【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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お待たせしました?久し振りの投稿です。 



決着!ドラゴンvsフェニックス!!

「「な・ななな…!?」」

「「あわわわ…」」

「…!!」

「「ひぇっ!?」」

「…………………。」

「あ~らあらあらあら?」

「あはははは…」

「はぁ…また やりやがりました…。」

「くっく…だから、腹筋割らせるなし…」

「はぁ~~~~~~…」

「へぇ?」

「おおおおおお~~~~~~っ☆!!」

現実世界の生徒会室、レーティングゲームを観戦していたオカ研部員、生徒会役員、そして2人の魔王は いきなり龍の鎧を脱ぎ捨てたシリューに対して、それぞれが様々な反応を示していた。

 

 

 

 

 

 

 

「凄い!凄い凄い凄い凄い☆!!

シリューちゃん、凄い身体してるよ!

ソーたんも そう思うよね?!」

「の、ノーコメントです!!」

瞳を輝かせてモニターをガン見する者に、顔を赤らめ、モニターから目を逸らす者。

 

「…~~~~~~~!?」

 

パタン…

 

「「つ、翼沙ぁ?!」」

男の裸体に免疫が無く、オーバキルで倒れる者に、それの介抱に回る者。

 

「「「はわわわわわわ…」」」

「「あ…ぁああぁ…!!」」

やはり男の裸体に耐性が無く、はわわ状態になる者、顔を赤くしながらも、モニターを刮目する者。

 

「……………。」

ノーリアクションな者。

 

「……!!」

きっらーん!!と掛け直した眼鏡を怪しく光らせ、改めてモニターを凝視する者。

 

「く~っくっくっくっく…」

「あっはっははは!!

シリュー君、やるなぁ!」

床に蹲り、腹を抑えて必死に笑いを堪える者に、椅子に座った儘 腹を抱え、周りを気にせずに大笑いする者。

 

「くす…シリュー君ですから。」

「神崎君だからね。」

「…まあ、シリュー先輩ですから、今日も いつか()るとは思ってましたけど。」

慣れた光景、想定内と受け流す者。

…そして、

「後で、説教…!!」

ゲームの勝敗関係無く、部長として先輩として、部員…後輩の悪癖を戒める決意をする者。

 

▼▼▼

「あああ、アーシアさん?もしかして神崎様は、何時も あんな感じなのですか!??」

「はぅう~、何だかスイマセン…」

金髪ドリルヘアの少女が真っ赤な顔を両手で覆いながらも、その指の隙間から ちゃっかりと半裸の男をマジマジとガン見しつつ、自分の隣に立っている、やはり はわはわしている金髪ストレートの少女に、あの慣れてる感全開な遠慮無い脱ぎっぷりについて問い質す。

すると少女は、決して自身が悪い訳ではないのに、まるで自分の事の様に謝罪。

 

▼▼▼

「な、何なのだ貴様わ!?

戦いの最中、いきなり鎧を脱ぎ捨てるとは、何の心算だ?!」

多少なり動揺しながらも、触れたらなら それだけで その身が消し炭になりかねない程の、強烈な炎を放つライザー。

それに対してシリューは

「この孜劉、過去の戦いに置いても『鎧』を着ているという安心感から油断が生じ、隙が出来てしまう事が多々あった。

ならば、そんな甘えを拭い去る事で自身を追い込み、己を高める…それが俺の流儀!

この孜劉からすれば鎧等、無用の長物!!」

そう、言ってのけた。             

遥か昔の神話の時代、戦いの女神アテナは自分の眷属である聖闘士(セイント)と呼ばれる少年達が、生身で戦い傷付くのを憂い、海皇ポセイドンの眷属が身に纏っていた鱗衣(スケイル)を参考に、聖衣(クロス)と呼ばれる鎧を創ったと云われている。

そんなアテナの想いを全否定、嘗ては聖闘士、しかも その最高峰に迄上り詰めた男の発言とは思えない言葉を口に出す、上半身真っ裸(マッパ)男。

 

『甘えって…相棒よ、俺の鎧を枷扱いするのは止めてくれないか?!』

「いや、ドライグ、決して そんな訳では…」

 

≫≫≫

「でぇいやあっ!」

 

SHU!

 

「うはっ!?怖ぇ怖ぇ!♪」

「ちぃっ!!」

ゲームは泥仕合の展開となる。

ライザーが放つ炎を躱しつつ、シリューも拳を放ち、直撃(ヒット)させるが、不死身(フェニックス)を名乗る男は、その通常ならば致命傷となっているであろう負傷箇所を燃え上がらせると、即座に回復。

 

「諦めろ赤龍帝!

