ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。   作:ゔぁいらす

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アイツが来た!

 あれから数日が経ち××海水浴場が海開きを迎え、艦娘たちは海水浴場周辺の見回りや警備、俺はそれの指示やら管理やら海の家の手伝いやらで大忙しだ。

 

そんなある日の今朝のこと

携帯電話が鳴った音で俺は目を覚ました。

寝ぼけ眼で時計を見てみてもまだ起きるには早い時間だ。

そして携帯電話をみて見ると大須海斗 着信の文字

「・・・なんだよこんな朝の早くから」

彼は小学校からの腐れ縁で提督になってからもちまちまSNSで連絡を取り合うくらいのことはしていたが急に電話をしてくることなんて今まではなかった。(※33話参照)

まだ吹雪も寝てることだし俺は電話を持って吹雪を起こさないようにベッドから抜け出して部屋を出て電話をとった。

「もしもし?なんだよこんな朝の早くから」

『おう謙久しぶり!起こしちまったか?』

「ああ ここ最近で最悪の起こされ方だったよ」

『なんだよ〜毎日艦娘のかわいい子に起こしてもらったりしてるんじゃねーの?かぁーっ!羨ましいねぇ』

「し、してねーよそんなの!」

『ほんとかぁ?』

「はぁ・・・久々に朝からお前と話してると疲れるわ・・・で、何の用なんだよ」

『久々に電話した友達にその言い方はないだろ!?』

「あーはいはいわかったわかった。俺も暇じゃないんだからさっさと要件を言ってくれ」

『そうだなー ちょうど今日暇になったからお前んとこ行くわ』

「は?」

『いやは?じゃなくてお前んとこ行くわ』

「いやいやいやバカなのお前!?幾ら何でも急すぎるだろせめて日を改めろよ」

『あーごめん無理もうそっち行きの夜行バス乗っちゃってるんだわ 今トイレ休憩中』

「はぁ!?」

『つーわけで昼頃にはそっちつくから。あっ、やべ!そろそろバスも出るし切るわ じゃーな』

そう言うと一方的に電話を切られてしまった。

相変わらず一回言い出だすと絶対止められない様な強引な奴だ。

こんな感じでいつもアイツに引っ張り回されてたっけ・・・

少し懐かしい気分になってしまったがそれどころではない。

「どどどどうしよう!!あいつが来るってどうすりゃいいんだ!?流石にこんな小さい鎮守府とは言え一般人勝手に入れていいのか!?というかここの艦娘が全員男だって知ったらアイツは・・・・」

へぇ・・・謙ってそう言う趣味だったのか。高校のグループチャットで拡散しとくわ

とか

哀れ謙・・・男子校生活が長くてついにそっちもイける口になっちまったか!ま、まあでもお前にそっちの気があってもまあうん・・・その・・・・・な?

とか憐れみを込めた目で言ってくるに違いない!

「ああどうしよう急に今日休ませろなんて言えない・・・てか俺誰に休むって言えばいいんだよぉぉぉぉ!!」

これが休めない中間管理職ってやつなのか!?

海斗のことも気がかりだけど仮にアイツをこの辺で遊ばせておくにも観光できる場所なんか海水浴場くらいしかないぞ!?

頭を抱えていると部屋のドアがゆっくりと開いた

「・・・お兄ちゃんどうしたの?」

吹雪がドア越しにこちらを不思議そうに見つめていた

「吹雪・・・起こしちゃったか?ごめんな」

「ううん大丈夫。それより大丈夫?なんだか誰かと揉めてたみたいだけど」

「ああ大丈夫・・・気にしないでくれ。それに吹雪今日は朝一番の警備だろ?もう少しゆっくり休んでてくれ」

吹雪に余計な心配を掛けさせるわけにはいかないしここは平静を装っておこう。

 

それからしばらくして吹雪は金剛と海水浴場周辺の警備に向かい俺はいつもの日課である朝の書類整理の時間になり執務室へ向かった。

「おはよう・・・」

俺が挨拶をしながらドアを開けるといつもの様に高雄さんと大淀が迎えてくれる。

大淀にも海斗の事言わなきゃいけないよな・・・

あいつ・・・海斗のことどう思ってるんだろ?

