子でクリスはコックピットから放れ、二人は共に落ちて行く。

 

 

クリス

「離して!落ちてるよ!」

 

ロザリー

「良いよ、一緒に死んでやる!」

 

クリス

「えっ?」

 

ロザリー

「アタシは、アンタが居なくちゃ駄目なんだ!アンタが好きなんだよ、クリス!!」

 

クリス

「私の事、見捨てたクセに・・・!」

 

ロザリー

「見捨ててねえ!信じてくれよクリス!アンタがアンタのこと、見捨てるわけねーだろ!?だって、アタシ達だけじゃねーか!アンタの胸のサイズも、弱い所も、ヘソクリの隠し場所も全部知ってるのは!」

 

 

ギュッ

 

 

ロザリーはクリスを思い切り抱きしめる。

 

 

ロザリー

「もう一回、信じてくれよ・・・もう一回、友達になってくれよ・・・クリス・・・!」

 

クリス

「ロザリー・・・!」

 

 

 

ヒルダ

「でりゃああああ!!」

 

 

ヒルダのアーキバスは落下するロザリーとクリスを受け止め不時着。

 

 

剣城

「ヒルダさん!?」

 

 

ランスロットはフライトモードに変形し、アーキバスの側に着地。剣城はランスロットを降りアーキバスに向かう。アーキバスは不時着の際に左右のスラスターを失い、ボロボロになっていた。ヒルダはハッチを開け、外に出る。

 

 

剣城

「大丈夫ですか!?」

 

ヒルダ

「ああ、大丈夫さ。アタシも、アイツらもな・・・。」

 

 

アーキバスの手の中で、ロザリーはクリスを抱きしめ泣いていた。

 

 

ロザリー

「ごめんよ・・・クリス!」

 

クリス

「許さない・・・新しい髪留め買ってくれるまで・・・。」

 

ロザリー

「全部片付いたら、一緒に探しに行こうぜ?一番良いヤツ買ってやる!」

 

クリス

「ゲームする時、ズルしない?」

 

ロザリー

「ああ、しない!」

 

クリス

「お風呂の一番、譲ってくれる?」

 

ロザリー

「ああ、もちろん!」

 

クリス

「ロザリー・・・!」

 

 

クリスは涙を流し微笑み、ロザリーを優しく抱きしめた。

 

 

クリス

「馬鹿みたい・・・世界が終わるって時に、私達何やってるんだろう?」

 

 

ヒルダ

「”仲直り”・・・だろ?」

 

 

ヒルダはアーキバスを降り、ロザリーとクリスに近づく。ロザリーとクリスは立ち上がり、三人は笑顔を見せる。

 

 

ロザリー

「ヒルダ、アタシの台詞盗ったな?」

 

ヒルダ

「悪い、言わねぇように黙っとくつもりだったんだけど、つい出ちまったよ。」

 

クリス

「変なの。」

 

ヒルダ

「お前には言われたくねぇよ。お帰り、クリス!」

 

クリス

「ただいま、ロザリー!ヒルダ!」

 

 

元の三人に戻り、三人は喜び、剣城は微笑んだ。

 

 

 

 

『全く、使えない女だ・・・。』

 

 

 

突然、何処かからエンブリヲの声がする。辺りを見回すと、上空に黒いパラメイルが数機浮遊していた。

 

 

ロザリー

「何だよアレ!?」

 

ヒルダ

「黒い、グレイブ?」

 

クリス

「《ダークグレイブ》。エンブリヲが作ったラグナメイルの量産機だ!」

 

エンブリヲ

『クリス、もう君には用は無い。ここで消えるがいい。』

 

 

ダークグレイブは手に装備していたライフルを構える。

 

 

ガシン!

 

 

だが突然、ランスロットがヒルダ達の前に立ち、上空のダークグレイブ達と対峙した。

 

 

ヒルダ

「剣城!?」

 

ロザリー

「何やってんだよ剣城!?」

 

剣城

「俺がアイツらの相手をします!その隙に、皆さんは退避を!」

 

クリス

「何言ってるの!?アレだけの数が相手じゃ、勝ち目無いよ!」

 

剣城

「・・・ヒルダさん。」

 

ヒルダ

「?」

 

剣城

「今このタイミングで言うのもアレですが、言わせてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺・・・ヒルダさんの事が好きだ。」

 

ヒルダ

「は、はぁ!?」

 

 

剣城の突然の告白に、ヒルダ達は顔を赤く染め仰天した。

 

 

剣城

「ヒルダさんにとってアンジュさんが王子様なら、今の俺にとってヒルダさんは俺のお姫様なんだ。俺が初めて愛おしいと思った女性・・・俺にとって誰よりも傍に居たい、守りたい大切な存在・・・それがヒルダさんだった。」

 

ヒルダ

「剣城・・・。」

 

剣城

「ヒルダさんがアンジュさんを好きなのは知っています!だから、俺の想いは貴女に届くことは無いかも知れない!だがそれでも、俺は何があっても貴女を守る!例え、この身が亡びる事になろうとも・・・貴女は俺にとって、やっと見つけた最愛の人だから!!」

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

剣城

「っ!?」

 

 

突然、ランスロットとヒルダのアーキバスが光りだした。

 

 

ヒルダ

「な、何だ!?」

 

 

アーキバスは光の粒子となり、ランスロットの翼と背面を中心に集まりだした。翼は戦闘機を思わせる形状に変化し、マント型スラスターは二基の大型スラスターに変化し、さらにアーキバスと同形状の二基の翼型スラスターを装備。そして赤いフレームは黒に、アーマーは銀色から全体的に赤を基調としたカラーリングに変化した。

 

 

ヒルダ

「ランスロットの・・・。」

 

ロザリー・クリス

「姿が変わった!?」

 

剣城

「これが俺の新しい力、《ランスロット・スクリーム》だ!!」

 

 

ガコン!

 

 

ランスロット・スクリームは背面の大型スラスターをキャノン砲へと変形させ両肩に装備。砲門にエネルギーが集まり、剣城は照準をダークグレイブに合わせる。

 

 

剣城

「食らえ!《ナル光線キャノン》!!」

 

 

バッシュウウウウウウゥゥゥ!!

 

 

ランスロット・スクリームはキャノン砲から強力なビームを発射。ダークグレイブ達はビームに巻き込まれ消滅した。

 

 

ヒルダ

「スッゲェ・・・。」

 

ロザリー

「何だよ、あの威力・・・。」

 

クリス

「ダークグレイブを、一瞬で・・・。」

 

 

ランスロット・スクリームの力に圧倒され、ヒルダ達は言葉を失った。

 

 

剣城

「ヒルダさん、大丈夫ですか?」

 

ヒルダ

「えっ?あ、あぁ大丈夫、ありがとな。」

 

剣城

「一旦アウローラに戻りましょう。ここに居ては危険です。」

 

ヒルダ

「わ、分かった。」

 

 

ランスロット・スクリームはフライトモードに変形し、ヒルダは僅かに動揺しながら剣城の後ろに乗り込んだ。そしてロザリーはグレイブに、クリスはテオドーラに乗り込み、三機は飛び立った。

 

 

ヒルダ

(剣城・・・。)

 

 

この時、ヒルダの中に剣城に対する謎の感情が生まれた。だがヒルダ自身、その感情には覚えがあった。

 

 

ヒルダ

(この感じ、アンジュの時と同じ・・・そっか、アタシも剣城のこと・・・。)

 

 

何かに気付き、ヒルダは静かに優しく微笑んだ。

 

 

 


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