貴様がドラゴンの力を…そして その身に それ以外の能力(チカラ)を持っているとしても、不死身の俺には通じないんだよ!」

「生憎と『不死身』を名乗る者との戦いは、初めてではないのでね!

お前の不死身が、何処迄本物か、試してやるさ!!」

「抜かせ!その前に、俺の炎で焼き尽くして終わらせてやる!!」

 

≫≫≫

 

ドッゴォォオオッ!!!

 

「「きゃああっ!?」」

2人の攻防の余波は既に、学園を模した戦闘空間全域を更地に…ゲーム開始早々に瓦解した本校舎は無論、シリュー側の拠点であった旧校舎も、完全に影も形も無くなっている。

2人の戦いの巻き添えを避ける為、レイヴェルがアーシアを招き入れ防御結界を張っていたが、その防壁も限界に迫っていた。

 

「これは もう…仕方ありませんわね…」

そう呟くとレイヴェルは、真っ白な上空を見上げると、

「グレイフィア様!聞こえてますよね?

私と、此方のアーシア・アルジェントさんは、戦線離脱(ギブ・アップ)致しますわ!

てゆーか早く!この場から避難させて下さいまし!」

「お、お願いします~!」

アーシアと共に、グレイフィアに助けを求める。

 

 

『…ライザー・フェニックス様の僧侶(ビショップ)1名、及びに赤龍帝様のメンバー1名、戦線離脱(リタイア)です。』

 

 

その『泣き』を受け入れたのか、本来なら戦闘不能になった時に、自動(オート)で発動するリタイア機能が、ダメージを負ってないにも拘わらず、恐らくは今回のゲームマスターであるグレイフィアの手動(マニュアル)による行使か、2人の金髪少女は戦場(フィールド)ら姿を消した。

 

◆◆◆

「ハッ!レイヴェル、よい判断だ!!」

2人が戦場から離脱したのを確認したライザーが、背中から羽…通常の悪魔の様な、

蝙蝠型ではなく、フェニックス独特の、炎の翼を展開、その翼が更に左右に大きく広がり、シリューを2方向から襲う。

 

「…!?」

…事は無く、ライザーの背中から分離した、長く延びた炎の帯は、シリューの遥か背後で繋がり、2人を包むかの様な巨大な輪を作る。

そして今度は上方にも広がりを見せ、それは炎の壁となり、やがて上空をも覆い、最終的には巨大な焔のドームを作り出した。

                  

「これは…?」

「はっはっは!どうだ!赤龍帝!!

もう、逃げられは せんぞ!!

この炎の結界の中、人間の貴様が、何時迄保つかな?」

…戦闘空間に残った2人を、その灼熱の中に、閉じ込める様に。

 

◆◆◆

 

ガン!バシュッ!!

 

「シリューとライザーが、あの中に…」

「あれでは外からじゃ、どうなってるか分かりませんわ…。」

炎のドームに包まれ、その内部で戦っているであろう2人の様子が分からなくなり、それでも互いに技を繰り出している様な音がする映像を見て、リアスと朱乃が呟く。

 

「ねえ、サーゼクスちゃん?

あの中に、カメラは入れないのかしら?」

「ん~、カメラの耐久性よりも、ライザー君の炎のが、強いだろうからね~。

あのドームの壁に当たって燃え尽きるか、仮に あの壁を突き抜けたとしても、恐らくは内部の熱には耐えられないさ。」

「お姉様、そもそも先程から、何度か映像が乱れています。

恐らくは、グレイフィア様がカメラを操作して、あの中に入り込ませようとしているのでしょうが…」

「おいおい、グレイフィア?

カメラだって、安くは無いんだよ?」

「む~~~~~~~~~~~~~☆」

そしてサーゼクスが、内部の映像を撮るのは難しいと説明。

 

「しかし これって、神崎の方が、不利ですよね?」

「うん、確かに そうかも知れないね。

如何に、神崎君が赤き龍の宿主と云っても、所詮は生身の人間。

しかも赤龍帝の鎧は、さっき自ら脱ぎ捨てている。

そして、あのドーム内部は、灼熱地獄と化しているだろうからねぇ…。

生身では、かなりキツいと思うよ?」

「だ・か・ら・普段から、無闇矢鱈に脱ぐなって言ってるのに!

あ・の…露出狂がぁ~~~~~~っ!!」

「全く…ドラゴンの耳に念仏です。」

「部長?小猫ちゃん?