やっぱ今の姿ってあんまり同級生とかには見られたくなかったりするのか・・・?

そんなことを考えていると

「それじゃあ提督も来た事ですし私はそろそろ失礼しますね」

高雄さんが部屋を後にしようとしていた。

ここは俺たち二人より誰かがいてくれた方が嫌でも答えが出る気がするし何より大淀の素性を知っていてかつ突然の来客をどうするかなんて聞くのに高雄さん以上に適した人なんていない。

「ま、待ってください高雄さん!」

「あらなんですか?」

「えーっと・・・あの・・・今日急に友達がこっちに来るって電話をよこして来たんですけど・・・」

「えっ、友達って?」

大淀が不安そうに尋ねてきた。

「ああ海斗だよ海斗 なんか急に今日の朝に電話かけて来てさ・・・」

「はぁ・・・大須君ったら無作法なのは相変わらずね・・・」

大淀は大きくため息をつく

「それでその・・・今日の昼頃にはこっちに着くみたいなんですけど俺ってその間抜けさせてもらったりってできますかね?一時間でも良いんでその間だけでも代わりに高雄さん愛宕さんにここ任せても良いですか?」

「別にそんな事しなくてもここに呼んであげれば良いんじゃないかしら?」

「えっ?」

予想外の答えに俺は面食らってしまった。

「だって見られて困るものなんてありませんし部屋も空いてる事ですし私は歓迎するわ 学生の頃の提督の話も聞きたいですし!」

そっちが本音だろ高雄さん!

「で、でも大淀が・・・」

「ああそうだったわね。提督のお友達ってことは大淀ちゃんとも知り合いって事になるのよね・・・大淀ちゃんはどうなの?会いたくないのなら今日だけ秘書艦代わってあげても良いわよ?」

「い、いえ。この間帰省した時にも会いましたけど私に気づく素振りもなかったですし・・・謙・・・いえ提督が会いたいと言う事であれば私はそれに従うだけで・・・」

「・・・そう。それならひとまず吹雪ちゃんたちが帰ってきたら提督の友達が見学に来るって全員集めて説明しましょうか」

「そ、そうですね・・・でも本当にいいんですか?一般人を鎮守府なんかに入れても」

「ええ機密とかがあるのは工廠と倉庫くらいだし そこもしっかり私が責任を持って戸締りしておきますから大丈夫。それに離れても会いにきてくれるお友達は大事にしなきゃダメよ?」

「そういうもんなんですかね・・・」

「そう言うものよ!それじゃあ私は倉庫と工廠の戸締りのついでに他の子たちに声かけてくるわね」

高雄さんはそう言って執務室から出ていった。

「な、なあ大淀・・・お前本当に良かったのか?」

「う、うん・・・だって大須君は私よりずっと昔から謙の事を知ってて・・・紛れもなく私なんかよりずっと仲のいい友達じゃない 悔しいけどそんなの私が邪魔できるわけないよ」

「大淀・・・」

「私も絶対バレない様にするから!だから今日は大須君にしっかり私の分も急に来た文句を言ってあげて!」

「お、おう・・わかった。ありがとな大淀 なんか無理させてるみたいで」

「そんな事ないよ・・・ただ私は大須君が少し羨ましいだけ」

「羨ましい?」

「ううんなんでもない!それじゃあ提督!お友達が来てしまう前に早く書類を片付けてしまいましょうか!」

大淀はかしこまってそう言うと止まっていた手を動かし始めるので俺も椅子に座って書類の整理を始めた。

 

そしてなんとか吹雪たちが帰って来る前に書類を片付け終え、執務室にぞろぞろと艦娘たちが集まり始めていた。

「どうしたの提督さん?そんな急に全員集まれだなんて」

「そうだよー!那珂ちゃん次の見回り当番なんだけどなー」

阿賀野と那珂ちゃんが尋ねてくる。

「そうよ!あたしたちだって訓練中断してきたのよ?ロクでもない事だったらただじゃおかないんだから」

天津風はいつも以上に不機嫌そうだ。

そんな時

「吹雪ただいま戻りました!  ・・・ってあれ?みなさん集まってどうしたんですか?」

吹雪が見回りから帰って来たようだ。

でも警備りは吹雪と金剛の二人が出てたはずだけど金剛はどうしたんだろう?

