ラストは"見開き"のイメージで
◇シリューside◇
「ふん…如何に雑魚の寄せ集めとは云え、流石に この数は鬱陶し過ぎる…な!!」
BoUWaA!!
「「「なっ!?」」」
「げっ?」
「「「「うっ??」」」」
「「ちぃっ!!」」
最終局面…とでも表現すべきか。
ロキを除く全ての敵、特にヤツの娘でもある、冥府の女王・ヘルを退け、それはイコール、無限に沸き現れていた死者の兵士を片付け、残すは今回の戦いの首謀者のみ。
それを俺達は全方位から集中攻撃すべく、取り囲んだが…
ん?
それは あくまでも、一介の戦士同士で闘う時の話だ!
そもそも俺とデスマスク以外は、
しかも、今回は『神』が相手!
だから、セーフなんだよ!!閑話休題!
…それに対してロキは、身体全体から、銀色に光る魔氣を立ち上らせると、それを その儘、全包囲している俺達に向けて放ってきた。
それは魔弾の様な"点"の攻撃でなく、魔力の壁とでも言うべき"面"での攻撃。
つまりは回避不可。
◆◆◆
ドッコォオーーーーーーーン!!
「「「うわぁっ!!」」」
「「「きゃあぁっ!!!?」」」
ロキが全方位に向けて飛ばした、魔力の障壁を浴びたリアス達。
それは全員、ガードを試みるも、半数が その攻撃力破壊力に耐えきれず、吹き飛ばされてしまう。
「うぅ…」
「ら、ララティーナさん??!」
「わ、私は まだ大丈夫だ!
それよりも、あっちの倒れた連中に!!」
「は、はい!」
その魔力の波動は、回復役として後方に控えていたアーシアの立つ位置にも及んでいたが、彼女の前に、護衛役として控えていたララティーナが、そのダメージを全て、文字通りな肉壁となり肩代わり。
慌てて回復しようとしたアーシアに、弱冠 悦楽な表情を浮かべながら、自分ではなく"現場"で倒れた者が先だと指示。
「「「ぅ…」」」
「「「「ううぅう…」」」」
「ふっ…所詮は雑魚…か…!」
絶大な攻撃を受け、倒れ伏せている者達に、見下す様な冷たい視線を浴びせるロキ。
アーシアが放つ、癒やしの光は敢えて無視して、未だ自らの両足で立っている者に向けて言い放つ。
「今の攻撃に耐えた者達よ!
貴様等には一応、このロキと戦える権利が在る様だ。
さぁ、掛かってくるが良い。」
「今のは
「巫山戯やがって…!」
◇リアスside◇
くっ…
何とか耐えてみたけど、とんでもない一撃だったわ。
あのロキは、今の攻撃を自分と戦う権利が有るかを計る、篩落としみたいに言ってたけど、それで実際に今、立っているのは…
私。
シリュー。
ミルたん。
ソーナ。
匙君。
サイラオーグ。
ディオドラ。
ヴァーリ。
アーサー。
ベッロさん。
ロスヴァイセさん。
猿。
それと、後ろ側に居るアーシアと、ディオドラの戦車…か。
あの攻撃に耐えきれなかった皆も、ダメージが酷過ぎて起き上がれないだけで、死んではいないみたいだけど…
「くっ…」「ちぃ…」「ぅう…」
ディオドラとアーサー、ついでに猿も、何だかギリギリみたい。
私も、もしもミルたんが前面に出てきてくれなかったら、どうなっていたか…
ソーナも匙君が、前に出ていたし。
◇デスマスクside◇
おいおいおいをゐ?
今の攻撃は、ちと洒落にならねーぞ?!
死屍累々(笑)。
いや、マジに笑えねぇ。
アーシア嬢ちゃんが、倒れた奴等に向けて回復ビームをガンガン放っているが、あれは本来、連射して どーのこーのって代物じゃないだろ?
以前、紫龍から少し教えて貰ったが、お嬢ちゃんの神器の回復量は、所謂"溜め"に比例する。
回復エネルギーを飛ばすでなく、直接に その対象の者に直に触れて治療する場合でも、何処ぞのゲームみたく速効性タイプでなく、全快させるには それなりに治療時間を要する…ってな。
あれは本当に、自力で立てる…戦闘の邪魔にならない様、その場から撤退出来る程度の"元気"ってヤツを与えてるに過ぎない。
残念だが、今倒れている奴等は
…にしても、まさか、サイラオーグの眷属3人(戦車2人・騎士1人)も、纏めてリタイアとはねぇ…
アイツのついでとばかり、多少の師事の真似事を施した身としては、少しばかり複雑な心境だぜ。
◇ヴァーリside◇
更なる篩…か。
あの貴族の坊ちゃんは兎も角、アーサーと美猴が あれ程のダメージを負ってしまうとは…
ふっ…アイツ等には悪いが、面白い!
