【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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前回のラストにて、シリューにシバかれたのは…
 



強化フラグが立ちました!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「あ痛たたた…紫ぃ~龍~ぅっ!!

オッメー、会った早々いきなりに、人様の顔面にハリセンかますのは、人として どーよ?!」

「喧しいわっ、この孫バカが!!

会った早々に、人の顔を見て馬鹿笑いする奴にだけは、言われたくは無いぞ!!」

 

涙を浮かべながら鼻を抑える、この悪人面の物言いを一蹴した俺は、アザゼルと一緒に やってきた、明らかに人の其れでは無い強大な"力"を己の内側に抑えながらも、それでも感じられる者には、ひしひしと其れを感じさせる老人と少女に挨拶。

 

「初めまして…

今代の赤龍帝、神崎孜劉だ。

アースガルド主神、オーディン殿。

そして…

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「「「……………。」」」

バルコニーに佇む、3人の男女。

1人はシリュー。

1人は白髪混じりの金髪、鋭い目付きの初老の男。

今はベッロ・カンクロと名乗っている、元・蟹座(キャンサー)の黄金聖闘士デスマスク。

そして もう1人。

猫耳ニットを被った銀髪の少女。

今のデスマスクの主であり、ギリシャ、オリンポスからの代表として このルシファー城に来訪した、戦いの女神…『この世界』のアテナである。

 

「…それでアテナ…殿?話というのは?」「妾の事はアテナ…呼び捨てで良い。」

アザゼルに連れられて、北欧神話勢の主神、オーディンと共にシリューの前に現れたアテナ。

シリューは この2柱に挨拶、そして一通りの話を済ませた後、アテナから「個人的に話がある」と、パーティー会場の外に喚ばれていた。

 

 

「先ずは赤龍帝…カンザキシリュウ…だったか…。

ベッロ・カンクロを介しての、妾との同盟承諾、改めて感謝する。」

ペコリ…

そう言って、御辞儀するアテナ。

 

「…気にする必要は無い。

貴女との同盟…有事には冥界(あくま)側を優先する、…という前提であるし。

それに、此方こそ先日、同盟を交わした矢先のコカビエルとの戦い、ベッロ…デスマスクの協力は、非常に助かった。

今回の件、頭を下げるのは、冥界側(おれたち)の方だ。」

「…それでも…だ。」

 

シリューの「気にするな」の言葉に対しても、再度、アテナは改めて頭を下げた。

 

「参ったな…」

「あぁ、前回のバトルなら、マジに気にする必要は余り無いぞ?

先程も、魔王達から正式に謝礼を受け取ったからな。」

それに どうリアクションしたら良いのか、やれやれ顔なシリューに、デスマスクがフォローするかの様な台詞を投げ掛ける。

 

「それで…本題に入ろう。

此の場に貴方を喚んだのは、ベッロ・カンクロから聴いた話や報告資料だけでなく、実際に貴方の力を見たくなったから。

此の場で、伝説のドラゴンの力を妾に見せて貰えないか?」

「はい?」

いきなりのアテナの「力を見せろ」の台詞に、目を点にするシリュー。

気付けばデスマスクの仕業なのか、バルコニーには認識阻害の結界が張られている。

 

「まさか貴女は、この場でデスマスクと戦り合え…とでも言う心算なのか?」

「いや…。噂に聞く、貴方に宿っている神滅具を見せて貰えば、それで良い。」

自分の眷属との模擬戦…嘗ての十二宮、そして黄泉比良坂での再戦を強要されると思えば、単に【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】を見たら満足だと言うアテナ。

 

「ふっ…俺は別に、バトっても構わねーんだけどな?」

「…………。

【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】!!」

(Boost!!)

やや黒く、不敵な微笑を浮かべるデスマスクを余所に、シリューは自身の神器を左腕に具現化させ、更には

(Welsh Dragon over booster!!

Balance breaker…

Boosted gear・Scale Mail!!)

