【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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私の歴史は、12世紀から始まったのだ!!
 



魔王降臨!(笑)

「…と、いう夢を見た。」

「何だ そりゃ?」

                  

7月も半ばに入り、期末テストも終了した ある日の朝、学園に歩を進めているのは、シリュー、木場、匙の3人。

                  

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「…で、『ヴァカめ!如何に分体であろうと、次から次ぎへと私の身体を へし折るとは!この私の守って欲しい1000の項目の、11番目にも記載されているだろうが!ヴァカめ!!』とか言って来てな…」

登校中の話の話題は、昨晩、シリューが見たという奇妙な夢。

曰わく、人の言葉を話す、正体不明な白い謎の生き物に纏わり憑かれ、意味不明な因縁を延々と ふっかけられた…と言う。

本人からすれば、余程 嫌な夢だったのか、朝から窶れきっている感だ。

                  

「…兎に角、ウザかった。」

「ふ~ん?『次々とへし折る』って…もしかして、エクスカリバー?」

「敢えて心当たりを挙げるとしたら…な。

他には浮かばん。」

「エクスカリバーの呪いwww…

…って、いやいや、高が夢だろ?

考え過ぎなんじゃね?」

「そう思いたいのだが、なまじハッキリ覚えてる分、不気味でな…

例えば…大戦時に破壊された後に再生された、7本の最後の1本の遣い手が近い内に現れるとかのフラグとしか思えん。」

「「メタい!」」

「仮に、本当に あの生き物がエクスカリバーだとしたら木場、お前んトコにも今夜辺り、現れるやも知れんぞ?

何しろ お前も1本、再生不可能レベルに破壊してるからな。」

「ははは…御遠慮願いたいね。」

「しかも何だか声が、子y…ライザー・フェニックスだった…」

「そ、それは嫌だなぁ…」

「匙君?少し、失礼だよ?」

…そんな風に話してる中、彼等は学園に到着する。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

「「「ん?」」」

シリュー達が学園に到着した時、校門前では女生徒を中心に、人集りが。

校門の石柱に、駒王の制服ではない…というか、普通に私服な、それでいて彼等彼女等と同年代の男が、背中を預けて誰かを待ってる様に、佇んでいたのだった。

 

「誰なのかしら?」

「イケメンだ…」

「駒王(ウチ)の生徒じゃ、無いよね?」

「イケメン…」

「神崎君や木場きゅんに匹敵するわ…」

女生徒達が その彼を見ては、ヒソヒソと話している中、

「………! …やあ。」

「は?」「え?」「へ?」

その、暗い銀髪に鋭い碧眼の少年は、シリュー達に気付くと、軽く微笑みながら、声を掛ける。

いきなり、知らない人物から話し掛けられ、戸惑うシリュー達。

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

「え?あの謎のイケメン…」

「神崎君や木場きゅんの知り合いなの?」

「成る程…これが類友か…」

「え?もしかして『ぴー』な関係?」

学園2大イケメン+αに話し掛ける、謎のイケメンの図。

それを見ながら女生徒達が色々と…本人達が聞けば、必死に否定するであろう推測も込みで囁き合う中、シリューも挨拶。

 

「えーと…初めまして?」

「……………………………。」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「まさかの…」

「白龍皇…とわねぇ…」

教室に入り席に着き、俺は改めて先程の銀髪ヤローについて、神崎と話していた。

結論から言えば、アイツは この前のコカビエル騒動の最後に顔を出した(らしい)、白龍皇…つまりは神崎、赤龍帝と対を成す存在だった。

ヴァーリと名乗ったアイツは、

 

≪≪≪

 

「後日この学校で行われる、3大勢力の対談にて、俺はアザゼルの護衛役となったんでな。

今日は単に、挨拶がてらに其れを伝えに来ただけだ。

別に赤白の決着を着けに来た訳じゃない。

だから黒龍君と聖魔剣遣い、その殺気は仕舞いたまえ。」

「「…………!」」

 

≫≫≫

 

…そう言っていたが、俺は見たぞ?

その手に、『全国拉麺MAP』なる雑誌を丸めて持っていたのを!

