クロスアンジュ LIGHTNING EDITION ~天使とドラゴンと五人の巨人使い~   作:ヒビキ7991

17 / 48
Ep.13/天使と竜の輪舞

~妖魔界~

 

 

ここは様々な妖怪達が住む妖魔界。

 

 

エンマ大王

「竜の民が遂に動き始めたようだな。」

 

 

彼の名は《エンマ大王》。妖怪たちの頂点に立つ妖魔界の大王である。

 

 

エンマ大王

「奴が手を出すのも時間の問題か・・・。」

 

 

エンマ大王は手鏡で人間界の様子を伺っていた。

 

 

エンマ大王

「少し早いが、やむ追えん。明日人、聞こえるか?」

 

 

『はい。』

 

 

エンマ大王

「FXと共に、直ちに妖魔界へ戻ってきてくれ。お前に渡したい物がある。」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~アルゼナル 上空~

 

 

「ギャアアアアアア!」

 

 

一方、アルゼナルの上空には巨大なシンギュラーが出現し、中から大量のスクゥナー級ドラゴンが現れた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~指令部~

 

 

パメラ

「敵補則。スクゥナー級6・・・21・・・55・・・121・・・。」

 

 

ピー!《ERROR》

 

 

パメラ

「敵、大量にて測定不能!」

 

エマ

「電話も鳴ってないのにどうして!?」

 

 

ジルはマイクを手に取り、アルゼナル全体に放送した。

 

 

ジル

「司令官のジルだ。第一種戦闘体制を発令。基地上空にシンギュラーが発生し、大量のドラゴンが接近中だ。パラメイル隊は直ちに全機出撃。総員、対空火器及び重火器の使用を許可する。総力をもってドラゴンを撃破せよ!」

 

エマ

「パラメイルを全機出撃させたら、基地は誰が守るのですか!?」

 

 

すると、パメラがエマにアサルトライフルを投げ渡した。

 

 

ジル

「基地は私達が守るんです。」

 

エマ

「えええええええ!?」

 

 

ガシャーン!

 

 

突然、指令部の正面から一体のスクゥナー級ドラゴンが突っ込んできた。ドラゴンは窓を粉砕し中へ侵入。

 

 

「ギャアアアアアア!」

 

エマ

「ヒィッ!?」

 

 

ドラゴンの声を聞いたエマは突然目が虚ろになり、ドラゴンにライフルを向けた。

 

 

エマ

「悪イヤツ・・・死ンジャエ!」

 

 

ダダダダダダダダッ!

 

 

エマは指令部中にライフルを乱射しドラゴンを攻撃。

 

 

ガツッ! バーン!

 

 

ジルはエマの後ろ首にチョップを叩き込み、腰に装備していたリボルバーでドラゴンに止めを刺した。

 

 

パメラ

「司令、レーダーと通信機が!」

 

ジル

「現時刻をもって指令部を破棄。臨時指令部に移行する。」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~デッキ パラメイル格納庫~

 

 

ダダダダダダダダッ!

 

 

その頃、パラメイル第二・第三中隊が出撃したデッキでは第一中隊と整備班がドラゴンと交戦していた。

 

 

クリス

「数が多すぎる!キリが無いよ!」

 

ゾーラ

「これじゃあパラメイルを出せねぇ!」

 

 

すると突然、アルゼナル全体に謎の女性の歌が聞こえ始め、ドラゴンがアルゼナルを離れシンギュラーへと戻っていった。

 

 

信助

「あれ?ドラゴンが逃げてくよ!」

 

神童

「それに何だ?この歌は・・・。」

 

 

ドラゴンはシンギュラーを囲むように旋回する。すると、シンギュラーの中から今まで見たことがない三機のパラメイルが姿を見せた。三機は同じ外観をし、それぞれ赤・青・緑のボディカラーと四基のスラスター。さらに腰には見たこと無い銃を装備していた。

 

 

サリア

「パラメイル!?」

 

ミランダ

「でも、あんなの今まで見たこと無い。」

 

 

すると、赤いパラメイルが突然金色に変わり、肩の装甲が変形し、肩から竜巻を纏った青い光を発射した。

 

 

バシュウウウウウウゥゥゥ!!

 

 

光線はパラメイル第二・第三中隊を飲み込み、第二・第三中隊は消滅。さらにアルゼナルの西側に命中し、辺りは眩い光に包まれる。光がおさまると、アルゼナルの西側半分が跡形もなく破壊されていた。

 

 

「ギャアアアアアア!」

 

 

上空から再び、大量のドラゴンが襲いかかってきた。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~反省牢~

 

 

一方、反省牢のアンジュ達は・・・。

 

 

アンジュ

「いったぁ…」

 

天馬

「いったい何だ?」

 

 

天馬は窓から外を見る。すると・・・。

 

 

天馬

「っ!?みんな避けて!」

 

 

ドカーン!

