【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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なお、今回の『脱鎧』に関するOHANASHIは
「ちょっと待て!今回は あれから技に繋げた訳だし!決して無意味じゃないし!」…と、必死な弁明で免れた模様。
 
 



白き龍!バニシングドラゴン・白龍皇!!

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 

遥か大昔…

神、堕天使、悪魔の3勢力が戦争をしていた頃の話。

 

当時、様々な存在…

妖精、精霊、東西の妖魔、そして人間…

其れ等も それぞれの勢力に、手を貸していた。

だがドラゴンだけは、『個』として何れかの勢力に加担した者は居たが、『種』としては、どの勢力にも手を貸す事は無かった。

本来ドラゴンとは、力の塊であり、自由気まぐれ我が儘な存在。

その殆どが、戦争等我関せずの姿勢。

 

しかし そんな中…

戦争の最中の ある日、2匹のドラゴンが大喧嘩を始める。

この2匹はドラゴンの中でも最強と云わしめる存在であり、その戦闘力は神や魔王に匹敵する物であった。

喧嘩の理由は定かでは無いが、それは些細な事柄だとも云われている。

 

この2匹は戦争等知った事では無いと、場所を選ばず、3勢力の戦場の中でも、神、堕天使、悪魔の軍勢を蹴散らしながら、激しく ぶつかり合っていた。

 

それを、善しとしなかったのは3大勢力。

この2匹の喧嘩は、自分達の戦争からすれば、邪魔者以外の何者でも無い。

 

 

『この儘では、戦争処では ありません。』

 

『…だな。先に、殺っちまうか?』

 

『貴様等と手を組むのは不本意だが、仕方有るまい。』

 

 

こうして争いの真っ只中であった3大勢力は、やはり喧嘩の真っ只中である、2匹のドラゴンを協力して始末するべく、一時休戦、手を取り合った。

 

 

 

やがて この2匹のドラゴンは、体を幾重にも切り刻まれ、その魂を【神器(セイクリッドギア)】として、人間の身体に封印される事となった。

しかし、それで2匹の争いは終わる事は無く、神器に封印された2匹は その宿主である人間を媒介とし、互いに何度も出会い、戦う様になったと云う。

 

 

…そして今、その2匹が永き時を経て、またも相対する事となった。

 

片や赤き龍、ウェルシュドラゴン。

片や白き龍、バニシングドラゴン。

 

この、2天龍が…

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

(久しいな、白いの)

(ふ…赤いのか…)

「「……………………。」」

 

宿主を無視して、勝手に神器同士で会話を始める、2匹のドラゴン。

 

(今、此の場にて戦るか?)

(フッ…その気も無いのに、よく謂う…)

(それは、互いだろうに?)

(ああ、確かにな。否定はせぬよ。)

 

 

「初めまして…かな?赤龍帝君?」

「白龍皇…か…」

「如何にも。」

そしてシリューと白い鎧の男も、会話を始めた。

 

「この場に、何の用事だ?」

「キミが悪魔側に付いた様に、俺は今、堕天使の側に身を寄せていてね。

総督様(笑)のアザゼルに、そこのコカビエルを無理矢理でも連れて帰るように言われたんだが…

だから、トドメを刺すのは出来れば止めて欲しいんだけどね?」

「あ…アザゼルだと?

白龍皇、貴様?!何時から?」

「…結構…な、前からだが?

コカビエル、アンタは少しばかり、勝手が過ぎた様だ。」

「アザゼルゥーーッ!!」

白龍皇が堕天使に付いていた…【神の子を見張る者(グリゴリ)】の幹部である自分が知らなかった事実。

白龍皇を自分の回収役として寄越して来た事以上に、その白龍皇の存在を自分に教えなかった事に、コカビエルは この場に居ない堕天使総督の名を、怒りながら叫ぶ。

しかしながら、身体を斬り裂かれたコカビエルの叫びは、虚しく夜空に吸い込まれるだけ。

 

「それと…」

そんなコカビエルを無視した白龍皇は、

「そこに埋まってる、フリードの回収も命じられていたのだが…そっちは遅かったみたいだな。」

臍の位置から上、上半身が綺麗に地中に埋まっているフリードの死体に目を向けて、白龍皇は呟くが、

「あ~、コイツなら まだ、何とかなるぜ~?」

「何?」

ずぽ…

そう言って脚を掴み、土の中からフリードを引っ張り出したデスマスクが、

パチィン…

…右の親指で中指を弾くと、

「ん~?へ…?」

まるで寝起きの様なリアクションで、フリードは息を吹き返し、

「う…うわぁあぁぁぁ!?

じ…爺ぃ!お前、一体 俺っちに何を…?

