ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。 作:ゔぁいらす
今年もゆるりと投稿を続けていこうと思っていますのでどうぞよろしくお願いいたします。
聞きなれないアラームの音が俺を目覚めさせた。それに布団に違和感がある。
寝慣れたいつもの布団よりも少しごわごわしていてほんのりとタバコの臭いとそれとは違う何かいい匂いがする布団で俺は眠っていたようだ。
体を起こし目を擦って見渡してみるとそこは雑に積まれた雑誌やらゴミが詰まったスーパーのビニール袋やら転がっていてお世辞にも綺麗とは言えない部屋だった。
それにいつもは吹雪と一緒に寝ているはずなのだが今日は何故か金髪の美人が同じ布団で気持ちよさそうに眠っていて、彼女が寝返りを打つと髪の匂いだろうか?ほんのりといい匂いが俺の鼻をかすめる。
良い匂いだ・・・きっと良いシャンプー使ってんだろうなぁ・・・
「ってそうじゃない!」
少しの間そのいい匂いと綺麗な髪に惚けていたが冷静に考えるとなんで隣で寝てるんだ?
昨日の晩何やったんだっけ!?
眠気で思考が働かずとりあえず布団から飛び出すとそれに気づいたのかぐっすり眠っていた彼女が目を覚ました。
「んぅ・・・?あらおはよ・・・昨日はよく眠れた?」
彼女はむくりと体を起こすとまだ目覚めきっていないとろりとした眼でこちらを見つめてきた。
「あ・・・・え・・・・・は、はい・・・おはようございます・・・・」
誰なんだよこの美人!!!
思い出せ!思い出すんだ俺!!
「提督・・・?どうしたのそんな焦って?もしかして朝勃ちしちゃってる?やっぱり元気ねぇ・・・私最近朝勃ちしなくなってきちゃったから若いのって羨ましいわぁ・・・」
彼女の口からそんな言葉が発されて寝ぼけていて定かではなかった俺の記憶も徐々にはっきりとしてきた。
「あ、愛宕さん・・・!?」
「んもぉ〜そんな驚かなくてもいいじゃない!昨日はありがとね♡」
そうだ思い出したぞ!!ここは愛宕さんの部屋だ!それで今俺を見つめて居る美人は愛宕さん
なんで俺が愛宕さんの部屋で寝てるかって?
それを話すには昨日まで遡る必要がある。
俺たちは高雄さんが出張でいない初日を連装砲くんとかいうよくわからない来訪者も現れはしたがなんとか終えて2日目に差し掛かり昨日同様高雄さんがどれだけ俺や大淀のために毎日働いてくれて居たかをひしひしと感じながらせっせと書類整理を始めていた。
今日も高雄さんの代わりに愛宕さんと金剛が手伝いにきてくれている。
金剛が仕事の容量を掴んだおかげか昨日よりも楽に書類の整理を終えることができた。
そして一通り仕事を終えると昨日と変わらず愛宕さんは魂が抜けた様に机に突っ伏している。
いやなんか昨日より悪化してないか?
なんというか元気がないというか心ここに在らずって感じだ。
「・・・うう・・・高雄早く帰って来て・・・・」
愛宕さんはそんな切実な言葉を洩らしていた。
「愛宕ったらだらしないデース!ほら今日も紅茶入れたから元気出してくだサーイ!」
金剛がそんな愛宕に昨日と同じ様に紅茶を入れて愛宕さんや俺たちに配ってくれた。
やはり奥で大淀は悔しそうに金剛を睨みつけている。
いつもの仕事を金剛に奪われたのがよっぽど悔しいんだろうか?
たしかにこの紅茶は金剛が気合いを入れて作っていることもあってすごく美味い。
でもその・・・・大淀の紅茶は金剛が淹れた紅茶とは別の意味で美味しいというか・・・
金剛の紅茶をおいしくいただきつつも大淀の淹れてくれる紅茶が恋しかったりもする。
そうこうしているうちに海水浴場警備の時間になり朝の担当の艦娘が執務室にやって来た。
今日の朝の警備担当は昨日に引き続きの天津風と那珂ちゃんだ。
「提督ぅ〜おっはよーございまーす!今日も那珂ちゃんがんばっちゃうよ〜」
「おはよう」
那珂ちゃんはいつも通りだが天津風は昨日と打って変わって元気そうでその胸には連装砲くんを大事そうに抱きかかえている。
そんな連装砲くんに昨日みぞおちに一発食らったことを思い出すと少し腹が痛くなってきた。
「うわぁ!もしかして結局昨日の晩からずっとべったりなのか」
「ええそうなの!ねえ聞いてくれる?この子すっごく可愛いの!言うこともちゃんと聞くしお手だってするのよ!?どこかのだれかさんより賢いかもね」
天津風はペット自慢をする様に連装砲くんのことを嬉々として俺に話した。
どこか連装砲くんも俺に対して勝ち誇った表情をしている様に見える。
昨日の一件で完全に俺のことを下に見てるのか?
