【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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ファンの人には、先に謝っておく。
ゴメンね。m(_ _)m
 



教会からの使者

ざわざわざわざわ…

 

この日の放課後、駒王学園の校門を、2人の少女が通り抜けた。

1人は、前髪に一筋の緑のメッシュが入った、蒼い髪のショートカット。

そして もう1人は、茶色の髪をツインテールに結っている。

宗教関係者であろう、首から金のロザリオを下げ、白い法衣を纏った この2人、蒼い髪の少女は布で包んだ…外から確認出来る形状からして巨大な十字架であろうか、その身の丈より長い荷物を抱き抱ている。

 

ざわざわざわざわ…

 

「うざい…斬るか?」

「お止めなさい!」

前庭の噴水の前で、誰かを待つかの様に立っている、明らかに学園の生徒ではない格好な外様の美少女2人、その口から小さく発せられる物騒な発言を余所に、学生達の注目が集まっていた。

 

≫≫≫

「わぁ~あぉう!

そこの美少女さん達、ウチの学校に何か用ですか?」

「職員室か事務室の場所が分からないなら、案内しますよ?」

「…で、用事が済んだら、俺達とデーt…いやいや、お茶でも どうですか?」

「へ?」「は?」

そんな2人に遠慮する事無く臆する事無く、3人の男子生徒が声を掛ける…というか、ナンパしてきた。

 

「ささ、職員室は、正面の校舎の…」

「ちょ…ちょっと待ってよ、…ってゆーか、キミって…?」

ナンパ男の1人がツインテ少女の手を取った その時、

「何をやっているか!?

この、変態3人衆が!!」

 

ガンッx3!

 

「あべし!」「たわば!」「ひでぶ!」

その後ろから怒声と共に、3人の頭頂に拳骨が落ちた。

 

「痛ててて…ッメー、神崎!

お前、いきなり何をするんだ!?」

「この前のドッヂボールと言い、お前、俺達に何か怨みでも有るのかよ?!」

「喧しいわっ!!

この2人は、ウチの客だから迎えに来てみたら、貴様等が阿呆な真似をしでかしていたのだろうが!」

「「「きゃ…客ぅ!?」」」

「アンタ等2人、………の関係者だな?

リアス・グレモリーの使いで来た。」

「あ…ぅん…」「………………。」

そこに現れたのは、何故だか仏頂面な神崎孜劉。

どうやら この2人は、リアスに何やら用事があり、学園を訪れた様だった。

 

「…案内する。

オカ研の部室は、アッチ側だ。」

 

≫≫≫

「ねぇキミ?さっきの男の子ってさ…」

「気にしないでくれ…

ありゃ、学園の恥部だ…。」

2人を案内しながら、旧校舎へと続く森を進むシリュー。

 

「(ボソ…)ねぇねぇゼノヴィア、あの人って、……だけど、結構イケメンだよね?」

「…興味無い。」

「はぁ…アンタっさ、何でも『興味無い』だけど、一体、何に興味有るのよ?」

「…剣?」

「…ダメだ こりゃ。」

そのシリューに聞かれない様、2人の少女は小声で会話しながら、3人は

 

コンコン…

 

「部室、連れて参りました。」

「ご苦労様、シリュー。」

オカルト研究部部室へと到着した。

 

◆◆◆

 

コト…

 

「どうぞ、お紅茶ですわ。」

「…毒は入ってないだろうな?」

「ちょ…ゼノヴィア!?」

部室の応接室に通された2人に、朱乃が紅茶を差し出すも、蒼髪の…相方のツインテ茶髪の少女から、ゼノヴィアと呼ばれた少女が、それこそ毒を巻くが如くな言葉を吐き散らす。

 

「うふふ…まさか そんな、主の顔に泥を塗る様な真似は、いたしませんわ…。」

 

ぷっくぅ…

 

そう にこやかに答えながらも、朱乃の顳には、ず太い血管が浮かんでいる。

 

「(ボソ…)朱乃先輩、かーなーり、キレていますわね…」

「(ボソ…)私なら、とっくに あの面に、グーパン喰らわせてる自信があります。」

「(ボソ…)うう…朱乃先輩、凄く優しい笑顔ですけど、瞳が笑ってないですぅ…」

その様子を見て、部室の角で小声で話すのは、オカ研1年3人組。

 

「…で、何の用事なの?

