クロスアンジュ LIGHTNING EDITION ~天使とドラゴンと五人の巨人使い~   作:ヒビキ7991

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Ep.20/激突!破壊天使vs機動戦士!

~太平洋~

 

 

ビー!ビー!

 

 

《WARNING! WARNING!》

 

 

突然、各機に警告アラームが鳴り響いた。

 

 

天馬

「警告?」

 

 

天馬達は辺りを見回す。すると、前方にヴィルキスと同型の黒いパラメイル5機が待ち構えていた。

 

 

ヴィヴィアン

「何ぞあれ?」

 

アンジュ

「黒い、ヴィルキス?」

 

天馬

「まさか・・・!」

 

 

天馬は前方のパラメイルをスキャンし、ゲッコーがインプットしてくれたラグナメイルのデータと照合した。

 

 

天馬

「ライトブルー・ストレート、《クレオパトラ》。グリーン・スペード、《テオドーラ》。クロス・オレンジ、《レイジア》。ビクトリー・ピンク、《ヴィクトリア》。

イエロー・ストレート、《エイレーネ》。間違いない、あの時シェルターで見た映像に映ってたラグナメイルだ!」

 

 

バキューン!バキューン!

 

 

クレオパトラ達はライフルを構え、ドラゴン達に向けてビームを乱射。ビームはドラゴン達に命中し、ドラゴン達は次々と海へ落ちていく。

 

 

信助

「まさか、待ち伏せ!?」

 

サラマンディーネ

「これより敵機の排除に参ります!突撃!」

 

 

焔龍號、蒼龍號、碧龍號はアサルトモードに変形し、右手にライフルを装備しラグナメイル集団に突っ込んだ。後から多数のドラゴン達も続く。

 

 

天馬

「アンジュさん!信助!」

 

アンジュ

「分かってる!サラ子を助けに行くわ!」

 

タスク

「待て!相手はエンブリヲだぞ!」

 

信助

「それでも黙って見てられるわけ無いですよ!」

 

 

ヴィルキス・ペガサス・タイタニアスはスピードを上げ、サラマンディーネ達の援護に向かった。

 

 

ヴィヴィアン

「タスク、アタシ達も!」

 

タスク

「ったく、しょうがないなあ!」

 

 

タスクもエアバイクのスピードを上げ、アンジュ達に続いた。

 

 

ガキーン!

 

 

その頃、サラマンディーネの焔龍號はクレオパトラと剣をぶつけ合っていた。

 

 

カナメ

『右翼、損耗三割を超えました!』

 

ナーガ

『左翼、整然が維持出来ません!』

 

サラマンディーネ

「相手はたったの五機ですよ!?」

 

 

焔龍號は一旦距離をとり、クレオパトラにライフルを向けてビームを発射。だがクレオパトラの動きは素早く、ビームを全て避け一気に接近された。

 

 

サラマンディーネ

「速い!」

 

 

クレオパトラは剣を装備し、勢いよく振り下ろす。

 

 

ガキーン!

 

 

ヴィルキスが焔龍號の正面に割り込み、クレオパトラの剣を受け止めた。

 

 

アンジュ

「サラ子、大丈夫!?」

 

サラマンディーネ

「え、えぇ…」

 

 

バキューン!バキューン!

 

 

一方、蒼龍號はレイジアとテオドーラ、碧龍號はヴィクトリアとエイレーネと交戦していた。

 

 

ナーガ

「くそっ!速い!」

 

 

すると突然、蒼龍號の前にペガサスが、碧龍號の前にタイタニアスが現れた。

 

 

天馬

「大丈夫ですか!?」

 

ナーガ

「天馬!」

 

信助

「ここは僕たちが引き受けます!皆さんは早急に撤退を!」

 

サラマンディーネ

「出来ません!エンブリオからアウラを取り戻すまでは!」

 

アンジュ

「何言ってるの!!あなた司令官でしょ!?周りをよく見なさい!!」

 

 

周りではドラゴン達がラグナメイルの攻撃を受け、次々と海へと落ちて行く。

 

 

天馬

「今は引いて、戦力を立て直すんです!勝つために!」

 

