裏サブタイトル『こちら私立駒王学園高等部旧校舎内オカルト研究部部室』
聖剣計画…
それは天界陣営が秘密裏に行っていた、聖剣に適応した者を、人工的に輩出しようとした計画。
大昔、悪魔、天使、堕天使の3大勢力の衝突で起きた戦争の時に折れてしまった、聖剣エクスカリバーの破片を集め、錬金術により新たに造られた、7本の聖剣を扱える能力者を作り出す計画。
「…結局は、当時集められた者は皆、処分されたよ。
『失敗作』と云う烙印を押されてね。」
「木場…」
「被験者は、剣に通ずる才能や、僕みたいな【剣】系の神器を持った子供達だった。
特別な存在になれると言う言葉を信じて、毎日の辛く非人道的な、過酷な訓練や実験にも、皆、耐えていたんだ。
皆で励まし合い、訓練が終わった後の事を、皆で夢見ながら話していたんだ。
(中略)
…その結果が、処分だよ?
皆…皆、死んだ。
当時の僕よりも、幼い子も居た。
女の子だって居たんだ。
それが皆、神に仕える者に、神の名を語る者に殺された…。
ははは…『聖剣に適応出来ない失敗作』。
たった、それだけの理由でね!」
「木場きゅん?」「祐斗先輩?」
「僕だけが、他の被験者に守られ…皆から、『自分達は駄目だから、君(ぼく)だけでも生きて』って助けられて、研究機関から逃げ延びて…それでも既に瀕死だった僕を拾って…救ってくれたのが、リアス部長なんだ。
皮肉な話だよね…救ってくれたのは、神様なんかじゃなくて、悪魔ってさ…
凄いよね、本当に偉いよね神様ってさ!
たった それだけの為に、あんな大量殺人を容認してしまうんだからさ!!
あっはっはっは~…笑えるよね?
あれが、世の、多くの人達が崇める神様なんだかさらぁ!!?
ねぇ?皆も、そう思うだろ?ねぇっ!?」
「ゆ、祐斗、落ち着いて!」
「シリューたんも!」
「一緒になって、キレたりしないで下さい!」
話ている内に、徐々に『ハイ』なろうとしている木場をリアスが鎮める様に抱き締め、話を聴いている内に、徐々にキレだし、家具破壊寸前だったシリューを、小猫とミルたんが、物理で取り押さえた。
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「ハァ…ハァ…すいません部長…もう大丈夫です。」
リアスの抱擁(顔面圧迫窒息刑に非ず)で、漸く落ち着きを取り戻した木場。
そして、
「重い重い重い重い!分かったから!
もうキレてないから、退いてくれ!」
「はあ゙!?」
「重い…にょ?!」
「女子に向かって、絶対に言っては いけない言葉(ワード)を普通に言いやがりましたね?この、おっぱいドラゴンわ…
しかも、4回も…
少し、OHANASHIする必要が有りますね。」
「にょ!!」
やはり落ち着きを取り戻しは したが、追加オプションを頂戴してしまうシリュー。
「ちょっと待て?お前達がキレて、どうするんだ?少し、話し合おう!」
「だから、OHANASHI…です。」
「ミルたん・セントエルモスファイヤー!にょー!!」
「あっーーーーーーーーーーーーー!!?」
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「そんな…信じられません…
教会が まさか、そんな酷い事をしていたなんて…」
木場の聖剣計画に関する話を聞き、一番驚いているのは、やはりアーシアだった。
「仕方無いですわ…察するに、アーシア先輩は、追放される迄、教会の綺麗な部分しか見ていない、いえ、見せられてなかったんですから。」
「うぅ…僕達悪魔よりも、悪魔な所業ですぅ…」
前から計画の事は知っていたレイヴェル、そして、アーシア同様に初めて計画の存在を知らされたギャスパーも、顔を歪める。
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「とりあえず聖剣やコカビエルの件は、シリューが教会とトラブった件も含めて、お兄…魔王様に報告したから。
さしあたっては指示待ちね。」
「「「「「「「「はい。」」」」」」」」
「それじゃ、今日は もう、解散にしましょ。皆、お疲れ様。」
リアスの一言で、今日の部活は お開きになったが、
「………………………。」
「シリュー先輩?まだキレてますの?」
肉体言語によるOHANASHIから、漸く復帰したシリューが、再び仏頂面になっていた。
「ん~、キレてるって言うか、思い出し笑いの怒り版みたいな…」
「…つまり、キレてるんですのね?」
「あ゙~、スッキリしねー!
