【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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お久しぶりに御座います!
タイトル、変更しました。
 



覚悟と決意

ビィシバァッシ!!

「あははは!平伏しなさい!この雌豚!!」

「…くっ!!」

 

防御結界により、現状ではディオドラを討てない(ディオドラ自身も攻撃不可)状況な南エリアのディオドラ拠点、リアスは部屋に設置されているモニターに目を向けると、其処には正しく、THE・女王様な出で立ちのディオドラ・アスタロトの女王(クィーン)が、自身の女王(クィーン)の朱乃を鞭で責め立ている場面だった。

朱乃自身は その一撃は躱しているが、鞭で叩きつけらる事により、その部分が破損。

壁床天井、部屋中に立派な装飾が為されていた この"王の間"は、見るも無惨に破壊し尽くされた姿と変わっている。

 

「~!此処に居ても、仕方が無いわ!

ミルたん!朱乃の加勢に向かうわよ!!」

「はいにょ!」

ディオドラには手出し不可能…即ち今回の勝利条件の内の、『敵拠点制圧』及び『王(キング)の打倒』は無理と判断したリアス。

ならば残された勝利条件である『王の間の制圧』をクリアすべくと、魔法障壁の防御結界に護られている…と云うか、寧ろ閉じ込められたと言う表現が正解なディオドラを放置して、ミルたんと共に朱乃の援護をすべく、王の間へと向かったのだった。

 

「た…助かった~…って、僕は もしかして、ゲームが終わるまで、この檻から出られないのかな?」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ビリィッ!

「きゃあぁっ!?」

メイコの鞭が、朱乃の白小袖を再び引き裂いた。

 

「…貴女、さっきから…

も、もしかして、『あっち』の趣味を、お持ちなんですの?」

「はあぁ!? そ、そんな訳、ないでしょ!!」

女相手に、身の貞操の危険を感じたかの様に、我が身を抱き締める様に露わになった胸を両手で隠す朱乃。

その朱乃から振られた疑問に、顔を赤くして、本気で否定するメイコの追撃の鞭が唸るが、朱乃は悪魔の羽を広げて それを空中に回避。

 

 

「…アーシア? 朱乃先輩が肌ける度に、目隠しするのは止めてくれないか?」

「シリューさんは、見ちゃ駄目ですぅ!」

 

「は~ぃ☆ アザゼルちゃんも、あっち向いてようね~!!☆」

「な…放せ、セラフォルー!!

流石に俺も、親友の娘の乳を見て、はしゃいだりは せんぞ!

大体そんなのしたら、アイツに確実に殺されるぜ!!」

 

「ぬぅ?ロスヴァイセ!お主、儂に何か怨みでも有るのか?

何故、老人の楽しみの、邪魔をする?!」

「お黙りなさい!このエロジジィ!!」

 

「痛い痛い!ぐ、グレイフィア、心配しなくても僕は、キミ以外の女性の裸には、興味が無いかr痛たたた!!?

き、厳しいなぁ…昨夜は あんなにも、素直で甘えん坊で おねだりさんで、凄く可愛かったのに…」

「…明道流・"極"駱駝固め!!」

「ぎょえーーーーっ??!」

そして この時、その様子がモニターに映し出された時、それを観戦していた殆どの男性陣は、女性陣に様々な形で、その視覚を封じられる。

 

「ベッロ氏? 先程もでしたが、貴方は画面に喰い付いたりしないのですね?」

「応~ぅ、そりゃあ俺も、若い娘さんの肌に興味が無いと言えば嘘になるが、万が一にも そういう様を孫娘に知られて、『えっちな じぃじ嫌い』とか言われた日にゃ、ショックで自殺する自信が有るからな。」

 

「くっ…」

観戦の部屋にて その様な遣り取りの中、天井間近迄浮遊した儘、破られた巫女服を、換装により着替え直す朱乃。

 

「雷よぉっ!!」

カッ…

両手を手首の部分で交差させる様に頭上で掲げ、特大の雷撃をメイコに向けて落とすが、

「ふっ…」

「な…?」

ディオドラの女王は それに向けて、手にした鞭を放つ。

すると朱乃の撃った雷は、其れに吸収される様に消えて逝った。

 

「あははは!! 驚いた?

