【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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前回の次回予告(予定)迄、話が進まなかった…。
まあ、あくまでも"予定"ですから…
 



CAT FIGHT

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇「あの…小猫ちゃん?」

「何ですか?この、むっつり被りヴァンパイア。」

「うわぁああああぁん!…って、それは もぉ、放っといてよぉ!!」

地下迷宮から漸く抜け出し、祐斗先輩達と合流する為、城の最上階を目指して走っている私とギャー君。

その途中途中で現れる、ゲーム運営サイドが場を盛り上げる為に用意した?幾多のモンスターを蹴散らし、一息吐いた所で、ギャー君が話し掛けてきました。

 

「小猫ちゃんて、どうして あのタイミングで、地下迷宮に…?」

「…それは、秘密です。」

「え~?」

ちぃ…まさか、何処かの誰かさんみたいに、魔法陣のトラップに引っ掛かって、偶々ギャー君と、ギャー君への悪戯に夢中になって、私の存在に全然気付いていない包帯女の前に飛ばされた…なんて言える筈無いじゃないですか。…って!?

 

「ギャー君!ストップ!」

「ぁわ?こ、小猫ちゃん?急に止まったりしないでよ!?」

全力疾走中の いきなりの停止。

これに要らぬ質問をしてきた、ミニマムヴァンパイアがクレームみたいですが、そんなのシカトです。スルーです。

 

「…隠れてないで、出てきたらどうですか?」

「え?!」

「……………。」

スゥ…

私の呼び掛けに、柱の影から姿を現したのは、大きなリュックを背負った、小柄な犬耳の女の子。

背丈は私と そう大して変わらないのに、この娘は…敵です!エネミーです!!

普段から一体、何を食べてたら そんなになるんですか?

 

「参ったなぁ…リリ、完全に気配を消していた心算だったのに…」

「"完全に気配を消した"から…ですよ。」

「えぇっ?」

この、リリさん…ですか?の疑問に応えてあげたら、尚更 頭の上に、大量のクエスチョンマークを浮かばせましたよ、この人…って、ギャー君もですか?

 

「恐らくは私達の接近に気付いて、隠れ忍んだのでしょうが、それは此方も同じ事。

今迄感じていた気配が、其処から動きを見せずに、いきなり消えたのです。

それは"其の場所で気配を消しました"って、言っているのと同じですよ。」

「(ポン!)成る程…お勉強になりました!」

ペコリ…

凄く納得した様に掌を叩き、頭を下げるリリさん。

 

「じゃ、そろそろ戦りますか!」

そう言うと、此方が構える前に この ろりきょぬー(怒)、背負っている巨大リュックの中から、沢山のミサイル弾やらロボットアームやらファン〇ルっぽいのやらが飛び出して、私達に攻撃を仕掛けて来やがりました!!

 

ちゅっどおぉぉんっ!!

「うっわあぁぁっ!?」

「…くぅっ!!」

いきなりの奇襲…それを卑怯とは言いませんが、屋内戦闘で銃撃飛び越えて爆撃て、この攻撃は少し洒落に なっていません。

…にしても あのリュック、確かにビッグサイズですが、どう見ても それ以上の容量な武装が ばんばん出て来ます。

もしかして それ、神器ですか?

四次〇〇゚ケットの親戚ですか?

 

「えぇいやあぁぁっ!!」

ぴた…

「ぴた?」

おぉ!ナイスです。

ここでギャー君が、自らの神器である…ふぉーびt…ぇーと…

…あの、狙った対象の"刻"を停める神器を発動!

ミサイルからロボットアームからファ〇ネル迄、全てを停めてしまいました。

ついでに その光景を見たリリさんも、何が起きたのか、理解出来て無い様で、思考が停止しています。

∴(ゆ・え・に)!今がっ、チャーンス!!

 

すぱかーん!

「あ痛ぁぁい!?」

きっつい一撃、お見舞いです。

 

「あ痛たたたた…何なのですかぁ…?」

「こ、小猫ちゃん…?」

涙目になって、頭を抑えるリリさん。

そして何故か、ギャー君も、目が点に。

 

「「何、それぇ!?」」

そして2人揃って、私が手に持つ武器(エモノ)を指差しての質問です。

 

「…見ての通りの、ハリセンですが?」

「嘘仰い!只のハリセンが、こんなに痛い筈が有りません!!」

ちぃ…気が付きましたか。

さっきの包帯女は、単に"氣"を通した故の殺傷力で一応、納得したみたいでしたが…

流石に"素"の一撃じゃ、まだまだ必『殺』とは往かない様ですね。

 

「ならば、教えてあげましょう。

これぞアザゼル先生から、モニター協力依頼として借り受けた人工神器・『張扇・挫・愚零斗』!」

「「じ…人工神器ぃ?」」

驚くギャー君とリリさん。

あぁ、これ知ってるの、部長だけでしたからね。

 

どっどっどっど…どっこーん!!