今回のは、少し違うと思いますが?」

シリューの悪癖に、(おこ)となったリアス、ジト目諦め顔の小猫に、木場が苦笑気味の顔で指摘。

 

「兎に角、あの炎熱のドームの中、何処迄耐えられるか…ですね。」

「シリュー…」

 

◆◆◆

 

ドッドッドッド…

 

ドーム内、天井から まるで流星の如く、 炎の雨が降り注ぐ。

 

「どうだ、赤龍帝!!

このフレイム・レイン、何時迄避けていられるかな?」

「ちいぃ!!」

その悉くを辛くも、ギリギリで躱していくシリュー。

この炎の雨は無差別、ライザーにも直撃はしているのだが、不死鳥(フェニックス)を名乗るのは伊達では無く、その体に躱す事無く、炎を受け入れるライザー。

そして その燃え盛る炎は、ライザーの身を焦がす事無く、体内に吸収されるが如く、消えていく。

 

「ひゃぁっほーっいぃ!!」

そして その度、心なしか、元気になって往くライザー。

それは所謂RPG的な、『炎属性の敵キャラには、炎系の攻撃は利かない』を、そのまんま表現しているかの様。

   

「何だか それ、卑怯じゃないか!?おい!!」

「ふははははははは!!

これが、種族特性と云う物だ!人間!!」

そう言いながらライザーは、シリューとの距離を詰めると、自らの掌を燃え上がらせてからの手刀を横薙ぎに放つが、シリューは其れをも躱す。                     

「か…は…!?」

しかし それと同時に、シリューの背後から炎の槍が襲い掛かる。

天井からでなく、壁の部分から延びた、一筋の炎。

これもシリューは その存在に気付き、前方から迫る炎の手刀と同時に捌こうとするが、槍は一直線の動きから、蛇が地を這うかの様に身をくねらせ、変則的な動きにチェンジ。

それでも其の動きにすら反応するシリューだが、完璧に避けきる事は出来ず、遂に炎の刃を身に掠めたのだった。

 

「今が、チャァッーーーーーーーンス!!」

如何に聖闘士、そして赤龍帝だとしても、転生悪魔でもない その体は、かなり鍛え上げられているだけで、生身の人間と変わらないシリュー。

掠めただけとは云え、魔力で創り上げた炎の一撃を喰らって只で済む訳がない。

背中への一撃を喰い、膝を着いたシリューを見て、ライザーは この機を逃さず一気に勝負を決めようと、天井から壁から全方位から放たれる無数の炎の雨と槍を、自身共々にシリューに浴びせる。

しかし当然、炎の化身たるライザーは、ノーダメージ。

 

そして、

「うぉおおおぉぉお!?」

シリューの全身に、回避不可の攻撃が直撃、その身を業火が包み込んだ。

            

「はぁ…ハァ…」

「多少は防御、出来た様だな…。

流石に消し炭には、ならない、か…」

全身を炎で包まれるも、小宇宙(コスモ)と魔力のシールドで、ダメージを最小限に抑えるが、それでもライザーとは違い、ノーダメージとは往かず、身体の所々、大小の火傷を負ってしまうシリュー。

息を荒げ、それでも倒れる事は無く、活きた眼で、目の前の敵を見据える。

                  

「ふん…その眼は知っているぞ?

この俺が、最も厄介と思っている、"しぶとい"類の奴が持っている眼だ。

しかし、何やら息苦しそうだな?

まあ、当然な話だ。

この密閉されて、燃焼し続けている空間、何時迄も、酸素が在る訳がない!」

「くっ…」

「ついでに…赤龍帝、気付いてるか?

この空間の壁と天井が、徐々に狭り、ひくくなっている事に!」

「…………!?」

完全に自分のホームグラウンドな空間の中、所謂、油断とは別の次元の、余裕を持った表情で話し続けるライザー。

                  

「お前が窒息みたいな、間抜けな負け方をする訳ないのは、既に理解出来ている心算だ。

だから、一気に決めさせて貰うぞ!

この、"デスドーム"を使った、最大技でな!」

 

ボォウゥ!!

 

そう言うとライザーは、その身を、正しく不死鳥が如く、全身を鳥を象った焔に変え、真上に飛び上がると、其の儘ドーム天井の炎と同化。

                  

「ふははははは!解るか?赤龍帝ぇい!!

今 俺は、このドームと一体化となった!

