【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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この2次小説の原作は「ハイスクールDxD」です。
 



ソーナの秘密!!

 

シュルル!!

 

「ひぇえっ!?」

「あらあらあらあら?」

「いやぁっ!?」

「会長ぉっ!?」「部長!!」

突如、現れた幾本もの黄色い触手は、その身をピンク色へと変化させ、リアス、朱乃、ソーナに襲い掛かる。

触手の群は、先ずは彼女達の手足を拘束すると、その儘 空高く、その身体を持ち上げた。

 

「む…?」「きゃああああああっ!?」

同時に、ザトゥージが言う処の、触手が好むと云う『きょぬー』以外の女子、子猫やアーシアは無論、残りの者達に対しても、

「な…!?」「しまっ…!!」「うわっ!?」

「うおっ?」「にょ!?」

邪魔立て無用とばかりに手足に巻き付き絡まり、身動き取れない様にする。

 

「しまった、油断した!

コイツ、想像以上に…速い!!」

「き、騎士である僕が…!?」

油断があったからとは云え、スピード特化の木場だけでなく、本気になれば、光速で動けるシリューでさえも驚愕のスピードで捕まえた触手。

 

「ふ、振り解けないにょ!」

「…同じく。」

「ふみぃ~、気持ち悪ぃですぅ~!」

更にはオカ研入部後、シリューやリアスに鍛えられ、漸く『人間』の平均女子高生並みの運動能力に達しつつあるアーシアは論外の事、戦車である小猫や『素』で戦車同等以上のパワーを持つミルたんでさえも、触手に完全に動きを封じられる。

 

「ぬぉっ、身動き取れないんだぜぃ!?」

「会長ぉおおっ!!」

そして偶然か悪意か、或いは茶目っ気なのか、匙とザトゥージは、手足と謂わず、手足諸共、身体全体をぐるぐる巻きに縛り付けての逆さ吊りの状態で、天高く持ち上げられた。

 

》》》

姫島朱乃、支取蒼那、リアス・グレモリー。

駒王学園男子生徒公式制定である『学園きょぬー四天王』と呼ばれる4人の女生徒の、その内でもトップ3とされている、現在拘束されている3人に対し、無数の触手は これからが本番とばかりに胸元から或いは裾から制服の内側に侵入、

「ちょ…っ!?」

「あらあらあら?」

「い、嫌ぁっ!!」

その身体…その ふくよかな胸を(まさぐ)り始めた。

 

 

ヌルフフフフフフフフフフ…

 

 

触手の根元、恐らくは『本体』が隠れていると思われる茂みから、不気味な嗤い声が響く。

 

「ちょ…だ、駄目…」

『ニュル…!?』

 

ぴた…

 

そんな中、ソーナの胸元を弄くっていた触手が、その卑猥な動きを止める。

 

『………………………………………。』

 

スゥ…

 

「…へ?」

制服の中の触手を抜き出すと、まるでソーナは お気に召さなかったかの様に、手足の拘束は解かない儘、ソーナを地上に静かに降ろす。

 

「な・なな…!?」

わなわなと、顔を赤くして震えるソーナ。

 

「うおおおおぉっ!!」

『Boost!!』

 

ブチィッ

それと ほぼ同じタイミングで、縛られたと同時に赤龍帝の籠手を発動させ、小宇宙(コスモ)と魔力を、数度の倍化で増幅させていたシリューが

「ふぅ、やっとフリーになれたぜ!」

漸く自身の体の動きを封じていた、黄色の触手を千切る様に粉砕すると、

「ド・ラ・ゴ・ン…波ぁーっ!!」

透かさず茂みの中の触手の本体に向けて、必殺のエネルギー波を撃ち放った。

 

ドゴォッ!!

 

『にゅやーーーーーーーっ!?』

その一撃は見事に命中したらしく、奇妙な断末魔と共に、空中に捕らえていたリアスと朱乃の拘束を投げ捨てる様に解き放つと、この触手の本体は凄まじいスピードで、森の更に奥深くに逃げていった。

 

◇シリューside◇

「ひえぇぇえ~っ!?」

「あらあらあらあら?」

「リアス様!」「朱乃先輩!」

空中で捨てられたリアス部長と姫島先輩は、地上激突前にミルたんと小猫が それぞれ お姫様抱っこの形でキャッチ、事無きを得た。

2人共に、先程の触手の『アレ』でテンパっていたのか、翼を展開させる余裕が無かった様だ。

 

「…それにしても あの触手、何で支取先輩だけ、先に解いたんだろうな?」

「ん、確かに違和感が有ったよね?」

「「「「「「…………………」」」」」」

俺と木場の何気ない呟きに、黙り込む女子達…と、匙。

 

「と、兎に角、皆 無事だったんだし?先を急ぎましょー!!」

そんな微妙な空気を誤魔化す様に、リアス部長がわざとらしく声を張り上げ、その場を締めた。

 

「その前に、この服って どうにかならないかしら?