「ちょうどみんなに話があったから集まってもらったんだけど金剛はどうしたんだ?」

「金剛さんは一服してから行くって言って食堂に紅茶を飲みに行ったよ・・・じゃなかった飲みに行きました司令官!」

吹雪はかしこまってそう言った

「・・・そうか。なら金剛にはあとで伝えるとしてもう次の見回りに那珂ちゃんと春風を向かわせなきゃならないし手短に話させてもらうぞ みんなをここに集めた理由それは・・・」

「それは・・・・?」

艦娘達がこちらを見つめてくる。

こう顔だけ見れば美人たちにここまで凝視されると緊張して胸がバクバク音を立てるが俺はゆっくりと口を開く

「・・・・・・・今日高校の頃の友達がここに来るみたいなんだ」

俺がそう言うと執務室は一瞬シーンとなったが

「はぁ?そんなことのためにみんなを呼び出したの!?バカじゃない?」

天津風が先陣を切って俺に怒鳴る

「あーそうなんだーそれじゃあ那珂ちゃんそろそろ行かなきゃ ばいばーい!・・・・はぁ・・・集まって損した・・・」

「あっ、那珂さんが行くのならわたくしも!それでは司令官様わたくしもそろそろ行って参りますね」

那珂ちゃんは聞こえるか聞こえないかくらいの小声でそう言って執務室から出て行きそれを追うように春風も出て行ってしまった

「ま、待ってくれ!結構な問題なんだよ!!」

二人を呼び止めるも聞く耳ももたれなかった

「はぁ・・・なんだよみんな冷たいなぁ・・・」

「当たり前よ!あたしたち最近いつもの何倍も忙しいのにそんなしょうもないことで召集かけられたんだから怒って当然でしょ!?」

天津風はまた俺をそう怒鳴りつけた

「だ、だからそんなしょうもないことじゃないんだって・・・だって急に来るんだぜ?普通もっと前から相談とかするもんだろ?」

「ま、まあそう言われて見ればその友達も礼儀がなってないわね。どっかの誰かさんのお友達だけあって」

天津風は皮肉めいた一言を俺に吐き捨てる

「ま、まあ聞いてくれよ」

俺は海斗の事や今日あったことの一部始終をみんなに話した

「へぇ〜提督さんのお友達かぁ・・・ってことは男子校出身なんだよね!からかいがいがありそう!」

阿賀野は目を輝かせていた

「おいおいやめてくれよ?というかくれぐれも男だってバレない様にしてくれ」

「え〜なんで?減るものじゃないじゃない」

「なんでもだ!その・・・あいつはなんか俺の今の状況にハーレムみたいな幻想を抱いてるみたいで・・・その夢を壊すのもなんかかわいそうだし何より俺の面子が・・・」

「そーだよねー普通艦娘がみんな男でしたー!なんて言われたらびっくりするよね」

「当たり前だろ!現に俺も未だに完全になれたわけじゃないんだからな」

「えぇ〜そうかなぁ?ま、いいや せっかくのお客さんだしそのせいで艦娘全体に悪いイメージ持たれるのもなんかやだししっかり女の子として今日は1日そのお友達に接してあげる!」

