【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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新章スタート!
 



 
学園壊滅のフェニックス
メイドさん、やって来ました!


◇シリューSIDE◇

ある日の放課後の部室。

 

「だから、この場合は、先にコッチを代入した上でだな…」

「ふむふむ…成る程…」

俺は今、子猫の宿題の手伝いをしてやっている。

「はぁ…」

「「…………。」」

 

 

 

「え?そんなに美味しいんですかぁ?」

「ええ、私の一押しですわ。

今度、一緒に行ってますか?」

「はい!是非!!」

アーシアと姫島先輩は、何やらスイーツの店?に繰り出す相談をしている様だ。

そう言えばアーシアは この前も、トーカと そっち系の店に行っていたとか話してたな。

まあ、アーシアって、少し前迄は教会勤めで かなり禁欲的な生活を送ってきたらしいし、ああいった女の子らしい?日常を過ごせる様なったのは、良い事だ。

それから小猫?

あの会話に参加したいのは解るが、とりあえずは目の前の宿題、片付けてからな?

「はあぁ…」

「「………………。」」

 

 

 

因みに木場は現在、部活(しごと)で外に出ている。

 

「はぁああ~~~~~~~~~…」

「「「「…………………。」」」」

 

 

 

「はぁあ~~

「リアス部長?」

「はい?」

「…えっと、『部長、何か あったんですか?』って聞いて欲しいんですか?

それなら そうだと言って下さい。」

「な、ななな…!?」

そんな中、職員室の教師でさえ使わない様な、見るからに役員御用達な高級デスクに着き、如何にも「私 今、凄く悩んでいます」…な感じで さっきから何度となく溜め息を零しているリアス部長。

最初は皆、敢えてスルーしていたのだが、余りにもウザ過g…失礼、気になり過ぎて、女子3人が、部室内現状唯一の男子の俺に対して「何とかしなさい!」…の様な、半ば脅す様な視線を浴びせかける。

仕方無く声を掛けみたら、リアス部長、顔真っ赤で動揺しまくり。

 

「「「…………………。」」」

そして、ジト目で俺を見るアーシア達。

 

「あらあらあらあら?」

「し、シリューさん、もう少し、ソフトに言ってあげても…ストレート過ぎますぅ…」

「…流石に今のアレは、有り得ません。

デリカシー無さ過ぎです。」

…何故だ、解せん。

 

「はぁ……よ、よし!!ねぇ、シリュー?」

この不条理な集中放火を浴びせられてる中、リアス部長が何やら意を決した様な顔で、俺に話し掛けてきた。

 

「お、お願いシリュー!私の恋人になっt

「嫌です。」

「はぁ!?」

 

》》》

「お、お願いシリュ~~~っ!!」

「えぇい!脚を放せ、脚を!!」

半泣き顔で己の脚に しがみつくリアスを、何とか振り解こうとする、顰めっ面なシリュー。

そこには既に、オカ研の部長と部員の間の礼等は存在しない。

                  

「其方の御家事情に、俺を巻き込もうとするな!」

「な、何故、判ったのよぉ?」

「解らいでか!!」

御家事情…その言葉で、まるで全てを見透かしている様なシリューに、驚愕するリアス。

 

「あ~らあらあらあら?」

「はわわわわわわ…」

「…ふむ。」

その様子に、三者三様な反応を見せる、残りの女子部員達。

 

「どうせ、親同士が勝手に決めた、縁談を破棄したいから、俺に恋人役を演じて欲しい…そんな所でしょうが?」

「えー、そーよ!全くその通ーりよっ!!」

完全な図星に、泣き顔な逆ギレでリアスは応えるのだった。

 

》》》

「全く…そういう事なら、俺よりも木場の方が…」

「で、でも、祐斗は既に私の眷属として、それなりに顔が知れてるし、今更感が…」

「いやいや、『人間』であり『赤龍帝』である俺の方が、もっと ややこしくなるでしょうが…

それに、それで俺と悪魔側の関係がギクシャクするのは…違いますか?

グレモリー家の次期当主候補筆頭殿?

大体 俺には、可愛い可愛い彼女が居るの、知ってるでしょ?」

部室の3人掛けソファーの真ん中に、悪人顔でハリセンを片手に、"でん!"と ふんぞり返って座り込むシリュー。

 

「あらあらあら?」

「最後のが、本音ですね。」

「…てゆーか、然気に惚気ています。」

「ゔぅ…ゴメン゙ナザイ…」

そして その前に置いてある応接テーブルの上で、まるでギャグマンガの補正が掛かったかの様な、大きな たんこぶを頭に作り、うるうると涙を流しながら正座しているリアス。

先程も触れたが、既に そこに、部長と部員の上下関係は無いに等しかった。

 

「…最初は私も、『好きな人が、付き合ってる人が居るから、結婚は無理!』…で、済ませようと思ったの。

でも、『それなら どんな男か?』って、家の遣いの者が、私の『相手』を見に来るって話になってしまって…」

「はぁ…そんなの、普通に想定出来る展開じゃないですか?

