【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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原作崩壊(オリジン・ブレイク)!!
 





眷属、募集します!

グレイフィア・ルキフグスとライザー・フェニックスが訪れてから、2日後の放課後。

 

「くっ、ライザー…あの男、分かってはいたつもりだったけど、とことん下種ね…」

「シリューさん…私…」

「いや、『俺』を相手にと考えた場合、ある意味、正当な要求さ。

何しろ向こうは、自分の縁談取り消しをチップに…それ程のデメリットを背負うんだ、このレベルは想定内だ。」

 

リアスの縁談破棄を賭けた、『赤龍帝vsライザー・フェニックス』のレーティングゲームの実施が、正式に悪魔サイドにて認められた。

そして、その詳細が、昨日の夜、リアスの下に封書として届けられていた。

オカ研部室で その封書を開き、中に入っていた書面を見て憤慨するリアス。

 

「…でも、シリュー!!」

「大丈夫だ、勝てば関係ない。

奴等は不死鳥(フェニックス)なだけに、死亡フラグという概念が無いだけさ。

…まあ、立ったけどな!!」

「シリューさん…」「シリュー君…」

「シリュー先輩…」「神崎君…」

 

※※※

赤龍帝vsライザー・フェニックス

レーティングゲーム詳細(一部抜粋)

 

◎開始日時

5月■日(日) PM10:00

▼赤龍帝は人間界駒王学園オカルト研究部部室、ライザー・フェニックスは冥界フェニックス邸自室にて、他参加者と待機

 

◎参加者

▼赤龍帝側に限り、チーム定員16名に達する迄、自身の下僕の他、リアス・グレモリーの下僕の同伴を認める。

 

◎勝者報酬及び権利

▼賞金¥2.000.000-

▼赤龍帝が勝利した場合、グレモリー家とフェニックス家との間で取り決めていた縁談の破棄を認める事とする。

▼ライザー・フェニックスが勝利した場合、赤龍帝は自身の下僕、部下全てをライザー・フェニックスに差し出す事とする。

 

※※※

 

「確かに、自分の結婚を賭けた勝負に、他の女を寄越せと言うのは、男として どうかと思う所は在るが…」

「まさかとは思っていたけど、アイツ、最初からアーシアを狙っていたのよ!

だから自分からハンデとか言って、シリューを引きずり出そうとしてたのよ!!」

「…シリュー君、やはり、私達もゲームには同行しますわ。」

「そうだよ神崎君、既にキミと部長だけの問題ではなくなってるんだ。」

「シリュー先輩、私達は役立たz

「ん?何か言ってるか?」

 

フルフルフルフル…

 

小猫がシリューに自分達の戦力の価値を問おうとするが、それを言い終わる前に、逆に質問で返される。

そして そのシリューが何処からか取り出した凶器(笑)を見た途端、小猫はトラウマでも有るのか、頭を庇うかの様に抑え、無言&涙目で首を横に振るのだった。

 

「部長も皆も、言いたい事は解るが、今回だけは俺だけで やらせて欲しいんだ。

これは、俺の意地だけじゃない。」

「シリュー?」

「魔王達が俺を悪魔サイドに招いた件…

今、冥界では その辺りで魔王に不信感を持つ者も、決して多くはないが、居るのだろう?

だから、魔王達の判断が正しかった事を、俺の力を以て証明したい。

少なくとも それで、俺への不満は兎も角、魔王に対する文句は消えるだろう?

赤龍帝を悪魔サイドに取り込んだ判断は、戦力的に間違ってはいなかった…と。」 

     

◇シリューside◇

「…新しい眷属ですか?」

「ええ、そうよ。」

 

ライザーとのレーティングゲームの詳細云々で話した後、今日は偶々、誰も夜迄 部活(しごと)での出張が無かった為、その儘リアス部長指示の下、ミーティングが執り行われた。

御題は『新しい眷属』。

 

「今回はシリューに丸投げな形になったけど、また、不意に非公式なレーティングゲームを戦る機会が無いとも限らないわ。

それにしては、私には下僕が少な過ぎる。

公式戦に参加出来る年齢になる迄、じっくりと人材を探し出し、焦る必要は無いと思っていたけど、この前のアレで、その気持ちは吹き飛んだの。」

…だ、そうだ。

あながち、間違ってはいないと思う。

部長と同年代である支取先輩も、手持ちの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を既に殆ど消費して、それなりのメンバーを集めている。

 

「新メンバーは駒王の生徒でなくても良いし、年齢や種族にも拘らないわ。

さしあたっては、コレよ!」

 

バッ!!

 

部長が自信満々で差し出したのは、部活(しごと)で使う、悪魔召喚用の魔法陣が描かれているビラ。

手にして読んでみると、

 

 

『アナタも悪魔に生まれ変わって、新しい人生を謳歌してみませんか?