 

 

突然、スクゥナー級ドラゴンが窓のある壁を突き破りアンジュ達の牢へと突っ込んだ。ドラゴンはそのまま鉄格子を破壊し、ヒルダ達の牢へと突っ込んだ。

 

 

ココ

「ど、ドラゴン?」

 

ヒルダ

「どっから飛んできたんだ?」

 

 

ドラゴンは大量の血を流し、既に死んでいた。すると・・・。

 

 

モモカ

「アンジュリーゼ様!天馬さん!ご無事ですか!?」

 

 

反省牢の入り口にある鉄格子のドアの向こうにモモカが現れた。

 

 

アンジュ

「モモカ!」

 

 

アンジュ達は牢の外へ出るとモモカの元へと向かい、モモカはマナの光で通路のドアを開けた。

 

 

天馬

「助かりました!」

 

モモカ

「いえ・・・ん?」

 

 

突然、モモカが後ろを向き鼻を塞いだ。

 

 

ココ

「どうしたの?」

 

モモカ

「あ、いえ!何でも…」

 

剣城

「ったく、せっかく帰ってきたのに・・・。いったい誰だ、こんなことしたのは!」

 

ヒルダ

「パラメイルのところに行けば、きっと何か分かるだろ?」

 

アンジュ

「急ぎましょう!」

 

 

一同は反省牢を後にし、パラメイル格納庫へ急いだ。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~臨時指令部~

 

 

オリビエ

「第二中隊、消滅!」

 

ヒカル

「第三中隊、隊長機以下四機ロスト!」

 

ジル

「指揮系統を第一中隊サリアに集約。残存するパラメイルは全てドラゴンの迎撃にあたらせろ。」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~デッキ カタパルト~

 

 

その頃、カタパルトにはペガサス、ランスロット、グレイブヒルダ・カスタム、グレイブココ・カスタムを除く第一中隊のパラメイル全機がスタンバイしていた。

 

 

ジル

『聞いた通りだサリア。それと、アンジュを復帰させろ。アンジュとヴィルキスでなければ、あの機体は抑えられん。』

 

サリア

「だったら、私がヴィルキスで出るわ!」

 

ジル

『今は命令に従え!』

 

サリア

「・・・私じゃ、ダメなの?ずっとあなたの力になりたいと思ってたのに・・・。アンジュなんて、ちょっと操縦が上手くて器用なだけじゃない!命令違反して脱走して反省牢送りなのに、それでもアンジュなの!?」

 

ジル

『そうだ。』

 

サリア

「っ!?・・・馬鹿にして…」

 

 

怒りに震えるサリアは自身のアーキバスを降りた。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~臨時指令部~

 

 

数分後、臨時指令部に第一中隊出撃の情報が送られた。

 

 

オリビエ

「第一中隊、出撃しました!」

 

ジル

「よし。」

 

 

ジルはマイクを手に取り、ヴィルキスに通信を送った。

 

 

ジル

「アンジュ、お前の相手はあの所属不明機だ。未知の大出力破壊兵器を搭載している。注意しろ。」

 

 

『分かってるわ、ジル。』

 

 

だが、聞こえてきたのはアンジュの声ではなく、サリアの声だった。

 

 

ジル

「サリア!?」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~パラメイル格納庫~

 

 

その頃、アンジュとヒルダとココはライダースーツに着替え、天馬・剣城・モモカと共にパラメイル格納庫へとやって来た。だが格納庫には待機しているはずのヴィルキスが無く、出撃しているはずのアーキバスサリア・カスタムがあった。

 

 

アンジュ

「ヴィルキスが無い!」

 

ヒルダ

「まさか、吹っ飛んだのか!?」

 

 

すると、六人のもとにミランダがやって来た。

 

 

ミランダ

「みんな!」

 

天馬

「ミランダさん!」

 

ココ

「ミランダ、アンジュ様のヴィルキスを見てない?」

 

ミランダ

「それが、サリア隊長が勝手に乗っていって…」

 

アンジュ

「えっ?」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~アルゼナル上空~

 

 

その頃、第一中隊がドラゴンと交戦する中ヴィルキスに乗るサリアはフライトモードで所属不明機のもとへ向かっていた。

 

 

ジル

『何をしているサリア!命令違反だ、降りろ!』

 

サリア

「うるさい!黙ってて!」

 

ジル

『っ!?』

 

サリア

「見せてあげる。アレクトラの代わりに私が!」

 

 

サリアは通信を切りエンジンの出力を上げる。だが、出力が思った以上に上がらない。

 

 

サリア

「どうしたのよヴィルキス!もっと早く飛べるでしょ!」

 

 

すると、後方からスクゥナー級ドラゴン三体がヴィルキスを追ってきた。サリアは急降下しドラゴンを振り切ろうとするが振り切れない。

 

 

サリア

「変よ。ヴィルキスがこんなにパワーが無いなんて・・・。アンジュが乗ってたときはもっと・・・。」

 

 

ダダダダダダダダッ!

