【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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小さな原作ブレイクと、大きな?原作ブレイク?
 



赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)

『いいや違う。俺は神崎孜劉じゃない。

その息子の、神崎龍鋒だ。』

いきなり目の前に現れたかと思えば、如何にも自分に何か用が有ると言いた気な、シルクハットを被り、ロングコートを着込んだ中年男。

 

 

間っ違い無く碌な事じゃない、絶っ対に面倒事に巻き込まれるに決まってる!!

 

 

…そう直感したシリューは、遠い昔の時代の、実の息子の名前を拝借して誤魔化そうとするが、

「巫山戯ているのか?貴様っ!!」

その返答にコートの男は怒りの表情を浮かべて襲い掛かってきた。

 

「ちぃっ…やはり、息子は無理が有り過ぎたか!!

せめて、『双子の弟』位にしておくべきだったか?」

決して『巫山戯ける』訳でなければ、ボケてる訳でもなく、『真剣』と書いて『ガチ』と読む…本当に そう考えながらも、男の繰り出す攻撃を悉く躱すシリュー。

そして、

「でぇい!!」

 

ドスッ!!

 

「ぐはっ!?」

自分の顔面を狙った拳を捌くと同時に、男の鳩尾に、強烈な回し蹴りを突き刺した。

 

「こ、小僧ぉ…」

予想以上…いや、予想外のダメージに、思わず膝を着くコートの男だが、そこにシリューが追撃。

相手の立てた片膝を踏み台の様に駆け上がると、

「廬山龍戟閃!!」

 

ドゴッ!

 

「ぐわぁっ!」

その歪んだ顔を目掛け、更に強力な膝蹴りを打ち込み、吹っ飛ばす。

 

「どうした、もう終わりか?…堕天使?」「!!」

面識無しにも拘わらず、自分の名前を知っており、問答無用で襲い掛かってきた男。

先程迄、部室でリアス達と話していた事に加え、最初に声を掛けられた時から感じていた、 この男の内側から溢れる『人に非ざる者』の気配。

半ば、正体を確信していたシリューが鎌を掛けてみると、男は何とも判りやすい、明から様に肯を唱えている様な顔で驚く。

 

「くっ…気付いていたか…!

馬鹿め!何も考えずに、大人しく付いて来ておれば、苦しむ事も無かったのにな!」

そう言って男は立ち上がると、その儘 斜め後方に大きく跳躍…いや、飛翔すると、空中で静止し、

 

バサッ…

 

背中から、一対の巨大な漆黒の翼をこれ見よがしと、左右に大きく展開させた。

 

「チョっろ…」

しかしシリューは取り立て慌て驚く事も無く、あっさりと正体を現した その姿に呆れ顔で、溜め息混じりに目の前のドヤ顔な男に聞こえない様に小さく呟く。

 

「心配するな、まだ、殺したりはせんよ…

今は まだな!!」

そのシリューの呟きが、まるで聞こえてない男…堕天使は そう言うと、何時の間にか手に握っていた光輝く槍…と云うよりは、槍の形をした光のエネルギー体を、上空から地上のシリュー目掛けて投げつけた。

 

バシュ…

 

「な…!?」

「遅い!!」

しかし当然の如く、それを躱すシリュー。

 

「ふっ…光の槍と言っても、それを放つ速度は、光速ではないみたいだな!!」

まるで「俺を倒したいなら、光速で撃ってこい」と言わんばかりな顔を見せたシリューは、

「ならば此方も、本気を出させて貰うぞ!

逝くぞ、ドライグ!!」

『応よ、相棒!!』

左腕を前に出した状態での、戦闘の姿勢を取り、

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!!」

『Boost!!』

自身の『内に宿る者』との掛け声と共に、その左腕に、真紅の籠手を纏わせた。      

それは無数の鋭利なパーツを鱗の様に、幾重にも組み合わせた様なデザイン。

その鉄甲の部分に埋め込まれているのは、碧色に光る宝玉。

それは全体的に重々しく禍々しく、所々に派手な装飾が施されている、肘から下、指の先まで腕半分を隈無く覆う真紅の籠手。

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)

嘗て"神"が造り出した、神器(セイクリッド・ギア)と呼ばれる奇跡の神具。

その中でも、遥か昔から最強最恐最凶と謂わしめた二天竜と呼ばれるドラゴンの一角である、赤き龍、『ウェルシュ・ドラゴン』の魂を宿し、神器(セイクリッド・ギア)の中でも『神滅具(ロンギヌス)』と詠われる、文字通り、『神』です『滅』する事が出来ると謂われる力を秘めた、数少ない逸品。

 

「な…ば、馬鹿な!?

