やはり俺のToLOVEるな日常はまちがっている。   作:スキート

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トラブル3 二人の距離

 隣の部屋の騒音で俺は目を覚ます。俺が部屋を出ると…。

 

「お邪魔しました」といいリトの部屋から出てきた美柑とあった。

 

「おはよー、八兄」

 

「おはよう」

 

「ご飯出来てるよー」

 

 俺と美柑は何か騒がしいリトの部屋を後にし、下に降りた。

 

 

 

─×─×─×─

 

 

 

 俺は今日、日直なのでリトよりも早く家を出た。

 

 教室に着き、黒板を見てみると…

 

  日直

 ────

  西|比

  連|谷

  寺|谷

 

 と書かれていた。くっ!リトに申し訳なさすぎる。

 

 そう考えていると西連寺に見られてる気がした。

 

 

 

─×─×─×─

 

 

 

 放課後

 

 絶賛俺は西連寺と黒板消し中である。隣に西連寺がいるが勿論会話は無し。特に仲がいいわけではないので必要最低限の会話しかしない。べ、別に人と会話ができないわけじゃないんだからねっ‼︎ …結論、俺がやってもキモいだけだった。

 

 そのまま放課後まで何も話さないまま日直の仕事が進んだ。そして、日直の仕事をしている途中、西連寺が話しかけてくる。

 

「比企谷くんってさ…、中学のころ虐められてたよね…」

 

「そ、そうだがどうした?」

 

 痛いところをついてくる西連寺。

 

「結城くんが花壇荒らしたって濡れ衣着させられた時にさ、比企谷くんは自分がやったって言ったよね?」

 

「ああ」

 

「私さ、その時、胸がとっても苦しかった。何でこの人は自分を犠牲にしてまで人を助ける勇気があるんだろうって…」

 

 俺はそれっきり黙ってしまう。

 

「それはさ、比企谷くんの優しさだと思うよ…」

 

「人が普通できないことやってのけちゃう比企谷くんのことを私はずっと見てた。その時、私は比企谷くんのことを好………」

 

 ボフンッと顔が一気に赤くなる。

 

「き、聞いてた?」

 

「い、いや、何も聞いてないでしゅ」

 

 か、噛んだ。なんてこった。

 

「ふ、ふふふ」

 

 俺が噛んだことが面白かったのか西連寺は笑う。多分俺は今、耳も真っ赤だろう。

 

「早く、仕事終わらせちゃおっか」

 

「ああ、そうだな」

 

 

 

─×─×─×─

 

 

 

 仕事が終わり俺らは下校する。まぁ案外会話が繋がらないものですなぁ。

 

 ポタッ、ポタッ

 

「ん? 雨か?」

 

「そうみたいだね」

 

 すると雨は一気に勢いを増し、大雨になる。

 

「走るぞ、西連寺!リトの家の方がすぐそこだから行くぞ!」

 

「う、うん!」

 

 結城家に着くと俺は西連寺を家に上げる。

 

「ただいまー、はぁはぁ」

 

「お、お邪魔します、はぁはぁ」

 

「おかえり、八幡…って西連寺!?」

 

「家に上げていいよな?」

 

「も、勿論!」

 

「西連寺、風呂に入ってこい」

 

 西連寺を家に上げると俺は西連寺を風呂に促す。

 

「へっ!?でも比企谷くんが先で…」

 

「服透けてる…」

 

 そういい俺は西連寺から目をそらす。あとリトも。

 

 西連寺は「ひゃあっ!」と声を出し、お風呂場に駆け込む。

 

「なぁ、八幡、どういうことだ」

 

 ドス黒いオーラを出したリトがいつの間にか立っていた。

 

「い、いや、日直で一緒で、帰り一緒に帰ってたら雨が降ってきて、そのまま家に…」

 

 だがリトが放っていたドス黒いオーラが光のオーラに変わる。

 

「ナイスだっ!」

 

 

 

─×─×─×─

 

 

 

「ただいまー」

 

 俺が風呂から出ると美柑と小町が帰ってくる。

 

「お、お邪魔してます…」

 

 二人に西連寺が申し訳なさそうに挨拶する。

 

「どうも!お兄ちゃんの方ですか?リト兄の方ですか?」

 

「お兄ちゃんの方かな?」

 

 小町と西連寺の謎の会話プラス謎の?である。話の内容が意味わかんない。

 

「ごみぃちゃんのくせにやるじゃん‼︎小町は感動したよ‼︎」

 

「何が?」

 

 そんな会話を小町と繰り広げていると美柑が俺をじと目で見ているので美柑に話しかけてみる。じと目可愛いな」

 

「へっ!?」

 

 すると美柑の顔が一気に赤くなる。

 

「何だ?美柑、熱か?」

 

 そして俺は自分のおでこを美柑のおでこに当てる。そんな熱くは無いなと思っていると美柑は俺の元から離れ、ダッシュで部屋に戻って行く。俺、変なことしたか?

 

「あちゃー、ごみぃちゃん、あの年は色んなことを考える年なのに…」

 

 小町が呆れた顔をし、西連寺がじと目でこちらを見ていた。っていうか西連寺もじと目可愛いな」

 

「ひゃう…」

 

 あれっ?西連寺も顔が赤いなと思い、俺は自分のおでこを当てようと思い近づこうとするが、家族じゃない子にやったら何か訴えられそう。

 

 西連寺は名残惜しそうな顔をする。

 俺は鈍感じゃないから分かるが。

 

「そうそう、西連寺さん、今日もう雨止まないらしいですよ」

 

「じゃあ(うち)の傘貸してやれ」

 

「えっ?お兄ちゃん、(うち)に傘ないよ?」

 

 こやつ、は、謀ったな。

 

「じゃあ私はどうすれば…」

 

 西連寺が戸惑いの声を出すが小町が容赦なく「泊まっていってください」と告げる。西連寺は顔を赤くし、リトは小さくガッツポーズ。

 

 

 

 そういうわけで西連寺は家に泊まることになった。

 

 

 

─×─×─×─

 

 

 

 何か柔らかいものが俺の中にある。しかも両手。

 

 もにゅ、もにゅ

 

 まさか、この音は…。嫌な予感しかしない。

 

「あんっ…ひゃあ…」

 

「んっ、比企谷くん?ってひゃああああああ」

 

「す、すまん西連寺」

 

「比企谷くんならいいよ」

 

 俺はそんな言葉がボソッと聞こえた。俺は鈍感でも無ければ難聴でもない。只々、今の状況を壊したくない。西連寺は嘘をつく子ではない。

 

 俺は人の好意が怖い。何か裏があるのではと裏読みしてしまう。

 西連寺はそんな奴ではないからこそ俺なんかのこと好きにならなくて良かったのに…、俺には西連寺に好きになってもらう資格なんてものはないだから。

 

 

 

 …んで、何で西連寺は俺の布団にいるの?

 

 

 

 

 




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