…で、部長?見に来るって…それって、何時の話なんですか?」

「………。」

諦め顔なシリューの質問に、リアスは壁に掛かっている時計を見ながら、

「きょ…今日の4時…」

恐る恐るな表情をしながらのリアスの応えに、シリューが その時計を見てみると、時刻は既に3時58分を指していた。

 

「…………。」

視線を時計からリアスに戻したシリューは

「部長、知っていますか?

達人は、只の布の鉢巻きに己の『氣』を通す事により、鋼の刃の如く扱うと言う…」

そう言って、右手に持った張り扇を、天高々と掲げる。

 

「…い、いや…ゴメンナサイ、シリュー、は、ハリセンは嫌ぁっ!!」

 

すぱかーん!!

 

直後、部室内に澄み乾いた音が響き渡るのだった。 

そして更に その直後、部室に銀色の魔法陣が浮かび上がる。

 

「失礼します、リアスお嬢様。」

「グレイフィア…」

そこから姿を現したのは、見た目は20代前半の、メイド服を着た銀髪の美女。

 

カタッ…

 

リアスがシリューに説教されているのを茶請けにしながら、紅茶を啜りながら見ていた女子部員。

 

「??」

しかし、朱乃と子猫が、このリアスにグレイフィアと言われた女性を見ると、突然立ち上がり、一礼する。

アーシアだけは、何が起きたのかは判らず、単に その様子を見ているだけだった。

 

◇シリューside◇

「始めまして、赤龍帝様。

…と、その御付きの方。

私、グレモリー家のメイド長を仰せつかっております、グレイフィア・ルキフグスと申します。以後、お見知り置きを。」

「赤龍帝…神崎孜劉だ。」

「ア、アーシア・アりちぇっはぅ!?

す、すいません、アーシア・アルジェントですぅ。」

リアス部長からの紹介で、初対面な俺達に、丁寧な挨拶をしてきたグレイフィアと名乗る女性。

それに対して、俺と、一応は俺の部下として、悪魔側にポジショニングしているアーシアも、簡潔ではあるが名乗り応えた。

アーシア噛みっ噛みで。

 

「それで、リアスお嬢様?

貴女と懇意な殿方とは、どちらに?

見た所、この部室に男性は、赤龍帝…神崎様しか居られませんが…!!まさか?」

「………………………。」

このメイドさん…グレイフィアさんが、此方に目を向ける。

…が、俺は敢えて、肯も否もしない。

余計な事は、何も喋らない。

この場を如何に上手く誤魔化し納めるか、リアス部長?アナタの(キング)としての資質、拝見させて貰いますよ?

  

「そ、そうなのよ、グレイフィア…

じ、実は私、そのシリューとt

「はぁ~…神崎様…この度はリアスお嬢様が、大変御迷惑をお掛けしました。

グレモリー家の者として、お詫び申し上げます。」

「ちょ…グレイフィア!?」

…一瞬でバレた。

俺に対して、グレイフィアさんが深々と頭を下げる。

 

「…御付きのアーシア様にも、本当に申し訳ない事を致しました。

神崎様には、貴女の様な素敵な方が傍らに居られるにも拘わらず、この様な茶番に巻き込んでしまいまして…」

「え゙…?いえ、わわ私はシリューさんとは、べ別に、しょんな関係ではなくて、しょの、ゑζю§☆£ヱ‰∂(ΨзΨ)∽ゐΘΞ‡¶ヰψφ…」

「アーシア、落ち着け!」

更にはアーシアにも謝罪するが…と、同時に、何か物凄い勘違いをしてしまったみたいだ。

その辺りの誤解だけは、絶対に解いておかないと…

そう思いながら俺は、とりあえず目の前でテンパってる この金髪娘と、この一連の やり取りを茶請けに、ニヤニヤと ほくそ笑みながらながら紅茶を飲んでいる白髪のチビッ娘の頭に、一発ずつ御見舞いする事にした。

 




 
すかぱーん!x2

「痛ひ…(>_<)」
「うぅ…痛いですぅ…(T_T)」
「黙れ!!」
 
≡≡≡≡≡次回予告!!≡≡≡≡≡
 
「「ば~らばら!ば~らばら!!」」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『紅蓮の翼!フェニックス!!(仮)』
乞う御期待!!
 

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