クロスアンジュ LIGHTNING EDITION ~天使とドラゴンと五人の巨人使い~   作:ヒビキ7991

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Ep.04/雷門サッカー部四人集、現る!

~パラメイル格納庫~

 

 

天馬の初出撃の日の翌朝、天馬とアンジュはパラメイル格納庫に来ていた。二人の目の前には天馬のパラメイル、グレイブがいた。

 

 

アンジュ

「天馬のパラメイル、最初に見たときより雰囲気変わったわね。翼が生えて色も変わって、何だか逞しくなったって言うか・・・。」

 

天馬

「お前は俺だけのパラメイルだ。改めてよろしくな、グレイブ。いやペガサス。」

 

アンジュ

「ペガサス?」

 

天馬

「そういう気がしたんです。   ん?」

 

 

突然、天馬があるものを見つけた。アンジュも天馬の見る方向を見ると、目線の先にはサリアとジルとエマが共にデッキへ向かっていた。

 

 

天馬

「サリア隊長とジル長官とエマ監察官?」

 

アンジュ

「何かあったのかしら?」

 

 

天馬とアンジュは二人の後を追いかけた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~デッキ~

 

 

デッキに到着すると、そこにはサリアとジルとエマと警備兵が数名。さらに輸送機が一機止まっていた。

 

 

天馬

「ジル長官!サリア隊長!エマ監察官!」

 

 

二人はジルとサリアとエマに近づいた。

 

 

ジル

「天馬にアンジュか。丁度良い、たった今新しいノーマを乗せた輸送機が到着したところだ。」

 

アンジュ

「新しいノーマ?」

 

ジル

「ああ。それも天馬、お前に馴染みの深い連中だ。」

 

 

輸送機のハッチが開き、中から四人の人影が姿を現した。天馬はその四人を見て仰天した。

 

 

天馬

「ええええええ!?神童さんに剣城に信助に霧野さん!?」

 

 

輸送機から出てきたのは、ユニフォーム姿の神童・剣城・信助・霧野だった。声に気付き、彼らも天馬の存在に気付いた。

 

 

神童

「天馬か!」

 

信助

「天馬ー!」

 

 

四人は輸送機から急いで降り、天馬の側に集まり喜んだ。

 

 

天馬

「みんな、どうしてここに?」

 

剣城

「それが、俺達もノーマと認定されて連行されたんだ。」

 

アンジュ

「ねえ、もしかして天馬の知り合い?」

 

霧野

「知り合いなんて仲じゃない!俺達は天馬とサッカーで共に戦った仲間だ!」

 

エマ

「1203-79号ノーマ神童拓人、1203-80号ノーマ剣城京介、1203-81号ノーマ西園信助、1203-82号ノーマ霧野蘭丸。全員天馬君と同じく、東京の雷門中学校出身です。学年は剣城君と西園君が一年、神童君と霧野君が二年です。」

 

ジル

「お前達にはこのアルゼナルで、兵士としてドラゴン討伐を行ってもらう。詳しい説明は後程する。サリア、四人を寝室に案内してやってくれ。」

 

サリア

「イエス、マム。あなた達、私についてきて。」

 

 

サリアはその場を後にした。

 

 

信助

「じゃあ後でね!」

 

天馬

「バイバイ!」

 

 

神童・剣城・信助・霧野はサリアの後に続いた。

 

 

アンジュ

「・・・ねえ、あの霧野って人、女の子?」

 

天馬

「一応男です・・・。よく女の子に間違えられますが・・・。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~ジャスミン・モール~

 

 

朝食を済ませた二人はジャスミン・モールへとやって来た。ここはジャスミン曰く、金さえあれば下着から列車砲まで何でも手に入るらしい。

 

 

天馬

「う~ん…」

 

 

二人はパラメイル用武器のスペースで武器を選んでいた。

 

 

天馬

「どれがいいかなぁ…」

 

アンジュ

「天馬的にはどんなのがいいの?」

 

 

そこへジャスミンが愛犬兼用心棒のバルカンを連れて現れた。

 

 

ジャスミン

「お前さん、武器をお探しかい?」

 

天馬

「あ、ジャスミン"オバさん"。」

 

ジャスミン

「アタシはお姉さんだよ・・・。」

 

天馬

「実はメイさんに、"悪いがお前のパラメイル用の武器はまだ用意できてないんだ。代金はアタシが後で払っとくから、ジャスミンとこで自分のパラメイルに装備する武器を選んでこい!"って言われたので、探しに来たんです。」

 

ジャスミン

「なるほど。希望は?」

 

天馬

「大砲とマシンガンが使える銃があればいいなって思ってるんですけど、ありますか?」

 