服の中、あの触手の粘液がベトベトで、気持ち悪いですわ…」

「「うぅ…確かに…。」」

そして改めて出発…しようとした時の姫島先輩の言葉に、リアス部長と支取先輩も、それに同調した。

アーシアも、同じ様な顔をしている。

まあ俺も、縛られた手足がベトついているから、気持ちは解るが。

 

「はい先輩、替えの制服です。」

「小猫?」

「塔城さん?」

「小猫ちゃん?」

すると小猫が、背負っていたリュックから、駒王の制服を取り出して部長達に渡す。

 

「「「あ…ありがとう…。」」」

予想外の準備の良さに、複雑な表情でリアス部長達は着替えを受け取った。

 

「何を沢山詰め込んでると思ったら…

小猫、やるなぁ!」

「…備え有れば憂い無しです。

こんな事も在ろうかと、用意していて正解でした。」

…どんな事を想定していた?

 

「はい、シリュー先輩達も。

手足が気持ち悪いでしょう?」

そう言いながら子猫は、残った皆にも1枚ずつタオルを配っていった。

いや、凄いよ小猫、正直 見直した。

その巨大リュック、俺は てっきり、お菓子しか入ってないかと思っていたぜ。

                  

「当然、おやつも用意しています。

はむ…

シリュー先輩、クッキー食べますか?」

…持って来てるんかい…。

                  

▼▼▼

「おお、皆、この泉には水の精霊、ウンディーネが住んでいるんだぜぃ!」

一行が森を掻き分けながら進んで行った先、其処にあったのは透明感溢れる水面の泉だった。

                  

「なぬ!?ウンディーネですと!」

ザトゥージの言葉に、匙が鼻息を荒く立てて反応。

                  

「あ!ひょっとして、アレですか?」

「え?」

皆がアーシアが指差した泉の中央を見ると、水面には大きな波紋が広がっており、その中心が柱を作るかの様に、次第に隆起。

やがて それは、徐々に人の形を成していった。

そして完全に人の形を整えた、正に水の化身と形容するに相応しい、澄んだ水の如きな透明度の高い その容姿は、

「「「「み、ミルたん…?」」」」

髪型がストレートロングな点と羽織っている(コスチューム)を除いては、面構えから身体付きまで、ミルたん其の物だった。

 

「ち…違~う!!アレは断じて、ウンディーネなんかじゃあなぁ~いぃ!!」

orz…そのウンディーネを目にして、何をイメージして何を期待していたのか、両膝両掌を地に着け、まるで この世の終わりが来たかの様に項垂れる匙。

 

『…………。』

 

どんっ!

 

「うわぁっ!?」

「匙!!」

そんな匙に、ウンディーネの振りかざした拳から圧縮された水の塊…水の魔力弾が放たれ直撃、匙は吹っ飛ばされてしまう。

そしてウンディーネはリアス達を凝視、泉を荒らす輩と判断したのか、連続して魔力弾を撃ち放ってきた。

 

「にょっ!」

この攻撃を、ミルたんが その場の誰よりも素早く前に立ち出ると、炎を纏わせた拳で その全てを弾き飛ばす。

 

 

バシャバシャ

 

「ミルたん?」

そして感ずる何かが有ったのか、ミルたんが泉に足を踏み入れる。

魔力を使う事により、水面上を まるで地面の様に普通に歩き、泉中央のウンディーネに歩み寄っていくミルたん。

 

『………………………。』

そんなミルたんに気付いたウンディーネも、その場で動じる事無く、自身に向かってくる漢乙を刮目。

 

『「………………………………。』」

そして約2㍍の間合いで、無言で対峙するミルたんとウンディーネ。

 

ガシイッ!!

