【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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ぶっちゃけ今回のラストシーンを書きたいが為だけに、この小説始めた様な物(笑)。
 



唸る聖剣!エクスカリバー!!

「そもそもアーシアの能力を見て、それで貴様達で勝手に『聖女』とやらに仕立てておきながら、それが悪魔ですら癒やすとなると、異端扱いの掌返しか?

巫山戯るな!!」

怒りの形相となり、シリューが吼える。

 

「悪魔ですら癒やす能力を、我々 教会が異端と見なして、何が悪い!

当然だろうな話ではないか?!」

これにゼノヴィアも言い返すが、

「…ならば!そのアーシアの能力を異端と見抜けず、10年近く聖女として祭り上げた者も当然、何らかの責任を取らされているのだろうな?

まさか、彼女を追放しただけで、終わりでは在るまい?」

「ん~、言われてみれば、その通りだし、そー言えば、責任とか処罰とかって、そーゆー話って、聞いてないわよね~?」

「お、お前も余計な事は言うなぁ!!?」

シリューの言葉に対して肯を示す相方に、罰が悪そうに顔を顔を赤くして、ゼノヴィアが声を張り上げる。

 

「ふっ…所詮、宗教とは そんなもんさ。

都合の悪い存在は、蜥蜴の尻尾の如く、正しくアーシアの様に切り捨て、都合の悪い事実は闇に隠蔽で事無きに持って行く。

その上で、常に世間に対しては、自分達が絶対的に正しい存在だと、綺麗事だけを並べてアピールだ。

そして それを傲りと自覚せず、自分達だけが正義と勘違いして増長する…それが、教会の本性だ!」

「(ボソ…)あ…不味った…」

「(ボソ…)部長?」

「(ボソ…)シリュー、アーシアの件で教会とかが大嫌いなの、すっかり忘れてた…」

「(ボソ…)え゙…?それでシリュー君、今日は ずっと ご機嫌斜めな顔だったのね?

祐斗君は解るにしても…」

「(ボソ…)何故、部長は よりによって、シリュー先輩を、あの2人の迎えに遣わせたのですの?」

「(ボソ…)だ・か・ら…忘れてたって言ってるでしょ!!」

留まる事を知らないシリューの教会非難を見て、思い出したかの様に頭を抱え込むリアス。

失敗した…シリュー(…とアーシアと祐斗)は、席を外させるべきだった…と悔やむが、それは既に遅かった。

 

「ちょっとキミ!

そんな言い方は、ないんじゃない?

神と悪魔よ?どー考えてても、正義は私達に在るのは、明白じゃない?!」

シリューの発言に、イリナが反論するが、

「神が正義…?笑わせるな!!

少なくとも『この世界』に於ける神と悪魔など、単なる種族違いでしかない筈だ!

今の一般的な価値観は、偶々、貴様達の遥か昔の先達による刷り込みが浸透しているだけに過ぎない!!」

「「なぁっ!?」」

其れをシリューは更に反論。

 

「そもそも貴様等、何様の心算だ?

此処へは、教会からの意向を伝令しに来ただけではないのか?

悪魔側に位置している者を、斬り棄てようとした その軽はずみな態度、本当に天界は悪魔側に布告、貴様等は さしあたっての刺客と解釈されても、文句は言えんぞ!!

例え、この場で この俺に、返り討ちにされたとしてもな!」

「ちょっとシリュー!

貴男が更に、場を掻き乱して どーする心算なのよ?」

「黙っていろ!リアス・グレモリー!!」

「!!!」

場を鎮めようと、リアスはシリューを窘めようとするが、その普段とは違う名の呼ばれ方にハッとする。

既にシリューはオカルト研究部の部員でなく、冥界の、魔王の『客』である、赤龍帝として、教会の寄越した使者と応対している事に気付く。                              

「(ボソ…)止めないにょ?」

「(ボソ…)自殺願望があるなら、敢えて止めるの止めたりしないわ…」

「(ボソ…)止めるの止めとくにょ…」

「(ボソ…)放任ですの?」

「(ボソ…)た、だって、仕方無いじゃないのよ!!(T_T)」

先程の、「いざとなったら全員で…」のアイコンタクトは何処へやら。

徐々に殺伐としていく空気の中、リアス達は少なくともシリューに対しては もう、何も出来ず、黙って見守るしかない中、

「シリューさん、私なら、平気ですから!気にしていませんから!…だから!!」

アーシアが勇気を出して、声を掛けるも

「…本当にアーシアは優しいな。

だが既に、アーシアだけの問題では無い!