アンジュ

「天馬、流石にそれは・・・。」

 

ジャスミン

「もちろんあるよ。この間入荷した新装備の中に、おあつらえ向きの品があったはずだ。ちょっとついてきな。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~倉庫~

 

 

ジャスミンは二人を倉庫へと連れて来た。目の前には、パラメイルスケールの少々メカメカしいライフルが置いてある。

 

 

ジャスミン

「こいつがこの間入荷したばかりの新型光線銃、ソニックバレット。マシンガンと高出力ビームを発射出来るバスターの二種類が使える優れものさ。どうだい?」

 

天馬

「いいなぁ。俺、コイツにします!」

 

ジャスミン

「あいよ、まいどあり。次いでに近接用の武器も仕入れといたらどうだい?いいのが揃ってるよ。」

 

天馬

「そっちは今のところ大丈夫です。」

 

ジャスミン

「そうかい。まあ金が手に入って欲しい物が見つかれば、いつでも買いに来な。買いに来る客なら年中無休いつでも大歓迎だから。」

 

 

ジャスミンはその場を離れた。

 

 

天馬

「アンジュさんは何か買わないんですか?」

 

アンジュ

「私は今は何も買えないの。死なせてしまった三人のお墓の代金、払わないといけないから・・・。」

 

天馬

「・・・すみません。」

 

 

天馬はアンジュに頭を下げて謝った。その後、二人は静かに倉庫を離れた。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~シミュレータールーム~

 

 

その後、神童達は第一中隊に入隊が決まり、神童はサリア、剣城はヒルダ、信助はヴィヴィアン、霧野はエルシャの監視の下でシミュレーター訓練を受けていた。が・・・。

 

 

信助

『うわあああああ!』

 

剣城

『おい待て待て待て!どわああああ!』

 

神童

『くっそおぉぉぉ!』

 

霧野

『コンヤロー!』

 

 

四人とも、初めてだけあってかなり苦戦していた。

 

 

ヒルダ

「随分と苦戦してるな… そっちはどう?」

 

サリア

「天馬やアンジュに比べたら、まだまだね。」

 

 

サリアは呆れた顔で答えた。

 

 

ヴィヴィアン

「さーて、ここでクイズです!この四人の中で、誰がパラメイルを一番早く操縦出来るようになるでしょうか?」

 

 

ヴィヴィアンが突然、クイズを出した。

 

 

エルシャ

「さー、誰かしら?」

 

 

エルシャは笑顔で答えた。

 

 

神童

『天馬に比べたらまだまだだって?』

 

剣城

『上等だ。俺が一番に乗りこなしてみせようじゃないか!』

 

霧野

『年下だからって手は抜かないぞ剣城。一番は俺だ!』

 

信助

『いや僕だ!』

 

 

サリアとヴィヴィアンの一言で、四人はどうやら気合いが入ったようだ。

 

 

サリア

(何?天馬に負けるのがそんなに嫌なの?)

 

 

そんな最中、別のシミュレーターでは天馬とアンジュが独断訓練を行っていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~屋上~

 

 

訓練後、天馬・剣城・神童・信助・霧野・アンジュは屋上で昼寝をしていた。剣城・神童・信助・霧野は既にクタクタの様だ。

 

 

信助

「はぁ~、疲れた…」

 

神童

「シミュレーションとはいえ、随分とハードだったな…」

 

霧野

「天馬もあのシミュレーターの訓練受けたのか?」

 

天馬

「いえ、俺なんかここに来た次の日にぶっつけ本番でした… ところで、雷門中サッカー部はどんな調子でしたか?」

 

剣城

「お前が居なくなって、みんな練習に身が入らなくなってた。お前がノーマだった事にショックを受けてたのかもな…」

 

信助

「秋さんも葵ちゃんも心配してたよ。」

 

天馬

「そっか…」

 

アンジュ

「寂しい?」

 

天馬

「そりゃ寂しいです。今すぐ稲妻町に戻って、またみんなとサッカーがしたいです。でも、今の俺にはやることがあります。みんなで一緒にドラゴンを倒す。それが、今の俺の使命です。」

 

神童

「・・・そうだな。」

 

 

すると、屋上にサリア・ヒルダ・ヴィヴィアン・エルシャの四人がやって来た。

 

 

ヒルダ

「剣城。いるかい?」

 

 

剣城はヒルダに呼ばれ立ち上がった。

 

 

剣城

「ヒルダさん。何か俺に用ですか?」

 

ヒルダ

「いや、せっかくだからこのアタシが直々にアルゼナルの中を案内してやろうかなって思ってさ。」

 