「そ、そうか・・・・阿賀野の割にはまともなこと言うな」

「割にはって何よ!これでも一応最新軽巡の艦娘なんだよ!?」

「あーはいはいわかったわかった と言うわけだから海斗に各自男だとバレない様にすること 急な私用で悪いけど今日1日は頼む」

俺はみんなに頭を下げた。

そして解散を言い渡して艦娘たちは執務室を後にして行く

「しかし金剛結局来なかったな・・・」

「まだ食堂にいるんじゃないかな?」

「そうか じゃあ直接伝えに行くか」

 

俺は吹雪に言われた通り食堂へ向かうと

「oh!この紅茶わかるデース!?凄いネー!」

何やら話し声が聞こえてくる。

さっきまでみんな執務室に居たし仮に食堂にいたとしても金剛だけのはず・・・

金剛は一体誰と話してるんだ?

俺は恐る恐る食堂を覗いてみると

「そうなんすよ〜!婆ちゃんがイギリス人で良くこのブランドの紅茶入れてくれてたんすよ」

「そうなのデース!?ワタシも英国生まれなんデース!」

金剛と楽しそうに喋ってるあいつは・・・

海斗!?なんで食堂にズカズカ上がり込んでんだよ!!

それにしてもニヤニヤしやがって・・・なんかムカつくな

「それで学生の頃のケンはどんな子だったんデース?」

「え、ああ俺小学生の頃からあいつの友達なんすけどそうっすねー一言で言うとバカっすかねー」

はぁ!?あいつ何言いやがんだ!?お前も大概だろうが!!

これ以上喋らせたら何言われるかわかったもんじゃないしとっとと止めに入ろう

「誰がバカだって?」

俺の声に気が付いたのか海斗はこちらをゆっくりと振り向いた

「お・・・よ・・・・よぉ謙久しぶりー」

「久しぶりー じゃねぇよ!!何勝手に上がり込んで優雅に紅茶飲んでんだよ!!」

「違うんデース!彼が謙のフレンドだって言うからワタシがここに連れて来たんデース!一人で休憩するより誰かと休憩した方が楽しいからネー」

「そうだぞ!あー羨ましいぜこんな美人さんともうケッコンを前提に付き合ってるらしいじゃねぇか!もう裸で一緒に寝たとかなんとか・・・・かーっ!大人になるときは一緒にって言ったのに抜け駆けなんてひでぇよこの絶倫野郎!!」

「もうカイトったらやめてヨー恥ずかしいデース・・・」

一体金剛から何を聞いたんだこいつは・・・

それに裸で一緒に寝たってそれ全裸で金剛が勝手に入ってきただけなんだけど・・・

「金剛お前何も知らないのをいいことにカイトに嘘つくのやめろ!カイト違うから!金剛の話は八割嘘!ブリティッシュジョークだから!!それに俺まだその・・・どどど・・・」

「安心してくだサーイ!謙はまだチェリーデース!!これは本当ネー!」

「あっこら金剛大声で言うな!」

「あーよかったー先越されてなくて」

金剛の言葉を聞いて海斗は安堵の息を漏らしていた

「お前も安心するな!!」

「はぁ・・・悪い悪い 相変わらずそうで安心したぜ謙」

「そ、そういうお前はどうなんだよ」

「前言った通りだよ!俺の学科男しかいねーし合コンも女子が全然あつまんなくて結局彼女0あーあ今頃本当なら彼女と旅行でも行ってたはずなんだけどなぁ・・・あっ、そうだ金剛さん。まずはお友達から・・・・L●NEとかやってます?」