てか一体どんな原理で動いてるんだよ!
それにしてもあいつずっと天津風の胸にひっついてるよな?
もしかしてわざとやってるんだろうか・・・
そう思うとあの得体の知れない物体が末恐ろしさすら感じる。
「一言余計だ! ところで天津風、連装砲くんと遊ぶのはいいけど昨日はちゃんと寝れたのか?」
「ええ!この子と一緒に寝たのよ!」
天津風が連装砲くんの頭を撫でると連装砲くんは嬉しそうに見えなくもないそぶりを見せた。
でもこれは突っ込んではいけない様な気がするし誰も答えを知る者は居ないだろうし黙っておこう。
「はぁ・・・二人とも朝から元気ね・・・若いって羨ましい・・・」
愛宕さんはそんな二人を見てそんなことを洩らしていた。
「こほん・・・・とりあえず昨日はちゃんと寝れたんならよかった。那珂ちゃんもしっかり頼むぞ」
「はーいっまっかせて!那珂ちゃんと天津風ちゃんのデュオで海水浴場を守り抜いてあげるんだから!それじゃあ行ってきまーす!天津風ちゃんもいっくよー!」
「あっ、那珂さん待ってください!・・・・それじゃあ提督、あたしも行ってくるわね!」
「あ、ああ・・・行ってらっしゃい」
足取り軽やかに執務室を後にした二人を俺は見送った。
なんだか天津風の表情が以前より明るくなった気もするしそのことを考えたら連装砲くん様様なのかもしれない。
「あ、あの提督・・・」
「なんだ大淀?」
「あのロボットみたいなのは一体なんなんですか?」
「あー・・・あれな・・・・」
大淀は連装砲くんのことが不思議だったらしく俺は昨日起こったことの一部始終を話した
「あーそういえばそんな艤装がうちに来るみたいな資料を読んだような・・・でもまだ調整済んでないんですよね?大丈夫なんでしょうか?」
「うーん・・・詳しくは高雄さんから直接天津風に伝えてるっぽいから大丈夫なんじゃないか?なんか俺連装砲くんに嫌われてるみたいだし」
「そうですか・・・それでは私は朝食頂いて来ます。提督はどうされますか?」
「ああ俺もまだだし朝の仕事もだいたい片付けたし食べようかな」
「それならワタシ達に任せてくだサーイ!ワタシもケンと一緒にご飯食べたいけどもう食べちゃったしここはオオヨドに譲るネー!だからここはワタシと愛宕に任せてヨー!!」
「あ、ああわかった。それじゃあお言葉に甘えて朝飯食って来るよありがとう金剛」
俺は金剛に礼を言って大淀と朝食を取りに食堂へ向かった。
いつもは簡単なものを愛宕さんが作ってくれたりしているのだが今日はテーブルにカップスープと菓子パンが何個か置かれているだけだった。
愛宕さん飯作ってる暇もないし仕方ないか・・・
とりあえず俺たちはその中から好きなものを選んで席に着いた。
この時間駆逐艦達はもう演習に行っているし阿賀野は高雄さんから直接医務室の番を頼まれていて誰もいないのでいつもに比べたら少々寂しい朝食だ。
大淀と二人きりだし悪い気はしない。
そうだ。紅茶のことを今伝えよう。
このタイミングを逃したらずっと言えなさそうだ。
「なあ大淀」
「・・・何?」
そう返事をした大淀からはやっぱりどこか元気がないというかヘソを曲げてるような印象を受ける
「金剛の紅茶どう思う?」
「どうって・・・・美味しいよ。悔しいけど」
「だよなぁ」
「私の淹れる紅茶なんかよりずっと美味しいでしょ?私の紅茶なんか・・・」
「ああいやそういう事じゃないんだよ」
「えっ?」
「確かに金剛の紅茶も美味しいけどさ・・・お前のはなんというか・・・特別なんだよ」
「特別?」
「ああ。えーっと・・・なんて言ったらいいんだろ・・・その・・・・あれだ。おふくろの味みたいな感じの!」
「ふふっ!もう!私は謙のお母さんじゃないよ」
さっきまで曇っていた大淀がクスリと笑ってくれた。
「あ、ああそうだな・・・でも大淀の紅茶は毎日飲んでた訳だしなんというか朝の一仕事終えた後にお前が俺のこと想って俺のためだけに淹れてくれてるのが嬉しくてさ・・・・だから高雄さんが帰って来たらまたお前の紅茶飲ませてくれるか?」
「・・・うん!謙がそう言ってくれるなら何杯だって作ってあげるしもっと上手に淹れられるようになるね!」
よかった。
機嫌を治してくれたようだし高雄さんが帰って来るのが一段と楽しみになった。
そしてその日もなんとか業務をやりとげ、その日最後の警備を終えて帰ってきた吹雪と夕食やら風呂やらを済ませていつもより早めに寝支度に入ろうとしていた。
「吹雪、今日もお疲れ様 明日もあるんだし今日もゆっくり休めよ」
「うん!今日も異常はなかったからただ見回るだけだったけど何もないって一番良いことだよね!明日も頑張らなきゃ!おやすみなさいお兄ちゃん」
「おやすみ吹雪」
いつものように吹雪と挨拶を交わしてから電気を消してベッドに入ると吹雪が隣に潜り込んでくる。
この時期1人用のベッドに2人で寝るのは少し暑くて寝苦しいがそれでも吹雪の気持ち良さそうな寝顔を見れるのでそれくらいは我慢できる・・・と言いたいところだけど流石に暑くてねれる気がしないので吹雪が寝たのを見計らって枕元に置いてあったリモコンでこっそりクーラーの温度を2度くらい下げた。
それからしばらくしてドアをノックする音が聞こえてきた。
いつもより寝るのが早いとはいえもう夜の10時過ぎだ。
それに明日の予定に関してももう夕方にしっかりみんなに伝えたはずだしこんな時間に誰だろう・・・・?