この鞭、そして この衣装は、貴女への対抗手段…と云う訳では無いが、偶々に雷撃耐性を備えている!

解る?雷の巫女?

つまり貴女は、この私を斃す手段を持ち合わせていないのよ!

あははは!そら!そら!そら!!」

ビシバシ!ボォヮッ!

「…くぅ!!」

ドヤ顔で自身の得物の解説をした女王様は、更に鞭での打撃と、それに伴って生じる真空刃で追撃に入る。

 

「くっ…ぃ雷よぉオっ!!」

バシィ!

それを躱した朱乃が、反撃とばかりに雷撃を放つが、

「あはははは!無駄無駄無駄ぁ!!」

雷撃耐性を備えたメイコの神器の前に、それは無意味。

 

「この私に雷撃は通用しない!

それしか攻撃の術が無いならば、最早 貴女には勝ち目は無い!

さぁ、覚悟を決めなさい!

リアス・グレモリーの女王(クィーン)!!」

トドメとして振り放った鞭が、まるで蛇の様に くねりながら朱乃を襲うが、

バチィッ!

「な…!?」

その攻撃は、魔力で創られた防御シールドによって弾き返される。

 

「…覚悟、ですか。

小猫ちゃんも既に、自分の中の血(チカラ)を受け入れている…

確かに私自身も、覚悟を決めなければならない時が、来た様ですわね。」

「はぁ?な、何を、訳の解らぬ事を?!」

 

バタン…

「朱乃!」「朱乃たん!」

「リアス?ミルたん?」

「リアス・グレモリー?!」

その時 扉が開かれ、王の間に新たな客が。

リアスとミルたんである。

 

「くっ!!」

この時 一瞬だがメイコの顔が、若干歪む。

それも仕方の無い話。

自身…ディオドラ眷属としての、ゲームの勝利条件…朱乃1人を倒せば良かった筈のハードルが、一気に上がったのだから。

見方を変えれば、この部屋に のこのこと やってきた王(キング)を討ちさえすれば、例え朱乃とミルたんが生き残っていようと、自分達の勝利となる。

 

「悪いけど、一気に決めさせて貰うわよ。

朱乃!ミルたん!行くわよ!!」

しかし現状は3vs1と、どう見ても不利なのは明らか。

 

「待って!

あの女(ひと)は、私1人で倒してみせる!

リアス!ミルたん!

手出しは無用ですわ!!」

「朱乃?」

だが、朱乃自身が援護を拒絶。

 

ホッ…

朱乃の発言に、一先ずは小さく、安堵の溜め息を零すメイコ。

先ずは何故だか1vs1に拘る朱乃の趣旨に甘え、その雷の巫女を見据え、改めて鞭を構える。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

らぁっき~~い♪

何故だか分からないけど、一騎打ちなのは有り難いわ。

流石に3人掛かりで来られたら、堪ったもんじゃないしぃ。

聞けばグレモリーは、正統派な戦いを好むって云うし、まさか これで油断させといて、総攻撃仕掛けるなんて無いわよね?

…って、それって寧ろ、アタシ等の得意技だし(笑)

とりあえず、コイツには、た・だ・の・雷・撃・し・か・無い筈!

そして今の私には、その雷撃は通用しないし、魔力を使わない肉弾戦なら尚更、私の方が有利!!

とりあえずは この雷の巫女をさくっと片付けて、あの ごっついメイドは…この前の魔王様ゲームで見た限り、近接格闘は不利っぽいから、遠距離からの魔法戦で… 

そして最後に、リアス・グレモリーを…!

 

 

…な、高速思考を終え、遠距離からの鞭の連打と無数の真空刃を朱乃に向けてメイコは放つ。

 

バシィっ!!