この孜劉、当人の心情がどうであれ、自分の下の者に刃を向けられ、それで黙っていられる程、腑抜けてはいない!!」

シリューには通じない。

 

「ふん…!部下思いなのも結構だがな、返り討ちは大きく出過ぎじゃないか?

気付いてないのか?この剣は、其処等辺の数打ちとは訳が違うぞ!

先の大戦にて砕かれた、エクスかリバーの破片を錬金術を以ってして鍛え直された7本の聖剣の1つ、【破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)】だぞ!

下級な転生悪魔如きで、どうにか出来る代物では無いぞ!」

「え…?転s…ひぃっ!?」

改めてシリューに、聖剣の切っ先を向けるゼノヴィアの発した『転生悪魔』という単語にギャスパーが反応、何かを呟こうとした時、893の眼光で睨まれ、その呟きは途中で止まってしまう。

 

「成る程…そんな玩具(オモチャ)を与えられたから、それを自分の力と勘違いして、そんな自分だけが絶対正義の如くな、大きな態度に出られていた訳だ。まるで子供だな。

尤も、そんな玩具が俺に通用するとは、思えないけどな。」

先程からの言葉の売買で、完全に頭に血が登っているであろうゼノヴィアの発言に対し、逆にガチギレ直前な状態からクールダウンに努めながらも、その内容自体は常に挑発的だったシリューの言葉に、

「き…貴様ぁ!人が大人しくしていれば、よくもヌケヌケと!!

良いだろう、其処迄言うなら、表に出ろ!

貴様も、その魔女と一緒に断罪してやる!

この【破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)】でなあっ!!!!」

「はぁ…この脳筋(バカ)…」

脳筋(バカ)が1匹釣れた。

 

そして、

ボワァッ!!

「「「「「「「!!!?」」」」」」」

「ねぇ、神崎君?

その喧嘩、僕に譲ってくれないかな?」

「木…場…?」

今迄、ずっと教会からの2人を睨み付けているだけだった…その教会の者に対する感情から成る表情は隠せないも、殺気だけは必死に押し留め、沈黙を貫いていた木場が、その殺気を一気に解放、口を開く。

 

「いきなり横から…何なのだ?お前は?」

「君達の先輩だよ…

尤も僕は…失敗作らしいけどね…」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「はぁ~…何で、私迄…」

「うるさい!あの先輩とやらが、どうしてもと言うのだから、仕方無いだろ!」

 

旧校舎外のグランドで対峙する、教会の2人とシリュー…と木場。

入り込んでいる顔のゼノヴィアの隣で、とほほ…な面持ちで溜め息を吐くイリナ。

衝突已む無しな空間に割って入ってきた、先輩を名乗る木場を見て、それならばと(ゼノヴィアの勝手な仕切りで)、2vs2の勝負の運びとなる。                            

「も~、仕方無いわね!」

そう言って、イリナが左腕に結んでいた紐を解くと、それは日本刀を思わせる剣へと形を変えた。

 

「じゃ~ん!これが私の、【擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)】よ!」

そう言って、先程の やる気の無さが嘘な如く、ノリ気な表情を見せ、聖剣を構えるイリナ。

どうやら彼女は、武器を手にすると、スイッチが入るタイプな様だった。

 

「おい、リアス・グレモリー。

コレは私的な決闘で、教会も悪魔側も関知しない。

我々は事を大きくする心算は無いし、お前達も同じ認識という事で良いな…」

「あ~、はいはぃ…」

 

自分から喧嘩売っておいて、よく言うわ… 

その台詞を我慢し、もう勝手にしろ…とばかりな、呆れ顔でリアスは応える。

寧ろ心配なのは、

「ぇ…と、シリュー…さん?

ぁんまり、怪我させないように…ね?

それから祐斗も、無茶しては駄目よ!」

「了解ですよ、リアス部長。」

「…努力はしてみます。」

「祐斗…」

相手側に怪我をさせないかだった。

…のだが、所謂『魔王の客の赤龍帝様』モードから、普段の学生状態に戻っているシリューは兎も角、木場の方は未だ、不安は払拭出来ない。

 

「ふん…下僕にビビって、遠慮がちな言葉使いか…(笑)」

「うるさいわね!

コッチにも、色々と事情が在るのよ!!」

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「こっちも確認しておく。

これは2vs2なのか?