「「きゃああっ!!?」」

あ…危なかったですね!?

このタイミングで いきなり、ギャー君が停めていたミサイル他が、再び動き出してきました!

 

「ギャー君!一気に締めますから、コイツ等もう1回、停めて下さい!!」

「う…うん!えぇいやぁああっ!!」

ぴた…

「嘘?また止まった?」

2回目となる"ぴた"に、動揺なリリさん。

鬼畜ドラゴン先輩の鬼畜指導の賜か…

ギャー君、かなり自分の神器を使いこなせていますね。

ならば、次は私の番です。

見せてあげましょう!

つい先程に至りたてほやほやの、この『張扇・挫・愚零斗』の、真の姿を!!

 

「禁手化(バランス・ブレイク)…!!」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

小猫ちゃんの『バランス・ブレイク』の掛け声に反応して、あの『はりせん・ざ・ぐれーと』が…

「な…何なのですか、それぇ!!?」

「ふっ…これぞ『張扇・挫・愚零斗』の禁手状態、【堕天使乃撲殺棍棒(エクスカリボルグ)】!…です!!」

何て言うか邪悪さ満載な…刺々しい針みたいなのが沢山付いた、真っ黒な金属バットに変化しちゃいましたぁ!!

 

「喜んで下さいリリさん。

貴女が この、【堕天使乃撲殺棍棒(エクスカリボルグ)】の餌食…栄えある第1号です。」

「ちょ…ちょい待ち!

そ…そんなバットで殴られりしたら、リリ、死んじゃいますよぉ!!?」

「大丈夫です!」

ダッ…

あのバットに どん引きしてか、半泣きのリリさんに、容赦無くダッシュして間合いを詰める小猫ちゃん。

 

「アザゼル先生曰わく、このバットは『確殺』と『蘇生』の効果を同時に発動させる、『不殺(ころさず)』の武器らしいですから!」

「い…いやあぁっ!ギブギブ!リリ、降参します!!」

「問答無用です!巨乳、死すべし!!」

 

 

 

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「ん…んん…」

「あ、ギャー君、目が覚めましたか?」

「ん…小猫ちゃん…って、な、何で僕、小猫ちゃんに お姫様抱っこされてるの?」

 

あの後、リリさんは私の【堕天使乃撲殺棍棒(エクスカリボルグ)】の一撃でリタイア。

しかし その時のスプラッターを見て、ギャー君も気を失ってしまいました。

敵の攻撃による物でなかったからか、リタイア扱いはされず、こうやって運んでいたのですが、目を覚ましたなら、もう自分で走れますよね?

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「ところで…此処って どの辺りなの?」

「………………………。」

言えません。

只でさえ、この中央エリアはRPGのラスダンみたいに入り組んだ創りなのに、またもや転移トラップに引っ掛かってしまい…しかも、ギャー君が気絶してる間に2回も…なんて、とても言えません。

 

「そ…そうかぁ…僕達 今、迷子なんd(ガンッ!)うわあぁぁぁぁん!!」

しゃあらっぷです!!

 

「ぅうう…

それにしても、小猫ちゃんて凄いよね?

貰ったばかりの神器で、もう禁手状態(バランス・ブレイカー)に至ってるんだから…

僕なんて、まだまだだよぉ…。」

「さささ…才能ですから!」

ゔ…これも、言えませんね…。

まさか、さっきの地下迷宮でギャー君の"ギャー君"を見た時に、私の内側(なか)の何かが大きく弾けて、それで禁手化(バランス・ブレイク)に至ってしまったなんて…

こんなの話したら、また この"先っぽだけコンニチワ"ヴァンパイア、大泣き必至ですよ。

だ、だからギャー君、そんな尊敬の眼差しで、こっちを見ないで下さい!

 

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

『ディオドラ・アスタロト様の騎士(ナイト)1名、リタイアです。』

 

「「「!???」」」

ゲーム離脱者を告げる城内アナウンスに、僕、小猫ちゃん、そして今、小猫ちゃんと戦っている赤毛の女の子が一瞬、動きが止まりました。

 

「何なんだよ!

ゲーム開始から ずっと、こっちばっかりリタイアじゃないか!」

ブォンブォンブォン…

そう言いながら、この女の子が小刻みな連続蹴りを放ちますが、小猫ちゃんは冷静に対処。

そして、カウンター気味に正拳突き!

ガシッ

しかし、これはブロックされてしまい、

バッx2!