「な…」

しかし それは、朱乃の正面に現れた紫の魔法陣…魔力障壁(シールド)によって、悉く跳ね返された。

 

「ウフフフ…貴女の神器が私の雷撃を無効化する様に、私の魔力障壁(シールド)も、その程度の攻撃では、破る事は出来ないみたいですわね!」

それは、互いが攻撃手段が通じない、泥沼試合の展開をスタートさせる様相だが、

「抜かせ!確かに一見、防御は互角に見えるが、貴女の魔力障壁(シールド)は、その防御力以上の力をぶつければ破壊出来る!」

メイコは自信な発言。

 

「引き換え私の神器は、貴女の攻撃手段が"雷撃"で在る限り、この私には通用s…」

バサァッ…

「なぁ?!」「あ、朱乃…!!」「にょ…?」

しかし その自信に満ちた口上の途中、朱乃は背中に羽を広げる。

そして その姿に、その場の者達は、それぞれが それぞれの意味での驚きの声と顔を見せた。

 

「ななな…何なのですか?その羽わ!?」

一番驚いているのはメイコ。

何故なら朱乃の背から生えている羽…

右の其れは、一般的な悪魔が持つ、蝙蝠を象った羽だが、左は黒き鳥の羽根から成る漆黒の翼…正しく堕天使を連想させるに他ならなかったのだから。

 

「朱乃…その姿…」

「…………………………………。」

バサァ…

驚くリアス達を余所に、朱乃は天井間近迄飛翔すると敵の女王(クィーン)を刮目、

「はぁああああ…っ!!」

バチバチバチバチ…

掌をその敵に向けて、今迄以上の雷を漲らせる。

 

「あは…あははは!

何をするかと思えば!

まだ理解出来ないのですか?雷の巫女!

今の私に雷は効かないと、何度言えば分かるのです!」

確かに悪魔の其れとは違う、黒い翼に面食いはしたが、結局は雷による攻撃。

それを見たメイコは、余裕と自信の発言と表情から、

「それ!」

ヒュン!

この勝負を終わらせるべく、今迄に放った、数倍の大きさの真空刃を放つが

バシィっ!

「くっ…これでも…なのか…?」

朱乃の張っていた防御シールドを破壊するには至らず。

 

「えぇい!!」

カッ!

そして次の瞬間、朱乃が自らの掌に溜めていた、雷を撃ち放つ。

 

「はぁ?あ、貴女は本当に、雷(それ)しか能が無いのですか?」

そして その雷は、先程迄同様に、半ば呆れ顔なメイコの神器の衣に無効化されt

「うぎゃあああぁっ!!?」

…される事は無く、ダメージを与える。

いや、正確に言えば、放たれ"雷"自体は確かに無効化されたが、同時に放たれていた…雷の中に組み込まれていた別の要因…"別の属性"エネルギーは無効化される事が無く、そのエネルギーが被弾したのだった。                   

「クッハァ…ば…馬鹿な…? 今のは…」

対雷仕様だけでなく、禁手(バランス・ブレイカー)状態の神器の衣の防御能力自体が高かったのか、何とか致命傷は避けられたメイコ。

しかし その一撃だけで、女王様の衣はズタズタ、撓わな果実が露わとなり、

 

「「「「「「だから、一々目隠ししなくても良いから!」」」」」」

「黙れにゃ!この おっぱいドラゴン!」

「サイラオーグ様!不潔です!!」

「はい、元ちゃんもアッチ向いてる!」

「アザゼルちゃんもだよ~!☆」

「レグ君は まだ早いの!」

「こ・の・スケベ爺!!」

 

モニタールームで それを観戦、紳士対応な約2名を除き、ひゃっはーしていた男性陣が、メイコが普段の某・名門校を想わせる制服に換装し直す迄、女性陣によって視覚を封じられた。

 

「目が、目がぁ~!??」

因みに愛&恐妻家な紅髪シスコン魔王は、銀髪の美女から、結構ガチなサミングを喰らっていたりした。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「ぅぅ…今のは一体…!?」

そして、メイコは未だに、何が起きたのか、理解が出来ず。

禁手(バランス・ブレイカー)状態の自分には、雷撃系の攻撃は効かなかった筈…

ダメージの残る身体を奮い立たせ、朱乃に問い掛ける。

 

バサァ…

「こ、答えなさい雷の巫女!