さては今日の昼時、駅前でオープンするラーメン屋に行くのが、本命の目的だな?

白龍皇、以外と庶民的だな!?(笑)

ぶっちゃけ初見は、ムカつくイケメン野郎だと思っていたが、機会が有るなら、神崎や木場同様に、存外に仲良く接する事も出来そうだ。

それから、そのヴァーリと話してる中、それを見ていた女子達の一部が『木場きゅんx神崎君x謎のイケメン様』とか、腐った妄想をキャーキャー言ってたみたいだが、残念だが、それは無いぞ!

神崎は彼女持ちだし(死ね!)、木場だって、実は かなりな むっつりなんだからな!

それから、その腐女子の中に知ってる顔が数人…草下とか花戒とか副会長とかが混じっていた様な気がしたが、それは目の錯覚だと思いたい。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「えーーーーーーっ!!?

リーダーが学校に来ていたにゃ?」

 

放課後、部室にて、白龍皇ヴァーリと朝に出会した事を部長達に話すと、部長以上に驚いたのは黒歌だ。

どうやら、黒歌が つい先日迄所属していたとか云うチーム、あのヴァーリがリーダーだったらしい。

おいおい、それって、堕天使寄りだったんじゃないのか?…って、その辺りを聞いてみると、堕天使とは関係無い、白龍皇の私的チームだと云い張る。

曰わく、それなりの力を持っているが、様々な理由でフリーな立場の者が集まって、何となく のほほんと暮らしているだけの仲間だとか。

但し その力故に、自分の組織に勧誘してきて、それを断ると逆ギレして襲い掛かってくる輩や、勝手に危険視して抹殺しようとしてきた輩には、過剰防衛(せいとうぼうえい)の名の下に、皆で協力して撃退してたとか。

 

「だから別に、悪魔サイドと敵対勢力に所属していた訳じゃ無いにゃ!

シリューが悪魔側に所属してる一方で、アテナとも仲良くしてる様なモンにゃ!!」

「…成る程、それなら まぁ、ギリギリでセーフだろ、シリュー君?」

ぅ~む、俺と冥界、そしてアテナとの繋がりを例に挙げられたら、俺的には もう、何も言えない。

 

「アザゼルは昔から いい加減な男だったからね。

それに同行している白龍皇とやらも、似た様な感じ、アバウトな部分を持ち合わせているんじゃないかな?」

白龍皇は知らんが、確かに この前に会った堕天使総督は、かなり巫山戯た…いい加減に手足と羽が生えた様な性格だったが…

                  

「そうだろ?ほら、類友ってヤツだよ。」

いや、サーゼクスさん、あんなのと類友って、それは流石に白龍皇に失礼だよ……?

「…って、アンタ!何時から居んだ?」

「「「「「「「あーーっ!?」」」」」」」

皆、吃驚。

気が付けば、何時の間にか魔王1人とメイドさんが1人、部室に居て然り気無く会話に混ざっていた。

 

「ほ、本当に何時の間に…

…ってゆーか、お兄様、何故 此処に?」

「総大将(ぬらりひょん)並みの、然り気無さだにゃ…」

「はっはっは!

そんなの決まっているじゃないか!

リーアたんの驚く顔が見たいからだよ。」

「「ハァ…」」

平常魔王に溜め息を零すリーアたんとメイドさん。

 

「…で、本当の理由は何なのですか?

魔王ルシファー?」

話す気力が喪われた部長に代わり、俺が この、グレイフィアさんにシバかれているシスコンに聞いてみると、

「いやいや、嘘偽り無く、リアスに会いに来たんだよ。

ついでに、既に街に住み着いてるアザゼルや、今、話に上がっていた白龍皇じゃないけど、今度 対談が行われる、この学校の下見にもね。」

いや、下見を本命にしろよ。

ほれ見ろ?

グレイフィアさん、またジト目で溜め息吐いてるぞ?