「「……………。」」

同時に2人がバックステップで後退し、距離を開けての睨み合い。

 

……あの後、城内で迷子状態だった僕達は、僕の(蝙蝠変化での)超音波で城内フロアを探索、上に登る階段を確認して、その場に向かう途中、あの子と遭遇。

しかし小猫ちゃん曰わく、さっきのリリさんは気配を消してたけど、彼女は僕達の存在に遠くから気付いたか、気配を消す処か馬鹿正直な殺気…闘氣を発散して、自分の存在を誘う様にアピールしていたとか。

そして それは偶々か狙っていたのか、彼女は僕達が目指すルートで待ち構えていて、結果的には僕達は彼女に釣られてしまった体だとか。

必然的に戦闘開始となりましたが、その早々に あの子、"絶対魔法無効空間"みたいな魔法を使って、お互いに魔法や魔力を使う技が使えない状態、純粋な肉弾戦しか使えない状態となり、神器が使えなくなった僕は全くの役立たずに。

小猫ちゃんに退がるように言われて、今は通路の端っこ、壁際に退避しています。

 

「でぇいやああっ!!」

「ゃぁ!」

バキィッ!

小猫ちゃんが有利と思っていた格闘戦、純粋に互角?です。

レイヴェルさんをやっつけたという あの女の子、本当に強いです!

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「キミ!頑丈過ぎるにも、程があるぞ!

ララじゃないんだからさ!!」

…いや、ララって誰ですか?

まぁ察するに、この子の仲間の…恐らくは戦車でしょうか。

そもそも戦闘中の相手へ向かって言う台詞じゃないですね?それ。

それに私、その頑丈さがウリな戦車な訳ですし。

それにしても、魔法が使えない この空間…

最初、この子がレイヴェルさんを倒したって聞いた時は信じませんでしたが、今は納得です。

多分、今夜シリュー先輩主導で行われる反省会、レイヴェルさんは格闘戦の薦めを受けるかも知れませんね。

 

「破ぁぁぁ!!」

ガシッ!

「……!??」

そして この子、修道僧(モンク)を自称するだけあり、そして この"絶対魔法無効空間"の中でも、魔力でなく"闘氣"を使う事でのエグい攻めをしてきますが、さっきの戦車の女の子のが、やはり接近戦では強かったですよ?

あと、もう1つ…

この子、さっき私の事を頑丈って言ったけど、"素"の状態なら あの闘氣を纏った拳一撃で、斃されていたでしょう。

そう、絶対魔法無効空間で使えないのは"魔力"だけ。

自分が"闘氣"を使っているというのに、私が今 使ってる"これ"に、気付いていないのですか?

 

「ぇいっ!!」

どん!

「きゃっ!?」

今の掌打は牽制…本命は!!

 

バッ…

…先ずは両足を やや広く開き、右足を一歩 前に踏み出す。

左脇を引き締め、肘を曲げて前に向けた左拳に右掌を添える構えを取り、そして…シリュー先輩は ここで"魔力"と"こすも"、ミルたんは魔力を集中させていましたが…私は"仙術"で練った"氣"を…"精神エネルギー"を左拳に集中!

そして添えていた右手を左手首に掴み直し、左拳を思いきり前に突き出すと同時に、溜めていた この"精神エネルギー"を一気に撃ち放つ!!

其れ、即ち…

 

「ファイナル・にゃんにゃん波ぁっ!!!!」

「なっ…!?」 

 

 

 

 

 

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

『ディオドラ・アスタロト様の僧侶(ビショップ)1名、リタイアです。』

ふぅ…ぶっつけ本番、自信は有りましたが、予想以上に上手くいきました。

 

「小猫ちゃ~ん!」

パチィン…

「「いぇい!」」

安全を確認してか、飛び出てきたギャー君とハイタッチ。

 

「やったね!」

「当然です。」

これで、ディオドラ様の眷属は、王自身を含めて4人の筈。

それに対して此方は6人。

まだまだ決して、油断出来きる人数差では無いですね。

                  

「さあギャー君、上に向かいますよ。」

「うん!」

私達は再び、最上階の王の間を目指し、走り出します。

 

 

 

シリュー先輩の"廬山漆星龍珠"、ミルたんの"ビッグバン・ミルたん波"に続く、私流のオリジナル・ドラゴン波である、"ファイナル・にゃんにゃん波"。

今迄 接近戦オンリーだった私にとっては、此処一番で頼れる技になりそうです。

何時かシリュー先輩とミルたんの3人で並んで、『トリプル・ドラゴン波(仮名)』とかをやってみたいですね。

あの2人なら、話を切り出したらノリノリで応じてくれそうですから、それまでに正式名称を考えておかないと。

 

あ…その時のセンターは勿論、私ですよ?

 

 




‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
 
「あの…アザゼル殿?」
「ん?」
「貴方の あの人工神器(ハリセン)、私に譲って戴きませんでしょうか?」
「あ~、構わんよ。
ありゃ~、試作品だからな~。
対価も別に、要らねーぜ~?」
「ありがとうございます。」
「ま、待ってくれアザゼル!?
グレイフィアも、早まるな?!」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『聖剣vs聖魔剣(仮・次回こそ)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。
 

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