サラマンディーネ

「・・・全軍、編成を縮小しつつ特異点へ撤退せよ!」

 

 

サラマンディーネの指示により、ドラゴン達はシンギュラーへと戻り始めた。だが、ヴィクトリアとエイレーネが追跡してくる。

 

 

天馬

「信助はヴィクトリアとエイレーネの足止めを!レイジアとテオドーラは俺が引き受ける!」

 

信助

「わかった!」

 

 

信助はタイタニアスを操作し、ヴィクトリアとエイレーネの前に立ちはだかる。

 

 

ナーガ

「天馬、これを!」

 

 

ナーガの蒼龍號は自身の装備している手甲剣を取り外し、ペガサスに向けて投げた。ペガサスは右腕を伸ばし手甲剣を装備した。

 

 

天馬

「これは・・・!」

 

ナーガ

「お前の機体には近接戦用の装備が無いだろ?使え!」

 

天馬

「ありがとうございます!」

 

 

ペガサスは刃を展開し、レイジアとテオドーラめがけて突っ込んだ。

 

 

ダダダダダダダダダダ!カチッ

 

 

一方、ヴィルキスはアサルトライフルでクレオパトラを攻撃していたが、ついに銃弾が尽きてしまった。

 

 

アンジュ

「くそっ!」

 

サラマンディーネ

「アンジュ、これを!」

 

 

サラマンディーネの焔龍號は自身のビームライフルをヴィルキスに投げ渡した。ヴィルキスはライフルを受け取り構える。

 

 

サラマンディーネ

「どうか、ご無事で・・・。」

 

アンジュ

「いいから速く行きなさい!」

 

 

バキューン!

 

 

ヴィルキスはクレオパトラに向けて銃を放ち、その隙に焔龍號はシンギュラーへと急いだ。

 

 

シュゥゥ…

 

 

生き残ったドラゴンと龍神器は全てシンギュラーへ撤退し、撤退完了と同時にシンギュラーは消えた。

 

 

???

「・・・やっぱり、間違いない。」

 

 

クレオパトラはビームを避けながら急接近する。ヴィルキスは急いでフライトモードに変形しその場を離れた。クレオパトラもフライトモードに変形してヴィルキスと平行に飛行。

 

 

アンジュ

「・・・!?」

 

 

その時、クレオパトラのメイルライダーが姿を現した。

 

 

アンジュ

「まさか、サリア!?」

 

 

クレオパトラに乗っていたのは、以前パラメイル第一中隊隊長だったサリア。

 

 

サリア

「あんた、何で・・・?」

 

 

そこへ交戦中だったペガサス・タイタニアス・レイジア・テオドーラ・ヴィクトリア・エイレーネ、そしてタスクが合流。ペガサス達はフライトモードに変形しヴィルキス達と並走。そして各々のラグナメイルのメイルライダーが姿を見せた。

 

 

天馬

「エルシャさんに、クリスさん!?」

 

信助

「第三中隊のターニャさんにイヌマさんまで!!」

 

ヴィヴィアン

「何で?何でみんながここに?」

 

 

レイジアにはエルシャ、テオドーラにはクリス、ヴィクトリアにはターニャ、エイレーネにはイヌマが乗っていた。

 

 

エルシャ

「本当に、アンジュちゃんなのね?」

 

クリス

「おまけに天馬と信助とヴィヴィアンまで一緒。マジでビックリだよ。」

 

イヌマ

「でも、何で?」

 

ターニャ

「何でドラゴンと一緒に戦ってるの?」

 

天馬

「みんなこそ、何でラグナメイルなんかに?」

 

 

ピピッ

 

 

突然、クレオパトラに通信が入った。

 

 

サリア

「こちらサリア・・・はい、了解しました。」

 

 

サリアは通信を終えると、クレオパトラをアサルトモードへと変形させた。

 

 

サリア

「アンジュ、あなたを拘束するわ。みんないいわね?」

 

エルシャ・クリス

「イエス、ナイトリーダー!」

 

 

レイジア・テオドーラ・ヴィクトリア・エイレーネもアサルトモードへと姿を変える。

 

 

アンジュ

「やばい!」

 