昨日、お兄(まおう)様から、教会の使いが訪ねてくるというのは聞いていたけど、もしかして、天界は悪魔側に、ケンカを売りに来たのかしら?」

そして やはり、先程の『毒』発言を快く思っていない、アームチェアに座っているリアスが口を開く。

その後ろ、王と女王を護る様に立っているのは、未だに仏頂面を崩していないシリューと、それを更に酷くした、ファンが それを見たらショックで気絶するかの様な、輩の如くな表情の木場祐斗。

教会に思う所があるアーシアは、やはり小猫達と共に部屋の角で様子を見ている、ミルたんの背後に身を隠していた。

そして朱乃がリアスの隣の席に座ると、ツインテールの少女が、ティーカップに一口付けた後、話し始める。

 

「先日、教会が保管 管理していた、3本の聖剣(エクスカリバー)が奪われました。」

「え!?」「なっ?」「…!!」「…?」

 

 

ツインテールの少女…紫藤イリナが言うには、正教会、カトリック、プロテスタントが各2本ずつ保有していた聖剣が、各宗派から1本ずつ奪われ、駒王町に持ち込まれたらしい。

 

「エクスカリバーって、そんなにも有るにょ?」

「オンリー1だと思ってたかい?

俺も、魔王からの又聞きだけど、大昔の戦争時にだn

「おい お前、聖剣の蘊蓄は、後にして貰えるか?」

「…それもそうだな、失礼した。

…で、教会のザル警備を潜り抜け、見事に聖剣強奪成功したのは誰だか、分かってるのかい?」

「ざ、ザル警備だとぉっ!?

お前は教会に、喧嘩を売っているのか?!」

「ゼノヴィア!」

「シリューも!」

「ふん!」

「失礼…で、その賊は誰なんだい?」

「聖剣強奪の首謀者は堕天使…【神の子を見張る者(グリゴリ)】の幹部…コカビエルです。」

「こ?」「か?」「び?」「え…?」

 

…………………………………………。

 

 

「「「「「「っるーーーっ!??」」」」」」

その名を聞き、盛大にハモる、オカ研の皆さん。

 

 

「馬鹿な?コカビエルと云えば、聖書にも名を記している、()()、コカビエルか?」

「えぇ、そう思って間違いは無いわね。」

「ハァ…てゆうか、また堕天使ですか?」

まさかなVIPな名前の登場に、驚きを隠せないシリュー。

そして、またもや堕天使の起こした騒動と知り、呆れ顔な小猫。

          

「…話を進めるぞ?

私達が こんな所に迄、わざわざ足を運んだ理由…

それは お前達に忠告しに来たのだ。

この度 堕天使が起こした この事件は、我々教会側だけで片付ける。

故に、『お前達 悪魔は今回の騒動に関わるな』…これを言いに来た。」

冷めた目で、きっぱりと言うゼノヴィア。

     

かちん…

 

「そ…それは随分な物言いね?

私達が堕天使と手を組む…とでも?」

その発言に口元を上方に引き揚げながらも、あくまでもソフトな口調で応対するリアスだが、

「何だ? 違っていたのかwww?」

「なな…何ですって!

私は堕天使等とは手を組まないわ!

グレモリーの名に賭けて!!」

「なぁアンタ…さっきから本当に、もしかして俺達に喧嘩売ってるのかい?

だったら、部長の代わり、俺が買ってやっても良いぜ?」

「ちょ…ゼノヴィアは もう喋らないで!

キミも!頼むから、少し落ち着いてよ!!」

その相手の余りにも不遜な言葉使いに、遂には後ろに控えていた仏頂面1号と一緒にキレてしまい、慌ててイリナが両者を宥めに入った。

  

「と、兎に角、貴方達 悪魔は今回の件、不介入を主に誓って下さい!」

「私達、神に祈りを捧げたりしたら、ダメージ受けるんだけど?」

「も~、あー言えば こー言う!

それなら魔王…は流石に立場上 勧められないから、閻魔様にでも誓って頂戴!

話は お終いです!

さぁ、帰るわよ、ゼノヴィア!!

紅茶、ご馳走様でした!」

「あらあら?もう帰られますの?