俺は吹雪が起きないようにベッドから出てゆっくりとドアを開けてみると
「はぁい提督♡まだ起きてる?」
可愛らしいベビードール?って言うんだろうかそんな感じの服を着てメガネをかけた愛宕さんがドアを開けた先に立っている。
その少し透けて肌が見えるほどの薄い布にこぼれ落ちそうな胸に一瞬で目がいってしまい俺は思わずドアを閉めた。
な・・・なんで愛宕さんがあんな服着て俺の部屋の前に!?
それになんだよあの胸・・・夜に見るには刺激が強すぎるだろ・・・
しかもなんかいつにも増して色っぽくなかったか!?
・・・って愛宕さんは男なんだぞ?俺が男の胸に欲情なんてするわけが
というかあの格好でここまで来たのか?
誰かに見られてたら絶対明日変な目で見られる・・・
一体なんのつもりなんだ!?
「もー!急に閉めることないじゃないの!あけなさーい!」
そんな愛宕さんの声がドアの向こうから聞こえてくる。
吹雪を起こすわけにもいかないので俺はしぶしぶもう一度ドアを開けたがそこにはさっき見たのと変わりない愛宕さんの姿があった。
やはり透けた生地からあふれんばかりの胸・・・
もはや凶器と言っても良いほどに俺にとっては刺激的な姿だ。
生地からうっすら透けたパンツが異様に膨らんでいる事でなんとか愛宕さんをギリギリ男だと認識して平静を保っていられる。
「何ですか?もう寝ようと思ってたんですけど・・・吹雪が起きちゃうじゃないですか・・・それに何ですその格好は?消灯してるとは言えそんな格好で宿舎うろつくとか痴女・・・いや痴漢ですよ!」
「もぉ〜ひっどーい!せっかくおしゃれして来てあげたのにぃ〜」
愛宕さんはいつもの何割かあざとくそう言ってきた。
たしかに愛宕さんの部屋着は何回か見たことがあるが基本的にはスウェットをだらしなく着ている印象しかなかったしついこの間完全に男モードだった愛宕さんを見たばかりだったこともあって本当に同一人物なのか疑いたくなるなぁ・・・
「で、何の用なんですか?」
「えーっとね お姉さんの晩酌に付き合ってくれないかしら?ふふっ♪」
「はぁ?晩酌ってもう晩ご飯食べたじゃないですか!それに愛宕さんはお姉さんと言うよりはおに・・・」
「あぁ?なんだって?」
「ひっ!な、なんでもないです」
途中まで言いかけたところで愛宕さんはさっきまでとは声色を変えて俺を威圧してきたのでそこで言うのをやめた
「と、とにかく愛宕さんだって明日も朝早いんですからこんな夜中からお酒飲んだりしないでくださいよ!また二日酔いになっても知らないですよ?」
「え〜いいじゃない 今夜はベロンベロンになるまで飲んだりしないからぁ〜ちょ〜っと一緒にいてくれるだけでいいからぁ〜」
そう言った愛宕さんの息はほんのり酒臭かった。
この人既に何杯か飲んでるな!?
このままペースに乗せられていたら多分ろくなことにならないだろうし丁重にお帰りいただくしか・・・
「で、でも俺まだ未成年ですし・・・」
「だいじょーぶだいじょーぶ!えーと・・・コーラとかあるから!お酒で割る用のだけどちょっとはあった・・・はず!だから付き合ってよぉ〜」
「嫌ですよ!俺だって警備の状況確認したり高雄さんがいなくて事務仕事もいつもよりしなきゃなんないしで疲れてるんです!」
「高雄・・・・」
高雄さんの名前を出した瞬間愛宕さんは急におとなしくなった。
諦めてくれたんだろうか
「わかってくれました?それじゃあ俺は寝ますよ」
俺はドアを閉めようとすると愛宕さんにがっちり腕とドアを掴まれてしまった。
掴まれたその力強さで愛宕さんが男だと言うことを身を以て確認させられる
「なっ!?まだ何かあるんですか?」
「・・・うう・・・高雄いない・・・・さみしい・・・ぬくもりほしい・・・」
急に涙目になったよこの人!