相談、承ります。』

 

 

…の文章が、一番下に書き加えてある。

 

「「「「「……………。」」」」」

俺だけでない、アーシア含む、皆が言葉を失い、固まっているよ。

 

「さあ皆、使い魔を喚んで、このビラを町中に配って来て頂戴!」

……………。

駄目だ、この悪魔(ひと)

早く、何とかしないと…

 

≫≫≫

あれから3日経った。

 

「進展あった?」

「いや~、全然だよ。」

「大変ですね~。」

放課後、オカ研2年生の3人で旧校舎の部室に向かう途中、木場に誰か『悪魔になりたい』と云う人が見つかったか?…と聞いてみたが、返ってきたのは やはりな答え。

当然な話だ。

余程、特殊で重い事情が無い限りは、悪魔に転生しようなんて考える人間は そう居る筈がない。

俺も昨日の夜、アーシアを連れて森沢さん宅で話してたのだが、

「悪魔に転生?

神崎君、馬鹿な事を言うなよ。

ひ弱な人間である僕が、アーシアちゃんや子猫ちゃんみたいな悪魔の女の子を喚ぶ事に、意義があるんじゃないか!」

…な感じに力説された。

 

≫≫≫

 

ガラ…

 

「「失礼します。」」

「こんにちは~」

シリュー、アーシア、木場が部室の扉を開けて挨拶する。

 

「いらっしゃいにょ♪」

「「Noooooooh(にょ~~~~~~~)!!?(」゚O゚L)」」

「あら、お客様?」

3人を出迎えたのは、身の丈推定6尺6寸、強靭な体躯をゴスロリに包んだ、某世紀末覇王な面構えの漢…否、乙漢(おとめ)だった。

 

未知との遭遇に、『あちら方面』の2人のファンが見たら、泣いて喜ぶ光景な如く、思わず身を抱き合って悲鳴を上げるシリューと木場。

そんな中、アーシアだけは、平常運転な受け応え。

                  

「初めまして、アーシア・アルジェントと申しますぅ。」

「ミルたんだにょ!♪」

            

≫≫≫

「…魔法少女になれるなら、この際ついでに悪魔になるのも、構わないそうです。」

 

orz

居た…『real』と書いて、『ガチ』に居た。

このミルたん(本名不詳)、聞いてみたら、子猫の昨日の部活(しごと)の依頼主で、魔法少女に憧れる漢の娘だそうだ。

昨日の夜、訪ねた時の依頼内容が、『ミルたんを、魔法少女にしてほしいにょ!』だったらしく、それで子猫が試しに『悪魔になったら、魔法が使えます。』と言ってみたら、凄く乗り気になったそうだ。

 

そんな訳で今日、リアス部長を訪ねてきたとの事だそうだ。

因みに彼…女は旧校舎へ足を運ぶ前、律儀に学校の事務室を最初に訪れたらしく、来賓プレートを首から ぶら下げていた。

事務室の人達も、ビックリしただろうな。

 

「オカ研に頼る前に、異世界に行くのを薦めるが…」

「もう異世界へは行ってみたけど、ダメだったそうです。」

「行ったのかよっ!?」

部室隣のトレーニング室、ペンチプレスしながら、バイクマシンに跨がる小猫と会話している最中で発覚した事実。

…と言うよりか、異世界転移が出来たりする時点で、既に十分に魔法少女?である気もするのだが…

 

「…シリュー先輩。その辺りは、考えたら負けです。」

…うん。小猫も同じ事を思っていたか。

 

≫≫≫

 

コンコン…

 

「シリューさん、小猫ちゃん、部長さんが部室に来て下さいと。」

「はい。」「ああ、分かった。」

暫くすると、アーシアが呼びに来た。

子猫はトレーニング室の更に隣の空き教室で、俺は この場で汗を拭いて、制服に着替え、部室に向かった。

 

》》》

「さて…皆揃ったわね。」

ミルたんに対して、自分の下僕として人間を辞めて悪魔になる覚悟や、悪魔になった場合の制約…メリット以上にデメリットの是非を確認していたリアス。

そしてシリューと子猫が部室に入った時、リアスの隣にはミルたんが立っていた。

 

それは、即ち…

「皆、今日最初に部室に入ってきた時に、一度挨拶は済ませているだろうけど、改めて紹介するわ。

今日から私達の新しい仲間、兵士(ポーン)のミルたんよ!!」

リアスに、新しい下僕が誕生した事を意味していた。

 

「ミルたんだにょ。

先輩方、悪魔になったばかりで、分からない事が沢山ありますけど、よろしくお願いするにょ!」

リアスの紹介で、部員達に新人として、以前、魔王少女がやっていた様なポーズを決めながら、挨拶するミルたん。

 

