【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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エックスの見た目は『B'T-X』の其れでなく、Wikipediaの『麒麟』のページの画像を、デスマスクは原作の容姿に年齢を30程度プラスした物を、イメージして下さい。
 



決戦!コカビエル!!

上空から地上のリアス達目掛けて、次々と光の槍を投げ落とすコカビエル。

 

バスッバスッバスッ!!

「おいおい、何時間迄も こりゃ、保つモンじゃないぞ?!」

「うっく…」

それをリアスとデスマスクが それぞれ魔力と小宇宙(コスモ)の防御シールドを張り、直撃を免れているが、それも何時 破壊されても、おかしくはない状況。

 

「雷よぉっ!!」

「燃え墜ちなさぁい!」

「にょ!!」

「てぃやぁ!」

そのコカビエルに、悪魔の羽を展開して飛翔した、朱乃、レイヴェル、ミルたんが、雷撃と火炎、爆裂弾の攻撃を繰り出し、木場も聖魔剣から、無数の刃を飛ばす。

 

「でえええい!!」

更には天翔ける麒麟・エックスに騎乗したシリューが、小宇宙(コスモ)と魔力が融合された破壊のエネルギー弾を、そしてエックスも額の角から5色の光弾を放つが、戦争狂の堕天使は夜空を縦横無尽に駆け抜けて それ等を悉くを躱し、或いは黒い翼を盾代わりに防御して、ダメージを許さない。

 

「フハハハハハ!

やりよる!バラキエルの娘よ!」

「その呼び方は、止めろと言った筈!」

そして当然、自分に攻撃してくる者へは反撃。

ズシャッ!

「ぅ…っ!!」

コカビエルの放った光刃を、朱乃は躱しきれず、肩を掠めてしまう。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「ギャー君、ギャー君の神器で、コカビエルの動き、止められないのですか?」

「ううぅ…無理だよ、小猫ちゃん。

まだ上手く、能力(チカラ)の制御が出来ないんだ、下手したら先輩達迄 止まっちゃうよぉ…」

「…役立たずヴァンパイア。」

「うわああああああああん!!」

地上では小猫がキャスパーを蔑む中、遠距離攻撃の出来ない自分をもどかしむ。

遠距離攻撃の術を持たない、持とうとしない、今の自分を。

 

「シリュー先輩…」

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

(相棒、飛び道具でなく、もっと近付いてからの直接の一撃を浴びせないと、突破口は開けんぞ?)

「…だな。

木場、至近距離で喰らわせるぞ!

朱乃先輩、レイヴェル、ミルたんは後衛でサポートを!」

「うん!」「ええ!」「はい!」「にょ!」

ドライグのアドバイスで、シリューと木場が、コカビエルに特攻を仕掛け、

「雷よぉ!!」

「燃えて果てなさい!

フレイムフェザー!」

朱乃が雷撃を落とし、レイヴェルが炎の羽根を飛ばす。

更には、

「初公開、シリューたん考案!」

ミルたんが魔力を練り上げ、背中から『もう1人のミルたん』を具現化。

そして自身が頭上で組み合わせた両拳を勢い良く一気に振り下ろすと同時に、『背後のミルたん』が、肩に担いだ巨大な水瓶から凍気の魔法を放出させる、

「マジカル・オーロラ・エクスキューション!!にょー!」

新必殺魔法を披露。

 

「くっくっ…紫龍のヤツ、あのコ?に何を仕込んでんだ?

ありゃ、カミュの技じゃねーか!www」

それを地上から見たデスマスクが、威力は兎も角、その見た目は どう見ても、嘗ての同胞の必殺技にしか見えない それを見て、懐かしそうに苦笑する。

 

「フハハハハハ!面白い!面白いぞ!!」

雷・炎・氷の3属性同時攻撃。

しかし その攻撃も、コカビエルは臆する事無く、炎と氷を翼でガード、そして落雷を掌で受け止め、その儘 上方に弾き返す。                  

「「でぇえいやぁ!!」」

直後、シリューと木場が、拳と剣での連携を繰り出すが、コカビエルは これも巧みに腕と翼でブロック。

更には瞬時に創った光の短剣で、シリューを乗せているエックスに斬り掛かるが、

『………!』

ガキィッ!

これをエックスは、頭の角で跳ね返す。

 

ドゴォン…!

そして其処に、再び雷撃が落ちるが、やはり先程のリプレイの如く、コカビエルは それを掌で受け止めると、

バシィッ!

「きゃあっ!?」

地上で防御シールドを展開しているリアスに向けて、弾き落とした。

 

「どうした、バラキエルの娘よ?

こんな『只の』雷撃で、この俺が斃せるとでも思っているのか?」

「…!!」

この挑発に、朱乃が顔を顰める中、

「…油断大敵だね。」

コカビエルが顔を朱乃に向けた隙を突いての、木場の攻撃。

 

「甘いわ!!」

ドスッ…

「ぅ…っ!?」

しかし これを堕天使の幹部は、難無く短剣で受け止めると、新たに創り出した光の槍を、木場の右脇腹に突き刺し、

「うぁわゎぁ?!」

ドシャァッ!!