ロキ。
流石は北欧神話にて、悪神として名を馳せているだけはある!!
『…嬉しそうだな、ヴァーリ?』
…悪いか?アルビオン?
『いや、それでこそ、お前だ。』
ならば、問題無いだろう!行くぞ!!
◆◆◆
天の理
地の理
有の理
無の理
人の理
魔の理…
ロキが己の周りに多数の魔法陣を展開、その1つ1つが砲門の如く、対峙している者達に向けて幾多の魔弾を撃ち出す中、ヴァーリは自らに
「あっの野郎!
永いの唱えるなら、先に言え!
フォローが必要だろーが!!」
「報連相は、大切だにょ!」
先程のソーナの魔法同様に、やや長い詠唱を必要とする…唱え終える迄、ある程度のフォローを必要とする攻撃を、いきなり開始したヴァーリに対し、匙とミルたんが、多少文句を言いながら前面に出る。
「はぁああ…」
「にょにょおぉ~…」
そして魔力を溜めて、攻撃する2人。
「ミルたん・
ミルたんの力強い踏み込みの一歩からの、右ストレートのポーズで振り抜いた拳の先から、噴火した火山の如く、無数の燃え盛る溶岩の弾が撃ち放たれ、
「
魔力によって生成された黒炎が匙の左手腕に纏わり憑き、それは瞬く間に蠢く龍の形を成し一閃、ロキに直撃。
「賢しいわっ!下級悪魔共が!!
神を、嘗めるな!!」
「ぐ!?」「にょ?」
それは決定打に至る程のダメージでは無かったにしろ、それを不快とした悪神は、2人に向けて反撃…
どどん!
「何ぃ?!」
しかし それは、突如として地面より沸き出でた石の壁により阻まれた。
「勝てるなら、決して主役に なれなくても良い…歯車でも裏方でも、何でも やってやるさ!」
「「ディオドラ様!」」
それはアーシアの癒やしを受け、僅かながらに回復した、ディオドラのアシスト。
…力の円錐ディマジォの紋を以て、今こそ我、白き三ツ頭の龍皇と成らん!!!
「(フッ…)」
そして その様子を見て、微かに口元を緩めたヴァーリが詠唱を唱え終えた。
ズズズ…
鎧の両肩のパーツが変形。
大きく口を開けた龍の頭を形成し、その口内に魔力の光が灯る。
そして両腕を前に差し出し、龍の顎の如く組み合わされた両手からも、魔の力による蒼い輝きを放ち、
「滅べ!
アルティメット・バースト・ストリーム!!」
弩っ轟々々々々々々々々々々々々々ん!!!!
「ぐぁああああぁぁぁぁあっ?!!」
3つのドラゴンの口から飛ばされた、魔力のエネルギー波が、ロキを撃った。
「な…嘗めるなと言っている!
薄汚いドラゴン風情が!!」
バシュッ!
「ぐわぁっ?!」
この攻撃は かなり効いたのか、表情を怒りに歪め、魔力を飛ばすでなく、高速移動で間合いを詰めた上での蹴り、魔力を込めた直接の打撃が、ヴァーリの胸元に炸裂。
肉弾戦は想定の外だったのか、反応が遅れて防御が間に合わず、その攻撃をまともに受けたヴァーリは、鎧の破片を撒き散らしながら吹き飛ばされた。
「「ヴァーリ!!」」
ガシッ
「…すまない。確かに少しばかり、油断し過ぎていた様だ。」
そのヴァーリを受け止めたのは、やはりアーシアの回復の光を僅かながらに受け、最低限の動きは出来る様になった、アーサーと美猴。
2人に一言、礼の言葉を述べると、ヴァーリは砕けた鎧の部位を再生し、再び、悪神に挑み掛かるべく、光る翼を広げた。
◇デスマスクside◇
傍目には、集団を活かしての大技攻勢だが、実の処、あのロキには大してダメージは届いていない。
あくまでも身体の上っ面、表面的なダメージに過ぎない。
まぁ、あのキレっぷりからして、あの白龍皇の小僧の攻撃は、結構効いてるみたいだがな。
「デスマスク!」
紫龍も それに気付いてるみたいだな。
ああ、分かってるよ。
やはりアイツを確実に仕留めるには、今現在、この場に転位の準備を進めていると云う、
「積尸気ぃ…冥界波あっ!!」
貴様の魂、その
「ぬぅおゎあああぁっ?!!」
「く…そっだらがぁ!!」
ちぃ…だが流石に、神の"魂"は重い…!
