会談編、締めます。
「彼等が言うには、逃げ出した残党達も、オーフィスの恩恵も無ければ、纏め指揮を執る者は全て、片付けたらしいけど…」
「そーだな、…だが、オーフィスが率先して組織を仕切っていた訳じゃあ無いみてーだし、コイツ等の知らない派閥?…ってのが、まだ在るかも知れねぇ。」
「油断は禁物…ですか。」
ヴァーリ達から【禍の団(カオス・ブリゲード)】は ほぼ壊滅したと聞くが、それでも残党が何らかの行動を仕掛ける可能性は有ると判断したサーゼクス達。
「今回の襲撃、カテレアの件は悪魔側に問題が有った…この件に関しては…」
「止めろ止めろ。
あのアーサー達も言ってたろ?
奴等の拠点には、堕天使や はぐれ悪魔祓いも居たって。
此処に悪魔(カテレア)が攻めて来たのは、偶々向こうが そーゆー人選しただけだろ?」
「その堕天使…そして神父も、もしかしたら天界を出奔した後、グリゴリに所属せず、直接テロ集団に加入した者かも知れませんし…」
「サーゼクス、お前…とセラフォルーもだが、偶々この場所に悪魔が攻め込んで来ただけで、気負い過ぎだ。」
「「う…うん…」」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「殺す!100回むっ殺してやるわ!!」
「ひぇっ!俺っちが悪かったから!
でも、決して、悪気が有った訳じゃ…」
ちゅっどぉおおん!
「ほげぇっ!?」
…魔王様達は会議室で話し合いを再開。
それに伴い、私達オカルト研究部やヴァーリチームは別室で待機となりました。
最初は皆、誰も喋らずな沈黙の空間だったのですが、黒歌姉様の
「ふにゃーっ!!
静か過ぎなのは耐えられないにゃ!
ほら、リアス達もヴァーリ達も、とりあえず名乗りあって、何か話すにゃ!!」
…の一言で、最初に やれやれ顔なシリュー先輩が、それに続けと祐斗先輩、そうなると、あちら側も改めて自己紹介していき、全員名乗り終えた後は、ギクシャクしながらも、色々と自分達の事とかを話し始めました。
姉様が元々、向こうのチームに入っていたのが、上手い具合に橋渡しになった感じです。
因みにルフェイちゃんとオーフィス…オーちゃんとは、アーシア先輩やレイヴェルさん、ギャー君共に、仲良くなれました。
スィーツ好きの子に、悪い人は居ません。
今度 皆で、スィーツ巡りに繰り出す約束もしちゃいました。
勿論シリュー先輩にも、財布…コホン、女子だけでは不安なので(ギャー君は女子枠です)、ボディーガードとして…ボディーガードとして、同行して貰う予定です。
そんな徐々に和気藹々に なってきた中、簡単に平和に収まってくれないのが この世界の常。
あの頭に金色の輪っかを填めている、美猴って男の人。
この人、あの空孫悟…でなくて、あの孫悟空の お孫さんらしいのですが、何気に色々と会話している途中で、どうやら この人が、少し前から冥界で話題になっていたリアス部長の二つ名、"駄肉姫"の名付け親である事が判り、部長、激(怒)です。
部屋の中で、滅びの魔力、放ってます。
「あらあらあらあら?」
「ちょ…部長、落ち着いて!www」
朱乃先輩やシリュー先輩が止めに入ってますが、シリュー先輩?…真剣じゃないですよね?
顔が笑ってますよ?
「ど、どうりで冥界中を探しても、犯人が見つからなかった筈だゎ…!!」
チッ…大体、駄肉姫の何が嫌なんですか?
私からすれば、誉め言葉にしか聞こえないのですが?
そんなに嫌なら、その無駄な肉とやら、少し私に分けてください。
ぽん…
………?
そんな風に考えていたらオーちゃんが、私の肩に手を置き、僅かに微笑みかけ、右手に両手で握手してきました。
「…解る。」
ガシッ!
おぉ、同志!心の親友(とも)よっ!!
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
「…所で俺は、何時迄こんな風なんだ?」
部長の怒りも粗方収まり、改めて色々と皆で話している中、私達に喋り掛けてきたのは、顔面ふるぼっこで床に正座している美猴の隣で、やっぱり(こすもで縛られた儘)正座しているヴァーリ君。
"君"付けなのは、この白龍皇、実は私達と同い年だと分かったからです。
いい加減、足が痺れてきたのでしょうか、私達…特に、シリュー先輩に正座を解く様に求め訴えますが、
「とりあえず、隣の部屋の話し合いが終わって、お呼びが掛かるまでだ!」
鬼畜ドラゴン先輩は、それを赦しません。
先程の、ヴァーリ君が裏切りを演じた末の大乱闘、かーなーり、御立腹みたいです。
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カチャッ…
「やっほー☆お話合い終わったから、皆も会議室(コッチ)来てー☆」
やって来たのはセラフォルーだ。
恐らくはグレイフィアさんの迫力に屈したのか、魔王少女コスから、また女性用のフォーマルスーツに着替えている。
「分かりました。さ、皆 行きましょ。」
「「「「「「「「はい。」」」」」」」」
リアス部長の声に頷き、席を立ち、退室する俺達。
「ちょ…ちょっと待て神崎孜劉!
