クロスアンジュ LIGHTNING EDITION ~天使とドラゴンと五人の巨人使い~   作:ヒビキ7991

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Ep.15/皇帝の落日《前編》

~アルゼナル 襲撃跡~

 

 

天馬

「ジャスミンさん、待って!」

 

ジャスミン

「危ないから来るんじゃないよ!」

 

 

ジャスミンは穴の中に火のついたライターを投げ入れ死体を燃やした。アンジュと天馬は炎に包まれた穴の中を見る。

 

 

アンジュ・天馬

「・・・!?」

 

 

アンジュと天馬は穴の中を見て驚愕した。後から合流したパラメイル隊も、穴の中を見て自身の目を疑った。

 

 

エルシャ

「何これ…」

 

 

穴の中で燃えていたのはドラゴンの死体ではなく、人間の死体だった。

 

 

霧野

「どういう事だよ…」

 

 

 

 

 

 

 

ジル

「よくある話だろ?バケモノの正体は人間でした・・・なんてな。」

 

 

後方からジルが笑いながら言った。その時天馬の脳裏には、以前無人島でドラゴンと格闘したときの映像が流れてきた。

 

 

天馬

「俺達、ずっと人殺しをしていたのか……」

 

ジル

「好きなんだろ?ドラゴンを倒して稼いで好きなものを買う、今の暮らしが。」

 

 

平然と口にするジルを、アンジュは睨んだ。

 

 

アンジュ

「黙れクソ女!もうヴィルキスには乗らない。ドラゴンもころさない!リベルタスなんてくそくらえよ!!」

 

ジル

「神様に飼い慣らされたままでいいなら、そうするがいい。」

 

 

ジルはタバコを投げ捨て、その場を離れた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~森~

 

 

臨時指令部に向かう途中、ジルの目の前に1人の男が現れた。

 

 

???

「神様か。」

 

ジル

「・・・?」

 

 

男は緑色のタキシードを身に纏い、白金の髪と白い肌、そしてエメラルドグリーンに輝く瞳をしていた。

 

 

???

「私は自分から名乗った覚えは1度も無いぞ?《創造主》というのが、正解だな。」

 

ジル

「・・・っ!?」

 

 

バーン!

 

 

ジルは男に銃を向け発砲。だが、銃弾は男の体を通り抜けた。

 

 

ジル

「《エンブリヲ》・・・!」

 

エンブリヲ

「怒った顔も素敵だよアレクトラ。いや、今は総司令官のジルか?」

 

 

♪ピン、ポン、パン、ポ~ン♪

 

 

ジル

「何だ?」

 

エンブリヲ

「どうやら来たようだ。」

 

 

突然、アルゼナルのあちこちにエアディスプレイが現れ映像が映し出された。

 

 

『こちらはノーマ管理委員会直属、国際救助艦隊です。

 

ノーマのみなさん、ドラゴンとの戦闘ご苦労様でした。これより、みなさんの救助を開始します。水や暖かい食料も十分に用意されています。武器を捨て、脱出準備をしてください。』

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~襲撃跡~

 

 

その映像はアンジュ達にも届いていた。

 

 

モモカ

「アンジュリーゼ様、助けです!」

 

天馬

「・・・。」

 

 

喜ぶモモカに対し、天馬は疑いの目をしていた。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~太平洋 戦艦エンペラー・ジュリオ1世 ブリッジ~

 

 

その頃、太平洋上を航行する艦隊の1隻、旗艦を勤める戦艦エンペラー・ジュリオ1世のブリッジの艦長席にジュリオが座っていた。

 

 

ジュリオ

「最後の再会といこうじゃないか、アンジュリーゼ。」

 

ブリッジ要員

「アルゼナル、対空兵器を機動!」

 

ジュリオ

「やれやれ、平和的に事を進めたかったというのに…」

 

 

ジュリオは静かにマイクを取り、艦隊に指示を送る。

 

 

ジュリオ

「旗艦エンペラー・ジュリオ1世より全艦艇へ。たった今ノーマはこちらの救援を拒絶した。これは我々、いや全人類に対する反逆である!なんじて見過ごす訳にはいかん!攻撃開始!」

 

 

ズドドドドドドドドーン!!

 

 

ズドーン! ズドーン!

 

 

ジュリオの一声で、艦隊はアルゼナルへ向けての攻撃を開始。

 

 

ダダダダダダダダ・・・!!