"神"相手に、身体から魂を引き剥がす この技は…いや、今の俺では、やはり無理が有り過ぎたか?
…いや、過去の聖戦で、当代の蟹座の黄金聖闘士が『死の神』から、この技で肉体の器から魂を引き抜き、アテナの封が施された棺に閉じ込めたって記録が有る!
だったら俺でも、そしてコイツにも通じない道理は無ぇっ!
「神を…弄するか、人間!!」
ドゴッ!
「ぐは…!?」
ぐぇ…拙った…油断した…
身体から魂を引き剥がされかけてるってのに、あのヤロー、抵抗する様に魔弾を放ってきやがって…その直撃、貰っちまった…
「デスマスク!」「師匠!?」
紫龍とサイラオーグが心配そうに駆け寄って来たが、大丈夫だ。
確かに
◇シリューside◇
ロキの魂を引っ張り出すのに手こずっているデスマスク。
その最中、抗いの一撃を受けたのは、油断したヤツが悪いとして…
「デスマスク、受け取れ!
【
『Transfer!』
ならば俺も、サポートに回ってやる。
「有り難ぇ!うぅるぁああっ!!」
ずずず…
『ニ、ニンゲンガアアアァ!!』
"譲渡"の作用で
「積尸気魂葬破ァ!!」
BOMB!!
「グギャアアァ?!」
そこに間髪入れず、その魂に直接、デスマスクの爆裂系?の技が炸裂。
「ライトニング・プラズマ!!」
閃ッ!!
続け様にサイラオーグの、光速の拳の連打が、そして、
「廬山百龍覇ぁーーーーーーーーっ!!!!」
弩號々々々々っ!!
本来は、目の前に立ちはだかる複数の敵を、一気に討ち滅ぼす技。
差し出した両の掌から放たれた、
「うぐぁあぁあああぁぁーーーーー!!?」
ズシャッ!
この…えぇぃ、もう面倒だから、サイラオーグも数に入れる!
この…
「貴様等…神に対して よくも…
赦さん…絶対に赦さんぞ…」
起き上がったロキが頭頂から血を流しながら、俺たちを睨み付けるが、魂に直接、
「がぁああっ!!!」
バシィッ!
「「「ぐゎっ!」」」
「「「きゃぁあっ!?」」」
「「「「ぅげゃっ?!」」」」
しかしながら、その魔力は未だに健在。
全方位に魔力の弾丸を跳ばし、軌道を見切り易い直線的な動きでは無く、不規則に蠢きながら迫る魔弾に俺達は吹き飛ばされ、ダメージを受けてしまう。
「…!! 皆さん、お待たせしました!」
「「「「「!!」」」」」
そんな中、ロスヴァイセさんが叫ぶ。
それに呼応する様、皆が上空を見上げると、巨大な魔法陣が現れ、其処から赤い雷を纏った巨大なハンマーが、姿を見せた。
「ちぃ!ミョル二ルだと?
オーディンめ、何処迄…!」
本来は北欧神が1柱、雷神トールの愛用の武器である、
この度の戦闘にて、北欧サイドが用意した切り札だ。
ガシ…
そして翼を広げて飛翔、鎚の柄を力強く握り締めたのは、
「さあ、行くにょ!」
腕力的に一番使いこなせると判断されたのであろう、オーディンから直々のドドメ役の指名を受けた、ミルたんだ。
「皆、ミルたんをサポートよ!」
「「「「「応!!」」」」」
リアル部長の号令の下、ミルたんが完璧な一撃を放てる隙を作る為、動けるメンバーが動き出す。
「ライン!」「Divide!」
「くっ…!?」
匙の【
匙は兎も角、あの戦闘狂が、純粋なサポート役に勤しむとわね…
さっきのディオドラの歯車発言に、何か思い、感じる事でも有ったか?