「ゆ、祐斗!?」「「祐斗先輩!!」」

それにより、木場は墜落、地面に激突。

 

「ぅう…」

「アーシア!」

「は、はぃっ!」

これをリアスが、少し前に目を覚ましたアーシアに、回復を指示。

 

「うぅ…すいません、部長…」

「良いから休んでなさい!」

地面激突よりも、人体に於ける急所に、悪魔の弱点である光での一撃によるダメージは決して軽くは無く、木場は実質、戦線離脱(リタイア)となる。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「なぁ、ドライグ?

このドラゴンの鎧は、成層圏を抜けても耐えきれるか?」

(…俺自身、宇宙空間は平気だったから、大丈夫だとは思うが…

相棒、何を考えているのか、大方の予想は付くが、コカビエルも宇宙空間でも、普通に動けるぞ。)

「くっ…ならばっ!」

(…脱ぐなよ?)

「む、むむむ…無意味に脱いだりは、しないし!」

自身の、聖闘士としての禁じ手を手段として考じてみるが、ドライグに それは無意味だと止められ、更には普段の悪癖も、先に釘刺されるシリュー。

 

( …………………………………。)

「ぶ、部長のOHANASHIは、もう懲り懲りなんだよ!!」

(…それが本音かw)

 

 

 

…しかし真面目な話、空中戦は不利だな。

どうにかして、地上戦に持ち込まないと…

                  

                  

                  

「エックス、どうにかして、ヤツの背後に回り込めないか?」

『……!』

シリューの言葉にエックスが反応、一度 距離を空けてコカビエルの正面に立つと、猛スピードで一直線に特攻。

                  

「ぉおい、ちょ…待…?」

少し慌てるシリューに お構い無く、直進するエックスは、コカビエルの攻撃の間合いギリギリで急ブレーキ、同時に後ろ半身を大きく跳ね上げ、

「おゎわ~!?」

その反動でシリューは、自分の使い魔の背中から、更には上空に吹き飛ばされる。

                  

「ん?何なの…(bomb!)だっ!!」

その様を、今イチ理解不能な呆れ顔で見ていたコカビエルに、隙アリとばかり、爆裂魔法が放たれるが、それも やはり掌でガードされ、

ブォン!

「にょ…っ?!」

お返しとばかり、術者の魔法少女?に光の槍の一撃。

 

どすんっ!

「み、ミルたんん?!」

右の肩口と一緒に羽を貫かれ、そのショックで頭から落下したミルたん。

 

「にょ~~~~?」

twinkle twinkle…piyo piyo piyo piyo…

先程の木場とは逆に、地面にマトモに頭部を痛打したダメージで、頭の周りにクルクルと星をヒヨコを巡らせながら、目を回してダウンしてしまう。

 

「捕ったぁ!」

「な…?!」

しかし この直後、エックスに飛ばされた筈のシリューが、コカビエルの背後を捕り、羽交い締めの体勢で、

「でええぇいゃ!!」

その儘 猛スピードの錐揉みで落下。

 

 

…嘗て、シリューの前世(むかし)の友に、数々の闘いを経て、後々に『神殺し』の二つ名を得た少年が居た。

その少年の得意技の1つに、相手を羽交い締めに捉えて飛翔、旋回急降下から、敵の頭部を大地に叩き付ける技が有った。

 

…今、シリューが繰り出したのは、その技を自己流にアレンジした…

「廬山龍旋爆!!」

ドッゴォオッン!!

羽交い締めに捉えた時点で、小宇宙(コスモ)の枷で自身の身体毎拘束、より強力な小宇宙(コスモ)を用いて枷を壊す以外は、脱出不可能の技を受け、コカビエルは脳天を地面に激突。

 

「貴…様…薄汚いドラゴン風情がぁ…!」

譬え堕天使と云えども、『ヒト』の外観であるコカビエルは、明らかに苦悶の表情を浮かべて痛打した頭頂部を抑え、シリューを睨み付ける。

  

「嘗めるな!小僧がぁっ!!」

Shultun Shultun!

「なっ?!」

「きゃ!?」

「うっ!?」

「ひぃ?!」

「うげ!!」

そして それでも戦意は衰えず、光の槍を、そして体を回転させながら背に生えた10枚の翼の羽根を刃の様に飛ばし、全方位、その場の者全員へ攻撃するコカビエル。

 

「まだ終わらんぞ!

俺を斃してみろ殺してみろ滅ぼしてみろ!

赤龍帝!魔王の妹!」

「わ…解らないわ!

そもそも何故アナタは そんなに迄、戦争に固執するの?

さっき自分でも言っていた筈よ?

前の大戦で3大勢力は、人間の信仰心に依存しなければいけない位に疲弊したと?!

