はい、こーしんっ
大学の出席日数と単位は足りているから今日は休むとして、最低限の知識しかない紫陽花にネット等を駆使して知識を教えて、これからの彼女の常識の土台になればと思う。勿論俺が知らない女性として必要な知識は、家主から教えてもらう予定だ
通っている大学には俺本人が連絡するのではなく、彼女にしてもらった。サボったことがある人は分るかもしれないが、本人が電話するよりも保護者が電話したほうが説得力がある。当たり前な話だけど保護者は離れて暮らしている。俺が電話できない以上彼女に電話してもらうしかないのだ。
彼女に電話してもらったその日の夜
「紫陽花、お前は生まれたてというのは分かってるな?」
「はい、お父様」
俺の真剣な表情に、紫陽花も自然と真剣になる。ただし、俺の胡坐の上じゃない場合に限る
「だから今からお前に色々この世界について教えようと思う」
俺が詳しいとは言っていない
「はい。ありがとうございます、お父様♪私、先ほどテレビを見ていて、いくつか分からないことがございましたので、とてもありがたいです♪」
「じゃあそのテレビで分からないことから聞こうか。なにが分からなかった?」
「はい♪男性、女性というのは分かるのですが、その中間が分からないのです。アレはいったい何でしょうか?」
・・・・・・イキナリそれかっ!まぁ正直俺でも分からない存在だ
ネットで調べたところ。 人は、『自身がどの性別に属するかという感覚、男性または女性であることの自己の認識』を持っており、これを性同一性という。大多数の人間は、身体的性別と性同一性を有するが、まれに自身の身体の性別を十分に理解しているものの、自身の性同一性に一致しない人々もいる。そうした著しい性別の不連続性を抱える状態を医学的に性同一性障害という。By.wiki先生
「簡単に言えば、女性の身体でも心は男性。男性の身体でも心は女性。そういう生き物だ」
簡単に説明するには噛み砕いて伝えるしかなかったんだ
「まぁ!そうなのですか・・・。大変なのですね・・・。これで疑問が解消されましたわ♪」
「なんか説明になっているか怪しいが、他に聞きたいことはあるか?」
「はい♪空はどうして青いのでしょうか?赤でも綺麗だと思うのですが・・・」
・・・・・・・PCがあるからPCで調べろと言いたいのは現代っ子の弊害なのかっ
紫陽花に使い方を教えれば勝手に・・・・・・最初からそうすれば勝手に調べたのでは?
・・・・・PCの使い方を教えよう
翌日
「お父様♪おとうさまー♪おっとうさまっ♪」
可愛いなコンチクショウ!
結局PCの使い方を覚えられなかった紫陽花である
まぁ今の時代、スマホが簡単なPCみたいなものだし?紫陽花はスマホが使えるからパソコンは覚えられなくてもいいな
さてと、とりあえず昨日の続きで俺の常識でも教えて見ますか
「紫陽花、おいで」
「はい♪お父様♪」
さて――――
♪チャン、チャン、チャララン♪
奴かっ!
この詐欺師が!何度俺の邪魔をすれば気が済むのだっ!
ムカつくから紫陽花に敵だよ と教えよう
「・・・・・・・・・・・紫陽花、一つ教えよう」
「はい、お父様」
おぉ、真剣な表情もまた・・・・ゲフンゲフン
「このメールの相手は全部敵だ」
「メールの相手全部ですか?」
「ああ、今時知り合いはメールなんて一切使ってない。メールが来るのは迷惑メールだけだ」
「はい分かりました♪」
「ほ~ら、おいで」
「はい♪」
俺のモモに座らせていた紫陽花を寄らせて、胸に抱く
・・・・・・・・・・俺こんなことしたらダメじゃないか。ただでさえ小さい娘に好かれやすい体質なのに。いや可愛いからいいんだけど、こう見えても巨乳も貧乳も奇乳もイケルし
一応作品だし、丁寧に扱わないといかんな。そもそもこの紫陽花はまだ知識が足りないんだから変な事を教えないようにしないと
紫陽花を落ち着くように抱き寄せる
「ほぁ・・・・安心しますぅ~」
ロリコンでもいいから、この娘可愛いって言いたい
「今日は簡単に俺が教えたけど、基本的に紫陽花に挙げたスマホで調べ物をしてくれ」
「はい♪」
「一応保護者機能は付けてあるけど、変な事は調べるなよ?」
「お父様、変な事とはいったい・・?」
「あ、うん。その、変なところに行きそうになったらスマホが止めてくれるから、気にしないで」
「はい♪」
なんとか誤魔化せたか?それとも興味湧かなかったか?まだ紫陽花にR指定は早すぎだ
じゃあひと段落した所で今日の朝飯を今から作らないと
「紫陽花は朝飯は食べるか?」
「い、いえ。私は所詮人形ですので・・・・・」
自分で人形って言っておいて落ち込むなよ。それ以外に表現のしようがないけど
「紫陽花は一応食べ物を中に入れても問題ないはず。味も感じるし、食べている触感も解る」
「ま、まぁ♪それではお父様!私、お父様の手料理を食べてみたいです♪あ、勿論お手伝いもさせていただきます♪」
うっわぁ、一気にテンションがMAXになりやがった
「じゃあ一緒に作る?」
「はい♪」
朝食後
「お父様は、思っていた以上に手先が器用なのですね♪」
「いや、誰が紫陽花を作ったと思ってるんだよ」
「勿論お父様です♪作られている時は私、というものはまだこの世に存在しておりませんでしたが、お父様が優しい指つきで、まるで宝石を扱うかのように私の身体を磨いてくれた事は、感じておりました」
「お、おう」
紫陽花は俺の朝食を作るときの手つきが、自分を作ったときに感じていた感覚と似ていたことを勘付いたらしい。とは言ってもまさか生まれる前の感覚なんてよく知ってるな。元がよく分からないローゼンメイデンっていう人形の特性なのかもしれない
紫陽花の性能的には影響がないはずだ。完成させた今ではその性能を測定する器具等が無い為測ることはできない。そもそも計器があっても、測定なんて曖昧な数字しか出ないのは分っているのでやるだけ無駄だけど
何故ならこの紫陽花はどういうわけか生まれたばかりだというのに自我が完成しており、感情も整っているからだ。俺も原因が知れない
いや、まじでなんでだろう?よし、あれだ。ローゼンメイデンを元にしてるからでいいよな。脳みそなんてない筈なのに、自我があって思考力もあるなんて・・・・・ローゼンメイデンを・・・・元に、してる、からだって・・・・・(ガクブル
ぉぉ、こわっ
「お父様?どうかされましたか?」
「うぉっ!いやいやいや、うん。何でもないぞ、なんでも・・・」
紫陽花は可愛いから別腹だ別腹。ホラーと思っちゃいけない
でも存在はホラーだよな?
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