「覇ぁ!」「てやっ!」「ぇえい!」
ドドドド…
「クソっ!増々以て、小賢しい!!」
更にはリアス部長、支取先輩、ロスヴァイセさんが同時に放つ、魔力の弾幕で悪神の動きを封じ込め、
『Transfer!』
「せぇーっにょっ!!」
バキィ!!
「うぐぇわぁあっ!!?」
そして遂に、【
ヴァァァ…
そして巨大ハンマーの一撃が決まると同時に、予め
恐らくは其の儘、北欧の本拠地であるアースガルズに転位させる仕様なのだろう。
「やっと、終わったのね…」
…それを見ながら、リアス部長が安堵の溜め息を零しながら呟く。
…いや、まだだ。
俺の脳内に、最高にヤバいと、警告音が鳴り響く。
俺の勘…特に悪い予感は、よく当たる。
その証拠にロキは今、既に己の敗北が確定したにも拘わらず、最高に邪悪な笑みを浮かべている。
「紫龍!サイラオーグ!」
どうやらデスマスクも、同じ考えに至った様だ。
懐から小さな瓶を取り出すと、その中身の紅い液体を、サイラオーグの鎧に吹っ掛けた。
「し、師匠?」
それに反応したのか、サイラオーグの獅子王の鎧が、更なる黄金の煌めきを放ち出す。
「サイラオーグ!限界迄
紫龍、お前もだ!我がアテナからは、
拘束されながらも、最期の抵抗…恐らくは自爆。
この疑似空間毎、自らを含む、此の場の全員を消し飛ばさんとばかり、魔力を高めるロキを見据えながら、デスマスクが叫ぶ。
…承知したよ。
≪≪≪
夏休みの最初の頃に冥界入りした数日後の、ルシファー城でのパーティー。
その時 俺は、デスマスクの仲介で初めて、この世界のアテナと逢った。
あの時、アテナは俺の力量を直に知りたいと言ってきたので、当時の
「噂に違わぬ凄まじき力よ…。
それでは改めて赤龍帝よ…
これが、妾と貴方との、同盟の証だ…。」
「おぃ?!あんた……っ!?」
すると見た目は小猫より少し背が高い程度な、猫耳ニットの銀髪少女は満足して微笑み、懐から黄金の短剣を取り出し…
ザッ…
「!??」
「……………。」
在ろう事か、それを自らの胸元に突き刺した。
アテナの傍らに居たデスマスクは、この展開を予め聞いていたのだろう。
驚く俺とは違い、無言、且つ冷静に事の成り行きを見守っており…
カァアッ…
「こ…これは…!!?」
その時に噴き出たアテナの血を浴びた
…尚、アテナの胸元の傷は直後、何事も無かったかの様に癒えていた。
≫≫≫
先程、デスマスクがサイラオーグに浴びせた液体も、アテナの血液なのだろう。
そしてデスマスクの聖衣も当然、オリンポスで造られた際に、既に その仕込みが成されていたのは、想像に難しくは無い。
そして、身に纏う鎧に、この神の…アテナの血の祝福を受けた俺達は、
『『『うぉおおおぉーーーーっ!!』』』
「燃え上がれ!」
「吼えろ!」
「轟け!」
『『『…我が、
己の
カァアアッ…!!
「ぅっ…?!」「眩しっ!」「あれは…?」
正しく神々しい光という表現。
俺達3人が
サイラオーグの鎧には、背に巨大な翼の様なパーツを筆頭に、各所にも細かい造形が施されたパーツが追加されている。
デスマスクの
更に両者の鎧は、今迄は金属として、単に光を反射して輝いていたのが、鎧自体から、黄金の光を放つ様になる。
そして俺の鎧。
デザイン的には【
そして やはり、鎧本体から眩い黄金の輝きを放っている。
名付けるなら、【
ザッ…
俺を
そして各々が究極に迄高めた
「「「アテナ・エクスクラメーション!!!!」」」
△▼△▼△▼今回の元ネタ!▲▽▲▽▲▽
①バス〇ード
②遊〇王
③幽〇白書
④…他(笑)
‡‡‡‡‡‡【次回予告!!】‡‡‡‡‡‡
「お前等、良いのか?
次は、奴等が来る事になるんだぜ?」
「「…!???」」
次回:聖闘士DxD 最終回!
『駒王学園は、アナタを歓迎します!』
乞う御期待!!
「行くぜ!