名探偵コナン〜小さくなった女探偵〜   作:桂ヒナギク

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2.バット

 帝丹小学校。

 一年の某教室に、聡美はいた。

 先生が聡美の紹介をしている。

「じゃ、席に着いて」

 聡美はコナンの隣に座った。

「よろしくね、(新一くん)」

 コナンは驚いた顔をする。

「その顔は驚いてるね。私もあなたと同じなのよ」

「同じ……?」

「アポトキシン4869。飲まされたのよ」

「え?」

「そう言うことだから、よろしくね」

 聡美は笑みを浮かべた。

 

 

 昼休み。

 小嶋 元太(こじま げんた)円谷 光彦(つぶらや みつひこ)吉田 歩美(よしだ あゆみ)が聡美の元に集まってくる。

「坂上さん、僕たち、少年探偵団なんですけど、仲間になりませんか?」

「少年探偵団? ああ、噂には聞いてるよ。でも……」

「でも?」

「入る気は無いわ」

「えー?」

「おめえ冷てえやつだな」

 と、元太。

「私は一匹狼なの」

「一匹狼ねえ……」

 と、呟くコナン。

 その時、どこからともなく悲鳴が聞こえる。

 聡美とコナンは悲鳴の元に駆けつけた。

「先生、何が遭ったの!?」

「こ、校長先生が……!」

 と、校長室の中に向かって指を差す教員。

 部屋の中を覗くと、校長の上山(かみやま)が頭から血を流して絶命していた。

 聡美は110番で警察を呼んだ。

 捜査員がやって来て、鑑識作業が始まる。

 部屋の外では、目暮(めぐれ)警部たちが第一発見者の教員から話を聞いている。

 やがて鑑識作業が終わると、コナンと聡美は中に入った。

「おーい、コナンくんにお嬢ちゃん」

 と、目暮警部。

「勝手に入っちゃいかんよ」

「でも、鑑識作業は終わったでしょ?」

「君には世話になってるし、ま……いいか」

 目暮警部は教員との会話に戻る。

「ん?」

 聡美が閉じられているカーテンの裏の、中央が丸く割れた窓ガラスに気付く。

「江戸川くん」

「何だ?」

「これ」

 コナンも割れた窓ガラス見る。

「鑑識の前に部屋を見たけど、ボールなんかなかったぞ?」

「でも、これって……」

「確かにボールの痕跡(あと)だな」

「いたずらっ子の誰かがボールを外から中へ投げて、それが校長の頭に当たった?」

「ねえ、先生!」

 コナンが第一発見者の教員に訊ねる。

「これっていつできたの?」

「それは先週、体育の時間に野球をやって、バッターの打ったボールが当たったんだ」

「ふーん」

 聡美は窓の外を見た。

 血のついたバットが地面に倒れている。

(あれが凶器?)

「目暮警部!」

 聡美が言う。

「凶器が外に!」

「何だって?」

 目暮警部が窓の外を見た。

 地面までの距離は5メートルほど。ここは二階なのだ。

「高木くん!」

「はい!」

「大至急、あのバットを回収して鑑識に回すんだ」

「わかりました!」

 高木刑事が駆け足で外へ向かっていった。

 外で高木刑事がバットを回収する。

 


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