今の攻撃は、一体?!

…何なのですか、その羽はぁっ?!」

「私は…」

それに対して朱乃は、悪魔の羽根を広げ、自分と同じ高さに飛び立ったメイコに向かって口を開く。

 

「私は姫島朱乃…

姫島朱璃の、バラキエルの娘!

そしてリアス・グレモリーの女王(クィーン)!!」

「ば…バラキエル…だと?

グリゴリの幹部…あの"神の雷光"の二つ名を持つ、あのバラキエルか?

フッ…堕天使の血を引く人間(ハーフ)が、転生悪魔になっていると云う噂は聞いた事が有った…。

しかし、それが まさか貴女…しかも、堕天使幹部(バラキエル)の血族(むすめ)だったとはなぁ!」

バシュッ!

バラキエルの娘…

その朱乃のカミングアウトに、若干の驚きを見せつつも、メイコは通常形態に戻った、指示鞭型の神器から無数の真空の刃を放つが、

バスゥッ!

「なっ?」

それ等は全て、朱乃の展開したシールドに阻まれてしまう。

 

「そう…あの忌まわしき堕天使(おとこ)の血(チカラ)を継いだからこそ、雷に"光"を織り交ぜ、本来ならば雷撃が通用しない貴女にも、ダメージを通す事が出来た!

…この様に!!」

そして朱乃のターン。

自らに流れる血(チカラ)を受け入れる覚悟を決めた女王(クィーン)が、その力、その魔力を躊躇う事無く全開し、頭上…天井一面に大きく展開させた、稲光が迸る魔法陣に張り巡らせる。

                  

「ひぇっ?!!」

それを見たメイコは危険と判断、自身を何重もの魔法障壁(シールド)で身を包んで防御を固めるが、

「雷光よおぉっ!!」

カッ…!!

其処から撃ち放たれるは、従来の雷撃に、堕天使の血を引いているからこそ組み合わす事が出来る、悪魔にとっては天敵となる"光"の属性。

則ち、雷光。

                  

「きゃあああああああああああっ!!?」

それは防御障壁(シールド)等 始めから無いに等しいとばかりに容易く粉砕して、メイコを直撃。

既に雷を封じる術も失っていた彼女は、その威力を十全に喰らってしまった。

 

「朱乃…

やっと、やっと前に進めたのね…」

その光景を見て、事情を知っているリアスが喜びの涙を零す。

 

 

『ディオドラ・アスタロト様の女王(クィーン)、戦闘不能(リタイア)です。

此により、リアス・グレモリー様眷属の"王間"制圧の条件が、クリアされました。

よって此の度のゲーム、リアス・グレモリー様の勝利とします!』

 

 




※※※※ディオドラ君の眷属紹介※※※※
 
女王
メイコ…白木芽衣子(監獄学園)
 
戦車
ララティーナ…ダクネス(このすば)
アリーナ…アリーナ(ドラクエⅣ)
 
騎士
ジャンヌ…女騎士(まおゆう;画・石田あきら版)※①
ランギク…松本乱菊(BLEACH)
 
僧侶
ホェィル…名瀬夭歌(めだかボックス)
ヨーコ…ティア・ノート・ヨーコ(BASTERD!!)
 
兵士
シエスタ…シエスタ(ゼロ魔)
ティファ…ティファニア・ウェストウッド(ゼロ魔)
ルイズ…ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール(ゼロ魔)
リリ…リリルカ・アーデ(ダンまち)
ハナカ…毒島華花(武装錬金)
 
…を、それぞれイメージで。
 
 
※①…執筆時点で、作者は原作でのジャンヌの容姿を知りませんでしたので…
 
‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
 
「さて、反省会の時間だ。」
 
次回:聖闘士DxD
『悪魔と聖女(仮)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。
 

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