ほんとこいつは見境ないな・・・しかも金剛も男なんだけど

「え〜フレンドにはなってあげるけどサー ワタシはケンが大好きだからそれ以上は無理デース!」

「そ、そうですか・・・あっでもL●NEは教えてください」

ほんとポジティブだよなぁこいつ・・・

「OKデース!」

「うっひょぉぉぉぉ!!美人さんのL●NEゲットぉ!」

海斗は金剛と連絡先を交換してもらったのがよほど嬉しかったのか年甲斐もなくぴょんぴょんとその場で飛び跳ねている。

俺まで恥ずかしいからやめてほしい

「気になって見にきたけどこれがあなたのお友達なの?見るからにあなたに似ててスケベそうね類はなんとやらって本当なんだ」

声の方に振り向くと天津風がかわいそうなものをみる様な目でこちらを見ていた。

「だ・・・誰この銀髪ツーサイドアップツンツン美少女!」

「ひゃぁ!ちょっとこっち寄らないでよ気持ち悪い!!」

「うぉぉ!!その目で俺をもっと見て!もっと口汚く罵ってぇ!!」

ああもうこいつ少し見ないうちにさらに拗れてんな・・・

「ひぃっ!!!ちょっとあなた友達ならなんとかしなさいよ!!」

天津風はそんな海斗を見てドン引きしている

「お、おい天津風も怖がってるからそんくらいにしてくれ頼むから」

「あ、天津風ちゃんって言うのかこの子!どうもお初にお目にかかります不肖謙の友人を軽く十余年やらせてもらってる大須海斗って言います!気軽にカイトお兄ちゃんって呼んでくれても良いよ!」

「うわぁ!!ちょっとあなたこんなのと友達やってられるとか頭おかしいんじゃないの!?」

天津風は俺の後ろに身を隠した

「あー!お前その子も手懐けてんの!?」

「バカ!そんなんじゃねぇよ!」

「嘘つけ!!やっぱお前金剛さんとか天津風ちゃん以外の他の艦娘とかもみんな侍らせてるんだろ!!どこのハーレムラノベの主人公だよ俺に一人くらい分けてくれよぉ!!」

海斗は俺の両肩を掴んで前後に揺さぶってくる

「おいやめろって!別に侍らせてないって!!別にそんなんじゃないから」

「はぁ!?無自覚なところがますます腹たつぞ!!寂しいキャンパスライフ送ってる俺に誰か紹介しろよぉ!!」

海斗の情けない声が食堂に響く

そんな時扉がバンと音を立てて開いて大淀が食堂に入ってきた

「大須君ちょっともう良い加減にしてください!」

多分海斗の暴走を見かねて出てきちゃったんだろうけど名前呼ぶのってマズくない?

「へっ・・・?なんで俺の名前を!?あれ・・・これって運命?前前前前世くらいから俺のこと探してました!?」

はぁ・・・・どこまで頭お花畑なんだこいつは

「そ、そんなんじゃありません・・・」

「じゃあなんで俺の名前を!?てかどっかで会った事あります?俺の記憶が正しければ見覚えがあるんだけど」

もしかして海斗の奴大淀の正体に気づいたんじゃ・・・

「い、いえ初対面ですよ・・・名前は提督から伺っていただけです」

「いいや絶対会ったことあるよね!?いつだったっけなえーっと・・・そうだ思い出した!君の名は・・・」

今更そのネタはどうなんだ海斗!

「もしかして・・・淀子さんですか?謙のいとこの・・・いやぁこんなところでまたお会いできるなんて本当に何か運命的なものを感じますよ!」

「は?」

「えっ・・・?」

俺と大淀は思いがけない回答にあっけにとられた

そういえばこの間帰省した時とっさにそんな嘘をついてごまかしたような気がする

「いや〜やっぱり淀子さんだ!まさか艦娘をやっててしかも謙と同じ鎮守府にいるなんて知りませんでしたよ!おい謙水くせぇぞそれならそう言ってくれればよかったのにさぁ」

話がややこしくなってきたぞ・・・?

否定しようものなら更にわけのわからない嘘をつかなきゃならなくなるだろうし肯定してもボロが出そうだし・・・

俺がそんなことを考えていると

「really!?大淀とケン従兄弟だったんデース!?」

「どどどどういうことよ説明しなさいよ」

金剛と天津風が血相を変えてこちらに詰め寄ってくる

そうか・・・大淀と天津風も大淀の素性知らないんだっけか・・・

「ああちょっ・・・それは・・・・」

流石に海斗が居るこの場で二人に対して苦し紛れについた嘘でーす!なんて言えないし・・・

大淀すまん・・・!もう少しマシな嘘をつくべきだった

俺は一体どうすれば・・・

俺が返答に悩んでいると

「はい。確かに私は淀子です。でも提督の従姉妹というのは間違いです」

・・・へ?