「ど、どうしたんです?寂しいって」
「・・・だってもう2日も高雄がいないのよ・・・?私寂しくて・・・だから提督に少し寂しさを紛らわせてもらおうと思って呼びに来たの だからちょっとだけ・・・ちょっとだけでいいから・・・おねがい・・・いいでしょ?」
愛宕さんは涙目でこちらを見つめてくる。
やっぱり男だって知っててもすっごい美人だよな愛宕さんって・・・
いつもほんわかとしたところとか男臭いところしか見てなかっただけに急に高雄さんがいなくて寂しいから俺を誘いに来たなんて一面を見せられた上に吸い込まれそうな瞳に俺は逆らえないし高雄さんの「あの人・・・ああ見えて結構寂しがりやだから気をつけてあげてください」って言葉の意味もわかった気がして断るに断れなくなってしまった。
「わ、わかりましたよ!それじゃあ日付が変わるまでは付き合ってあげますよ!でも日付が変わったら俺は帰りますしお酒飲むのもやめてくださいよ?」
「よっしゃ!それでこそ男ってもんだ!んじゃあさっさと飲もうぜー」
渋々OKを出した途端愛宕さんはなにごともなかったかのようにニカっと笑うと俺の肩をがっちりと掴んだ
「えっ、ちょ・・・」
もしかして騙された!?
「細かいことは良いじゃない!それじゃあ私の部屋まで行きましょ」
愛宕さんはまた声の調子を戻してそう言うと俺を部屋から引き摺り出して愛宕さんの部屋の方へ歩き始めた。
こんなところ誰かに見られたらたまったもんじゃない!
愛宕さんの部屋に着くまで俺は誰にも出くわさないことを祈り続けた。
愛宕さんにされるがまま俺は愛宕さんの部屋に通される。
幸い部屋に着くまで誰にも会うことはなかったのでひとまず胸を撫で下ろした。
「散らかってるけどゆっくりしていってね〜」
「は、はい」
俺がこの部屋に入るのは2回目だが前回よりはマシだけどやはり愛宕さんの言う通り散らかっていてビニール袋やら雑誌やら脱ぎ捨てられた制服やらがそこら中に散らばっている。
そんな部屋の真ん中に小さなちゃぶ台が置いてあったので俺はその手前に腰を下ろした。
ちゃぶ台には既にワンカップの瓶が2本転がっていて俺を呼ぶまでにそこそこ飲んでいたことを匂わせている。
「それじゃあお夜食作るわね。冷蔵庫に飲み物とか入ってるからお好きにどーぞ」
愛宕さん俺にグラスを手渡すとその辺に雑にかけられていたエプロンを身につけ始めた
「・・・でも人の冷蔵庫なんて勝手に開けちゃっていいんですか?」
「もぉ〜水臭いわねぇ 私と提督の仲でしょ?それに見られたって困るものなんか入ってないわよ それとチーズとベーコンと炭酸水が入ってるからそれも取ってくれないかしら?」
絶対冷蔵庫から物取るのが面倒くさかっただけだろこの人・・・
しぶしぶ腰をあげて冷蔵庫を開けてみると部屋と違いしっかりと整頓されている。
その中からコーラと炭酸水をちゃぶ台に置き、エプロンを着終えた愛宕さんにチーズとベーコンを渡すと
「ありがとね提督♡すぐ作っちゃうから座って待ってて」
愛宕さんはそう言うとキッチンに置いてあったじゃがいもを洗い始める。
俺はまたちゃぶ台の前に腰掛けてコーラをグラスに注いで飲んだ。
少し気が抜けて甘ったるいことを除けば適度に冷えていて蒸し暑い夏の夜に喉を潤すには十分だ。
キッチンからはいい匂いがして来て空腹感も増してくるし完全に野郎の部屋って感じの空間で側から見れば金髪の美女がほぼ裸にエプロンみたいな格好で鼻歌混じり料理をしていてそれを俺がぼんやりコーラを飲みながら眺めているという不可思議な状況なだけに落ち着かない。
それからしばらく俺はコーラを飲みながらそんな愛宕さんの姿をまじまじと見つめていた。
本当にこうして見てると金髪のスタイル抜群の美人にしか見えないんだよなぁ・・・
そんなことを考えていると
「ねぇ提督?」
「はっ・・・はいぃ!!」
急に愛宕さんに呼ばれて声が裏返ってしまった。
なんかすごく恥ずかしいぞ
「もう!そんな緊張しなくたっていいのよ?」
「は、はい・・すみません」
「そろそろ出来上がるからちゃぶ台少しスペース作っておいてくれるかしら?」
「わかりました」
俺は愛宕さんに言われた通りにちゃぶ台に置かれていたものを隅に除けると愛宕さんが皿に料理を盛り付けてこちらに運んで来た。
「はーいそれじゃあ私特製のジャーマンポテトよ。いっぱい食べてね!」
愛宕さんがちゃぶ台にジャーマンポテトの乗った皿を置き、その匂いがさらに俺の空腹感を刺激する
「い、いただきます」
「それじゃあ私もいただきまぁす」
愛宕さんはエプロンを脱ぎ捨てると俺に向かい合うようにしてちゃぶ台の前に座りジャーマンポテトを食べ始めたので俺もいただくことにした。
一口たべると少ししょっぱい目に味付けされた熱くてホクホクな芋の風味とベーコンの香りが広がり箸が進む。
それに塩辛さも相まって気の抜けたコーラまでも美味しく感じてしまう。
やっぱり愛宕さんの料理の腕は一級品だ。
「美味しいです!」
「あらそうよかった 私もそう言ってもらえたら嬉しいわ!ほらまだたくさんあるからもっと食べてね」
「はい!」
あまりの美味しさに早いペースでジャーマンポテトを食べ続けているととうとう最後の一つになってしまった。
これは食べて良いんだろうか?愛宕さんに残しておいた方がいいんだろうか?