ひ、ヒィイィイィっ?!」

…かと思えば、まるで つい先程迄、黄泉の国で死者の葬列にでも加わっていたかの様に、顔を恐怖の表情で歪め引き攣らせて怯えだす。

 

「あ゙~、うざっ!」

ピシッ

「~~~~!??…」

そんなフリードの首筋目掛け、デスマスクは光速の手刀一閃、フリードは気を失ってしまう。

 

ぽ~ぃ…

「おっと…」

意識を失い、倒れ込むフリードを受け止め、コカビエル(上半身のみ)を肩に担いでいる白龍皇に投げ渡したデスマスクは、

「ついでに あちらの紅髪の お嬢さんが、アッチも一緒に持って帰ってくれたら嬉しいって顔をしているが?」

「…………………………。」

バルパーの死体を指差し、リアスの心境を伝えるが、

「いや、そのバルパー・ガリレイについては、特に指示を受けてないのでね。」

フリードをナイスキャッチて受け取り、脇に抱えている白龍皇は、バルパーの引き取りには、拒否の意を示す。

 

因みにバルパーだが、

「コッチの爺さんは、既に体を…心臓をやられてるから、生き返りは出来ないぜ。」

…らしい。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「それでは、俺は帰らせて貰うぜ。

次は、敵として逢うかもな、宿命のライバル君?」

(フフフ…先に言っておくぞ、赤いの。

今代の宿主は、過去から…いや、未来を見越しても、最強の存在だぞ?)

「………………。」

(ほぅ…それは奇遇だな?

俺も この相棒を、史上最強だと思っているぞ?白いの。)

この会話の後、白龍皇は光膜の翼を広げ、飛び去って往った。

 

 

「…で、結局アレは、どうしますか?」

「ん~…」

空に消えた白龍皇を見届けた後、シリューがバルパーの死体を指差しながら、リアスに尋ねるが、彼女も処理の仕様に悩んでいるようだ。

 

「山中に埋めるにょ?」

「普通にゴミ捨て場に棄てれば…」

「クール便着払いで、適当な教会に送り付けましょう。」

「俺達が関わった痕跡(あしあと)を完全に消した上で、手近な派出所にでも、投げ入れよう。

後は、教会関係者に丸投げだ。」

「お前も大概に なったな!w」

 

「ところで…始めから ずっと気になっていたんですが…」

「小猫?」

バルパーの死体の処理について、どうするか話してる中、小猫が話題を変えるかの様に話し出した。

デスマスクに顔を向け、

「貴方は誰なんですか?

とりあえず、シリュー先輩の知り合いだと云うのは分かるのですが?」

コクコクコクコク…

小猫の問い掛けに同意する様に、数人が首を縦に振る。

 

「「「あ…」」」

如何にも「忘れてた…」な顔をする、リアス、シリュー、デスマスク。

どうやら戦闘どころで、(自己)紹介する暇は無かった様だ。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「え~っと…この人は…」

「部長、俺が話しますよ。」

リアスが どう紹介したら良いか少し迷っている中、シリューが助け舟。

 

「この男は俺の昔からの知り合いの、ベッロ・カンクロ。通称デスマスク。

今はオリンポスの1柱、戦いの女神アテナの眷属で、俺と同じ、聖闘士だ。」

「「「「「えっえーーーっ!!?」」」」」

 

シリューと同じ聖闘士だと云う紹介に、事前に その事を知らされていた、リアス以外の全員が驚く。

その後、サーゼクス達 魔王の了承を得た上で、アテナとも同盟を結んだ事も説明。

 

「それで今回、早速 助っ人に来てくださったのですね。」

「シリュー先輩と同じだなんて…

先程、ケルベロスを一瞬にして斃したのも納得ですわ。」

「あのフリードも、瞬殺だったし…」

その実力に、改めて感嘆する、レイヴェルと木場。

 

「Belloさん…ですか。

素敵な名前ですね。」

そして名前に感心するのは、デスマスクと同じイタリア人のアーシアである。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「ふぅ、とりあえず一段落…かしら?」

「…そうですね。」

デスマスクの紹介も終わった後、リアスの言葉に、木場が応えるが、その顔は完全に晴れてはいない。

 

 

いや…まだ終わっては いない。

協会…天界は まだ、聖剣の研究を続けている…

次に、聖剣の遣い手と対峙した時、僕は その者に、何を思う?

 

 

破壊されたエクスカリバーを見ながら、木場は心の中で呟いた。

 

 

ボォン…

「「「「「!!?」」」」」

その時、リアス達の前に、真紅の魔法陣が展開された。

 

「リアス様、シリュー様、遅ればせながら、援軍に参じました。」

「「………………………。」」

そして、その中からはメイド服を着た、銀髪の美女と武装された悪魔の兵士達、そして…

「リアス、シリュー君、眷属の皆、無事だったんだね!