「身寄りも故郷も無い私に休暇を一人で過ごすのは寂しいだろうという厚意からご実家へのご同行を許可してくださったのですが提督はご友人とは言え公共の場で民間人に私が艦娘だと知られることを避けるためそのような嘘を大須さんについてしまったんです 悪気があったわけではありませんから提督を許してあげてください」

ナイス大淀・・・!

それっぽいし天津風と金剛も納得しそうな言い訳をでっち上げてくれた!

とりあえずその方向でごまかすしか無いか

海斗に嘘を重ねるのはちょっと悪い気もするけどこうする他無いしなぁ・・・

「そ、そうだったのか・・・・泣かせるじゃねえか謙・・・」

「あ、ああ改めて紹介しとくと彼女は大淀。秘書官をやってくれてるんだ」

「はい。改めまして軽巡大淀です 大須さんのお話は提督からよく伺っていました」

「お、大淀さん・・・いつも謙がお世話になってます自己紹介は・・・・この間したし謙から聞いてるならいいや改めてよろしくお願いしまーす!」

海斗は深々頭を下げた

よかった・・・なんとかごまかしきれそうだ。

「そ、それじゃあどうする?この辺で観光できるところっつったら近所の海水浴場くらいしか無いけど・・・」

とにかくここから海斗と離れたほうが良さそうだからそう提案してみるが

「観光はいいや。俺はお前がいっつも何やってんのかなーって気になっただけだし」

「なんだよそれ気持ち悪いな・・・」

「気持ち悪いは無いだろ!?いっつも鎮守府のことはぐらかしてちゃんと教えてくんねーし」

そりゃ二言目には艦娘の子紹介してくれとしか言わないんだからそうもなるだろ!

しかしそう簡単に鎮守府の周りを一般人に見せびらかしていいものなんだろうか・・・?

「提督、高雄さん愛宕さんに許可は取っています。久しぶりのご友人と会ったんですから存分に楽しんでください。提督の代わりは私がやっておきますから」

そう言った大淀は心なしか少し寂しそうに見えた

「ほら大淀さんもそう言ってるし案内してくれよー!ほんとは金剛さんとか大淀さんに案内してもらいてーけどまあここは久々男同士水入らずでさ!」

「ああもうわかったから!」

「それじゃあ失礼します!金剛さんまたL●NEしますね!天津風ちゃんもバイバイ!」

「byeカイト!またネー」

「さ・・・さっさとどっか行きなさいよ!!」

三人見送られて俺と海斗は食堂を後にした

 

「あーあ天津風ちゃんに嫌われちゃったかなー俺」

「初対面であんな事言ったらそうもなるだろ・・・」

「・・・だってよぉ・・・勢い任せで行かないと・・・・女の子と喋るの恥ずかしいだろ?」

「お前相変わらず拗らせてんな・・・」

「そういうお前は平然と喋れるのな・・・羨ましいぜちくしょう」

「そ・・・そりゃ最初は緊張したけどほぼ共同生活してるようなもんだし慣れだ慣れ」

皆本当は男だからなんて言えないよなぁ・・・・

「かーっ!女の子と喋るの慣れたとか俺も言ってみてーわ」

そんな恨み節にも似たような海斗と鎮守府を一通り回った。

しかしなんだか海斗とこんなモテない話をするのも久しぶりで少々過去の自分も似たようなことを海斗と話していた事を恥じつつも懐かしい気分になれた。

そんな案内の途中演習場で吹雪に出くわし「艦娘にお兄ちゃんって呼ばせてるとかお前業が深すぎるだろ」

と海斗にドン引きされてしまってそれをごまかすのに一苦労した。

それからしばらく鎮守府の中を歩いていると

「な、なあ謙トイレ行きてーんだけどどこにある?」

「あ、ああ。最寄りのトイレならそこに・・・」

俺はトイレの場所を指差す

「おおサンキュー!パパッと出してくるぜー!」

海斗はトイレの方へ向かう

あれ・・・ちょっと待てよ・・・・?