そんな事を考えていると
「あらもうなくなっちゃったわね。それじゃあこれ提督にあげるわ。ほら・・・あーん♡」
愛宕さんは機嫌を良くしたのかフォークに刺したジャガイモをこちらに差し向けてくる
食えってことだろうか?
「・・・食べないの?」
「えっちょ・・・!自分で食べるからいいですよ」
「もー固いこと言わないの!ほらあーんして♡お姉さんが食べさせてあげるから ほ〜ら♡」
フォークの先のじゃがいもがゆらゆらと揺れている。
これはきっといくら断っても俺が食べるまで意地でもやり続ける気だ。
「しょ、しょうがないですね・・・」
俺はしぶしぶ口を開けるとじゃがいもが口の中に入ってくる
「ふふっ♡間接キスしちゃったわね♡大淀ちゃんって子が居ながら悪い子ねぇ♡」
「いやいやいや!そっちが勝手にしたんでしょ!?それに・・・・」
それに男と間接キスなんかしたって嬉しくなんかないですよ!
と言ってやりたかったが目の前でこちらを嬉しそうに眺める愛宕さんを見ていたらなんだかすごく良い事をしてもらったような気になってしまって言い出せない
「ん〜?どうしたのかな〜?」
「いえ・・・なんでもないです・・・」
「そっかぁ〜提督の事見ながらお酒飲むの結構楽しいわぁ〜」
愛宕さんはそう言うと缶ビールを一本開けて飲み始めた
「ちょ・・・そんな飲まないでくださいってば!明日に響きますよ?」
「こんなのまだまだ序の口じゃないの〜提督もおかわり飲む?私がお酌してあげる♡」
愛宕さんはそう言うと俺のグラスに残ったコーラを注いでくれた。
その最中隣り合った愛宕さんの胸に凄まじく視線がいってしまう。
「あら?やっぱり私のおっぱい気になってる?」
「そそそそそそんな男のおっぱいなんか気になるわけないじゃないですか!!」
「ほんとぉ〜?別に恥ずかしがる事ないでしょ?私も男だからわかるけど結構いいおっぱいだと思うし気にならない方がおかしいんじゃない?ほらほら〜」
愛宕さんは意地の悪そうな顔をして胸を強調して見せてくる
「そ・・・それは・・・気にならないって言ったら嘘になっちゃいますけど・・・」
「ほらやっぱりぃ〜こんな柔らかいのよ?」
愛宕さんは自分の両胸を鷲掴みにしてむにむにと揉み始めた
愛宕さんの指が胸の肉に埋もれて見えて見てるだけでとても柔らかそうで弾力があるように見えて触ってみたいという欲望に駆られてしまう。
やばい・・・このままじゃ押し切られる・・・・
胸を揉んだら負けな気がするし何か話題を変えなくては・・・
「そ・・・・そういえば!」
「ん〜どうしたの?本番えっちはダメよ?これでも身体は高雄のモノなんだからぁ〜あっ、言っちゃった恥ずかしぃ〜」
愛宕さんは一人で盛り上がっている
というか俺を連れ込んでる時点でそんなの気にしてないだろこの人・・・・
なんか今日の愛宕さんがいつもより乙女に見えるのはなんでだろ・・・男なのに
「違いますって!最後まで聞いてください!」
「じゃあなんなのよぉ〜」
「あの・・・なんでメガネかけてるんですか?いつもかけてないのに もしかしていつもはコンタクトだったりします?」
よし!これでなんとかそう言うエロい感じから抜け出せるだろ・・・!