 

「あぁ、それと更に ついでだけど、明日の授業参観、僕も出席するから。」

「はぁああ!??」

「大丈夫、父上も きちんと来るから。」

「そーじゃなくて!!?」

部長、うるさいです。

静かにしましょう。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

そして翌日の、授業参観当日。

 

「あ゙~、精神的に疲れた。」

「お疲~www…っと?」

来校した母親のプレッシャーに押し潰されながら、尚且つ睡魔と戦いながら、辛うじて この日の2時限に渡る公開授業を乗り越えたシリュー。

それを、身内が来ていない匙が、笑いながら、メール着信したスマホを見る。

 

「…やれやれだな。」

「どうした?」

「会長からだよ。

体育館で、男子生徒(ヤロー)共が何やら騒いでるから、収めて来いってさ。」

「あぁ、もしかしてアレかしら?」

「ん?」

その会話に入ってきたのは、シリューの隣の席の、水沢香純。

 

「水沢、アレって何だ?」

「え?生徒会には知らされてなかったの?

少し前から、今日、授業の後に、魔法少女の撮影会があるって話。」

「「ま…魔法少女?!」」

『魔法少女』という単語に反応して、見事なハモりを見せる匙とシリュー。

 

「え?もしかしてアンタ達2人も、そう云うのに興味有るとか?

うっゎぁ…

神崎、ファンが知ったら引くわよ?」

「「違う!!」」

再びハモり、必死に否定する2人。

 

「神崎…悪いが、この騒ぎの収拾、お前も手伝って貰えるか?」

「お…応…」

 

そして2人は、更に もう一度ハモる。

 

「「すっげー嫌な予感がするぜ…」」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

自慢する心算じゃないが、俺の勘、特に悪い予感は良く当たる。

神崎に付いて来て貰い、件の撮影会とやらが行われていると云う、体育館に行ってみると…

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

わーわぁーわーわぁーわーわーぁわー…

パシャパシャパシャパシャ…

 

……………………。

本当に男子(ヤロー)共が、スマホ片手に ごった返していた。                              

「惡羅惡羅!テメー等、校内で撮影会たぁ、良い御身分だな!」

「(パンパン…)はい、解散解散ん~。」

「げっ!?…生徒会の…匙!!」

「…と、神崎?」

「今日は公開授業参観だろーが!

来校している父兄方に醜態晒して どーするんだ?

下らん騒ぎを作るな!」

とりあえず、騒いでるバカ共に怒鳴りつけて、解散を促す。

                  

「ふ、巫山戯るなよ匙!…と神崎!」

「そうだそうだ!」

「いくら生徒会だからって、横暴だぞ!!」「あ゙ぁん!?」

「「「…………(」゚O゚L)…………!!?」」」

それでも食い下がる…やっぱり居やがったか、コイツ等…な、約3名を筆頭とした数名にも、神崎大先生に本職の御方でも土下座して逃げる様な睨みを利かせて貰い、強制(自主)退場して貰った。

そして屯ってたヤロー共を散らした後、撮影会の主役である、魔法少女…に話し掛ける。…んだが、はぁ~…

 

「ぷぅ~~~~~~~☆!

ちょっとぉ☆、匙君もシリューちゃんも、非道くない?

せっかくの撮影会だったのにぃ~!☆」

はぁ…だ・か・ら・言ったろ?

俺の勘…

特に悪い予感は、よく当たるって。

神崎に一緒に付いて来て貰って、本当に良かったぜ。

俺は立場上、この人に兎や角言えないので、後は頼んだぜ。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「全く…授業参観だぞ、授業参観?

アンタも父兄として学園に来たのなら、それなりに場に合わせた衣装ってのがあるだろうに?」

「えー?だってシリューちゃん、これが私の正装なんだよ!☆

みるるん☆みるみる☆すぱいらる~♪☆」………………………(怒)。

すぱかーん!!

「はぁあぅ?! (>_<)」

とりあえず、この巫山戯た事をほざきやがる、魔法少女のコスプレをした魔王少女のド頭に、本気の一撃くれてやったとしても、俺は絶対に悪くないと思う。

 

「うぅゔ…あ…頭が…」

…さてと、コスプレ撮影会の騒ぎは絶った事だし、匙?俺達も撤収しようぜ?

 

「いやいやいや!レヴィアタン様、この儘って訳にも いかないだろ?