 

 

突然、後方から誰かがスクゥナー級ドラゴン三体を撃ち落とした。サリアが後方を見ると、グレイブヒルダ・カスタムに乗るヒルダとアンジュ、グレイブココ・カスタムに乗るココとミランダ、ペガサスに乗る天馬とランスロットに乗る剣城が追いかけてきた。

 

 

アンジュ

『ちょっと、胸苦しい!』

 

ヒルダ

『狭いんだから我慢しろ!』

 

 

四機はヴィルキスを挟むように両サイドに別れて飛行する。

 

 

アンジュ

「サリア、私の機体返して!」

 

天馬

「今すぐヴィルキスから降りてください!あの機体は、俺とアンジュさんで!」

 

サリア

「私のヴィルキスよ!」

 

 

サリアはヴィルキスの出力を上げ、所属不明機に突っ込んだ。

 

 

天馬

「くそっ…ココさんとミランダさんは、剣城と一緒に残存機の援護に向かってください!ヴィルキスと所属不明機の相手は俺たちが!」

 

剣城

「了解した!」

 

ココ

「分かりました!」

 

 

剣城・ココ・ミランダはドラゴンと交戦する残存機の援護に向かい、天馬・アンジュ・ヒルダはヴィルキスを追いかけた。

 

 

ダダダダダダダダッ!

 

 

サリアは所属不明機の内の赤い機体と交戦していたが、ヴィルキスの攻撃は全て回避されていた。

 

 

サリア

「馬鹿にして!」

 

 

『アンジュとヴィルキスでなければ、あの機体は抑えられん。』

 

 

突然、サリアの頭の中をジルの声が過った。

 

 

サリア

「アンジュなんて、ちょっと操縦が上手くて器用なだけよ!」

 

 

ダダダダダダダダッ!

 

 

ムキになるサリアは赤い機体に向けて銃を乱射するが当たらない。

 

 

『どんなに頑張っても、出来ない奴は出来ない。』

 

 

サリア

「違う!そんなこと無い!私は、誰より頑張ってきたのよ!」

 

 

『無駄だ。』

 

 

バコンッ!

 

 

突如、ヴィルキスは赤い機体のキックを食らい、バランスを崩し海へと急降下した。

 

 

天馬

「ヴィルキスが!」

 

アンジュ

「ヒルダ、追って!」

 

ヒルダ

「何する気?」

 

アンジュ

「飛び乗るわ!」

 

ヒルダ

「はぁ!?・・・まあ、あんたらしいか。」

 

 

ヒルダは笑顔で答えた。

 

 

ヒルダ

「突っ込むよ!」

 

アンジュ

「OK!」

 

 

アンジュはヒルダに抱きつき、ヒルダはグレイブを急降下させヴィルキスを追いかけた。その隙に、所属不明の青い機体はペガサスに。緑色の機体は残存機が交戦するエリアへと向かった。青い機体の接近に気づいた天馬はソニックバレットとアブソーブシールドを構え、緑色の機体の存在に気づいた信助がタイタニアスと共に向かった。

 

 

天馬

「邪魔はさせない!」

 

信助

「僕が相手になってやる!」

 

 

一方サリアは落下するヴィルキスを動かそうとするが、ヴィルキスは反応しなかった。

 

 

サリア

「どうして動いてくれないの!?動いてよヴィルキス!動いてくれないと、大好きなアレクトラの役に立てないのよ…」

 

 

アンジュとヒルダはヴィルキスの直ぐ後ろまで来ていた。ヒルダは落下するヴィルキスへ慎重に接近し、ヴィルキスのコックピットがアンジュの頭上に来るようにした。

 

 

ヒルダ

「今だ!」

 

アンジュ

「はああああああ!」

 

 

アンジュはヒルダのグレイブを飛び降り、ヴィルキスに乗るサリアの後方に飛び乗った。ヒルダはアンジュが飛び乗った事を確認すると上昇し、アンジュはサリアの後方から操縦桿を握り体制を整えた。

 

 

アンジュ

「よしっ!」

 

サリア

「無理よ、既に落下限界点を越えてる。落ちるしかないわ・・・。」

 

アンジュ

「無理じゃないわよ、この子なら!」

 

 

アンジュは勢いよくスロットルを回す。

 

 

キイイイイイイイィィッ!

