閑話です。
少し加筆しました。
「はぁあ~……」
ルシファー城の一室。
若手悪魔と若くない悪魔との顔合わせが終わった後、宛行われた部屋にてディオドラ・アスタロトは、思いっ切りの溜め息を零しながら凹んでいた。
「まさか…彼女を保護する前に、寄りによって赤龍帝に拾われるなんて…」
…そうなのである。
実は、アーシアが教会を追われる原因となった、彼女に癒やしを受けたと云う負傷していた悪魔…
何を隠そう、コイツである。
しかも その傷は、自分の指示で、己の眷属達に、傷付けさせた物。
…かと言って、別に彼は真性の『M』な訳では無い。
彼は、とある計画を練っていたのだ。
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眷属達に頼んで、ある程度なダメージに負傷させて貰う。
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その状態で、聖女・アーシアたんの前に姿を見せる。
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すると心優しい、『天使マジ天使』なアーシアたんは、自分が何者であろうが、神器によって、傷を治してくれる。
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しかし、その現場を見た教会関係者は、そんなアーシアたんを異端だの魔女だの言って追放するに決まってる。
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路頭に迷うアーシアたん。
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其処に僕が、偶然を装い声を掛けて事情を聞き、「行く場所が無いなら、僕の処に来ないかい?…そうなってしまったのも、僕が原因みたいだし、責任を取らせてくれないかい?」
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その台詞に、大粒の涙を流しながら、無言で笑顔で頷くアーシアたん。
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晴れてアーシアたんは、僕の眷属に!
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目出度し目出度し。
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「…な、筈だったのにぃ…ハァ…」
「ちょっと!何を黄昏てんのよ?!
早く紅茶!全く、気が利かないわね!」
「あ、ボクも~!」
「うむ。私も貰おうか。」
「は…はぃ!た、只今!!」
アーシアたんは私の母に…もとい、眷属となる女性だった…とか思いながら またも溜め息を吐く中、自身の眷属達へ給仕をするディオドラ。
「…どうして、こんな…orz」
しかし現実は…
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眷属達に、ある程度処か、尋常でわ無い大ダメージを負わされた。
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アーシアたんの前に、姿を見せてみた。
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余りなスプラッターに、どん引いてしまうアーシアたん。
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それでも必死に、今にも死にそうな演技(半分はマジ)で、神器による癒やしを施して貰った。
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タイミング良く、教会関係者に その現場を抑えられた。
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『悪魔を癒やす異端の魔女』として、教会を追放され、路頭に迷うアーシアたん。
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そして いざ、彼女に声を掛けようとして人間界へ向かおうとした その時、
「ちょっと!何処に行こうとしてるの?」
「今日はグレモリー領で新しくオープンしたスィーツの店へ、皆で行くわよって言ったでしょ?」
「え…?いゃ、今日は、その…」
「「「「「あ゙っぁん!? 返事は『はい!』…でしょ?」」」」」
「「「「それとも『Yes』?」」」」
「よ…喜んで…(T_T)」
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この間に、堕天使一派に接触されてしまうアーシアたん。
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そして最終的には、赤龍帝(いちばんアカンやつ)の保護の下に、落ち着きましたとさ。
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BAD END
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「はぁあああ~~~~~~~~~~……」
宿主の決まっていない、兵士の駒を見ながら再び、深い溜め息を零すディオドラ。
「今度こそは、アーシアさんみたいな、大人しい眷属が欲しかったのに…」
そうなのである。
この男、巷で聖女とか清楚とか可憐等と噂される、或いは一国の姫君で且つ、眷属足るに相応しい実力を併せ持つ美少女達に言葉巧みに声を掛けては眷属としてきたが、噂と現実は大間違い。
「ケーキ!」
「アイスクリーム!」
「焼きそばパン!」
「は…はぃい!ちょっと待って!」
その実態は、美少女なのは確かに間違いないのだが、清楚や可憐とは程遠い、あらゆる意味で、強かな お嬢様達だった。
あのライザー・フェニックス同様に、美少女だけで固めた眷属だが、そのヒエラルキーは王(キング)な筈のディオドラが、最下層に位置しているかの様だった。
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「それにしても、さっきは本当にウケたわよね~!♪」
「あのコ、ディオドラ様の事、全然覚えてなかったし。www」
「うっ…うるさいな!もぅ!!
その話は、止めてよ!」
「大体、女の子の前で、いきなり服を脱ごうとした時点でアウトだわ~。」
「それで、赤龍帝さんに注意されるし。」
「いや、だから あれは、あの時の傷を見せようと…」
「…で、その傷を見せたら、今度はリアス様やソーナ様の眷属君達から、一子相伝の暗殺者?みたいな目で見られたし~♪」
「それは あの時、君達が面白がって僕の胸に、〇斗七星みたいな傷を付けたのが、一番の原因じゃないか!!