「あ〜これ?別に目が悪いわけじゃないのよ?視力はずっと2.0あるし」
「じゃあなんでですか?」
「提督がメガネかけてる子が好きだと思って♡だからこうしたらお願い聞いてくれるかな〜って思ったからよ」
えっ・・・?
金剛も同じような事言ってたような・・・
特別メガネっ娘フェチでもないしなんでそう思われてるんだ?
「別に特別好きなわけじゃないですけど・・・」
「あら?それじゃあいつもメガネの子がメガネ取った時のギャップに萌える感じかしら?」
「いやそれも別に・・・・と言うかなんで俺がメガネ好きみたいになってるんですか?」
「ええ〜無自覚なのぉ?」
「は・・・はい?」
「だって好きなんでしょお・お・よ・ど・ちゃん?」
「・・・・え・・・・ま、まあ・・・その・・・大切な人ではありますけど・・・・」
「きゃー!お熱い!クーラーの温度下げちゃう!!」
愛宕さんは楽しそうにリモコンでクーラーの温度を下げ始めた
「それとメガネにどう言う関係が・・・」
「だってあの子メガネっ娘じゃない?だからあなたと大淀ちゃんの関係を知らない阿賀野とか金剛の間であなたがメガネっ娘萌えなんじゃないかってもっぱらの噂になってるのよ?それに大淀ちゃんだってあなたの好みに合わせてるのかなーとか思ってたけど違ったの?」
「そういうのじゃないですって・・・・」
「あらそうなの〜?本当にそんだけ〜?」
急にめんどくさいおっさんみたいになったなぁ・・・
本当に忙しい人だ
「それだけですよ!」
「ほんとにぃ?」
ダメだ・・・これ以上絡まれるくらいなら今思ってる事を言って誤解をといた方が早そうだぞ・・・
「じゃあ言いますけど・・・他の艦娘とかには秘密ですよ!?」
「うんうん!絶対言わないから教えてちょうだい!」
「その・・・別にメガネが好きとか嫌いとかじゃなくてメガネかけてるあいつがその・・・・好きなんですよ・・・あいつが大淀になる前はメガネなんかかけてなかったですし・・・レンズ越しに見たあいつの瞳がそれまで気づかなかったけど結構綺麗なんだなって思って・・・・」
「あら〜!!なにそれ!すっごい若くて青春って感じじゃない羨ましいわぁ〜教えてくれてありがと♡提督の秘密教えてもらっちゃったわ!それじゃあ私なんかがしてても意味ないわね〜」
愛宕さんはメガネを外してちゃぶ台に置いた。
愛宕さん口軽そうだけど本当に大丈夫かなぁ・・・
「だから内緒ですよ!?」
「大丈夫大丈夫♡男と男の約束だもの!」
愛宕さんが胸を張って言うと豊満なバストがぶるんと揺れた。
その胸で男と男って言われてもなぁ・・・・
何気なく時計をみて見るとそろそろ12時になりそうだ。
そろそろ帰らせてもらうかな・・・
そう思っていると
「ぶわぁっくしょい・・・っくしょうめぇ」
愛宕さんが大きなくしゃみをした。
そのくしゃみは完全にオッサンのモノだった。
「大丈夫ですか?」
「ちょっと寒いかも・・・」
「そりゃそんな薄着でクーラーガンガンに効かせてたらそうもなりますよ!そろそろいい時間ですし早く着替えて寝てください!」
「・・・・温めて?」
「はぁ!?」
「ほら・・・一人で寝たら風邪ひいちゃうから私のことお布団で温めて?それだけでいいから・・・それが終わったら帰ってくれてもいいからぁ・・・・」
愛宕さんはさっきあんなくしゃみをしたのが嘘のように切なげな声でそう言った
「そそそそそんな・・・・それにさっき身体は高雄さんのだって・・・」
「それはそれよぉ〜別に身体までは許してないわよぉ・・・ただ温めて欲しいだけだから・・・ね?」
「クーラーの温度上げて寒くない格好して寝たらいいだけじゃないですか!もう俺帰りますよ?」
「・・・・・レンズ越しに見たあいつの瞳がそれまで気づかなかったけど結構綺麗なんだなって思って・・・・」
愛宕さんは悪意のある俺の真似をしてそう言う
「はぁ!?」
「・・・・みんなに言っちゃうわよ?」
「さっき黙ってるって言ったじゃないですか!」
「それじゃあ黙ってあげる代わりに温めて?」
はぁ・・・ズルい人だなぁ・・・
バラされたら大淀以外の艦娘からの視線が冷ややかになりそうだしそんなこと言われたら断れるわけないじゃないか
「はぁ・・・わかりましたよ・・・温もったらすぐに帰りますからね!」
「やっぱり提督優しいっ!それじゃあお布団行きましょ!ちょっと待ってて」
愛宕さんはそう言うと部屋の隅に畳んであった布団を広げた。
「よしベッドメイクおしまいっ!」
「ベッドメイクて・・・ただ広げただけじゃないですか」
「もぉ〜細かいことは良いの!それじゃあ寝ましょ?」
愛宕さんはベビードールのまま布団に入ろうとする
「えっ、そのまま寝るんですか?」
「当たり前よぉ〜脱ぐのもめんどくさいしこのままの方があなたの反応も面白いでしょ?ほ〜ら♡提督も早くいらっしゃい?」
愛宕さんは布団からこちらを呼ぶ
「そ・・・それじゃあお邪魔します」
俺は恐る恐る愛宕さんの待つ布団に背を向けて入った。
一人用の布団に男が二人なので愛宕さんの肌と俺の肌が当たり、とてもひんやりとしているのがわかる。
こんなに密着したのは多分着任した日に思いっきり愛宕さんの胸にぶつかった時以来だ。
布団に染み付いたタバコの匂いに紛れて同じ男だとは思えない良い匂いがする・・・
「提督・・・あったかいわ」
愛宕さんがこちらに体を寄せてくる。
なんでだ・・・!