このドーム自体が、俺自身だ!!」

「…くっ!!」

炎の結界内部に、声が響くと同時、天井が壁が、シリューを潰さんと落ち迫る。

それは ゆっくりと迫り、標的に絶望と恐怖を味わわせる様な物ではない。

直径20㍍は有ったドームは一瞬にして、直径2㍍程に圧縮収縮。

その代わり、このゲームの為に擬似的に創った空間、その天に迄届かんとばかり、巨大な火柱が高く聳え建った。

           

◆◆◆

「ドームが…」

「火の柱…に…?」

「何が あったのよ!?」

「あの火柱は多分、ライザー君が変化した物だね?」

「え?じゃあ、神崎は…?」

「まさか…!?」

「恐らく…あの火柱の中でしょう…」

「シリュー先輩…!!」

ドームが炎の柱に…

漸く外から見ても分かる変化が起き、モニターを観ながら、現状の分析をする、魔王、生徒会、そしてオカルト研究部。

 

業々と燃える炎は次第に収束して、人1人の大きさ、人の形となる。

 

「ライザー…シリュー…!!」

それを見て、思わず呟くリアス。

炎が消え、その場に残ったのは、

「何故だ…?!」

目の前に居る男を見て、それが信じらんない光景とでも言いたげな、緊張感の中にも驚きの表情を隠しきれないと云った表情のライザーと、

「ふっ…何とか凌いでみせたぞ!」

辛くも その攻撃に耐えきり、限界ギリギリの中、それが虚勢なのはバレているのを前提で、挑発じみた余裕な笑みを浮かばせるシリューだった。

 

≫≫≫

「馬鹿な?

今のは俺の、超必殺の1つだぞ?!

それなのに、何で生きてんだ、テメー!?」

ライザーが炎を纏った拳で殴り掛かるが、

「簡単な事だ!

このシリュー、今の炎より、強力な炎を知っている…

過去の戦いで、より強力な炎を受けた事がある…只、それだけの事だ!!」

 

ドスッ!

 

「ぐゎはぁっ!?」

それを躱したシリューが、ドラゴンの魔力を込めた左ストレートを、ライザーの鳩尾に撃ち込む。

 

「ふ、巫山戯るな!!

俺はライザー・フェニックス!

風と炎を司る、フェニックスだぞ!!

うぅっ…があぁああああああ~~~っ!!」

 

ぶぉゎっ!!

 

再び背中から、巨大な炎の翼を広げたライザーが、両手に魔力を集中させる。

そして その魔力は焔となり、焔はライザーの腕の上で、巨大な猛禽の形となる。

 

「不死鳥の羽撃き、受けてみろ赤龍帝!

行くぜ!『Tormenta de PhoeniX!!』」 

 

ビュオオォン…

 

掛け声と共に、ライザーの腕から放たれた炎熱の巨鳥が暴風と共に一直線、シリューを直撃するが、

「貴様の最大は、その程度か!」

「な…!?」

暴風に体を吹き飛ばされる事無く、そして炎に身を焼き焦がされる事も無く、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に纏われた左拳を前面に突き出すと、

「廬山漆星龍珠!!」

 

ドゴォン!

 

「ぐはぁっ!」

そこから小宇宙(コスモ)と魔力が融合されたエネルギー波を放出、これがライザーに直撃、逆に吹き飛ばす。

ライザーの その奥義であろう技を正面から受け切る為、小宇宙(コスモ)を最大限に迄高めていたシリュー。

左腕の籠手と、未だ下半身には装着された儘の紅い龍の甲冑が黄金の光を放ち、背中には天を翔ける龍が、くっきりと浮かび上がっていた。

                  

「な…ななな…!???」

「今のが、フェニックスの羽撃きだと?

巫山戯るな!まるで、微風だ!!」

漆星龍珠を受けてダウンした儘、信じられない光景を見ている様な顔をしているライザーに、険しい顔のシリューが吼えた。

                   

「嘗て、俺の前世(むかし)の友に、鳳凰星座(フェニックス)を名乗る男が居た!

その男の繰り出す炎や風の方が、ライザー・フェニックス!

貴様の それよりも、遥かに熱く、そして強かった!!」

遥か前世(むかし)、共に戦いの時代を生き抜いた友の顔を思い浮かべながら、シリューは語る。

 

「でぇええぃ!」

そして、体勢を立て直して構えたライザーに詰め寄ると、右の拳を繰り出す。

 

「ちぃっ!」

 

ボゥッ…

 

その攻撃を嫌がったライザーは、ダメージを回避しようと、再び身体を炎に変化。

しかしシリューは迷わず、籠手を纏っていない方の、生身である方の右拳を、このライザーである、炎の中に突き刺した。

 

バシィッ!

 

「ぐぎゃあああぁっ!?」

そして、響く呻き声。

人型に戻ったライザーが、胸を抑えて顔を歪め、シリューを睨む。

 

「貴様…今のは何だ?

