小説オリジナル設定、入ります。
ヴォォオン…
ルフェイが発動させた巨人な魔法陣。
書き込まれた文字が光り、その輝きが最高潮に達した時、
ずももも…
「な?!」「へ?」『をん?!』
その魔法陣から、巨大な腕が伸び出でてきた。
どん!
その腕は掌で大地を押さえ付けると、其処を支点に、身体全身を魔法陣から湧き出る様に徐々に姿を見せ、大地に立つ。
『ごぉお~~っく~~うぅん…!!』
それは身の丈推定、50㍍オーバーの巨体。
それは全身が削り磨かれた、大理石で出来た巨人…ゴーレムが、壮大な雄叫びと共に現れた。
「な、なな…何なのよ、あれ?」
「ごっ君です♪」
「はぃ?」
「だからぁ、ゴグマゴグのぉ、ごっ君ですぅ!」
「「ご、ゴグマグクぅう!?」」
ルフェイの巨人の紹介、そのゴグマゴクと云う言葉に、ジャンヌと木場は驚きの声を上げる。
ゴグマゴグ…嘗て、太古のイギリスに居たとされる巨人。
そして その実体は、古代の民が侵略者の侵入を防ぐ為に造った、生命有る人型機動兵器。
ルフェイが喚んだ、この"ごっ君"と呼ばれる個体は、数年前にヴァーリ・チームがイギリスの地下遺跡で活動停止していた機体を偶然に発見、その場で機動させて仲間として引き入れた、現在唯一、現存する機体である。
「まさか、生き残りが居たなんてね。」
「白龍皇はゴグマゴグ迄も、取り込んでいたとは…」
既に伝承でしか聞かされていない、巨人の登場に、少しだけ唖然とした顔を見せる、騎士の2人。
「さぁっ、ごっ君!殺っちゃって!!」
『ごぉっく~~~~~~~ぅん♪!!』
それとは対照的に、活喜活喜とした表情で巨人に指示する、魔女な風貌の少女…所謂"魔女っ娘"。
巨人は それに従い、ノリノリな?返事と共に、眼前の巨龍に向かって行き、
バキィッ!!
挨拶代わりとばかり、その喉元目掛け、強烈なアッパーカットを炸裂させた。
『ギジャアァッ!!』
しかし、ミドガルズオルム・コピーも、即座に反撃に。
パシっ
古の巨人兵器ゴグマゴグ…ごっ君の背後から、尾を叩き付ける様に攻撃、更に その尾で、身体全体に巻き付け、大理石(…の様な鉱材)で出来たボディを粉砕せんとばかりに締め上げる。
『ごっ…?』
それに対して、一緒苦しむ様な声を出した ごっ君。
そのボディ…黒とダークグレーを基調とした身体が、瞬く間に灼赤色に変化する。
『シャアアアァッ!!?』
すると今度は、複製版龍王が苦痛の声と共に、巨人の拘束を解いた。
「あれは…?」
「はい!あれは ごっ君が自分の身体を瞬時に熱したんです。
あのドラゴンは、その余りの熱さに、ついつい縛りを解いたみたいですね。」
「い、言われてみれば…」
「何だか、肉が焦げた様な匂いが…」
『ぉを~ん…』
◆◆◆
カチャ…
「…失礼するぞぃ。」
「オーディン殿…」
一方その頃の、ルシファー城。
その一室、サーゼクス達がリアス達からの吉報を待つ中、入ってきたのは北欧の主神、オーディン。
「ふぅ~い…やっと、あの頑固者を説得出来たわぃ。
あやつ、ロキがマジに攻めて来た事で、漸く納得しおったわ。
ま、気持ちは解らんでも無かったがの。」
「それじゃ…!☆」
「ふむ。アッチで転移術式を始めとるよ。
ただ もう少し、時間が掛かりそうじゃがのう。」
対ロキの切り札の1つとして、オーディンが考えていたのが、北欧神が1柱、雷神トールが持っている巨鎚ミョルニル。