その神器を禁手化、龍を象った赤い全身鎧を纏い、

「覇ぁああああっ!!」

身体全身から、魔力、そして小宇宙(コスモ)を漲らせる。

 

「ひゅー♪」

迸る その力に、思わず感嘆の意味を込めた口笛を鳴らすデスマスク。

 

「…脱ぐなよ?」

「脱ぐかっ!?

貴様は俺の事を、一体何だと思っていr

「露出狂おっぱいドラゴンwww」

「…デスマスク、後で少し話そうか。」

そして、既知と成りつつある様式美(おやくそく)を、真剣に止めに入ったり。

 

 

…………………………………………チッ…

 

 

尚、その遣り取りの際に誰にも聞き取れない程の、小さな舌打ちをした少女が居たのは、別の話である。

 

「…でも、それで終わりじゃねぇ。

その先に、もう1つ、在るんだろ?」

「……………………。」

赤龍帝の鎧を纏ったシリュー。

アテナのリクエストである、己に宿る、赤き龍帝の"力"を見せたシリューに、デスマスクの更なる一言。

 

「本当に参ったね…」

アザゼルからの情報だと云う、本来ならば在り得ない筈の、禁手化(バランス・ブレイク)の更に一歩先。

それを示してみろと言わんばかりのデスマスク、そして夢見る幼子の様に瞳を輝かせ、じぃー…っと期待大な表情を浮かべているアテナに苦笑しながら、シリューは更に小宇宙(コスモ)を高める。

 

「…紅珠黄金龍(ルビーゴールドドライブ)!!」 

この掛け声と共に、赤龍帝の鎧は その色を赤から より鮮やかな紅へ、額には龍の頭を、両肩には龍の爪を思わせる造形の装飾が、左腕には円盾が加わり、そして全身からは眩い黄金の光を放つ。

 

「おおぉっ!!」

「…凄ぃ。」

神器の『核』である左手甲の宝珠に、小宇宙(コスモ)を高めた黄金聖闘士としての血を与えた事により、更なる進化を遂げた神滅具【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】。

その話に聞いた、現状の最終形態を実際に目の当たりにしたオリンポス勢の2人は、1人はストレートに大きく、そして もう1人は静かに、それぞれが驚きと感心のリアクション。

 

「これで、満足かい?」

                  

―――――コクン

フルフェイスの兜の影響か、やや低く響いて聞こえるシリューの言葉に、アテナは無言で小さく頷く。

そして満足気な顔を浮かべたアテナは、

「噂に違わぬ凄まじき力よ…。

それでは改めて赤龍帝よ…

これが、妾と貴方との、同盟の証だ…。」

そう言って一瞬、微かに笑顔を見せると、懐から黄金の短剣を取り出し…

「おぃ?!あんた……っ!?」

                  

                  

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「…どうだ?

悪魔ではない、人間に師事を仰ぐのが不満と言うなれば、強要はしないが…」

「いえ!赤龍帝殿の紹介の時点で、十分に信用信頼に値する!

是非とも、お願いしたい!!」

 

…あの後、今度は紫龍が、俺に会わせたい人物が居ると言うから付いて行ってみると、それは勇ましい面構えをした、黒髪短髪の若い悪魔の男だった。

紫龍曰わく、冥界の名門出身でありながら、悪魔としてのステータスの1つである、魔力を殆ど持ち合わせずに生を受け、数年前前迄は『家』の内外問わず散々と、出来損ない扱いされていたとか。

しかし、その境遇に腐らず、魔力が無いなら…と、悪魔としては比較的発想の外である、肉体強化に努めた結果の末、今の立ち位置を築いたとか。

確かに魔力は申し訳程度にしか感知出来ないが、それを補うかの様な闘氣は半端じゃねぇ。

それに、僅かに感じさせる…

…成る程、紫龍が俺に、この男を会わせたのは、そういう事か。

単純な肉体の強さは、既に前世(むかし)、五老峰で初めて会った時の紫龍と同等か、やや下か…

紫龍は俺に この…リアスちゃんの従兄である、サイラオーグ・バアルなる男を、鍛えて欲しいと言ってきた。

 

「おい小僧、念の為に先に言っておくが、俺は頗る厳しいぞ?」

「承知!!」

ふっ…良い返事じゃねーか!気に入った!!