せっかく紅茶、入れ直しましたのに…」

「う…け、結構です…。」

差し出された紅茶が、実は かなりな味だった為、正直、お代わりしたい気は有ったイリナだが、隣に座っているパートナーが、一切口を付けていないのも有り、気不味く、名残惜しそうに席を立ち、

「…ゼノヴィア、帰るよ?」

改めてゼノヴィアに声を掛け、部室を去ろうとする。

 

 

あ゙~、やれやれ、何とか平和に?話を終わらせる事が出来たわ~。

後は もう、要らないトラブルに巻き込まれる前に、この学校から立ち去るだけよ!

 

 

イリナが そう思いながら、安堵の息を吐き、部屋の扉を開こうとした時、

「…さっきから 気になっていたのだが、お前もしかして、『魔女』アーシア・アルジェントか?」

「え…?」「はあぁ~ぁっ!!???」

ゼノヴィアが部屋の角で目立たぬ様に振る舞っていた、アーシアに声を掛ける。

それは彼女からすれば、どう考えても要らないトラブルへのフラグにしか見えなかった。

…が、

「あ…貴女が一時期、内部で噂になっていた、『元・聖女』さん?

追放されて、何処かに流れたとは聞いていたけど、まさか、悪魔になってるとは思わなかったわ~。」

「…あの…私は…」

フラグな筈が、アーシアを認識した途端、無自覚なのか、自ら それを、強固な方向に持って行ってしまう。

 

ぷち…

 

「し…シリュー…?」

仏頂面の男の顳に、先程の朱乃以上の、太い血管が浮かび上がっているのにも、気付かずに。

 

「大丈夫、この事は、上には報告しないでおくわ。

『聖女』アーシアの周囲に居た人達に、今の貴女の状況を伝えたら、それこそショックで倒れてしまうでしょうから…。」

「……………………。」

イリナとしては、善意で、決して悪意は無く、他言の意志は無い様に言っている心算だが、その発言に、アーシアは俯き、黙り込んでしまう。

 

「ふん…しかし悪魔…か。

嘗ては人々に『聖女』とまで呼ばれ崇められた人間が、堕ちる処迄 堕ちた物だ。」

更に其処に、ゼノヴィアが言葉を続ける。                  

 

 

…………………………………………。

 

 

「…(わ、分かってるわね、貴方達!

いざという時は全員で、シリューを取り抑えるわよ!)」

「「「「「…(ら、らじゃ!)」」」」」

その やり取りに完全にキレかかっているのが丸分かりなシリューを見て、リアスが部員達にアイコンタクトで指示。

 

「ふん…お前、それでも まだ我等の神を、信じているのか?」

「ちょっと…悪魔になった彼女が、主を信仰していて?」

それに…リアス達の厳戒も、そしてシリューの心理状態も気付かずに、会話を続ける教会2人組。

 

「…いや、背信行為をする輩でも、偶に その罪の意識を感じながら、信仰心を忘れない者が居るんだ。

それを、今のコイツからは感じ取れる。」

「…捨て切れて、ないだけです。

ずっと、信じていたのですから…」

冷たい視線から、顔を逸らす様に答えるアーシア。

 

「そうか…ならは、今直ぐに、私達に斬られるが善いだろう。」

そう言って、ゼノヴィアは手にしていた長い荷物の包みを解く。

その聖刻が刺繍された布に包まれていた荷物…

それは、手に持つ柄以外、鍔の部分さえも刃の造りになっている、巨大な剣だった。

 

「今、神の名の下、断罪してやろう。

如何に罪深い異端の魔女であれ、我等の神は、救いの手を差し伸べてくださる筈だからな。」

そう言って、その刃の先をアーシアに向けた時、

「…ストップだ。」

その間に、シリューが割って入る。

その顔は決して、怒りの形相ではないが、鋭く厳しい物。

 

「アーシアは今、あくまでも形上だが、この俺の部下に位置している。

その彼女に刃を向けた以上、それは、教会…いや、天界は、この俺に刃を向けた…

即ち、この孜劉に喧嘩を売った…

そう判断して善いのだな?

尤も…今更撤回は認めないがな!」

…此処に、イリナが言う処の、要らぬ筈なトラブルのフラグが今、完全に成立した。

 




‡‡‡‡【次回予告!!】‡‡‡‡
 
「き…貴様ぁ!人が大人しくしていれば、よくもヌケヌケと!!
良いだろう、其処迄言うなら、表に出ろ!
貴様も、あの魔女と一緒に断罪してやる!
この【破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)】でなあっ!!!!」

 
次回:ハイスクール聖x龍
『唸る聖剣!エクスカリバー!!(仮)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。
 

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