もしかしたら誰かが男子トイレに入ってるかもしれない!

そんな艦娘が立ちションしてるところなんか見られたらやばいだろ!!

「ちょっと待ってくれ海斗!!」

俺は海斗の肩をとっさに掴んだ

「うわぁ何だよ謙!連れションか?」

「いや違うちょっと待ってくれトイレの安全確認をするからここで動かずに待っててくれ」

「は?安全確認?なんでたかがトイレごときにそんなもんがいるんだ?それに男子トイレなんかお前以外使うやつ居ないんだろ?」

「・・・・なんでもだ!いいからここから動くなよ!絶対だぞ」

俺は海斗に釘を刺しトイレに単身入ってみた

「あっ、提督さん!通りで騒がしいと思った」

いたー!!

小便器に向かって小さい方を垂らしてる阿賀野が・・・

はぁ・・・やっぱ見に来て正解だった

「阿賀野・・・女子トイレで用を足してくれって言ってるだろ?」

「えーだって阿賀野男だしーおしっこくらいいいじゃない!いちいち座るのめんどくさいの!ここの共用トイレ全部和式だし」

「ダーメーだ!今日は海斗も来てるんだしなおさらだ」

「ああそっか・・・そうだったごめんごめんついいつもの癖で・・・ で、どんな子なの?」

「ああえーっと・・・」

阿賀野が海斗のことを尋ねて来た時

「おーい謙まだかよ漏れちまうよ!!てか誰と喋ってんだよ!?」

トイレの外から海斗の声が聞こえてくる

「あっ、やばい!」

でも阿賀野を今外に出すわけには行かないし・・・・

「阿賀野!ちょっと隠れるぞ!」

「えっ、提督さ・・・・きゃんっ!」

俺は阿賀野をトイレの個室に引き込んだ

「提督さん・・・急に個室に阿賀野を連れ込むなんて今日は大胆だね♡」

「ち、違う!ここで海斗がトイレ済ますまでやり過ごしてもらうだけだ」

阿賀野にそう言われると急に自分がしていることへの背徳感が増していく

阿賀野は男・・・阿賀野は男だと俺は自分に言い聞かせた。

「おい謙!マジでヤバい!もう限界だから入るぞ!!」

海斗の声が聞こえるとこちらに足音がだんだん近づいてくる

「いいか阿賀野・・・絶対喋るなよ?」

「はーい」

俺は阿賀野に釘を刺すと阿賀野は小さな声で答えてくれた

「あれ?謙が居ない・・・ さっき入って行ったから急に居なくなるなんてことはないと思うんだけどなぁ・・・ん?個室が閉まってる!おいおい謙!安全確認ってウンコの事かよ!そんなウンコ行きたかったならそう言えばいいのに」