傷が深過ぎた上に、アーシアさんの治療が完全に終わる前に、武装した神父に見つかったもんだから、慌てて逃げた結果、中途半端に傷痕が残ったんだからな!!」
「「「「♪ゆわっしょーっく!!www」」」」
若手悪魔と魔王、元老院の対面前の控え室にて、アーシアを見つけたディオドラは、眷属にする計画は失敗したが、それでも恋人…も無理として、せめて友達でも…と、少しでも お近づきになろうかと、とりあえずは あの時の お礼を言おうかと声を掛けてみた。
…が、肝心のアーシアはディオドラの事を覚えておらず、思い出して貰おうと胸元の傷を見せようと服を脱ごうとした途端、傍らに居た赤龍帝から、「貴様は露出狂の変態か!?」と、張扇(ぶつり)込みの注意を受けてしまう。
その件で自分の眷属達に、容赦無く弄られるディオドラ。
そう、彼女達の殆どは、清楚や可憐な要素は欠片も無い、所謂『弩S』だった。
今も、自分達に それぞれに用意された部屋にて控える事も無く、ディオドラの部屋を、まるでヤン〇ーの溜まり場とするかの如く、屯っていた。
「…で、どーするの?
あの聖女ちゃん、諦めるの?」
「うぅ…だって、仕方無いだろ?
アーシアさんは あの、赤龍帝の女(モノ)になったんだから…
いくら僕でも、伝説のドラゴンに喧嘩をする様な、そんな真似はしないよ…」
「…ヘタレ王(キング)www。」
「五月蠅い!ウルサイ!煩い!
もぅ、僕の事は放っといてくれよぉ!!」
眼鏡を掛けた瞳は鋭く、銀の髪はアップに纏め、その躰はリアス・グレモリーの女王(クィーン)である、姫島朱乃にも勝るとも劣らない、グラマラスな肉体を誇る少女。
このディオドラの女王(クィーン)の一言で、赤龍帝と聖女の関係を少し勘違いしているヘタレ王(キング)は、涙目で部屋の角に駆け出し、眷属達に背を向けて、体育座りしてしまった。
「あ~らら?」
「もしかして、完璧に凹んじゃった?」
「…ちょっと、弄り過ぎたかしら?」
ずず~ん…
何だか背中に、ブラックホールの様な物を背負い(イメージ)、指先で床に『の』の字を書くディオドラを見て、若干 気拙くなる眷属の少女達。
「ちょっとメイコ、何とかしなさい!」
「へ?私?何で?」
「「「「あんたがトドメ、刺したんでしょうが!」」」」
「仕っ方無いわねぇ…」
皆に責め立てられ、そう言いながらディオドラに近付くのは、先程、トドメな一言を放った女王(クィーン)。
「…ディオドラ様?
私達が悪かったから、機嫌直して、皆で お茶飲みましょ?ね?」
「「「「ディオドラ様~♪」」」」
「「こっちこっち~!」」
「「「美味しいよ~?」」」
「………………………………………。」
背中から優しく抱き付き、耳元で話し掛ける女王(クィーン)に続き、他の眷属達も声を掛けるが、完全に塞ぎ込んでいる彼女等の主は、只の屍の様に返事が無い。
…本当に仕方無い。最終手段ね。
フゥ…♪
「ひゃぃ!?」
不意に、耳元に艶めかしく息を吹きかけられ、思わず声を上げてしまうディオドラに、女王(クィーン)が追撃の一言を囁く。
ぐい…
「…何時迄も そんなだと、もう おっぱい、触らせてあげないぞ?」
「(ビクゥッ!)…………っ!??」
背中に胸を強く押し当てると同時に発した その言葉に反応、思わず肩を大きく飛び上がらせるディオドラ。
「うむ、私もだな!」
「ちゅーも、ダメだからね!」
「もう一緒に お風呂、入ってやんないし~♪」
「吸わせないぞ~?」
「挟んでもあげないからね~♪」
「当然、ΧΧΧΧΧも無し!!」
そして その反応に脈有りと見て、煽る様に、言葉を繋げる眷属達。
「…………………………………………。」
スク…
彼女達の呼び声に、遂にディオドラは無言で立ち上がる。
そして眷属の少女達の輪に加わると、
「はい、どーぞ♪」
「ア…アリガト…」
パリ…
渡されたカップの中のハーブティーを啜りながら、テーブルの上、目の前に有った煎餅を口にするのだった。
「………………あ、あの…」
「ん?何?」
「お、お風呂…は…?」
「はいはい、また お互いに身体、洗いっこしよーね?」
「ん…。」
端から見れば、戦闘力は兎も角、精神面(メンタル)は王(キング)として、その器には疑問符が付きかねないディオドラ。
しかし、彼の眷属達は、決して彼の下を去る事は無い。
何故なら…
「「「「「「「チョロい!チョロ過ぎる!!
でも、そんなディオドラちゃまが、凄く可愛い過ぎる~!!」」」」」」」
彼女達は皆、所謂『ヘタレ萌え』だから。
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫…尚、この日の夜、完全に凹みから復調出来ていない彼を、
「クス…それにしても相変わらずの、
サイズE 硬度E 持久力E 総合スタミナSS…かwww」
「「「「きゃははは!ディオドラちゃま、可~愛ぃ~い!」」」」
「「「速ーーーーーい!」」」
「うわぁああああああん!
ほ、放っといてくれよぉ!!」
眷属総出で慰めて?あげたとか。
ディオドラ君の女王(クィーン)も、スカウ〇ーの所持者でした。
‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
「赤龍帝よ…これが、妾と貴方との、同盟の証だ…。」
次回:ハイスクール聖x龍
『魔王遊技(仮)』
乞う御期待!!