しかし、その持ち主であるトールが、「いくらロキでも、まさか他神話勢力に、正面切って喧嘩する訳が無い。どうせハッタリ、何時もの悪巫山戯だ。」…と、自分の得物を貸し出すのを渋っていた。
しかし本当に その事態となり、だからと云って、自らがミョルニルを持って出陣するとなれば、本当に
参考までに、フェンリル捕獲の際にルフェイが用いた魔法の鎖枷グレイプニルは、前回のロキの襲撃予告の後、直ぐに北欧圏内に住む、鍛冶師の小人に作らせていた。
閑話休題。
「ミョルニルの破壊力を赤龍帝に倍化譲渡でパワーアップさせた上で、あのゴッツいメイドに持たせたら、さしものロキも、一溜まりも有るまいに。」
「…でもよ、爺さん、敵はロキだけじゃ無ぇんだろ?」
一安心…と言った顔なオーディンに、アザゼルが尋ねる。
「…ふむ。真っ先に考えらるのは、ロキの子供じゃな。
先ずは、神殺しの牙を持つ巨狼フェンリルと、その子供であるハティとスコル。」
そんなアザゼルの問い掛けに、北欧の主神は顎に蓄えた白く長い髭をなぞりながら、予想出来るロキの手駒を話し出した。
尤も、そのフェンリルは既にアーサーとルフェイによって手懐かされ、ハティとスコルも、木場とジャンヌ、小猫と黒歌によって それぞれ斃されている事を知らない。
「次男の巨龍ミドガルズオルム…は、龍王と称される様になった頃に、ロキと袂を別っておるから、今更 貴奴の命令なんぞで、わざわざ出ては来んじゃろぅ。」
「…ん。ミドガルズオルムは、今は世界の果ての地中で眠っている筈。
何年か前、我がティアマットと一緒に遊びに訪ねた時も、お菓子の1つも出さずにガン無視で ずっと寝ていた。
折角、びしょーじょ&びじょが訪ねてきてやったのに、全然起きなかった あの御無礼ドラゴンが、如何に自身の父親と云えど、男の呼び掛けに応じる訳が無い(きっぱり!)。」
「…そ、そう願いたいですね。」
「ん☆ん☆!」
「…って、遊びにって、友達かよ?」
巨狼親子の話の次。
ミドガルズオルムは、恐らくは今回は参戦しないと言うオーディンの考えに、オーフィスもフォローしながらの同調。
それに若干の安心を覚える一同だが、今 件の戦場には、その龍王の
「…それと末娘、冥府の女王ヘル。
後はロキに付き従う巨人族や、ヘルの配下の魔獣や死者の兵士共…と、言った処かの。
特に死者の兵士は、あの若者達からすれば、戦闘力は大した事は無いが、数で押してくるじゃろうから、ちぃと厄介かも知れんのぅ…」
「…かと言って、我々が大量戦力を投下したら、それこそロキの、思うが儘です。」
ロキの目論むラグナロク勃発を防ぐ為の、少数精鋭の投入。
これが正解か否か、答えが出るのは、もう少し先。
◆◆◆
すぉおぉ…
ミドガルズオルム・コピーが大きく息を吸い込み、喉の付け根と両の頬が、風船の様に大きく膨れ上がる。
ボォオゥワッ!!
そして そこから吐き出されるのは、業火の
『ごぉっくぅ~~~っん!』
その炎をごっ君は身体全身に浴びてしまうが、まるで その身は『火属性無効ぉ!無駄無駄無駄ぁ!!』とでも言いたいが如く、炎の中を突き進み、
ガシィッ!!
遂にはゼロ距離から巨龍の首根っこを掴み、先程の締め付けの意趣返しの心算なのか、締め技…ヘッドロックに捕らえた。
ずっしぃーーーーーーん!!
「ぅわっ?!」「「きゃん!?」」『をん?』
そして、
落下の際の衝撃も、ダメージに加えたかったのか、勢い良く尻餅を搗くかの様に身を落とした為、周囲に一瞬、小規模な地震の如くな揺れが起き、
「も~!ごっ君!!