 

「「「えぇっ!?」」」

「「な…?」」

「「「おぉ!!」」」

「数秒間の沈黙の後、両者は同じタミングで動き出したかと思えば互いに組み合い、ロックアップの体勢を取る。

 

「このコはミルたんが、何とかしてみせるにょ。皆は先に行くにょ!」

筋骨隆々な水の精霊と力比べをしながら、仲間に先に進む様に薦めるミルたん。

 

「…でもっ!」

リアスが戸惑う中、2人は互いの腕を振り切り、数歩後退して距離を空ける。

 

ドガシャ!

 

その後、先に仕掛けたのはウンディーネ。

水面に豪快に己の その剛拳を撃ち付けると、その衝撃で泉の水面は まるで間欠泉が吹き上げたかの様に突起、それは その儘、無数の水の柱となってミルたんに襲い迫る。

 

「マジカル・ドリーミング・エクスプロージョン!にょー!!」

 

どっごおぉっ!!

 

しかしミルたんは それを、背中に具現化させた()()()()()()()()()と共に、爆砕相殺させ、間髪入れずにスピードアップの魔法で一気に間合いを詰め、更には魔力で腕力強化した、渾身の右ストレートを撃ち放った。

 

バッキィ!!x2

 

「「「「「「!!?」」」」」」

しかしウンディーネも、同時に右ストレートで応戦、互いの右腕が交わり、互いの左頬に、互いの右拳が突き刺さった。

 

ガクッ…

 

体をよろめかせ、片膝を着く両者。

 

「さあ、早く行くにょ!」

決して少なくないダメージの中、ミルたんは立ち上がり、再度、リアス達に先に進めと促すが、

「でも、アナタを置いては…」

仲間を置き去りにするのに、やはり躊躇するリアス。

 

「この場は あのコ?に任せて、先に行くんだぜ。

既に何人足りとも、あの2人の間には割って入れないんだぜ。」

「……………分かったわ。

朱乃、アナタは此処に残って。

ミルたんを、お願い。」

「はい、部長。」

それをザトゥージが諭し、その台詞に納得したリアスが朱乃に この場での待機を指示、朱乃は それに頷いた。

 

「…さあ皆、先に進むわよ。」

そして如何にも不安を無理矢理に隠していると云うのが丸分かりな表情で、リアスは仲間に声を掛けるのだった。

しかし…

「部長、俺も最後まで見届けますよ。」

「ああ、こんな極上カード、ドームのメインでも簡単には御目に掛かれないぜ!」

「はい、シリュー先輩 匙先輩、ポップコーンとコーラです。」

「「ありがとう。」」

その場から動くのを渋るのが約3名。

 

「「アンタ達、一体何しに この森に来てると思ってるのよ!!?」」

 

スパカーン!!x3

 

「「「この〇ばぁっ!?」」」

そんな3人のド頭に、リアスとソーナのハリセンが炸裂するのだった。

 

》》》

「「「きゃあああああ~~~っ!?」」」

「ま、不味いぜ!このスライムは、女の子の衣類()()を溶かすという、森の厄介者なんだぜ!

…てゆーか、目を塞がれて、何も見えないんだぜぃ!?」

それは突然な事だった。

ミルたんとウンディーネのバトルの行く末を朱乃に任せて、使い魔を求めて森を進むリアス一行の前に突如立ちはだかった…いや、頭上の木から降ってきたのは、緑色の流動体、スライム。

 

「な…?」

「い、嫌ぁああ~!」

「…えっちぃです。」

「は、破廉恥なっ!?」

リアス、アーシア、子猫、ソーナの女子に狙いを定めて その身に纏わり憑くと、徐々に着込んでいた衣類()()をドロドロと溶かしていくのだった。

 

「ちぃ!まさか、このシリューに気配を感じさせないとは!!」

「…と、取れない!?」

その個なのか はたまた群なのか…恐らくは個であり群なのであろう、判別に迷う程の大容量の それは、リアス達(の服)を襲うと同時に巨体の一部を分離、瞬く間にシリュー、木場、匙、ザトゥージの目を塞ぐ様に へばりつく。

 

『ぐろろろ…!?』

そして木場の使い魔である、雷獅虎リバプールも、身体全体を流動体に包まれ、動きを完全に封じ込められていた。

 

「まあ、コイツは、着ている物を溶かすだけで命を取られるとかの心配は無いので、問題は無いと言えば無いのだが…」

「「「「大有りよっ!!」」」」

 

》》》

「こ、小猫、予備の制服って、まだ有るのかしら?」

「制服ではありませんが、予備の服なら用意しています。」

「…安心したわ!!」

シリュー達男衆の目が塞がれているのを改めて確認したリアスが、駒王の制服を溶かされ、深紫のショーツ1枚の姿で物怖じする事無く魔力を練り上げ、滅びの力が込められた魔力弾でスライムを駆逐していく。

 

「うぅ…リアス部長、頑張って下さい~」

既に全てを溶かされ 木陰に隠れてしゃがみ込んだアーシアが、完全な泣き顔でリアスを応援。

 

「…えぃ!」

 

ズバァ…

 

更には辛うじて、水色の上下の下着だけは死守している子猫が拳を振るうが、

「…やっぱり物理は効果が無いです。」

スライムにはダメージを与える事が出来ない。                       

「もう、量数が在り過ぎると言うか、キリが無いわ!

