【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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『原作崩壊(オリジン・ブレイク)!』(少しだけ)
 



白と黒の猫姉妹

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「ん?お前、誰にゃ?」

「………。」

 

白音…恐らくは本名なのだろう、いきなり小猫をその名前で呼びながら、ジャンピングハグしてきた この女、小猫が『お姉様』と呼ぶに察して、普通に考えて、姉なのだろう。

まさか、アッチの『お姉様』だったら、凄く怖い。

髪の毛の色は黒と違ったていりはするが、確かに その顔立ちは、小猫に似ている感じはある。

所謂、小猫の数年後な容姿…いや、それは無いな。

絶対にワザとだとしか思えない、着崩した黒い和服の下の その身体は、和服を着るのが間違っているとしか思えない、所謂ダイナマイツ。

チラ…

ん、無いな…無ぃ。

 

「シリュー先輩?何か今、凄く失礼な事、考えていませんか?」

「い、いや…別に…」

姉?に抱きつかれた儘、ジト目で聞いてくる小猫を はぐらかし、

「…で、小猫?誰なんだ?」

質問を質問で返してみる。

 

すると小猫は、

「…シリュー先輩、此方、私の実の姉の、黒歌です。

姉様、この人は部活の先輩の神崎シリュー先輩です。」

纏わり憑いていた姉を挽っぺ剥がすと、互いを紹介。

…成る程、やっぱり姉だったか。

隠す心算が無いのか、髪の毛から ひょこっと出ている猫耳を見る。

 

「猫又…いや、猫逍…か…」

「ふ~ん…そーゆーお前も、只の人間じゃな無いにゃ…

ドラゴン…って、赤龍帝にゃ?!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

黒歌。

小猫の実姉の妖怪・猫又の上位種族である、猫逍からの転生悪魔。

但し、その体内(うち)に溢れる仙術の力に自我を奪われ溺れ、主である上級悪魔を殺害した後に逃亡。

悪魔サイドは その戦闘能力から、SS級はぐれ悪魔と認定して行方を追っていたが、冥界出奔からの消息は、終ぞ掴めていなかった。

 

「はぁ!?にゃ…何にゃの、それ~?!

捏造だにゃ~~っ!!」

シリューから冥界に於ける、自身の立ち位置を聞かされ、心外だとばかりに絶叫する黒歌。

今は真夜中。結界内でなかったら、とんだ近所迷惑である。

 

そして、自身の潔白を訴える様に、弁明し始める黒歌。

曰わく、主である悪魔(妻子持ち)が、自分を手籠めにしようとした処、正当防衛の名の下に成敗、返り討ちにしたは良いが、確かに殺り過ぎた感も否めず。

何れにせよ、主殺しは大罪故に、冥界には自分の居場所は既に無い…そう判断した黒歌は、気懸かりながらも、まだ幼い妹の白音…つまり小猫を連れ出す暇も無く、単身で冥界を去った…と云う。

 

「あの時は女王(クィーン)以下、他の眷属悪魔達も一緒だった筈にゃ!

何でアタシが、仙術の力に溺れて暴走してないとイケないにゃ!!?」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

冥界での定説を聞かされ、かなり御立腹な小猫の姉。

確かに、恐らくは天然であろう その口調には若干の…いや、かなりなイタさを感じるが、能力(チカラ)に酔いしれて暴走している様には思えない。

俺がリアス部長から聞いていた情報とは、全くと言って良い程に印象が違う。

 

「…と、すると、他の眷属が其の当たりを黙っていたか、或いは『家』が それを恥として、当人出奔を善い事に、都合良く捏造して報告したのか…これは、魔王に確認してもらう必要が有るな…」

そう言いながら、スマホを取り出し、サーゼクスさんに確認を依頼する。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「…そういう事だから。

魔王としての『圧』を存分に活かして、真実をきっちりと聞き出して。

一般的に流れている噂が、本当に真実ならば、其れで善し。

しかし…場合によっては この赤龍帝(オレ)自らがOHANASHIに伺うと、当主殿には伝えていて。…それじゃ。」

pi…

 

連絡を終えると、俺は黒歌に顔を向け、

「…さて、経緯は省くが、現在冥界では、はぐれ悪魔に対する処遇が、状況にもよるが、かなり緩和されている。

一応、其方の言い分が本当なら、出奔後の動向次第では、充分に保護の対象だ。」

「にゃ?」

前回の騒動で新たに組織された『はぐれ悪魔保護委員会』の統括として、色々と説明、そして簡単な事情聴取をする。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「…別に、そのグループとやらは、悪魔側に敵対行動を仕掛けるとか…そんなのでは無いのだな?」

「単純にフリーな連中が、何となく集まってるだけにゃ。

…でも、この前リーダーが、変な組織みたいなのから、吸収を持ち掛けられたって話してたにゃ~?」

「変な組織?」

「にゃ。尤も、『興味無いから断った』って言ってたにゃ。」

 

この小猫の姉…黒歌が言うには、現在は一応は3勢力は無論、どの神話形態とも無関係な、少数精鋭のグループに属しているとの事。

しかし、そのグループで何かしらの悪事をしている訳では無い…と。

 