剣城

「本当ですか?ありがとうございます。」

 

 

ガシッ

 

 

すると突然、ヒルダは剣城の右腕に抱きついた。

 

 

ヒルダ

「でさ、モノは相談だけど、今日からアタシの部屋で一緒に住まない?」

 

剣城

「・・・へ?」

 

 

剣城が初めて惚けた声を出した。

 

 

ヒルダ

「いいだろう?ジルと隊長には話通しとくからさ。」

 

 

ヒルダは剣城の腕に自身の胸を押しつけ誘惑。剣城はヒルダの誘惑で顔が真っ赤になっていた。

 

 

剣城

「まあ・・・俺はどちらでも構いませんが・・・。」

 

サリア

「私も構わないわよ?」

 

ヒルダ

「じゃあ決まりだね!」

 

剣城

「ええっ!?ちょちょっと!?」

 

 

ヒルダは剣城の腕を引っ張り、その場を離れた。

 

 

天馬

「剣城・・・大丈夫かな?」

 

 

と、気付けば剣城以外の男性メンバーも居なくなっていた。

 

 

サリア

「神童君、戦闘時のフォーメーションを考えるの手伝ってくれる?」

 

神童

「いいですよ。」

 

 

ヴィヴィアン

「しんすけー!一緒にかくれんぼで遊ぼうよー!」

 

信助

「いいですよ!負けませんからね!」

 

 

エルシャ

「幼年部の子供達にあなたを紹介したいんだけれど、いいかしら?」

 

霧野

「いいですよ。何なら俺も子供達の面倒を見るの手伝いましょうか?」

 

エルシャ

「助かるわぁ。幼年部の子供達はね、あなたみたいなお姉さんが大好きなの!」

 

霧野

「男ですよ・・・俺。」

 

 

いつの間にか屋上には天馬とアンジュだけとなっていた。

 

 

アンジュ

「みんな、大人気ね。」

 

天馬

「アハハハハ…はぁ~…」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~パラメイル格納庫~

 

 

その日の夜、天馬は格納庫で一人ペガサスのボディを磨いていた。機首にはジャスミン・モールで購入したソニックバレットを装備している。周囲には第一中隊のパラメイルの他に、神童達が乗ると思われるグレイブが4機置いてあった。

 

 

天馬

「・・・。」

 

 

『お前が居なくなって、みんな練習に身が入らなくなってた。お前がノーマだった事にショックを受けてたのかもな…』

 

 

『秋さんも葵ちゃんも心配してたよ。』

 

 

天馬は昼間の剣城と信助の言葉が気になっていた。そこへ・・・。

 

 

メイ

「こんな時間にボディ磨きか?」

 

 

メイが近づいてきた。

 

 

天馬

「メイさん。」

 

メイ

「ったく、高い武器を選んでくれたもんだよ・・・。壊れたときは治してやるけど、修理出来ないくらいにまで壊れた時の交換費は自腹だからな。」

 

天馬

「わかりました。」

 

 

すると・・・。

 

 

ビー!ビー!ビー!ビー!

 

 

『第一種遭遇警報発令!パラメイル第一中隊、出撃準備!』

 

 

天馬

「来た。」

 

メイ

「ったく、タイミング悪いなぁ!」

 

 

ガコンッ!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

~デッキ カタパルト~

 

 

天馬のペガサスと第一中隊のパラメイル全機がカタパルトにセットされた。第一中隊はそれぞれの機体に騎乗し、神童・剣城・信助・霧野もそれぞれのグレイブに乗り込んだ。

 

 

神童

「いよいよ実戦だな。」

 

剣城

「今回はあくまで、第一中隊の補助要員らしいです。向こうから命令を出すか、敵がこっちに攻撃してくるまで手を出すなと。」

 

信助

「援護もしちゃダメなの?」

 

霧野

「パラメイル隊の給料は、ドラゴンを倒した分の報酬で支払われるらしい。俺達が援護して報酬を減らされたくないんだろう。」

 

サリア

「もう、お喋りはおしまい!サリア隊、出撃します!」

 

 

サリアを先頭に第一中隊は出撃。神童達も第一中隊に続いて飛び立った。そして飛び立って間もなく、第一中隊の前に円形の門が開き、大小様々なドラゴンが多数出現した。

 

 

サリア

「全機、駆逐形態!神童達はドラゴンがそっちに襲ってきたら攻撃しなさい!無理に突っ込まないで!」

 

『イエス!マム!』

 

 

第一中隊はパラメイルをアサルトモードに変形させ、神童達のグレイブ4機を除く8機がドラゴンの群れに突っ込む。だが・・・。

 

 

「ギャアアアアアア!」

 

 

大半のドラゴンが第一中隊を素通りしていった。

 

 

ロザリー

「何で素通り!?」

 

天馬

「もしかして・・・。」

 

 

危険を察知した天馬はペガサスの機首を反転させ、ドラゴン達の後を追った。アンジュもヴィルキスの機首を反転させペガサスを追いかけた。ドラゴンを追いかけていくと、神童達が大量のドラゴンに襲われていた。

 

 

信助

「うわああああ!」

 

天馬

「みんな!」

 

 

ダダダダダダダダダダダッ!