ソーナ!アナタも手伝って!」

リアスが やはり、魔法で撃退出来る筈なソーナに援護を求めるが、

「ぅ…む、無理です…」

リアス同様に、ショーツ(白)1枚のみな姿となっていたソーナは、涙目で両手で胸を包み隠し、その場に しゃがんで動けないでいた。

 

 

》》》

「うおおおおぉっ!!」

『Boost!!』

「も、もう少しだ、もう少しで このスライムを引き剥がせr(ガン!!)痛ぃ?!

「と、取らなくて良ーから!

てゆーか、今は まだ、取るなー!!」

シリューが小宇宙(コスモ)を燃やし、顔に憑いたスライムを引き剥がそうとした時、それに気付いたリアスがハリセンを投げつけ、これを止める。

 

「な、何故?」

「ちちリュー先輩、今、そのスライムを取ったら、私達の裸を見たって、トーカちゃんにチクリます。」

「そうだ神崎テメー、会長の裸見たらブッ殺すぞ!」

「お…応、ゎ、解った…」

最初は手助けを止められる意味が分からなかったが、小猫と匙の言葉で漸く理解するシリュー。

 

「…ならば!!」

『Boost!!』

「この儘で参戦すれば、問題無い!」

そう言いながら、目を塞がれた儘、シリューは小宇宙(コスモ)を纏わせた拳でスライムを撃破していく。

 

「…シリュー先輩、まさか、実は見えてるなんて事は、無いですよね?」

「し、視覚を失い、それでも戦う事には慣れている!!ほ、本当だ!信じろ!!」

このジト目な子猫の発言を、シリューは必死になって否定した。

 

◇シリューside◇

ふぅ、目が見えないのは問題無い。

しかし このスライム、数が多いのか本体がデカいのか、本当にキリが無いぞ?

何だか知らんが、支取先輩は動けないみたいだし、子猫の攻撃は効かない…

俺と部長だけでは、正直、少しキツいな。

アーシアは元より非戦闘員。

ザトゥージも問題外として、匙と木場も、目隠し状態でスライムの気配を探りながら戦うのは難しいか…。

せめて もう1人…姫島先輩かミルたんが居れば…

 

 

バチィッ!!

 

え?今の感覚は雷撃?

もしかして、姫島先輩が来たのか?

 

▼▼▼

シリューとリアスがスライムと戦っている中、前触れ無しに雷撃が迸った。

それはシリュー達をアシストするが如く、スライムを攻撃。

 

「あれは…?」

『……………………………。』

リアスが その雷撃の出先…木の上に目を向けると、其処には森に入って最初に出逢った、ドラゴンの子供…蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)の幼生が居た。

 

バチバチィッ!!

 

蒼雷龍は、続け様にスライムに向けて雷撃を放つ。

 

ぽと…

 

「あ、取れた…」

雷撃を苦手としているのか、種族的にドラゴン種を苦手としているのか、残ったスライムは、男衆の目を塞いでいた それを含めて、森の奥深くへ逃げて行った。

 

「部長、とりあえずは一安心ですね!」

「こっち見んなーっ!!

このエロ龍帝ぇーーーーーーーーっ!!」

 

ガン!

 

「うわらばっ!!」

 

◇シリューside◇

「…ねぇ、小猫?用意して貰っておいてアレだけど、もっと その…マトモな服って なかったのかしら?」

「うぅ…何で私が、こんな格好を…」

「似合ってますよ?♪」

「解ってるわよねアナタ達!!