バッティングセンターにでも寄って、憂さ晴らすか?」
「シリュー先輩、お供します。
実は私も、ぶっ放したい気分なんです。」
「それ、僕も御一緒しても、良いかな?」
「ばってんぐせんたー?
何だか面白そうですわ。」
シリューの呟きに、実は…或いは未だ晴れていなかった、木場と小猫が、そしてレイヴェルが、好奇心から同調。
「それじゃ、皆で行ってみる?
代金は、部費から出してあげるわよ!」
「「「「「「おーっ!!」」」」」」
最終的にはミルたんを含む、オカ研全員で、町内のバッティングセンターに繰り出す事に。
この際、アーシアとギャスパーを除く全員が、悉く猛打賞やホームラン賞を大量ゲットした為、オカルト研究部一同は、その店からBounty Huntersの悪名と共にブラックリストに登録され、出入り禁止となってしまうのだが、それは また別の話。
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「いや、結構、スッキリしたな。」
「あはは…そうだね。」
「面白かったですわ♪」
「楽しかったですね。
出禁となったのは、予想外でしたが。」
「あれは、仕方無いにょ。」
帰り道、すっかりスッキリした顔になって、明るく話すシリュー達。
特に、商品であるお菓子を大量にゲットした小猫の顔は、普段の無表情とは対極な それだった。
「ねぇ、皆…」
「ん?」
そんな和気藹々な雰囲気の中、木場が改まって、真面目な顔で話し始めた。
「今回、僕が話した事は、部の…グレモリーの皆だけの、秘密にしておいて欲しいんだ。頼むよ、特に…」
「…了解です、祐斗先輩。」
「ああ、分かったよ。」
「は…はい!特に、喋ってる途中で、興奮した余りに口が滑ってしまい、被験者の中に初恋の女の子が居た話とか、絶対に誰にも言ったりしませんから!!」
「ぁ…ぅん…アーシアさん、本当にお願いするね…ははは…」
木場が語っていた、計画の凄惨さとは別枠な、当時の同僚達との交友の話を思い出し、顔を僅かに赤くしたアーシアに、木場は苦笑しながら念を押す。
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そして、翌日の放課後、
「木ぃ場あ~!お、お前も凄く辛い思いをしてきたんだな~!!」
「木場君、寂しくなんてないからね!
オカルト研究部だけでなく、生徒会の皆も、君の味方だから!!」
「今迄お前の事、苦労知らずのイケメン野郎って、そんな印象しか持っていなかった俺が恥ずかしいぜ!」
「え?」
「何か困った事があったら、何時でも言ってね!何でも協力してあげるから!!」
「そんな お前に、俺の野望(ゆめ)を教えてやるぜ!」
「え?えぇ??」
部室へと向かっている木場に、匙と生徒会副会長の新羅椿姫が、号泣しながら一気に喋り掛けてきた。
「ちょ…匙君?新羅先輩?それ、誰から聞いたの?…それと、何処迄聞いたの?」
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この後、オカ研部室に、
ガラッ…!!
「か、神崎君っ!!
それと、小猫ちゃんは居るかいっ!!?」
「ゆ、祐斗?」「あ~らあらあら?」
「あわわゎ…シリュー先輩と小猫ちゃんなら、アーシア先輩と一緒に、森沢さん家に仕事(あそび)に行きましたあ…。」
「きy、今日は3人共、部室には戻らず、其の儘直帰するって言ってましたわ…」
両の手には勿論、背中にも無数の魔剣を携え、先日 教会の使いが訪ねてきた時以上の修羅な形相を真っ赤にさせた木場が、姿を見せたと云う。
「うゎおおおぉぉぉおん!!(〒△〒)」
「はわゎ…」
「ちょ…森沢さん、泣き過ぎですよ?」
「何を言ってるんだい神崎君?
そんな話を聞かされて、泣かないのが、どうかしてるよ?
これで泣かないなんて、鬼か悪魔だよ?」
「…確かに、悪魔ですけど。
まあ、シリュー先輩は泣く前にキレましたから、赦してあげて下さい。
因みにアーシア先輩とギャー君とレイヴェルさんは、話を聞いた時は涙どどー!!でしたね。」
‡‡‡‡‡‡【次回予告!!】‡‡‡‡‡‡
「くっく…久し振りだな、紫龍…
いや、今は、孜劉…だったかな?」
「な…お、お前は…まさかっ…?」
次回:ハイスクール聖x龍
『Bello・Cancro(仮)』
乞う御期待!!