天馬

「ここは逃げましょう!」

 

 

アンジュ・天馬・信助・タスクは機体のスピードを上げ、猛スピードでその場から離れた。

 

 

サリア

「逃げても無駄よ!」

 

 

サリア達も後を追いかける。

 

 

サリア

「アンジュ、あなたをエンブリヲ様のところへ連れていく!」

 

アンジュ

「エンブリヲ様ですって!?あんた、あの気持ち悪い髪型のナルシストの愛人にでもなったの!?」

 

サリア

「あの方を侮辱するのは許さないわよ!」

 

 

《WARNING! WARNING!》

 

 

突然、再び警告音が鳴り響いた。

 

 

信助

「もう、今度は何だよ!?」

 

 

すると、前方に巨大な人影が見えた。

 

 

天馬

「あれって・・・!」

 

 

一同は人影を見て仰天した。

 

 

天馬

「AGE-FXにウイングゼロ、それにダブルゼータ!?」

 

 

前方にいたのは、以前天馬とアンジュがミスルギ皇国で遭遇した巨大ロボ、ガンダムAGE-FX。さらに同サイズのウイングガンダムゼロEWとダブルゼータガンダムだった。

 

 

サリア

「何なのあれ!?」

 

エルシャ

「パラメイルとは違う・・・。」

 

クリス

「それに、パラメイルより大きい・・・。」

 

 

すると突然、FX達がビームライフルを装備しアンジュ達に銃口を向けた。

 

 

アンジュ

「まさか、敵!?」

 

 

だがヴィルキス達が接近しても何もせず、最終的にヴィルキス達はFXの横を通過した。

 

 

天馬

「攻撃してこない?」

 

 

バキューン!バキューン!バキューン!

 

 

すると、FX達がクレオパトラ達に向けて発砲を開始。クレオパトラ達はシールドを展開してビームを防ぐ。

 

 

信助

「僕たちを、助けてくれるの?」

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

突然、FXのビームの刃が強く光りだし、辺りは光に包まれた。そして光が消えると、FX達とアンジュ達は姿を消していた。

 

 

サリア

「消えた!?」

 

エルシャ

「何処に行ったの・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天馬

「う、う~ん…」

 

 

気が付くと、天馬はペガサスの上で気を失っていた。辺りは暗く、空には無数の星が輝いていた。

 

 

天馬

「ここは・・・?」

 

 

天馬は体を起こし辺りを見た。下には地面があり、辺りには海と崖と倒壊したカタパルトとおぼしき構造物。隣にはヴィルキスとタイタニアスとタスクのエアバイク、さらにAEG-FXとウイングゼロ、ダブルゼータが止まっていた。

 

 

天馬

「まさか、アルゼナル?」

 

 

すると、向こうの方で誰かが焚き火をしていた。天馬はペガサスを下り向かうと、アンジュ・信助・タスク・ヴィヴィアンが火の前に腰を下ろし魚を食べていた。

 

 

天馬

「みんな・・・。」

 

 

天馬は近づき声をかける。アンジュ達は声に気付き振り向いた。

 

 

アンジュ

「あら、気が付いたのね?」

 

タスク

「天馬君もどう?お腹空いてるだろ?」

 

 

天馬はアンジュとタスクの間に座り、焚き火の周りに刺してあった魚を手に取った。

 

 

「天馬君!」

 

 

「よかった、目が覚めたのね。」

 

 

ふと焚き火の向こうから聞き覚えのある少女の声がした。天馬は顔を上げ、焚き火の向こうに目を向ける。

 

 

天馬

「ナオミに、葵!?」

 

 

声の主は、以前天馬達とアルゼナルを脱走しその後行方不明になったパラメイル第一中隊のメンバー、ナオミ。そして雷門中サッカー部のマネージャーの一人、空野葵だった。

 

 

天馬

「な、何で二人がここに?」

 

 

「俺が二人をダブルゼータとウイングゼロに乗せたんだ。」

 

 

今度は聞き覚えの無い声がした。声のした方を見ると、見覚えの無い一人の少年が魚を食べていた。少年は寝癖のように一部が跳ね上がった黒い髪と黒い瞳。下半身は白のスニーカーと藍色のハーフパンツ、上半身は無地の白いTシャツの上から青色のジャケットを羽織っていた。

 

 

天馬

「君は・・・?」

 

タスク

「彼が、あのガンダムAGE-FXのパイロットさ。」

 

 

タスクの言葉に天馬は驚いた。

 

 

???