 

 

ペガサスはソニックバレット、ヴィルキスは対ドラゴン用アサルトライフルを乱射しドラゴンを攻撃し、神童達を援護した。

 

 

アンジュ

「大丈夫!?」

 

剣城

「ああ、助かった。」

 

天馬

「予想以上にドラゴンの数が多い・・・。これじゃあサリアさん達の援護に向かえないよ・・・。」

 

 

天馬とアンジュが合流した途端、6機は既にドラゴンに囲まれていた。サリア隊も大物ドラゴンの側で群れを成すドラゴンに悪戦苦闘している。

 

 

神童

(くそっ・・・。俺たちにもっと力があれば・・・。)

 

霧野

(俺たちのせいで、チームの足を引っ張ってる・・・。もっと、もっと戦える力が欲しい。)

 

剣城

(誰でもいい。俺たちに力をくれ!)

 

信助

(みんなを守れる、大きな力を!)

 

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

 

力を求める彼らに反応するかの様に、グレイブ4機が光だした。

 

 

ガシャーン!

 

 

剣城のグレイブの翼が砕け、そこから剣の様に鋭い刃を持った新たな銀色の翼が現れた。フレームとバイザーは赤に変わり、アーマーは銀色に輝き、背中に紅のマントを模した大型スラスターが現れ、頭部は二本角のある西洋騎士の兜の様な形状に変化した。

 

神童のグレイブは翼が腕へと変化し、ボディと二の腕のフレームとアーマーが紫、肘から先が黄緑に変化。下半身はフレーム・アーマー共に白で統一され、東部は水色に変化。さらに肩のアーマー部分に大型のスピーカーが出現した。

 

信助のグレイブは翼が丸みを帯びた形に変わり、フレームは全て金色、アーマーは青、バイザーは白に変化。さらに肘から先が巨大化し、頭部に青紫色の鬣が現れた。

 

霧野のグレイブは頭部と以外のボディカラーが反転し、フレームは黒、頭部はピンクに変化しバイザーは緑に変化。さらに後頭部から桃色の長い髪が出現し、右手には槍の様な先端をした旗が現れた。

 

 

ヒルダ

「おい、あれ見ろよ!」

 

クリス

「また姿が変わった。」

 

ロザリー

「どうなってるんだ・・・。確かアイツらの機体って量産品のグレイブだったよな?グレイブにあんな機能あったっけか?」

 

 

神童

「いったい、何があったんだ・・・?」

 

剣城

「わかりません。ただ・・・。」

 

霧野

「何だか、さっきとは全然違う力を感じる!」

 

信助

「今の僕達なら、何でも出来そうな感じだ!」

 

 

4機はそれぞれアサルトライフルを装備し、周囲を取り囲むドラゴンに向かって乱射。粗方のドラゴンを片付けた。

 

 

神童

「進路確保!」

 

剣城

「行くぞ!」

 

 

天馬・アンジュ・剣城・神童・信助・霧野はサリア隊のところへと向かった。一方のサリア隊は巨大なドラゴンと戦っていた。

 

 

ロザリー

「雑魚が邪魔で、思い通りに近づけねぇ!」

 

 

ドラゴンは顔の前に魔方陣を出現させ、そこから雷の様な電撃を放った。

 

 

信助

「やらせない!マジン・ザ・ハンド!」

 

 

信助のグレイブは両手を前に突き出しシールドを展開。ドラゴンの電撃を防いだ。

 

 

ヴィヴィアン

「ドラゴンの電撃を防いだ!」

 

エルシャ

「凄いわね…」

 

 

剣城

「雑魚の相手は俺がやる!」

 

霧野

「いくぞ!」

 

 

剣城のグレイブは高速で飛行しながら翼でドラゴンを切り裂き、霧野のグレイブは旗を振り回し周囲のドラゴンを凪ぎ払った。

 

 

神童

「俺が奴の動きを封じる!天馬とアンジュさんはその隙に奴を仕留めるんだ!」

 

天馬

「はい!」

 

アンジュ

「・・・。」

 

神童

「デュアルスピーカーキャノン、発射!」

 

 

ドーン!