中身もオッサンで体も一応男のはずなのになんでこんなにドキドキするんだ!?
「ねぇ提督?」
「は・・・はいぃぃ!?」
「もう・・・取って食べるわけじゃないんだからそんなに緊張しないで?」
「は、はいすみません・・・!」
なんで謝ってるんだ俺・・・
「提督の真っ赤で可愛いお顔がみたいからこっち向いて?」
「い・・・いやですよ・・・!」
「良いから向けっつってるだろ?」
愛宕さんはそう言うと俺のことを無理やり向かい合うように肩を引っ張った。
そして俺の目の前には愛宕さんの豊満なバストが二つ・・・!
俺の胸の鼓動がどんどん高まっていく。
「ほぉら♡やっぱり顔真っ赤♡」
「しょ・・・しょうがないじゃないですか・・・こんなのでドキドキしない男なんていませんって」
「あらそう?私も男だけど?」
「そ・・・そうですけどそう言うことじゃなくて・・・・」
「じゃあこうしたらどぉ?えいっ!」
次の瞬間愛宕さんは俺の右腕をぎゅっと掴んで愛宕さんの胸まで持っていった。
俺の手には胸の柔らかい感覚が伝わってくる
「なななな・・・!?」
「この間から触らせてあげるって言ってたでしょ?どう?好きなだけ触らせてあげるわよ?」
これはやばい・・・!
女性のおっぱいじゃないとはいえ本物を知らない俺にとってこんなことがあって良いはずもない!
早く手を離さなければいけないと思いつつももっと触ってみたいという好奇心や欲望も比例するように高まっていく。
そんな欲望に負け俺は指を少し胸にめり込ませてしまった。
柔らかい弾力が俺の指を押し返してくる
「・・・やんっ♡」
「なっ・・・なんて声出してるんですか!?」
「だって触られてるのに声ひとつ出さないなんて面白くないでしょ?それにちょっとくすぐったかったからよ♡」
「ごめんなさい・・・もう良いです満足しました」
「嘘でしょ?こんなので満足するわけないわよね?今日は特別?気がすむまでお姉さんのおっぱい堪能させてあげるし怒らないし誰にも言わないから好きなだけ触って♡男のおっぱいなんだから触ったって平気でしょ?」
「男が男のおっぱい触るのも大概変だと思うんですけど・・・」
「細かいことはいいの♡ほーら♡私の左のおっぱいが寂しがってるからこっちも触ってみて?」
「・・・・は、はい・・・」
愛宕さんに言われるがまま俺は胸を触っていなかった左手で愛宕さんの左胸を触った
「あっ・・・♡もっと強くしてもいいわよ?」
「・・・えっ?こうですか?」
遠慮していたがその言葉で俺の頭にかかっていた箍が外れていく
「んくぅっ♡それくらいでっ♡あんっ♡やぁっ♡それは強すぎよぉ♡」
愛宕さんはわざとらしい声を上げる
「すみません痛かったですか!?」
「いいえ?ちょっとびっくりしただけ。 ど〜お?私のおっぱい触った感想は?」
「あ・・・えーっと・・・・柔らかいです」
「ふふっ♡ありがと♡」
愛宕さんは嬉しそうに俺の頭を撫でてくれた
我ながら何をやっているんだか・・・・
でもそろそろ温まっただろうしこれ以上ここにいたら本当におかしくなってしまいそうだ
「もう温まりましたよね?俺・・・そろそろ帰ります!」
少し惜しい気もするが布団から出ようとした次の瞬間
「え〜まだだーめ♡」
愛宕さんががっしりと俺に抱きついてきた
「うわっ!?」
「もうちょっとだけこうしてて・・・ね?」
「むぐぐぐぐぐぐぐぐ!!!!」
抱きかかえられた俺の顔が愛宕さんの胸の中にどんどん埋もれていく
全然男臭さなんか感じさせないしいい匂いするし柔らかいし本当に男なのか疑いたくなるが俺を締め上げる腕の強さはまぎれもない男のものだった。
それに締め上げと胸に挟まれたことによる酸欠でだんだん俺の意識が薄れてくる
やばい・・・!このままじゃ本当に愛宕さんの・・・男の胸に埋もれて死ぬことになるぞ!