「ぽ…兵士(ポーン)って、部長、戦車でなくてですか?」

「ん~、それがね…」

リアスが その件について話し出した。

要約すると、リアスも最初はミルたんを戦車にするつもりだったのだが、その戦車の駒を入れ込もうとしても、直ぐに弾き返してしまう…との事。

 

「残念だけど、今の私の力じゃ、このコを戦車の駒1ヶで悪魔に転生させる事が出来なかったの。」

逆に言えば、戦車の駒1ヶでは、悪魔に転生出来ない程の潜在能力を秘めた人間。

…ならばとリアスは、複数の兵士の駒を取り出し、

「6ヶ…ですか…?」

結果、ミルたんを転生させる為に、兵士の駒6ヶを消費したのだった。

 

「匙君が確か、駒4つ消費したって言ってたよね。」

「ミルたんの勝ちか…(笑)」

          

》》》

「それじゃ早速、彼女のチカラの御披露目と行こうかしら。ミルたん?」

「分かったにょ。

皆、外に出るから、付いて来るにょ。」

 

ひゅん!!

 

「き、消えた!?」

そう言うとミルたんは、瞬時に その場から姿を消した。

 

「お~い、早くにょ~!」

「「「!!?」」」

そう思えば、外から部室に向かって呼び掛けている。

 

「今のは、瞬間移動…ですか?」

「いや、只の超スピードだ。」

「只のって…僕が、全然反応出来なかったんだけど…」

「凄いですわね…本の数分前までは、只の?人間でしたのに…」

「えぇ…あのコ、魔力の使い方を理解しているわ。」

「成る程!今のは駒の特性でなく、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)によって得た魔力を利用した、加速魔法か!!」

「その通りよ。」

そういった会話をしながら、オカ研メンバーも階段を降り、外に出て行った。

 

≫≫≫

「「「「「………………」」」」」

部長に連れられて外に出た俺達は、その儘、旧校舎脇の森の入り口に集まった。

そこにある1本の巨木の前で、既にミルたんがスタンバイしていた。

 

「じゃ、行くにょ。」

俺達が注目する中、巨木を見据えたミルたんは、空手の様な構えを取って、魔力を集中させていく。

 

「「「!!?」」」

そうすると、背中から魔力が溢れ出し、それはミルたんよりも もう2回り位大きな彼?彼女?の姿を象る様に具現化。

そして次の瞬間、

「これが、魔法少女ミルたんの必殺魔法!

マジカル・ドリーミング・エクスプロージョン!にょーっ!!」

雄叫びと共に、2人のミルたんが、巨木に拳を打ち込んだ。

 

どっごーーーーーーーーーーっん!!

 

「直接殴るんかいっ!?」…と、ツッコミを入れる前に、その巨木は拳での一撃二撃によって へし折られると同時に起こった爆発と共に、消し飛んでしまう。

 

「す…凄まじい破壊力ですわ…」

「あの打撃に、爆裂系の魔法効果を付加したと云うのか…」

「み、ミルたんさん、凄いですぅ!」

「…強い!!」

「予想以上だわ…」

その破壊力に、オカ研の皆が 驚きの顔と一緒に感想を述べる。

当然 俺も、驚いた。

 

「ありがとう、グレモリーさん…いや、リアス様!

ミルたん、おかげさまで、本当に魔法少女になれたにょ!!

ぶんぶんぶん…

 

そしてミルたんは感激の涙を零しながら、リアス部長の右手を両手で握り締め、振り回している。

 

「い、いえ…どういたしまして…

これから宜しくね…。」

「あれ、魔法って言っても良いのか?」

「…本人が喜んでいるんだから、問題無いと思います。」

 

》》》

その後、部室でミルたんを加えての、軽いミーティングが行われた。

駒王学園の生徒ではないミルたんは、当然ながら『オカルト研究部』には所属せず、あくまでもリアスの下僕として、放課後の時間帯になると、直接部室に魔法陣転移する事になった。

なお、当面のミルたんの新人教育は、姫島先輩と木場が受け持つ事に決まる。

 

そして…

「ねぇシリュー?今度のゲーム、アナタはアーシアと2人で大丈夫と言っていたけど、やっぱりミルたんも、アナタのチームに加えて貰えないかしら?」

リアスがシリューに、来週の日曜日に執り行われるレーティングゲームに、ミルたんの参戦を提案してきた。

 

 




‡‡‡‡‡【次回予告!!】‡‡‡‡‡
 
「なぁ、1つ聞くが、使い魔と云うのは、悪魔でないと入手出来ないのか?」
「可愛いのが良いですぅ。」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『使い魔、ゲットだぜ!(仮)』
乞う御期待!!
 

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