「無事で良かったよ、松風天馬君。」

 

天馬

「何で、俺の名前を?」

 

???

「君達の事は粗方調べさせてもらったからね。」

 

アンジュ

「ねえ、天馬も無事に起きたわけだし、話してくれる?」

 

???

「いいけど、何から話せばいい?」

 

アンジュ

「全部よ。あなたは何者なのか。何故ナオミと葵と一緒なのか。何故実在しないはずのガンダムに乗っているのか。洗いざらい吐いてもらうわ。」

 

???

「・・・わかった。」

 

 

少年は残った骨と棒を火の中に捨て、語り始めた。

 

 

???

「じゃあ最初に、俺は《稲森明日人》。伊那国島にある伊那国中学校サッカー部の2年生だ。」

 

天馬

「伊那国島って、日本の南にある離島だよね?俺もアンジュさんと会う前に、一回だけ伊那国中サッカー部と練習試合をしたけど、君をサッカー部で見かけた事は1度も・・・。」

 

明日人

「当然さ。俺は君達とは違う世界から来たからね。」

 

 

明日人の発言に天馬達は驚いた。

 

 

アンジュ

「違う世界って、まさかサラ子達の?」

 

明日人

「いや、俺は君達の世界ともアウラの民の世界とも違う、三つ目の世界の住民なんだ。」

 

タスク

「三つ目の!?」

 

明日人

「うん。俺の住んでいた世界は君達の世界と分岐した世界で、君達の世界では10年前、円堂守率いる雷門イレブンがフットボールフロンティア全国大会で優勝した後、エイリア学園という組織が襲撃に来たと思うんだけど、俺の世界はそのエイリア学園の襲撃が無かった場合の1年後になるんだ。」

 

アンジュ

「そんな世界のあなたが、何でガンダムに乗ってこんなところへ?」

 

明日人

「頼まれたんだ、エンマ大王に。」

 

信助

「エンマ大王って、あのエンマ大王?」

 

明日人

「そうだよ。ある日、俺はエンマ大王の力によって妖魔界に召喚された。妖魔界は一言で言うなら、妖魔達が住まう別世界ってところだ。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

~妖魔界~

 

 

エンマ大王

「稲森明日人だな?」

 

明日人

「そうですけど、あなたは?」

 

エンマ大王

「俺はエンマ大王。この妖魔界を治める者だ。明日人、お前をここに召喚したのは、お前に頼みたい事があるからだ。」

 

明日人

「俺に頼みたい事?」

 

エンマ大王

「こことは違う別の世界へ行き、人類を滅ぼそうと企む者、エンブリヲを倒せ。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

天馬

「何でエンマ大王がエンブリヲを敵視してるの?」

 

明日人

「エンブリヲは君達の世界とアウラの民の世界を融合して、一つの地球に作り直そうと目論んでいる。君達がアウラの民の世界で見た竜巻は、そのデモンストレーションだったんだ。」

 

ヴィヴィアン

「ちょっと待った!何であの竜巻の事を知ってるの?」

 

明日人

「エンマ大王は妖魔界から君達の世界をずっと監視していたんだ。エンブリヲがいつ何をするか分からないからね。」

 

ヴィヴィアン

「ふ~ん。」

 

明日人

「仮にエンブリヲが二つの世界の融合を行えば、君達人類やドラゴン達は岩や瓦礫に埋もれ死んでしまう。」

 

タスク

「俺の父さんや仲間達みたいにか・・・。」

 

明日人

「そして融合が完了すると、人類は完全に絶滅。さらにその副作用で時空が歪み、他の平行世界に甚大な被害をもたらす危険性がある。地殻変動や異常気象ならまだ良い方だ。下手をすれば超新星爆発や、巨大ブラックホールを招く可能性もゼロじゃない。」

 

信助

「そんな・・・。」

 