一体、何をした?!

答えろ!!炎と化した俺の体に何故、単なるパンチが、物理ダメージが通る?!」

この日、この戦い、何度目となるか分からない、納得不能理解不能だと云う表情のライザーがシリューに問い詰める。

 

「良いだろう、教えてやる!」

そしてシリューが、戦闘の構えをした儘、それに応じた。

 

「先ず俺は、そもそも赤龍帝で有る前に、聖闘士(セイント)だ!」

「聖闘士…だと?」

初めて耳にする単語に、やや困惑気味になるライザー。

それをお構い無しに、シリューは話し続ける。

 

「そうだ…そして聖闘士(セイント)の拳は、天を撃てば天を裂き、地に放てば地を砕く!

そして その真髄は、単に万物の表面破壊を目的にするに非ず。

聖闘士の拳は、あらゆる物の、原子を破壊するのを前提としている。

故に、破壊対象が原子で構成されている限り、例え其れが固体ならば無論、液体だろうが気体であろうが、ダメージが通るのは、至極当然の事!!」

「馬鹿な…そんな真似が、本当に…」

炎状態である体でも、聖闘士(セイント)の拳はダメージを与えると云うシリューの解説に、動揺の顔を見せるライザー。

 

≫≫≫

「廬山龍戟閃!」

 

バキッ!

 

「ぐ…ッ?」

「さあ、決着の時だ、決めさせて貰うぞ!

ライザー・フェニッス!!」

その後も、激しい攻防が繰り広げられる中、強烈な膝蹴りを顔面にクリーンヒットさせたシリューが勝負所と判断するが、

「ふん、抜かせ!貴様とて、何だかんだで一杯一杯だろうに!

簡単には終わらさん!

そして最後に立つのは、この俺だ!!」

ライザーも抗戦の姿勢を取る。

互いにバックステップで距離を開け、それぞれが魔力を、小宇宙(コスモ)を集中させて高める両者。

 

「はぁああああああああああああぁ…」

「クォオオオオオオオオオオオオォ…」

炎の翼と共に、両手を左右に大きく広げたた、仁王立ちの様な構えのライザー。

そして、己の守護星座を両手で描き象るかの様な、独特の構えを見せるシリュー。

 

「俺の勝ちだ!赤龍帝!」

先に魔力の集中を済ませ、仕掛けたのはライザーだった。

 

ゴォオオオォ…!!

 

再び身体を焔の塊とすると、高く、そして広範囲な、巨大な竜巻の様な形に姿を変え、シリューを その中に巻き込み呑み込まんとばかりに襲い迫る。                          

しかし、

「いや、勝のは俺だ!!

燃え上がれ!そして轟け!!

我が、小宇宙(コスモ)よ!!」

シリューは その瞬間に目を見開き、目の前の、自身を覆い呑み込もうとしている炎の竜巻を刮目すると、

「廬山昇龍覇ーーーーーーーーー!!」

 

DOGGOHHHHHHHHN!!!!

 

「ぐわあぁああああぁーーっ!!?」

自身の代名詞と言っても良い、小宇宙(コスモ)を最大限に宿したアッパーカットを、ライザーの化身である炎の塊に向けて、天高く撃ち上げたのだった。

 

ドシャッ!!

 

「がはぁっ!!」

昇龍覇の衝撃で吹き飛ばされたライザーの体は、空中で炎の状態から人の形に戻り、頭から垂直に落下し、地面に激突。

 

「ク…ッソがぁ…まだだ!

まだ、終わらせ……ねぇ…

お、俺は…不死…身…の、フェニッ…クスだ…ぞ…!」

 

ガタッ…

 

それでも最後の気力を振り絞り、尚も立ち上がろうとするライザーだが、その途中で体勢を崩して前のめりに倒れ込み、

「っ………」

そして遂に、気を失ってしまう。

 

 

『ライザー・フェニックス様、戦闘続行不能確認。

(キング)であるライザー様が倒れた為、この度の変則レーティングゲーム、赤龍帝…神崎孜劉様の勝利と致します!!』

 

そして その直後、ゲーム終了を告げるグレイフィアのアナウンスが、激闘の末に完全に更地となった、駒王学園を模していた空間に鳴り響いた。

 

 




‡‡‡‡【次回予告!!】‡‡‡‡
 
「ちょ…部長?
俺達、勝ったじゃないですか?」
「ん。でもね、シリュー…
ソレはソレ、コレはコレよ!!」
「さあ、OHANASHIの時間です。」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『レーティングゲーム、その後…(仮)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。
 

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