 

 

アルゼナルも対空砲で対抗するが、撃ち漏らしたミサイルが地上の施設を次々に破壊。そんな中、エアバイクに乗り太平洋の上を猛スピードで駆け抜ける1人の男がいた。

 

 

タスク

「くそっ、遅かったか!・・・アンジュ、天馬君、無事でいてくれよ!」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~アルゼナル 居住区~

 

 

一方、居住区ではエルシャが幼年部の子供達にオルゴールを聞かせて気を落ち着かせ、残りのメイルライダーは怪我人の治療をしていた。

 

 

ゾーラ

「攻撃してきやがった。」

 

クリス

「救助なんて嘘だったんだ…」

 

剣城

「人間は、俺達ノーマなんかに救いの手を差し伸べるような事はしない。人間は俺達ノーマを簡単に切り捨ててしまう。たとえ、それが誰よりも自分を愛し、11年間離ればなれになっても、再会という目的のために生き続けた、たった1人の娘だったとしても・・・。」

 

ヒルダ

「剣城…」

 

ロザリー

「・・・今回ばかりは、その言葉の意味が分かるかもしれないな。」

 

 

『諸君、これが人間だ。』

 

 

突然、アルゼナル全体にジルの放送が聞こえてきた。

 

ジル

『奴らはノーマを助けるつもりなどない。物のように我々を回収し、別の戦いのために住職させるつもりなのだ。それを望む者は投降しろ。抵抗する者は共に来い。これよりアルゼナル指令部は人間の管理下を離脱し、反攻作戦を開始する!作戦名はリベルタス!志を同じくする者は武器を持ち、アルゼナル最下層に集結せよ!』

 

 

突然の出来事に、ロザリーとクリスは戸惑う。

 

 

ロザリー

「反抗ってどういう事だよ!?」

 

ゾーラ

「要するに司令に従って死ぬか、人間に殺されて死ぬか選べって事だ。」

 

ヒルダ

「アタシは司令と行くよ。人間達には恨みも憎しみもある。いい機会さ。」

 

剣城

「俺も、ヒルダさんについて行きます。」

 

ゾーラ

「そー言うなら、アタシもだ。」

 

エルシャ

「私も行くわ。」

 

霧野

「守らないとな、大切なものを。」

 

 

いつの間にかヒルダの周りには、アンジュ・天馬・サリア・ヴィヴィアンを除く第一中隊のメンバーが集まっていた。

 

 

クリス

「・・・人間に逆らってなんて、生きていける訳無いよ!」

 

ヒルダ

「やってみないと、分かんないさ。だろ、アンジュ?」

 

 

ヒルダはアンジュに呼び掛ける。だが、アンジュの返事は無かった。

 

 

ココ

「・・・アンジュ様?」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~最下層 ブリッジ~

 

 

その数分後、ジル・パメラ・ヒカル・オリビエは、最下層にあるとある一室へと着いた。中は様々な機械が並び、まるで宇宙船の中の様だ。

 

 

パメラ

「いつの間に、こんなものが・・・。」

 

ジル

「パメラ、操縦席に座れ。ヒカルはレーダー席、オリビエは通信席だ。全システム起動、発進する!」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~パラメイル格納庫~

 

 

その頃、パラメイル格納庫ではパラメイルの移動作業が行われていた。

 

 

メイ

「ヴィルキスが最優先だ!弾薬の装填は後回し!非常エレベーターに乗せるんだ!」

 

 

そこへ、第一中隊が到着。

 

 

ゾーラ

「メイ、アタシ達のパラメイルは?」

 

メイ

「いつでも出せるよ!」

 

 

すると、一同の前に五人のメイルライダーが現れた。第三中隊のターニャ、イルマ、シャノン、カミラ、ナンシーだ。

 

 

ターニャ

「ゾーラ隊長、ターニャ以下5名、出撃準備完了です!」

 

ゾーラ

「よし、第一中隊出撃だ!」

 

 

ゾーラの一声で、ターニャ達は先陣を切って出撃した。すると・・・。

 

 

ミランダ

「みんな、あれ!」

 

 

ミランダが何かを見つけ空を指差した。空には大量の円盤型ドローンが飛行している。

 

 

シャキンッ!

 

 

ドローンは無数の刃を展開し、高速で回転しながら急降下。格納庫の屋根を切断し破壊した。

 

 

ドカーン!