明日人

「エンマ大王はエンブリヲの世界融合を食い止めるために、俺にこのガンダムAEG-FXを預けて、こっちの世界に送った。必ずエンブリヲを倒せと命じてね。」

 

アンジュ

「じゃあ、このガンダム達は?」

 

明日人

「エンマ大王がエンブリヲのラグナメイルに対抗するための戦力として作ったコピーさ。」

 

信助

「コピー?」

 

明日人

「君達の世界では機動戦士ガンダムという作品は架空の話って事になってるけど、実は他の平行世界で実在していたんだ。」

 

 

明日人の発言にアンジュ達は驚いた。

 

 

明日人

「エンマ大王は数ある平行世界の中からモビルスーツという架空の兵器が実在する世界を探しだし、その世界にある機体をコピーして産み出したんだ。」

 

タスク

「まさか、あのダブルゼータやウイングゼロも?」

 

明日人

「エンマ大王の作ったコピーさ。どれもラグナメイルに対抗出来るだけの性能を持ってる。でも俺のAGE-FXには、他の機体には無い能力がある。」

 

アンジュ

「他の機体には無い能力?」

 

明日人

「空間跳躍、いわゆるワープ移動さ。この前のミスルギや昼間のバトルで見せたあの力がその証拠。」

 

アンジュ

「ふーん。」

 

信助

「じゃあ、ナオミさんと葵ちゃんが一緒なのは何故?」

 

明日人

「さっきも行った通り、俺が二人にお願いして乗ってもらったのさ。ドラゴン達がこのアルゼナルを襲撃したあのとき、俺はエンマ大王からこのダブルゼータとウイングゼロを預かった。その後俺はエンブリヲに気付かれないように、ダブルゼータとウイングゼロのパイロットに相応しい人物、空野葵ちゃんとナオミ・東雲ちゃんを探した。」

 

天馬

「何で葵とナオミをパイロットに選んだの?」

 

明日人

「エンマ大王が予め二人をマークしてたんだ。君達と共に戦うに相応しい人物としてね。最初は稲妻町で葵ちゃん、その後はエンデラントでナオミちゃんに接触して、同意を得たうえでガンダムに乗ってもらって、今に至るってことさ。」

 

「最初、明日人君に会った時はパニックになっちゃったけど・・・。」

 

ナオミ

「天馬君の力になれるならって思って、乗ることにしたの。」

 

天馬

「そうだったんだ・・・。」

 

アンジュ

「・・・そういえばナオミ、あれからお父さんとお母さんには会えたの?」

 

ナオミ

「・・・。」

 

 

ナオミは表情を暗くして俯いた。

 

 

ナオミ

「・・・ヒルダと剣城君と別れた後、私はお父さんのロボット工学研究所に向かったの。でも研究所はほとんど取り壊されてて、家に行ったら、もう違う人の家になってたの。ダメ元でお父さんとお母さんの事を聞いたら、数ヶ月前に交通事故で亡くなったって・・・。」

 

天馬

「そうだったんだ・・・。」

 

ナオミ

「・・・でも、もう大丈夫。」

 

 

ナオミは顔を上げ、笑顔を見せた。

 

 

ナオミ

「明日人君のおかげで、こうやってみんなにもう一度会えたんだもん!ありがとう、明日人君!」

 

明日人

「こちらこそ。」

 

 

明日人は静かに微笑み、一同も微笑んだ。

 

 

アンジュ

「・・・でも、これからどうするの?この様子だと、もうアルゼナルには誰も居ないみたいだし・・・。」

 

 

ザバーン

 

 

突然、海の方から水の音がした。一同が音のした方を見ると、海からカタパルトを登り近づいてくる三人のダイバーが見えた。ダイバーはシュノーケルマスクをしていたが、真っ暗でマスクの下の顔は見えなかった。

 

 

タスク

「お、お化け!?」

 

明日人

「幽霊!?」

 

天馬・信助

「海坊主!?」

 

アンジュ・ヴィヴィアン・葵・ナオミ

「いやあああああああ!!」

 

 

一同は恐怖し、アンジュはタスクに、ヴィヴィアンは信助に、葵とナオミは天馬にしがみついた。

 