それだけは何としても避けないと・・・・!!
「あ・・・あたごさ・・・・ぎ・・・ぎぶ・・・」
精一杯声を出してみるが胸に埋もれて上手く話せない
「あら提督?何か言ったかしら?」
「むぐぐぐg・・・・・」
ああやばい・・・意識が・・・・
「あら・・・!?提督!?ていと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
愛宕さんの声がうっすらと聞こえて俺はそのまま意識を失ってしまった
そして今朝こんな状況で目が覚めたんだろう。
結局愛宕さんと一夜を共にしてしまった。
昨日のことを思い出すと急に顔から火が出るほど恥ずかしくなってきたぞ!?
「あ・・・・ああああ!!!うわぁぁぁ!!誰か俺を殺してくれえええええ!!!!」
「きゃぁ!急にどうしたの!?」
「はぁ・・・はぁ・・・・昨日あんなことがあったんですよ!?恥ずかしくて死にたくなるに決まってるじゃないですか!!」
「そうだったかしら?私酔ってて昨日のことあんまり覚えてなくって〜でもそれだけ元気なら大丈夫ね♡今日も1日よろしくお願いしまぁす・・・なんちゃって」
愛宕さんはおどけてみせた
全く酔っ払って他人にまで迷惑かけるのはやめてほしいなぁ・・・
というか朝!?ってことは早く朝の支度しないと・・・それにこんなところ誰かに見られたらそれこそ大問題だ!
「愛宕さん!?今何時ですか!?」
「えっと・・・朝の5時半よ?あなたが気を失っちゃったから少し早めに起こしてあげようと思って」
「そ・・・そうですか・・・!」
5時半ならまだみんなは寝てるはず!今のうちにこっそり部屋に戻ればなんとかなりそうだ!
「では愛宕さん!俺部屋戻りますんで!ジャーマンポテト美味しかったです!ごちそうさまでした!」
「こちらこそ付き合ってくれてありがと♡それじゃあまたあとでね♡ちゃんと間接キスと大淀ちゃんのことは内緒にしといてあ・げ・る♡」
「やっぱり酔って覚えてないって嘘じゃないですか!」
「うふふふ♡さ〜てどうかしらねぇ〜」
「ああもういいです!絶対秘密ですからね!?」
「はいはいわかってるわよ♡男と男の約束だものね♡」
「絶対ですよ!?それじゃあお邪魔しました!」
少し不安だったがこれ以上もたもたしているわけにもいかず愛宕さんの部屋を後にした。
そしてまだ少し暗い廊下を抜けて部屋にこっそりと戻ると吹雪はぐっすりと眠っていた。
よかった・・・起きてたら吹雪にまた心配かけるところだった。
俺も朝までもう一眠りしようと吹雪を起こさないようにゆっくりと布団に入ると
「・・・・むにゃ・・・・・おにいちゃん?どこ行ってたの?」
吹雪が目を覚ましてしまったようだ
「あっ・・・!?そ・・・その・・・トイレだよトイレ!ちょっと便秘気味でさ・・・」
「ふ〜ん・・・そうなんだ・・・・でも今日のお兄ちゃんなんだかいい匂いするね・・・?」
「えっ!?」
やばい・・・!事故とはいえ愛宕さんと寝てた事バレるんじゃないか!?
「なんだかいつもよりぐっすり寝れそう・・・まだ早いしもう少しだけ・・・おやすみなさいお兄ちゃん」
吹雪は俺に体を寄せてきてそのまま体を預けるようにして眠りについた
「あ、ああおやすみ・・・」
俺もそんな吹雪を見ながらゆっくりと再び眠りに落ちていった。
しかし結局その日は吹雪と二人で寝坊してしまい俺だけ大淀に怒られることになってしまうのだがそんな俺を愛宕さんはずっとニヤニヤして見つめていて大淀の説教が終わった後こっそり俺の耳元で
「また来てくれてもいいのよ?今度は遅くならないようにしてあげるから♡また提督の可愛いところ見せに来てね♡」
と囁く。
俺の耳元に近づいて来た愛宕さんからは昨日の晩と同じようないい香りと少し酒臭い匂いがした。
「それじゃあ提督、警備に行ってきま〜す」
愛宕さんは昨日までの不調が嘘のように海水浴場の警備に出かけて行った。
昨日までの不調は本当に高雄さんが居なかったのが原因だったのかどうかはわからないが愛宕さんが元気になったならそれでいいか。
そう思いながら警備に向かう愛宕さんの背中を見送るのだった。