 

 

頭上から大量の瓦礫が落ち、滑走路を塞いだ。

 

 

ヒルダ

「くそっ、やられた!」

 

 

ガコン!ヒュウゥゥ…

 

 

突然、格納庫の証明が一斉に落ちた。

 

 

信助

「今度は何!?」

 

神童

「停電か?」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~最下層 ブリッジ~

 

 

パメラ

「発電システム停止!基地内の電力、ダウンしました!」

 

ジル

「補助電源に切り替えろ。」

 

パメラ

「了解、補助電源に切り替えます!」

 

ジル

「砲撃による損傷か?」

 

オリビエ

「いえ、侵入者によるものです!」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~食堂~

 

 

その頃、食堂では兵隊4名がノーマ数人を拘束し調べていた。

 

 

兵隊A

 

「該当者、ありません。ホントに殺すんですか?」

 

兵隊長

「第一目標アンジュリーゼ、第二目標ヴィルキス、第三目標メイルライダー数名。それ以外は処分だ。」

 

 

兵隊長はノーマ達に銃を向ける。すると・・・。

 

 

バーン!ドサッ

 

 

突然、兵隊長は右隣の兵隊Cに頭を撃たれ射殺された。

 

 

兵隊B

「貴様、何を・・・!」

 

 

バーン!バーン! ドサッドサッ

 

 

兵隊Cは兵隊Aと兵隊Bの頭を撃ち射殺した。

 

 

兵隊C

「急いでビーチへ逃げるんだ。そこへ行けば俺の仲間が待ってる。早く行くんだ!」

 

ノーマ

「は、はいっ!」

 

 

ノーマ達は立ち上がり、急いでビーチへと向かった。

 

 

兵隊C

「・・・まさか、フィフスセクターでの戦闘訓練がこんなところで役に立つとはな。

 

 

・・・頼む、逃げ切ってくれ。」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~ビーチ~

 

 

ビーチに着いたノーマ達。ビーチには何故か豪炎寺とギャラクシーノーツ号がいた。

 

 

豪炎寺

「急いで来るんだ、早く!」

 

 

円堂はノーマ達を呼び寄せた。

 

 

ノーマ

「あの、あなたは?」

 

豪炎寺

「詳しい説明は後だ!それより今は、お前達を一人でも多くここから安全な場所へ連れて行かなきゃならない!早く乗って!」

 

ノーマ

「は、はいっ!」

 

 

ノーマ達は急いでギャラクシーノーツ号に乗り込んだ。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~パラメイル格納庫~

 

 

ゾーラ

「敵がアルゼナル内部に!?」

 

エルシャ

「いけない!」

 

 

エルシャは突然走り出す。

 

 

霧野

「エルシャさん、何処行くんだ!?」

 

エルシャ

「ごめん、すぐ戻るから!」

 

 

エルシャはデッキを離れた。

 

 

カンッ!カンッ!

 

 

その直後、崩壊した滑走路上に兵隊達が押し寄せてきた。

 

 

剣城

「くそっ!」

 

 

ダダダダダダダダダダダッ!

 

 

剣城はランスロットの影からマシンガンを乱射。他のメンバーもパラメイルの影に隠れマシンガンを撃ちまくる。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~病棟~

 

 

ダダダダダダダダダダダッ!

 

 

一方、病棟ではマギーが兵隊達と交戦していた。

 

 

マギー

「重傷者の搬送が最優先だ!ちょっとくらい内臓出てても我慢しろ!」

 

 

すると・・・。

 

 

エマ

「助けて!私ノーマじゃない!」

 

 

エマが兵隊に助けを求めてきた。だが兵隊は容赦なく発砲。マギーはエマを押し倒し守った。

 

 

マギー

「バカっ!殺されたいのか!?」

 

エマ

「ヒィッ!」

 

 

その隙に、別の兵隊が病室で眠るヴィヴィアンを運び出そうとしていた。

 

 

兵隊D

「急げ!早くしろ!」

 

兵隊E

「分かってる!」

 

マギー

「おい!その子をどうするつもりだ!?」

 

兵隊D

「うるさい!引っ込んでろ!」

 

 

ダダダダダダダダダダダッ!

 

 

兵隊Dはマギーに向けて発砲。マギーは壁の影に隠れたが、その隙にヴィヴィアンを連れ去られてしまった。

 

 

マギー

「ヴィヴィアン!」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~地下通路~

 

 

一方、アンジュ・天馬・モモカはサリアとジャスミンに連れられ地下通路を進んでいた。

 

 

アンジュ

「ここ、危ないんでしょ?逃げる準備なんてしてる場合?」

 

サリア

「アンタと天馬には大事な使命がある。アンタと天馬、ヴィルキスとペガサスは無傷で脱出させる。それが私の、たぶん最後の使命…」

 

天馬

「そのために、仲間の命も見捨てろっていうんですか?」

 

サリア

「仕方ないわ。」

 

アンジュ・天馬

「・・・。」

 

 

アンジュと天馬は足を止め、アンジュはサリアの方を向いた。

 

 

アンジュ

「ホンっト、あの女そっくり。訳の分からん絵空事や、無意味な使命感に酔いしれているだけ。巻き込まれて死んでく方はたまったもんじゃないわ!」

 

サリア

「・・・っ!!」

 

 

パシンッ!