今更 戦争を始めて、何の意味が有るの?」

ここでリアスが、改めて戦争狂に問い掛ける。

 

「ふん!決まっておる!」

それに対して堕天使の幹部は、自己の考えを語り始める。

 

「…確かに、どの勢力も先の戦争で泣きを見た。

アザゼルもシェムハザもビビったのか、『2度目の戦争は無い』と宣言する始末だ!

耐え難い!実に耐え難い!!

確かに、もう大きな戦争等、故意に企てない限り、起きないだろう!

だから、この俺が起こしてやるんだよ!!

信仰心?対価?それが、どうした?

我等堕天使が勝利さえすれば、人間等に頼る必要も無いだろうに!!」

「ちぃ…狂ってやがるぜ…」

その歪んだ信念に、デスマスクが舌打ちしながら呟く。                               

「戦争狂が…」

「赤龍帝!その言葉は、褒め言葉と言った筈だぞ!」

そして続くシリューの呟きに、コカビエルは嗤いながら、またも両手に光の剣を創り出して攻撃を仕掛けてきた。

 

(相棒、油断するなよ?

ヤツは既に捨て身だ。

ああいうヤツが、一番厄介だ。)

「ああ、解っているさ、ドライグ。

…ならば、一気に片をつけてやる!

アレをやるぞ!ドライグ!」

(え゙!? 相棒、『アレ』って まさか?

ちょ…おま…)

それを見て、ドライグがシリューに注意を呼び掛けると、シリューも勝負所と判断したか、それを承諾。

但し、ドライグが求め期待した闘法と、シリューの選択した戦法は、少し違っていたらしく…

「龍鎧解装(アーマーブレイク)!!」

バサァッ!

「ぬ?!」

(ハァ…)

ドライグの溜め息の中、赤い龍の鎧は、兜を含む上半身のパーツを左腕の部位だけ残して全て、身体から外れて上空に飛散。

そして飛び散ったパーツは それぞれが変形していき、最終的には剣、槍、トンファー、双節棍、三節棍、円盾が2つずつ、12の武具へと形を変える。

 

「「はわわわ…」」

「…やっぱりですか?」

「あらあらあら?」

「ぅううっわぁ~…」

「にょ…」

「はぁ~~…」

「はははは…」

「ぎゃーっはっはっはっ!!」

左腕の籠手を残し、上半身真っ裸(マッパ)になったシリューを見て、各々が様々な反応を示す中、12の武具は天高く舞い上がると煌めきを残し、夜空に吸い込まれ…

 

「…【最後の正義(テロス・ディケオスィニ)】!!」

 

Hyun!! Vyun!! Dyun!! Jyin!! Gyuonm!!…

「ぐわおぉおお~~~っ!!?」

次の瞬間には、其れ等が流星雨の如く降り注ぎ、コカビエルに集中被弾で直撃した。

 

「せ…赤龍帝ぃい~~~…!!」

グランドの中心、巨大なクレーターの中、全身血塗れとなるが、それでも倒れず、元から血走っていた赤い眼を、更に赤く光らせた堕天使は、闘争本能の儘に突進、シリューに光の剣で斬り掛かるが、

ガシィン…

「これで終わりだコカビエル!

轟き燃え上がれ!そして研ぎ澄ませ!

我が、小宇宙(コスモ)よ!!」

それを左腕の籠手でガードしたシリューは一気に小宇宙(コスモ)を燃焼、

「今こそ唸れ!エクスカリバーよ!!!」

斬っ!!

「こふぁっ!」

真の聖剣と化したシリューの右の手刀が、コカビエルの体を左肩口から斜め一直線、右の脇腹迄両断したのだった。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「グフ…どうやら俺の、負けの様だな…

見事だ…赤龍帝よ…

いや、確か、仲間からは、シリュウと呼ばれて…いたか…

さあ、シリュウよ…ト…ドメを、刺すが…良い…。」

身体を斜め真っ二つに斬り裂かれ、仰向けで地に倒れているコカビエル。

血を吐きながらも、それでも種族としての生命力の強さ故か、未だ死んではいない。

しかし流石に、その身に敗北は受け入れ、生き恥を晒すのを善しとしないコカビエルはシリューに、自身の息の根を止める様に促す。

それは敗れはしたが、派手な戦闘が出来たからなのか、一切の迷いや後悔の念の無い、満足気な笑みを浮かべた顔だった。

しかし…

 

 

 

 

 そのトドメ、少し、待って貰おうか?

 

 

 

『『『『『!!???』』』』』

しかし その時、いきなり、空から それを止めようとする声が響いたかと思えば、

スゥッ

その声の主と思われる人物が、天空から舞い降りてきた。

 

「お…お前は…」

「シリュー先輩と同じ…」

「白い…鎧…?」

『……………………………。』

 

それは、シリューの【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】の禁手(バランス・ブレイク)である、赤龍帝の鎧と そっくりな造型の、やはりドラゴンを象ったかの様な、真っ白な全身鎧を纏った男だった。

 

 




‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
 
「シリュー先輩の、2Pカラー…?」
「『違う!!」』
 
 
次回『白きドラゴン!白龍皇!!(仮)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。
 

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