 

 

神童のグレイブは両肩のスピーカーから高出力の音波を巨大ドラゴンに向かって発射。巨大ドラゴンは動きを止めもがき苦しみ始めた。

 

 

アンジュ

「いくわよ、天馬!」

 

天馬

「はい!」

 

 

天馬とアンジュはドラゴンが動かない隙に懐へと突っ込む。

 

 

ロザリー

(今だ!)

 

 

バーン!

 

 

ロザリーのグレイブロザリー・カスタムはヴィルキスに向かって砲撃。

 

 

ドカーン!

 

 

天馬

「どわぁっ!」

 

 

だが狙いが外れ、砲弾は天馬のペガサスに命中してしまった。

 

 

ロザリー

「やっば…」

 

アンジュ

「天馬!」

 

天馬

「俺のことは気にしないで、ドラゴンに止めを!」

 

アンジュ

「・・・わかった!」

 

 

ヴィルキスは左腕に氷結バレットを装填し、ドラゴン目掛けて突っ込む。

 

 

アンジュ

「食らいなさい!」

 

 

そしてドラゴンの胸部に氷結バレットを打ち込んだ。氷結バレットを打ち込んだ途端、ドラゴンの胸部から無数の氷柱が生え、ドラゴンは動きを止め海に落下。落下した場所を中心に辺りの水面が瞬時に凍りついた。

 

 

ヒルダ

「ちっ…」

 

サリア

「・・・ミッション終了。帰るわよ。」

 

 

第一中隊は全機フライトモードに変形し、アルゼナルへと向かった。だが、天馬のペガサスはエンジンを損傷したため遅れていた。

 

 

天馬

「参ったな… 右側のエンジンがダメになっちゃって上手く飛べない… こうなりゃ仕方ない…」

 

 

天馬はペガサスのエンジンを切り翼を動かす。そして羽ばたき飛行でゆっくりとアルゼナルに向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~アルゼナル デッキ~

 

 

アルゼナルに到着したのは次の日の早朝だった。

 

 

ヒルダ

「じゃ、報酬貰いに行こうぜ?」

 

ヴィヴィアン

「今回はいくら入ったかな~?」

 

 

一同はワクワクしながら受取所へ向かう。すると・・・。

 

 

剣城

「ロザリーさん。」

 

 

ロザリーは剣城に呼び止められた。

 

 

ロザリー

「何だよ剣城。アタシに何か用?」

 

 

ガシッ! ギギギギギギ・・・!

 

 

剣城はロザリーの右手首を掴み、力一杯握った。

 

 

ロザリー

「イダダダダダダダッ!」

 

剣城

「ロザリーさん、もうさっきみたいな事はやらないと誓ってもらえますか?」

 

ロザリー

「さっきみたいな事!?いきなり何だよ!?」

 

剣城

「惚けるな!さっきあんたのパラメイルが天馬のパラメイルを撃ったのを知ってるんだぞ!」

 

ロザリー

「み、見てたのか!?あれは、アンジュのパラメイルを狙おうとしただけで、天馬を狙ったわけじゃ・・・。」

 

剣城

「同胞に引き金を向ける兵士が何処にいる!!」

 

 

ギュウウウウウ!

 

 

ロザリー

「イダダダダダダダッ!」

 

 

剣城はさらに力を加える。

 

 

ロザリー

「放して!マジで折れるって!」

 

剣城

「ではもうしないと約束しますか?相手が誰であろうと。」

 

ロザリー

「しないしない!約束する!もう相手が誰でも同士撃ちはしない!」

 

剣城

「ならば結構。」

 

 

剣城は手を放しロザリーを解放。ロザリーはひと安心し、剣城は受取所に向かって静かに歩きだした。

 

 

クリス

「大丈夫?」

 

ロザリー

「ったぁ~…マジで骨折れるかと思った… 何者だアイツ?」

 

天馬

「剣城…」

 

 

 

To Be Continued…




~次回予告~


天馬
「信助は第一中隊の中じゃ誰がタイプ?」

信助
「エルシャさんかな?いつもニコニコしてて優しいし、ヴィヴィアンさんの話じゃ料理が凄く上手いらしいんだ。」

神童
「なるほど。頼れるお姉さんってヤツか。」

霧野
「天馬は誰がタイプなんだ?」

天馬
「ヒ・ミ・ツ♪」

信助
「ええ~?」

天馬
「次回、《信じ合うためには》。」

剣城
「天馬、自分から聞いておいてそれは無いだろ…」

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