 

「アンジュリーゼ・・・様?」

 

 

アンジュ

「ち、違う!私は・・・え?」

 

 

聞き覚えのある声がしたと思ったら、ダイバーの一人がマスクを外しフードを取った。

 

 

アンジュ

「モモ・・・カ?」

 

モモカ

「アンジュリーゼ様あぁぁ!」

 

 

ダイバーの一人はアンジュの侍女、モモカだった。モモカは嬉しさのあまりアンジュに抱きつき、アンジュもモモカを抱きしめた。

 

 

アンジュ

「モモカ!」

 

モモカ

「良かった、アンジュリーゼ様が御無事で!」

 

 

二人のダイバーもマスクを外し素顔を見せる。正体は同じパラメイル第一中隊のメイルライダー、ヒルダとロザリーだった。

 

 

ヴィヴィアン

「ヒルダ!ロザリーも!」

 

ヒルダ

「アンジュ!」

 

ロザリー

「うわあ!ドラゴン女!」

 

 

ヒルダはアンジュのところへ駆け寄り、二人は再開を喜んだ。

 

 

ヒルダ

「ホントに、ホントにアンジュなの?」

 

アンジュ

「もちろんよ、ヒルダ!」

 

 

ふと、ロザリーは天馬達に目を向けた。ロザリーは笑顔になり、天馬達に近づいた。

 

 

ロザリー

「天馬!信助!ナオミ!お前ら生きてたのか!?」

 

信助

「ロザリーさんこそ!」

 

天馬

「よかったぁ、もう会えないかと思いましたよ。」

 

ロザリー

「そいつはこっちのセリフだっつの!あの妙な黒いパラメイルの攻撃を受けてロストしたんじゃないかって思ってたんだぞ!それにナオミ!お前に限ってはアルゼナル脱走してから消息不明だったんだからな!」

 

ナオミ

「えっ!?そうなの!?」

 

ヒルダ

「・・・ん?」

 

 

ふとヒルダの目にタスクと明日人と葵、さらにガンダム達の姿が目に入った。

 

 

ヒルダ

「・・・見覚えの無い男二人と女一人、でもって見たこと無いロボットが三機か。いったい全体、何があったんだ?」

 

 

ヒルダはアンジュに向けて言った。

 

 

アンジュ

「話せば恐ろしく長くなるけど、いい?」

 

ヒルダ

「こんな格好で長話なんか聞いたら風邪ひくっての。」

 

 

すると、ヒルダはダイビングスーツの中から通信機を取り出した。

 

 

ヒルダ

「こちらヒルダ。浮上してお客さんを収容してくれ。」

 

 

連絡を終えると、通信機を仕舞った。

 

 

ヒルダ

「直ぐ迎えが来る。詳しい話はそれからにしようぜ。」

 

「迎え?」

 

 

ザバーン!

 

 

海から巨大な水飛沫と共に、巨大な銀色の船が一同の前に現れた。

 

 

天馬

「これは・・・!?」

 

ヒルダ

「潜水母艦アウローラ。アタシ達の船だ。」

 

アンジュ

「アウローラ・・・。」

 

 

To Be Continued…




~次回予告~


天馬
「明日人達の設定って誰が考えたの?」

明日人
「俺とFXの設定は以前メッセージをくれたある人が考えてくれた設定をベースにしたもので、葵ちゃんとナオミちゃんの設定はうp主が自分で決めたらしい。」

アンジュ
「何でダブルゼータとウイングゼロEWを選んだの?」


「ダブルゼータは去年バージョン カトキがMGで発売された記念で、ウイングゼロEWはG.F.F.M.C.版が去年発売された記念で選んだんだって。」

ナオミ
「もっとも、うp主さんもダブルゼータとウイングゼロEWがお気に入りみたいだから、それもかな?」

アンジュ
「ふーん。」

サラマンディーネ
「次回、《深海の攻防!天馬vsジル!》ですわ。お楽しみに。」

アンジュ
「ちょっと、ヒョッコリ出て来て勝手にタイトル言って締めないでよ!」

サラマンディーネ
「だって、私またしばらく出番無しですもの……」

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