もう少し静かに、技に入れないの?!」
『ごっくぅうん…(´'ω'`)』
両膝を地に付け、スミニカートの裾を押さえているルフェイが猛抗議、巨龍の頭部をその巨躯に違わぬパワーで締め上げながら、ごっ君は それに しょぼーんとした口調で応える。
『キシャーーーーーーーぁっ?!』
そして その締めに、苦しむかの様な声を上げるのは、龍王複製版。
この戦場となっている大地を壁の如く取り囲んでいるミドガルズオルム・コピーの胴体も、派手に脈打つかの様に、上下に波立てている。
「あの龍王の劣化版は、ごっ君に任せて大丈夫でしょう。
ルフェイは念の為、彼のアシストとして この場に残って下さい。
私と
「はい!」「えぇ!」「うむ!!」
『わぉん?』
「あ…アナタも、ルフェイと一緒に、この場にて お願いします…。」
◇デスマスクside◇
現状は、傍目には俺達のが有利に見える。
こっちは俺に2天龍、
それに対して、向こうは…大将のロキに、恐らくは巨人族のリーダー格であろうヤツが1人、神話知識から予想して、多分、ロキの娘であるヘルと思われる女が1人。
そして その傍らに、双頭のワンコが1匹、様子見な如く控えている。
しかしアイツ等、全然余裕な態度を見せていやがる。
特にロキ。
フェンリルの鞍替えに対しても気持ちを切り替えたのか、更には あのドラゴンも結構ピンチな筈なのに、冷静に戦局を窺っている様だ。
まぁ、雑魚が殆どとは云え、数では向こうが圧倒的に有利だからな~。
…で、その雑魚を相手にしている、リアスちゃん達は~…まだ、雑魚の片付けに時間が掛かりそうだな。
「うわっ!?」「くゎああぁっ?!」
…って、ヤバいぞ!
金髪の小僧と爆乳な方の眼鏡の姉ちゃんが、ヤっバい一撃、貰っちまったぜ?!
「ディオドラ、頼む!」
「は、はいっ!」
そんな2人には、紫龍の指示で糸目の小僧…ディオドラが、フェニックス家特製の秘薬とやらで、回復させるが如く、現場へ飛んで行った。
「ディオドラ様、なんだかRPGの
そう言ってるのはレグルスだが…
ん。さっきも猫っ子の おチビちゃんのピンチに、紫龍の指示でパシらされたしな。
俺も、そう思うぞ。
◆◆◆
「でやぁっ!!」
ズバアッ!
木場を、そして自分の
「すいません、ディオドラ様…」
「構わないさ。
それよりも、降り立った ついでだ!
この僕も、攻撃に参加させて貰うよ!」
ズドォッ!
そう言うとディオドラは、今度は地面を隆起させて無数の巨大な柱を作り出し、
「僕の大事な眷属を傷付けたんだ、その酬いは受けて貰う!!」
それ等を巨人に向けて突撃させる。
ブシャァアっ!!
これにより、巨人は交通事故さながらの石柱の押し潰しを連続で浴びせられ、肉塊となった。
「ちょっと…スプラッター過ぎたかな?」
◇シリューside◇
あのディオドラ…
仲間思いなのも、結構好感持てるぞ!
「おい、神崎孜劉。
フェニックスの涙も尽きたし、そろそろ俺達も、出るべきでは無いか?」
そして
確かにフェニックスの涙は全て使い切ったし、勝負所かも知れない。
但し、ヴァーリは単に、自分が暴れたいだけな発言だろうが。
「…だな。よし、行くぞ!」
「「応!」」「「はい!」」「承知!」
≫≫≫
「レグルス!」
「はっ!!」
サイラオーグが自分の兵士の少年に呼び掛けると、少年は それに応える様に、その身を本来の姿である、巨大戦斧型の
ガシッ
それを確と握り締めるサイラオーグ。
「「「
そして既に、籠手と翼の
「『
『Welsh Dragon Balance breaker!!』
『Vanishing Dragon Balance breaker!!』
サイラオーグの斧が、獅子の雄叫びと共に鎧に変化。
俺とヴァーリの神器も、電子音の様な声を放ち、同様に
しかし、それで終わりでは、無い。
俺とサイラオーグは、更にもう一段、次なる進化に踏み出す。
「「燃えろ!我が
カッ…
「【|紅珠黄金龍《ルビー・ゴールド・ドライブ】!!」
「【
本作の ごっ君は、FF-Xの鉄巨人系モンスターのイメージで。
但し、刀は持っていません。
‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
次回:聖闘士DxD
『ヘル!冥府の女王!!(仮)』
乞う御期待!!
「行くぞ!