コッチ見たりしたら、殺すわよ!」

「「「「い、いえっさー…」」」」

 

スライム撃退後、子猫が巨大リュックから、また予備の服装(下着込み)を取り出して部長達に渡すのだが、何故か その服装と言うのが…

 

リアス部長…バニーガール

アーシア…他校女子制服

小猫…体操服

 

ああ、アーシアのアレは、前に森沢さんから貰ったアニメのヤツだな。

そしてリアス部長…似合ってるな(笑)。

小猫も…ん…。

 

最後に

支取先輩…レヴィアたん☆

 

この前の会議の時、魔王少女が着てたヤツと同じコスプレじゃないか!(爆)

…にしても子猫、本当に一体、どんな事態を想定して、そんな服装をチョイスして用意した訳?

 

≫≫≫

「…わ、我、アーシア・アルジェントの名に於いて命ず…

汝、我が使い魔となり、生涯を掛けて、我に仕えよ…汝が御銘は…ラッシー!」

…あのドラゴンの子供は どういう訳か、アーシアに慣ついてしまい、その儘、使い魔契約の運びとなった。

そもそも あのスライム撃退も、アーシアを助ける為に、この場に現れたと考えるべきなのかな?

 

「ドラゴンてのは、清らかな心の持ち主にしか、心を許さないと云うぜ。

教会を追放された聖女の噂は聞いていた。…が、まさか それが、そっちの お嬢ちゃんだったとは、驚いたんだぜい!」

…とは、ザトゥージの弁。

自らの魔力で魔法陣を展開させて、使い魔契約を無事に終了させたアーシア。

…って、ラッシー?

 

「はい!雷撃を操るというのと、それと…シリューさんの名前の一部を使わせて戴きました!」

…ま、別に良いけどね。

 

≫≫≫

「皆、一度、さっきの泉に戻らない?

ミルたんが どうなったか、心配だわ?」

「…そうですね。」

リアス部長の言葉に、皆が頷き、引き返す事になった時、

むに…

「ん?」

踵を返しての一歩、俺は何柔らかい何かを踏んだ。

 

「何だコレって…え゙…?!」

何かと思い、摘み拾った、少しばかりスライムの粘液で溶かされている()()は、女性が胸を覆う下着に附着させる、所謂『詰め物』というヤツだった。

しかも、凄まじい迄のサイズな…

 

「だ、駄目ぇー!神崎君、返してー!!」

涙目で顔を真っ赤した、必死の形相な支取先輩が、まるで引ったくる様に『それ』を奪う。

あ、よく見たら、今の先輩の胸、ぇ…?

えーーーーーーーーーーーーーーーっ!?

 

≫≫≫

トーカを含む、駒王学園きょぬー四天王。

姫島先輩に次いで、学園ランキング2位とされている支取先輩が、まさか実は、下から2番目だったとは…

『きょぬー』は『きょぬー』でも、支取先輩に限り、漢字で書くと『虚乳』の方だったとわ…

 

「…!!」

ふと匙に目をやると、俺に顔を向けた匙は、最初から全てを知っていたと言いたいが如く、目を瞑って首を降った。

この男、別に会長さんの胸に釣られて惚れた訳じゃないのか…

            

「あちゃ~、バレちゃったか~」

リアス部長が小さく呟いた。

部長曰わく、実は男子生徒は知らない事だったが、少なくとも3年生中心に、女子生徒は殆どが周知だったとか。

因みに この事は木場も知らなかったらしく、驚いた顔をしている。

変態3人衆の兵藤達を筆頭に、男子生徒が「四天王」と持て囃す中、女子が何も言わなかったのは武士の情けだったのか…

 

「ソーナ様、忘れ物です。」

「けけけ、結構です!!」

ここで小猫が、これ見よがしに特注サイズなブラのパッドを両手に持って、渡そうとするが、顔を赤くして それを断と受け入れようとしない支取先輩。

そして先輩は、潤んだ瞳に尋常ではない殺気を込めると、俺と木場を睨み付け、

「こ、この事は、内緒ですよ?」

「「は、はい…」」

その迫力に俺達は、肯で返すしか選択肢が無いのだった。

この時、俺は誓った。

流石に大っぴらにする事は出来ないが…

とりあえず今日、家に帰ったら、自室に音声遮断の結界を張って、大声で こう叫んでやるんだ!…と。

 

「ソーナの胸は!パッド入り!!」

 




‡‡‡‡【次回予告!!】‡‡‡‡
 
「あ…あの、塔城さん?
この服、脱げないんですけど?」
「あ、その服、セラフォルー様から戴いたのですが、可愛らしい決めポーズをしないと、脱げない仕様らしいです。」
「はぁあ?!」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『聖獣、捕まえます!(仮)』
乞う御期待!!
 

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