只の神器持ちだと思っていたら、神滅具(ロンギヌス)…しかも、赤龍帝だとぉ!!?」

その赤い籠手を見た途端、堕天使は慌てふためいた顔を見せ、

「ちぃ、小僧、今日の所は見逃してやる!次は、逃げられると思うな!!」

堕天使の世界では分からないが、人間界では大方、三下が逃げる時に言う様な捨て台詞を吐き、空の彼方に飛び去って行った。

 

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………。」

「さあ、いざバトル!」…と、意気込んだと思ったら見事にスカされ、その堕天使が三日月の向こう、夜空に消え往く様を、あっけらかんとした顔で眺めるシリュー。

その後、堕天使の気配が完全に消えたのを確認したシリューは、ズボンのポケットからスマホを取り出し、

「あ、もしもし部長?

今 電話、大丈夫ですか?」

 

》》》

翌日の放課後、駒王学園生徒会室には、生徒会役員、そして、オカルト研究部の部員が集結した。

 

「この場に要る、皆が悪魔なのか…」

そう、生徒会役員とオカルト研究部…

シリューを除けば、そのメンバー全員が、純血、或いは『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』による転生悪魔だった。

 

「皆さん、お疲れ様です。

今回の生徒会とオカルト研究部との合同会議ですが、その…出席予定の方が、もう1人…来られて…ない…ので、もう少し待って貰えますか?」

駒王学園生徒会長であり、リアス、朱乃、そして1年生の とある一般生徒と共に、校内の男子生徒から、『学園きょぬー四天王』と云う、何とも有り難いのか傍迷惑なのか、そんな微妙な俗称を授かった4人の一角を担っている支取蒼那。

議長に相当するテーブルに座っている彼女が、慎重な面持ちで話すが、その口調は たどたどしく、落ち着きが無い。

明らかに何かに緊張、或いは動揺してるのが、丸分かりだった。

              

「生徒会とオカ研、全員揃っているが…

冥界から、誰か来るのか?

しかも、かなり偉い人?」

「ん。事が事だから、それは有り得るね。

だいたい ほら、前の机。

部長と生徒会長、如何にも間に もう1人、誰かが座る様な感じに1席空けて座ってるし。」

「会長の、あの緊張具合…まさかね…」

そんな風に端側の席に着き、ヒソヒソと話すシリュー、木場、匙。

          

「「「!!?」」」

その時、一瞬にして、その場の『空気』が変わった。

常人なら気付く事の無い程度の違和だが、この場の『常人でない者達』なら全員、普通に感じ取れる空気の変化。

 

「結界…?」

それは『人払いの結界』。

生徒会室とその外の廊下の通りは、『気付いている者』以外は無意識に足を遠ざける様になり、そして気付いている者にしろ、その領域に足を踏み入れようとしても、強力な魔力障壁が、行く手を阻む。

単純な話、結界を張った術者よりも、『より強い力を持つ者』以外は、何人をも拒む空間となった。

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

僅かに ざわつく生徒会室。

しかし、リアス、朱乃、そして生徒会副会長の新羅椿姫は冷静さを崩さず、

「はあぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~…」

蒼那は何か、諦めの表情で大きく深く、そして長い溜め息を零す。

そんな中、部屋の中心に、直径約5㍍程の魔法陣が薄青い光を放ちながら浮かび上がり、その中から、

「ソーた~ん!会いたかったよ~!!☆」

 

ぱしーん!!

 

「きゃゎん!?ソーたん、いきなり何をするのよ~?」

黒髪をツインテールに結い、まるでアニメの世界から飛び出してきたみたいな…所謂魔法少女の様な、水色を基調とした衣装に身を包んだ女性が飛び出て来たかと思えば、いきなり蒼那に抱き付かんとばかりに飛びつき、カウンターの…何処から取り出したのか、ハリセンのフルスイングを顔面に貰うのだった。

 

「…お姉様こそ、何、いきなり人に襲い掛かかろうとしてるのですか?」

「え~?あたしがソーたんを襲う訳が無いじゃないの~?

あ、でも、別の意味じゃ、襲っちゃうかも?☆(ぺしっ!)痛い!?」

ジト目&呆れ顔で「いきなり何をする」という蒼那の質問に対し、更に呆れさせる様な応えで返そうとする、彼女の姉らしき女性の脳天に、再びハリセンの唐竹割りが炸裂した。

 

「…………………………………………。

な、なぁ匙、支取先輩 今、「お姉様」って言ってたけど…」

「応…あの御方が支取会長、いや、ソーナ・シトリー様の姉君であり、冥界四大魔王が1人、セラフォルー・レヴィアタン様だ。」

「まさかとは思ったけど、本当に魔王様が直々に来られるとはね…」

 

 




 
廬山龍戟閃…この小説に置けるオリ技。
簡単に説明すると、小宇宙(コスモ)を込めた、シャイニング・ウィザード。


≫≫≫≫≫※次回予告!!※≪≪≪≪≪
 
「シリュー先輩…サイテーです。
こっち、来ないで下さい。」
「違ぁ~~~~~~~~~~っあうっ!!」


次回:ハイスクール聖x龍
『疑惑x弁解x必死(仮)』

乞う御期待!!
 

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