「そのグループから抜けないと、保護は難しいかも知れないな。

それと、そのグループの情報というのは、今此の場で話せるか?」

「基本的、『去る者追わず』だし、妹の事は話した事あるから、その当たりを話せば問題無い筈にゃ。

後、この先、敵対するならまだしも、簡単に仲間は売れないにゃ。」

御尤もな意見で。

そういう会話をしていると、

♪ЯЯЯ♪ЯЯ~Я♪

スマホに着信。

相手は…サーゼクスさんだ。

 

 

「…了解。

彼女には、俺から伝えとくから、そっちの処理は、ヨロシク。」

pi…

俺はスマホをポケットに仕舞い、

「魔王ルシファーからの報告が届いた。

たった今、リアス・グレモリーが眷属、塔城小猫の姉にして、SS級はぐれ悪魔・黒歌の潔白が認められ、正式に はぐれ認定が解除された。」

「「!!」」

「身柄は暫定的に、赤龍帝である、俺の預かりとなるが、どうする?

冥界に戻り、俺の管轄する地に住むも好し、悪魔陣営に敵対しないを条件に、現状に落ち着くも好しだが?」

「それなら、白音と一緒に暮らすにゃ!」

「え?」

とりあえずの処遇報告をして、今後の身の振り方を聞いてみると、何となく想定通り(小猫からすれば、まさか)な応え。

 

「これからは、ずっと一緒にゃ~♪」

がばっ!!

「え゙?ちょ…姉…様…?」

再び小猫に抱き付くと頬を擦り寄せ、幸せそうな顔をする黒歌と、少しだけ困った様な顔を見せる小猫。

結局は、小猫の部屋(マンション)に、一緒に住む事に。

 

しかし、確認の答えが返ってくるの、速かったなぁ…

まぁ、相手側の『家』の格が如何程かは知らないけど、魔王様直々に質問された日には(しかもバックには赤龍帝w)、正直に即答するしか無いか…。

                  

「…で、小猫?

そろそろ、俺をお前の姉と、対面させた理由を知りたいのだが?

ついでに、どうやって はぐれ悪魔との連絡を取り次いだかもな?」

「あ…」「にゃ?」

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「…成る程ね。

まあ、これは皆には、俺から上手く言ってやるよ。」

「…すいません。」

小猫が言うには、過去に一度だけ、断りはしたが黒歌から「会いたい」と携帯(ガラケー)に連絡があり、その時の着信履歴を、保存していたとの事。

 

そして今回、黒歌とコンタクトを取ったのは…

「実は、姉様から、仙術を習おうと思っていました。

以前の会話で、私は既に、姉様が別に力に囚われたりしている訳では無いと、確信していましたから。

それで、シリュー先輩なら事情を理解してくれると思って、立ち会いをお願いしたのです。」

…らしい。

ん。昨日、俺が言った指摘に対して、真剣に向き合った答えと云う訳か。

 

「頼めるか?黒歌?」

「勿論だにゃ!!」

さ・て…小猫は一歩、前に進みましたよ?

貴女は どうしますか?朱乃先輩?

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

最終的に黒歌は、所属しているというグループには一報入れて離脱。

転生悪魔ではあるが、元の『家』には「あんな自分を見捨てた奴等は信用出来ない」と、御尤もな主張で戻ろうとせず、建前は監視という名目で、赤龍帝(オレ)の配下と云う位置付けに決まった。

謂うならば、アーシアの後輩だ。

当然、冥界の魔王達や(寝ている処を無理矢理に起こしてw)リアス部長にも連絡。

塔城黒歌の名前と共に、『イタリアから帰国した小猫の姉』という設定で、3年生として、学園に編入する事も決まった。

 

 

そして…

「ねぇ~え?御主人様?」

「御主人様は止めろ。シリューで良い。」

「もしも容認してたら、トーカちゃんにチクる処でした。」

「じゃ、シリュー?

白音に仙術を教えるに至って、悪魔的に対価って訳じゃないけど、お願いしたい事が有~るにゃ~?」

「ん?何だ?余程な無理難題じゃなければ、考えてやるが…」

「ん~♪じゃねじゃね~♪

アタシと子作り、してみない?」

「「はぁ!?」」

「赤龍帝との子供なら、絶対に強い子供が産まれるにゃ♪

それとアタシ、まだ未経験だから、出来たら優しくしてくれたら嬉しいにy…」

すぱかーん!!x2

「ふに゙ゃーーーっ?!」

目をキラキラと輝かせて迫るバカ猫の顔面に、小猫の下から撃ち上げるアッパースイング式と、俺の上からの撃ち堕とし式のWハリセンが、同時炸裂したのだった。

 

 




‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
 
「全く姉様は…
一応シリュー先輩は、親友の従兄サンだったり、彼氏サンなんですからね。
コッチの友情、ぶっ壊す気ですか?」
「ふにゃ…」
「ついでに言えば この男、女の子や男の娘の脳天を、普通にグーで殴る様な鬼畜先輩ですよ?」
「アレは、お前達が悪いんだろうが!??」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『進撃の魔王少女!(仮)』
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