それとも1vs1が2組なのか?」

「ふ…。2vs2…で、勝敗条件は全滅で良いだろう?」

「了~解。

確かに、そっちのが判りやすい。

じゃ、闘ろうか…部長?」

「…始め!」

「「「「!!」」」」

シリューの振りによるリアスの掛け声で、4人が一時的に散り、

 

「どうした?お前、武器は持っていないのか?」

「必要と判断するか、気が向いたなら、その時に出してやるよ。」

「お…お前ぇ!舐めるのも大概にしろ!!」

 

「【魔剣創造(ソードバース)】!!」

「へぇ…?炎の剣かぁ…

キミ、魔剣使いなの?」

最初は必然的に、シリューvsゼノヴィア、木場vsイリナの図式となった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「せぇいやぁ!!」

ボゥ!!

「きゃっ!?」

刀身から炎が吹き出る剣を木場が振るうが、それは冷静さを失っている大振り故か、イリナはバックステップで簡単に回避。

そして それと同時に、

「シュッ!」

距離の空いた位置から、自身の聖剣を大きく振るう。

 

SHAAAA!!

「何っ!?」

すると その刀身が長く延び、鞭の如く蛇の如く、或いは新体操のリボンの如く、撓りながら木場に迫ってきた。

 

バシィッ!

「っ…!!」

この攻撃を炎の剣で受け止めるが、その衝撃で剣を手放してしまう木場。

 

「ど~ぅ?これが私の聖剣、【擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)】よ!

どんな形にでも、ある程度は自由自在!

どうする?降参する…って、その顔、そんな気は無いみたいね?

それなら、イケメン悪魔2号君?

神の名の下、この聖剣に滅されなさい!

アーーーメン!!」

SHAAAA!!

イリナの口上と祈りの前、丸腰となった木場に再び、【擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)】の刃が波を描く様に襲い掛かってきた。                   

ガシィッ

「へ?」

それは木場の手の中で新たに作られた、氷の剣に受け止められる。

 

「炎の次は氷の剣ぃ!?

キミって、複数の神器持ちだった訳?」

驚きの表情なイリナに、木場が答える。

「違うな…創ったんだよ。」

ドガァッ!

地面から、木場の周りを囲む様に、幾本もの巨大な刃が生え現れる。

 

「僕の神器は【魔剣創造(ソードバース)】。

任意で数多の魔剣を創造する…これが、僕の神器だ!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「貴ぃっ様あ!!舐めているのか?!」

「そう見えるのなら、そうなのだろう。」

ブゥンぶぅん…

ゼノヴィアの、縦横斜めな怒涛の大振りな斬撃を、ズボンのポケットに両手を入れた儘、悉く躱すシリュー。

その余裕な態度が、尚更にゼノヴィアから冷静さを奪っていく。

 

「クソがぁあああああああっ!!」

大きく跳躍し、目の前の、余裕綽々な顔の男の脳天を、叩き潰すかの様な縦一文字の一刀を放つゼノヴィア。

DOGOOOOOHN!!

しかしシリューは、それさえも躱すが、その攻撃によって、打ち突けられたグランドには、直径約3㍍程のクレーターが出来上がる。

 

「ひぃっ!?地面に大穴が空きました?!」

「あれが…聖剣の力ですの!?」

「…強い!!」

「あ~、もう!誰が あの穴、直すと思ってるのよ!!」

「見たか!これが、【破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)】の威力だ!!」

その攻撃力にオカ研部員が驚く中、得意気満足気に吠えるゼノヴィアだが、

「当たらなければ、意味は無いぞ?」

「き、きききき…」

それでも汗流す事も無く、シリューは余裕な姿勢を崩さない。

ぷち…

その台詞、その態度に、遂にゼノヴィアが完全にキレる。

 

「きぃっっ貴様あっ!!巫山戯るのも大概にしろおぉっ!!」

聖剣を横向きに構え、怒りの形相からのダッシュで間合いを詰めるゼノヴィアに、

「巫山戯ているのは どっちだ!?

そんな、鈍(なまくら)な玩具がエクスカリバーだと?

貴様こそ、巫山戯るのは大概にしろ!!」

ポケットから両手を出し、この決闘、初めて戦闘の構えを見せたシリューが吼える。

 

「死ぃいねぇえええぇっ!!」

斬!!

ドサァッ!

ゼノヴィアの、気合いの入った掛け声と共に、破壊の刃がシリュー目掛け、勢い良く振り降ろされるが、

「な…?ば、馬鹿な…!??」

その次の瞬間、【破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)】の刀身は根元から、シリューの繰り出した右の手刀によって断ち斬られ、重い音と共に地面に落ちるのだった。

 

 




‡‡‡‡‡‡【次回予告!!】‡‡‡‡‡‡
 
「ん…やっぱり皆には…ちゃんと知っておいて欲しいんだ…」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『聖剣計画(仮)』
乞う御期待!!
 

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