 

 

サリアは怒りのあまり、アンジュの頬をひっぱたいた。

 

 

サリア

「アンタ何もわかってないのね!!自分がどれほど重要で恵まれていて、特別な存在なのか!!」

 

アンジュ

「分かりたくもない。」

 

モモカ

「それじゃあ、少しだけ息止めてください!アンジュリーゼ様!天馬さん!」

 

 

モモカはポケットから円柱の金属容器を取り出し投げ、辺りに茶色い粉をばらまいた。

 

 

ボンッ!

 

 

ジャスミン

「な、何だいこりゃ!?」

 

サリア

「アンジュ、何処に・・・クシュン!」

 

 

その隙に 、アンジュ・天馬・モモカは通路を戻り、大急ぎで階段を登っていた。

 

 

天馬

「いったい何をばらまっクシュン!・・・ばらまいたんですか?」

 

モモカ

「塩コショウですっクシュン!・・・いつでもお料理出来るように携帯しておいてっクシュン!・・・正解でした。」

 

アンジュ

「随分大胆な事するようになったわね。・・・クシュン!」

 

モモカ

「アンジュリーゼ様の影響です。・・・クシュン!」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~岸壁~

 

 

一方、岸壁の下ではタスクがジルと連絡を取っていた。

 

 

タスク

「久しぶりだね、アレクトラ。」

 

ジル

『タスクか。』

 

タスク

「アンジュは無事かい?」

 

ジル

「たった今逃げられた。捕獲に協力してくれ。」

 

タスク

「了解。しょうがないなぁ…」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

~食堂~

 

 

天馬・アンジュ・モモカは真っ暗な食堂へとやって来た。モモカはマナの光で食堂を照らす。すると、床には兵隊の死体が数体転がっていた。

 

 

天馬

「兵隊?何で?」

 

 

「俺がやったんだ。」

 

 

突然、3人の前に懐中電灯を持った兵隊Cが現れた。兵隊Cはライフルを捨てメットを取り、素顔を見せた。

 

 

天馬

「・・・っ!?」

 

 

顔を見た天馬は驚愕した。

 

 

天馬

「白竜!」

 

 

兵隊Cの正体は白竜だったのだ。

 

 

天馬

「どうしてここに?」

 

白竜

「アルゼナルがミスルギからの襲撃を受けると聞いてな、総理の命令で、俺達アンリミテッド・シャイニングがミスルギの軍に紛れ込み、生き残ったノーマ達をギャラクシーノーツ号へ収容し日本へ帰国するという任務を与えられたんだ。」

 

天馬

「そうなんだ。で、どうだったの?」

 

白竜

「最下層へ向かった奴ら以外は出来るだけ収容した。だが・・・。」

 

 

白竜は暗い表情を見せる。

 

 

天馬

「そうか・・・ 。」

 

 

天馬も表情を暗くする。すると・・・。

 

 

「大切なものは失ってから気付く。いつの時代でも変わらない心理だ。」

 

 

突然、後方から声がした。声がした方向を見ると、そこにはエンブリヲがいた。

 

 

エンブリヲ

「まったく酷いことをする。こんな事を許した覚えは無いのだが…」

 

天馬

「あなた、いったい誰なんですか?」

 

 

エンブリヲはアンジュに目を向けた。

 

 

エンブリヲ

「神聖皇帝ジュリオ1世。君のお兄さんだよ、この虐殺を命じたのは。」

 

アンジュ・天馬

「っ!?」

 

エンブリヲ

「彼は北北東14Kmの地点に来ている。君を八つ裂きにするためにね。」

 

 

エンブリヲは今度は兵隊の死体に目を向ける。

 

 

エンブリヲ

「彼らに殺された者達は、その巻き添えを受けた様なものだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天馬

「・・・許さない。下らない目的のために、罪の無いノーマ達を殺すなんて!!」

 

 

天馬の怒りが限界に達し、青い瞳が赤へと変わった。

 

 

天馬

「許さない、俺はジュリオ皇帝を絶対に許さない!」

 

エンブリヲ

「ならばどうする?」

 

天馬

「ぶっ潰してやりますよ、今すぐにでも!」

 

アンジュ

「・・・考えることは同じね。行きましょう!」

 

天馬

「はいっ!白竜、君は引き続き生存者の救助を!」

 

白竜

「わかった。」

 

 

天馬・アンジュ・モモカ・白竜は急いでその場を後にした。

 

 

エンブリヲ

「・・・さて、私も行くとしよう。」

 

 

エンブリヲはその場から静かに姿を消した。


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