 

 

すると、ヴィルキスのエンジンが息を吹き返した。

 

 

サリア

「えっ?」

 

アンジュ

「上がれえええええっ!!」

 

 

アンジュはヴィルキスのエンジンを全開にし、水面スレスレで上昇した。

 

 

アンジュ

「よし!後は・・・。」

 

 

アンジュはヴィルキスを操縦し、ヒルダのグレイブの真上に来た。

 

 

アンジュ

「ヒルダ、落とすから拾って。」

 

ヒルダ

「あいよ、イタ姫!」

 

サリア

「何する気?」

 

アンジュ

「アンタを降ろすの。」

 

 

アンジュはサリアを持ち上げ、そのまま放り投げた。

 

 

サリア

「うわあああああああ!?」

 

 

ドンッ!

 

 

サリアはヒルダの後方に落ち、即座にヒルダの身体に抱き付いた。

 

 

アンジュ

「じゃあ、やりましょうか!」

 

 

アンジュはヴィルキスをアサルトモードに変形させ、ライフルと剣を装備し赤い所属不明機へと向かった。

 

 

???

「ようやく来ましたか。その実力、見せてもらいます。」

 

 

赤い所属不明機は右手甲に刃を出現させヴィルキスの剣を受け止め、二機は一定の距離を保ち回転しながらライフルを撃ち合った。

 

 

ヴィヴィアン

「スッゲー!」

 

 

ガンッ!

 

 

一方、信助のタイタニアスは緑の所属不明機にタックルし突き飛ばした。

 

 

信助

「どうだ!」

 

 

緑の所属不明機はバランスを失うが直ぐに立て直し、シンギュラーへと向かった。

 

 

???

「私の碧龍號のパワーをも凌ぐなんて・・・。」

 

 

一方、天馬のペガサスは青い所属不明と格闘戦を繰り広げていた。

 

 

天馬

「そこだ!」

 

 

ガンッ!

 

 

ペガサスは青い所属不明機の頭部に強烈なストレートパンチを叩き込み相手を殴り飛ばした。青い所属不明機はバランスを失うが直ぐに立て直し、シンギュラーへと向かった。

 

 

???

「機動性は、私の蒼龍號より上だというのか!?」

 

 

ガンッ!

 

 

さらにアンジュのヴィルキスが赤い所属不明機の腹部に強烈なキックを叩き込み蹴り飛ばした。赤い所属不明機はシンギュラーの前で静止し、後方には青と緑の所属不明機。そしてヴィルキスの後方にペガサスとタイタニアスが集まった。

 

 

信助

「アンジュさん!」

 

アンジュ

「天馬!信助!」

 

 

???

「~♪」

 

 

すると、またしても謎の女性の歌が聞こえ始め、赤い所属不明機が金色に変わり、肩の装甲が変形した。

 

 

アンジュ

「これって・・・。」

 

天馬

「アンジュさん、永遠語りだ!」

 

アンジュ

「えっ?」

 

天馬

「相手が歌で攻撃してきたのなら、こっちも歌で対抗するしかありません!」

 

アンジュ

「アイツみたいになれっての!?」

 

天馬

「サリアさんがあそこまでヴィルキスに拘るんですから、ヴィルキスはタダのパラメイルではないと思うんです!掛けてみる価値はあります!」

 

アンジュ

「・・・わかった、やってみるわ!」

 

天馬

「信助、万が一に備えてバリアの展開準備だ!」

 

信助

「おう!」

 

 

天馬のペガサスと信助のタイタニアスはヴィルキスの横に移動し、ペガサスはアブソーブシールドを構え、タイタニアスは両手を突き出し万が一に備えた。

 

 

アンジュ

「~♪」

 

 

アンジュは天馬に言われた通り永遠語りを歌い始める。

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

アンジュ

「っ!?」

 

 

すると突然、アンジュの指輪とコックピットのディスプレイが光り出し、徐々にヴィルキスのボディが金色に変わり、肩の装甲が変形した。

 

 

天馬

「これは!?」

 

 

バッシュウウウウウウゥゥゥ!!