…って言ーかオマエ、本当に女性でも魔王様にでも、容赦無ーな…??」

…教室に戻ろうとすると、頭を抱えて しゃがみ込み、「うーうー☆」唸ってるセラフォルーを放置する気か?…と、匙に呼び止められた。

仕方無い、支取先輩ん処に持って行こう。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

ガラ…

「し、失礼します。」

「あら匙?体育館の騒ぎは、片付きましたか?」

「い、いぇ…その事なんですけど…」

「…?」

「こんちわー。

グレモリー軒デリバリーサービスでーす!

体育館の騒ぎの元凶の、魔王少女をお届けに参りましたー。」

「や…やっほー…ソーたぁん…☆」

「へ?神崎君?…て、お、お姉様?!」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「ほら!見てみて!☆ソーたんが先生に指名されて、答えてるの!☆」

「止~め~て~!」

 

にゃはははははは!!

今 部室では、レヴィアタンが隠し撮りしてた、ソーナの授業風景の公開(処刑w)の真っ最中だにゃ!

映像自体は余り面白く無ゃいけど、それを観てるソーナが慌てふためく姿は、凄く面白いにゃ!

 

「大体お姉様、何故 今日の参観日の事を?

こっちは黙っていたのに…」

「ん?それはね、サーゼクスちゃんとグレイフィアちゃんから聞いたんだよ☆?」

「ルシファー様…」

「あははは…何だかゴメンね。」

涙目ジト目のソーナにサーゼクスが笑いながら謝ってるけど あの顔は、絶対に全然悪いって思ってにゃい顔だにゃ。

                  

「それでね、ソーたんを後で びっくりさせようと思って、授業中は気配を完全に消していたのだ~!☆(どやぁ☆)」

「ぜ…全然、気が付かなかった…(ガクッ)」

あ、ソーナがorzったにゃ。

 

「因みに私は、セラフォルーが来てるのは、気付いてたにゃ。」

「嘘っ☆!?」

「くくく、黒歌さん?!どうして教えてくれなかったのですか!?」

カックンガックン…

「あわゎ…揺らすにゃ揺らすにゃ!

何となくだけど、黙ってたのが面白そうだったに決まってるにゃ!」

「あ…貴女は…」

ソーナが両肩をガシッと掴んでガクガクと揺すりながら、涙目ジト目でコッチを睨んできたけどスルーだにゃ。

 

「ならば次は、私の撮影した…」

「ぃ嫌ぁああああああああっ!!!!?」

ソーナの映像の次は、リアスパパが撮影した、リアスが授業受けてる映像を観てるけど、リアスもソーナと同じ様なリアクションしてるにゃ!

…って、ゆーか、お腹が痛い!

アーシアとミルたんは、純粋に微笑ましく観てるって感じだけど、

「くっくっくっく…www」

リシューは腹を抱えて蹲って、大笑いするの我慢してるし、白音、ゆーと、朱乃ん、レイヴェル、ギャー子、椿姫、げんしろーも、必死に笑うのを耐えてるのが見え見えだにゃ!!

 

「くっぷぷぷぷ…も、もぅ、らめぇ…」

「ふ、腹筋が割れる…」

「いい加減になさい!

笑い過ぎなのよ!アナタ達わ!!」

「あと、お前わ脱ごうとするなーっ!!」

すぱかーん!!x2

「「ギャァーーーーッス!!」」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

…そして数日経ち、1学期終業式が終わった日の夜、学園には結界が張られ、その上空には、悪魔、天使、堕天使の軍勢が一触即発な空気の中、互いに牽制するかの様に睨み合う。

 

 

「「「「………………………。」」」」

そんな中、学園の会議室ではサーゼクス、セラフォルー、アザゼル、そしてミカエルが、1つのテーブルを囲う形で、無言で席に着く。

3勢力のトップ会談が、間も無く始まろうとしていた。

 

 




‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
 
「我々としては、あの戦いに参加していた、アテナの眷属にも、この場に来て欲しかったのですが…」
「…一応、ヤツには連絡は入れてみたのだが、『あ~、無理無理。今夜は娘夫婦と孫娘と外食だ。』って断れたよ。」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『トップ会談(仮)』
乞う御期待!!
 

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