しっかし この俺様が、悪魔を弟子にする事になるとはねぇ…

だが この、才能の塊の様な男を見せられたら、確かに放置って選択肢は無ぇわな。

 

「済まんな、デスマスク…。

本当は俺が師事したかったのだが…」

「気にすんな。お前は一応、グレモリー優先なんだろ?

まぁ、月の終わり頃に行われる、若手同士のゲーム?…とやら迄には、ある程度には仕上げてみせるぜ。

基本、人間より体は頑丈そうだしな。

人間基準の多少の無茶振りも、まぁ大丈夫だろ?」

「何だか心配に なってきたな…」

「任せろって!

それよりもオメー、対価、忘れんなよ?」

「あぁ、それなら既に魔王(セラフォルー)に頼んでいるから、心配は要らないさ。」

くくく…ディ〇ニーランドのエターナルフリーチケット(2人分)、ゲットだぜ!!

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

あの後の2人の話し合いにより、デスマスクは早速 明日から、バアル領にてサイラオーグの修行を受け持つ事になった。

尚、サイラオーグは その際、自分の眷属達も、一緒に修行させたいと言ってきた。

曰わく、特に その中の1人の兵士は戦闘時は正しく、自分のパートナーとなる存在で、自分1人だけ強化されても、バランスが取れなくなるとか。

デスマスクは それを快諾した後、「それじゃ俺も、アテナの下に戻らないとな。」と言い、アテナ…でなく、ワインの瓶とグラスを持って徘徊している、不良中年(アザゼル)の処に行ってしまう。

 

「サイラオーグ、先に言っておくぞ。

修行中、ヤツの前で、家族の話はタブーだからな。」

「………? し…承知した。」

俺も、サイラオーグに一言、注意事項を教えると、オカ研&生徒会メンバー+αが がやがやと話してる輪に加わり、

すぱかーん!!

「痛あいぃっ!?」

「「「「「え、えぇーーっ!!???」」」」」

その中心で何やら喋っていた、赤髪のホルスタインに、かーなーり、キっツい一撃をくれてやった。

 

「ななな…し、シリュー?」

「何を、いきなり…?」

「先程、デスマスク…ベッロ・カンクロと話している中、ヤツが俺の事を、『おっぱいドラゴン』とか呼んでくれたので、誰情報だと訪ねてみたら…」

「あ゙…」

「部長?」

「はい?」

「とりあえず、正座。」

「は…はい…(T_T)」

さあ、O☆HA☆NA☆SHI☆…の、時間だ。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「うゎあああああ~~~~~~~ん!!」「「「「???」」」」

リアス部長にO☆HA☆NA☆SHI☆している途中、あのオーディンと同行していた、銀髪スーツの女性が いきなり大声で大泣きしながら俺達の横を素通り、パーティー会場から出て行ったのだが…一体、何が有った?

彼女が走ってきた先に目をやると、オーディン、アザゼル、ヴァーリ、そしてデスマスクの4人が揃って、如何にも「やっちまったなぁ…」な顔をしている。

恐らくは あの乳繰り総督辺りが、ハラスメントな発言や行為に及んだのだろう。

後でヴァーリに何が起きたのか、話を聞いてみよう。

 

 

『おぉ~ぃ!☆若い悪魔(ひと)達、隣の部屋に、集合だよ~☆!!』

「「「「「…???」」」」」

そして更に そのO☆HA☆NA☆SHI☆の最中、今度は魔王少女が拡声器を使って、若手悪魔達に呼び掛けてきた。

 

「さあ☆、シリューちゃんも、だよ☆!

こっちこっち!☆」

お、俺も? 一体、何事だ!?

 

 




 
アテナのイメージは…既に察している人も居ると思いますが、『カンピオーネ!』に登場する、同名のキャラで。
 
‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
 
「俺と会長!俺と会長!俺と会長!!」
「ソーたんと私!ソーたんと私!ソーたんと私!!」
「僕とアーシアさん…僕とアーシアさん…僕とアーシアさん!」
「木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん!!」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『魔王遊戯(仮)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。
 

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