僕が来たからには、もう大丈夫!

コカビエルは何処だい?……って、2人共、そのハリセンは、何なのかな…?」

紅髪の優男が、姿を見せた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

翌日の放課後の部室。

 

「…結局は、教会が引き取りましたか。」

「ん~、てっきり『知らない』で通して、身元不明になると思ってたんだけどね。」

「また赤龍帝(オレ)に、責任逃れ云々とか糾弾されるのを恐れたのでしょう。」

テレビのニュースを観ながら、話すシリュー達。

結局、バルパーの死体は、シリュー考案の「最寄りの派出所に死体を投棄」を実行。

結果、『神父惨殺死体、交番に投棄事件』として、全国に報じられる形となり、バルパーの着ていた法衣故、(一般の)教会関係が真っ先に怪しまれ、警察に呼びつけられた(事情を知ってる)牧師がバルパーの身元を確認、身受け人となり、事情聴取されるが、当然ながら一連の聖剣騒動等は公に話せる筈も無く。                              

「まあ、単なる猟奇殺人事件として捜査されるだろうが、真相は手掛かりに掠りもせず、闇の中に消える事になるだろうね。」

 

なお、深夜の派出所に、いきなり斬殺死体が投げ入れられ、それを見た当直警官が慌てふためいたりしたのは、また別の話。

 

♪ЯЯγЯ♭♪

「あら?ソーナからだわ?」

そう話している中、リアスのスマホに着信が入った。

 

 

「…ん、分かった。」

pi…

「皆、今から生徒会室に向かうわよ。」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

生徒会室にやってきたリアス達。

そこで待っていたのは当然、生徒会長の支取蒼那を筆頭とする、生徒会役員の面々。

否、ソーナ・シトリーと、その眷属の一同だった。

 

「よく来てくれました、リアス。

そして神崎君。

つい先程、私の下に、魔王様より連絡が入りました。」

 

ソーナと生徒会副会長の新羅椿姫の進行により、今回の一連の騒動の、事後報告会が始まった。

 

それによると…

 

・教会側が悪魔側…魔王に『堕天使の動きが不透明不誠実の為、連絡を取り合いたい』と打診

・更にはバルパーについて、過去に追放処分で終わらせた事が、今回の事件に繋がった要因とし、自分達にも非が有る事を認め、謝罪。

・堕天使側からは、今回の騒ぎはエクスカリバー強奪及び、バルパーとフリードの懐柔その他諸々、コカビエルの単独行為で、他のトップ陣は知らなかったとの事。

・…並びに、コカビエルは教会急襲や戦争画策等の罪より、『地獄最下層(コキュートス)』で永久冷凍の刑を執行。

…等々、等々。

 

「……………………………。」

「神崎~?『それだけか?!ゴラァ?!』な顔は、止めとけ~?」

「別に…」

堕天使側は兎も角、天界側の対応に、やや不満足だ…明らかに そう謂った表情をしているシリューを匙が窘める中、ソーナの説明は続いて往く。

 

「コホン…それで、最初に言った、『連絡を取り合いたい』ですが、近い内に…期末試験の前後の時期になると思いますが、3勢力の代表が、会議を開くらしいです。

その場で堕天使側から、何か提言があるそうですが…

我々も、その場に召集されます。

そこで改めて、事件の報告をしなければなりません。

それから、神崎君…」

「え?まだ、何か有るんですか?」

「教会側のトップである、天使長のミカエルが、3勢力が集まる前迄に、改めて今回の件で謝罪したいとの事です。

場所や日時は、其方に一任すると…」

 

 




※※※※※※※※おまけ※※※※※※※※
 
「さて、先日の赤龍帝強権発動!『生徒会メンバーで結界を張っていた人、MVP』の発表を行います!」
「「「「「おーっ!」」」」」
「其れでは発表します!栄えあるMVPは…
でけでけでけでけ…」
「「「「「…………………。」」」」」
「…おめでとう!匙元士郎君に決まりました!」
「はぁ?!」
「「「「「えぇ~っ!?」」」」」
「よし木場!匙にGOHOUBIの頬ちゅーだ!」
「いやいや、やらないからね!」
「…って、要らねーし!!…ってか、何か字が違って、意味も違ってないか?」
「…でも、『木場きゅんx元ちゃん』て、意外とアリ…かも?」
「無ぇーよ!」「無いからね!」
 
‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
 
次回:ハイスクール聖x龍
『天使長ミカエル(仮)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。
 

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