俺を、この儘にしておく心算か!!?」
「お…俺っちも、足が…」
あー、正座させてる2人、忘れてた。
パチィン…
仕方無いので、小宇宙(コスモ)の枷を解除してやるが、
「あ゙…足゙が…」
完全に足が痺れているらしく、立ち上がれないヴァーリ。
情けないな…高々、あの戦闘の後、会議室にて事情聴取から今迄の、ほんの2時間程度の正座で、その様とは。
俺は2ヶ月程度なら、余裕で平気だぞ?
「ちょっとキミ☆、大丈夫?」
これを見かねたセラフォルーが、ヴァーリの手を取り、立ち上がるのを手伝ってやろうとするが、その時、
ずるっ…
「あ…」「お♪」
「………………………………………。」
バランスを崩したヴァーリが、セラフォルーのスカートをずり降ろし、薄い水色のショーツが丸見えになり、
「きゃあああああああああああっ!?」
数秒のフリーズ後、再起動と共に乙女な悲鳴を上げるセラフォr…って、アーシア?
「シリューさんは、見ちゃ駄目ですぅ!」
「あらあらあら?はい、祐斗君も、向こうを向きましょうね~♪」
「ルフェイ?眼鏡を返してくれないか?」
…兎に角、俺、木場、そしてアーサーの視覚が封じられた。
ガィンッ!ドガァッ!バキィっ!!
「「めだりおすっ!!」」
……………………………………………。
その数秒後、数回に渡る派手な撲殺音と独特な断末魔が聞こえた後、再び視界が開かれる。
そして目に写ったのは、身体を震わせ、脅えながら どん引きしている女子達(ギャスパー、ミルたん含む)と、何故か先程以上に顔面フルボッコとなり、泣きそうな…てゆうか、泣きながら再び正座しているヴァーリと美猴。
そして血塗れとなった、魔王少女御用達のマジカル・ロッドを持っている…全く笑ってない、闇を孕んだ瞳で、満面の笑顔を此方に見せているセラフォルーだった。
「あ☆シリューちゃん?
私、このコ達と少し、O☆HA☆NA☆SHI☆…する事が出来たから、サーゼクスちゃん達には、そう伝えておいて☆!」
「い…いぇっさ…」
頷きながら一言交わした後、魔王、白き龍、猿の3人をこの部屋に残し、俺達は3勢力トップが待つ、会議室に向かった。
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「あ~、匙達、頑張ってるな~♪」
「あれはシリューが、隕石直撃(メテオ・インパクト)な技を繰り出したからでしょ!?」
生徒会により、全体の約1/3の修復が終わった校庭を眺めながら会話するシリューとリアス。
「コホン…」「「あ…すいません…」」
そんな2人に対し、サーゼクスが小さな咳払いの後、3竦みが正式に和平を誓う調印を終えた事を、リアス達に伝える。
この件について、他の神話系態…北欧アスガルドや中国の須弥山にはミカエルが、ギリシア・オリンポスには、シリューが(デスマスクを介して)アテナ経由で説明する事が決まった。
「それと俺は暫くは この儘、この街に滞在する事にしたからな。
それで…だ、聖魔剣使いとハーフヴァンパイア、それと今、校庭で作業している黒龍は、俺が神器の遣い方をきっちりと仕込んでやる。
先に言っとくが コレは、サーゼクスから正式に要請を受けているからな、お前等に拒否権は無いぞ?」
「「「えぇええっ??!」」」
このアザゼルの いきなりの発言に、大声で驚く木場とギャスパー…と、リアス。
「…でだ、そっちの聖女も、一緒に神器の遣い方を教えようと思ってるのだが…
赤龍帝、こっちは お前さんの許可が要ると思うが?」
「あぁ、よろしく頼む。
アーシア、良いな?」
「は…はい!」
「決まりだな。対価…授業料は、サーゼクスさんに請求してくれ。」
「し、シリュー君?
ま、まぁ良いけど……。」
こうして…
西暦20XX年7月2X日―
・天界代表:天使長ミカエル
・堕天使中枢組織『神の子を見張る者(グリゴリ)』:総督アザゼル
・冥界代表:魔王サーゼクス・ルシファー
以上、3大勢力各代表の下、和平協定が調印された。
それに伴い、3大勢力の争いは禁止事項とされ、協調体制へ。
この和平協定は、その舞台となった学園に由来して、『駒王協定』と称される事になった。
『もしもし…あ、紫龍か?
何やら凄い勢いで、小宇宙(コスモ)やら魔力やらが ぶつかっていたみたいだが、俺は行かなくて大丈夫だったか?』
「遅ぇよっ!!(怒)」
‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
「さぁ!明日から夏休みだ!」
「海だ!プールだ!ナンパだ!!」
「うぉお!水着の お姉さん達が、俺達を呼んでるぜ!!」
「…いやいや、お前等の出番なんて、STA〇細胞程も無いからな?
ついでに夏休みの話の前に、少し別な話を組み込むぞ。」
「「「な、何だってーーーー!!!?」」」
「…人の夢と書いて、儚い。」
次回:ハイスクール聖x龍
『閑話(仮)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。