 

 

赤い所属不明機は竜巻を纏った青い光、ヴィルキスは赤い光を放った。両機の放った光は中間で衝突し、辺りは眩い光に包まれた。

 

 

 

天馬

「・・・う、どうなったんだ?」

 

 

気が付けば、六機は不思議な空間にいた。

 

 

???

「なにゆえ偽りの民が、誠なる星歌を?」

 

アンジュ

「えっ?」

 

 

三機の所属不明機のコックピットのハッチが開き、青い機体からは青色の衣装を纏った紫色の髪と赤い瞳の女性、緑の機体からは緑色の衣装を纏った赤髪と黄色い瞳の女性、そして赤い機体からは桃色の衣装を纏った長い黒髪と青い瞳の女性が現れた。アンジュ・天馬・信助はコックピットのハッチを開け姿を見せた。

 

 

アンジュ

「あなたこそ何者?その歌は何?」

 

 

アンジュは黒髪の女性に質問で返す。

 

 

???

「白き翼を持つお主、いったい何者だ?」

 

天馬

「聞きたいのはこっちですよ。アナタ達はいったい・・・。」

 

 

???

「私と力で張り合うなんて、アナタは何者なのですか?」

 

信助

「あなた達こそ、いったい誰なんですか!?」

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

突然辺りが光り出し、一同の前に様々な光景が写し出された。原始時代で生きる人々、刃をぶつけ合う騎士、戦場で兵士に花束を渡す少女、極平凡な学生達の日常、燃え盛る城で刀をぶつけ合う武将、某作品の如く宇宙戦争へと繰り出す兵士達、そして共に同じベッドで眠る恋人。だが、そこにいる人々は全てアンジュ達であった。

 

 

アンジュ

「これは・・・。」

 

 

ビビビビビッ!ビビビビビッ!

 

 

突然、赤い機体からブザーが聞こえてきた。

 

 

???

「時が満ちるか・・・真実は、アウラと共に。」

 

 

キイィィィィィィンッ!

 

 

再び辺りは眩い光に包まれ、気が付けば謎の機体とドラゴン、そしてアルゼナル上空に開いたシンギュラーは消えていた。

 

 

アンジュ

「真実・・・?」

 

 

サリア

(あれが、本当のヴィルキス・・・。ジルの言うとおりだった・・・。)

 

ヒルダ

「どうにか終わったみたいだね。」

 

 

サリアはそっとヒルダの背中に寄りかかった。

 

 

ヒルダ

「アンジュと全然違う感触・・・。」

 

サリア

「ええ、全然違うわ・・・。」

 

 

ヒルダ達第一中隊と残存機はアルゼナルへと戻った。

 

 

サリア

「ところでヒルダ。」

 

ヒルダ

「あ?」

 

サリア

「臭いんだけど・・・。」

 

ヒルダ

「はぁ!?」

 

ミランダ

「そういえばココ、アンタも・・・。」

 

ココ

「ごめんなさい、1週間も反省牢の中だったから・・・。」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~ヴィヴィアンとサリアの部屋~

 

 

夕方、ヴィヴィアンは自分の部屋に戻りハンモックに横になった。

 

 

ヴィヴィアン

「アンジュ、綺麗な歌だったニャ~……」

 

 

ヴィヴィアンはそのまま眠りについた。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~グラウンド~

 

 

一方、ジルはマギーと共に破壊された場所を見に来た。

 

 

ジル

「これこそ、散々たる有り様ってやつか・・・。」

 

マギー

「それより大変だよ。プラートがヤられた。」

 

ジル

「なにっ!?・・・どれだけもつ?」

 

マギー

「分からん。だが、そう長くはもたない。」

 

ジル

「・・・そうか。」

 

 

ジルはそういうと、その場を後にした。

 

 

ジル

(最後の封印を解く鍵は、歌か・・・。)

 

 

 

 

To Be Continued…




~次回予告~


アンジュ
「前から気になってるんだけど、何で司令の右腕って義手なの?」

ジル
「フフフ・・・よくぞ聞いてくれた。実は長い話でな・・・。」

天馬
「あれですか?肉体を無くした弟の魂を鎧に定着させるために右腕を犠牲にした。」

ジル
「違う。」

信助
「じゃあ、デッカい怪物と戦った際に腕を切断されて、その14年後に代わりの腕をつけてもらった。」

ジル
「少し似てるが違う。しかもソイツが失ったのは左腕だ・・・。」

天馬
「じゃあ・・・。」

ジル
「もういい!次回に詳しく教えてやる!」

アンジュ
「結局そうなるのね…」

ジル
「次回、《明かされる過去、明かされる真実》。」

???
「あの、私の出番は………」

ヴィヴィアン
「しばらく無いって。」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。