扉越しにそんな海斗の声が聞こえてくる

ここはそういうことにしておいたほうがよさそうだ

海斗が出たタイミングを見計らって俺もここから出れば良い

「あ、ああウンコだ!でもちょっと出が悪いから用が済んだらさっさと先に出といてくれ」

俺は扉の先に向けて言った

それを聞いた阿賀野は笑いをこらえるのに必死そうだ

「なんだよそれー散々人にションベン我慢させといて先にウンコ行きやがってよぉ」

「ああもうウンコとかションベンとかなんのためらいもなく大声で言うんじゃねぇよ!」

「だって俺とお前しか居ないし良いじゃねーかよ」

「そ、そうだけどさ・・・とりあえずさっさと済んだら出てってくれよ!」

「はぁ?なんでだよ?そりゃまあトイレに長居する理由もねーけどさぁ」

海斗がそう言うと水の滴る音とトイレの流れる音がしてしばらく経つと足音がどんどん遠ざかっていった

「はぁ・・・助かった」

「提督さん・・・友達ってやっぱ良いね」

「ど、どうしたんだよ急に・・・」

「阿賀野も・・・いいえ他の子達もそうだと思うんだけど以前の自分と関わってた人たちとの関わりを断ってきた子が多いと思うの。だから友達って羨ましいなって思って」

阿賀野がこちらを見つめてくる

こんな狭い密室で見つめられて俺の鼓動がどんどん早くなっていく

「そ、そんなもんなのか?」

「阿賀野ね・・・最初は提督さんのこと弟を見てるみたいで可愛かったんだけど本当は男の友達が欲しいだけだったのかもしれないね・・・でも今提督さんとこうやって二人っきりになって私すごくドキドキしてる・・・私提督さんの何になりたいのか自分でもわからなくて・・・」

阿賀野はそう言うと俺の右手を両手で握った

「あ、阿賀野!?」

「ほら。私の心臓の鼓動・・・感じるでしょ?」

阿賀野は握った俺の手をそのままおっぱ・・・・・胸に当てた

やわらかい感触の奥から脈打つ阿賀野の心臓の鼓動が指に伝わってくる

「○×△☆♯♭●□▲★※!?!?!?!?!?」

口から心臓が飛び出したかと思うような言葉にならない声が俺の口から発せられた

「ふふっそんな変な声出しちゃって可愛いっ!急に阿賀野をトイレに連れ込んだ仕返しなんだから!びっくりした?」

「・・・はぁ!?」

くそう!またからかわれたのか・・・!

「阿賀野お前!!」

「冗談よ冗談!確かにもう以前のただの男の私じゃないけど今の阿賀野は必要に応じて提督さんの男友達にもお姉さんにも恋人にもなれちゃうお得なポジションなのよ!」

「は、はあ・・・・」

「お友達待たせてるんでしょ?もう気は済んだし行ってあげて。提督さんたちが離れるまで阿賀野はここで隠れてるから安心して」

「あ、ああわかった・・・」

激しく脈打つ心臓の鼓動がまだ治らないまま俺はトイレから出た

はぁ・・・マジで死ぬかと思った・・・・

「おい謙!なんかトイレからすげぇ声聞こえたけど大丈夫かよ?」

「あ、ああ・・・すげぇウンコ出たからびっくりしただけで」

「なんだよー人騒がせだなーお前」

「お前にだけは言われたくねぇよ!」

「ははは!やっぱお前といると楽しいわ」

「そ、そうか・・・俺も悪い気はしないけど・・・じゃあ次行こうか」

阿賀野をこれ以上待たせるのもかわいそうだと思ったのでトイレから離れ鎮守府内の見学を再開した。

そして大浴場の前に差し掛かると

「おー!ここ風呂!?」

「ああ」

「鎮守府はクソ小さいのに風呂は大きいんだなー」

「それ褒めてんのか貶してんのかどっちなんだよ」

「・・・ってあれ?この大浴場男女で別れてないのな。もしかして混浴?お前もしかして艦娘の子と一緒に風呂入ってんの!?」

「ち、ちげぇよ!!基本艦娘しか使わないから女風呂だけなんだよ!」

本当は違うけどそう言うことにしておいてくれ・・・

「ふーんそうか で、覗いたりしたことあんのか?」

「ま、まあ一応・・・」

覗いても期待してたものは見れなかったんだけどな・・・

「だよなー!こんな状況覗き一択だよな!!」

そんな話をしていると大浴場の戸が開き

「あらぁ?その子が提督のお友達?」

「初めまして 私高雄って言います」

高雄さんと愛宕さんが大浴場から出て来た

「おおーっ!ブロンドと黒髪ショート爆乳美人が目の前に!!しかも風呂上がりで火照った肌・・・最高かよ!!」

海斗が鼻息を荒くして二人を見つめる

「あらあら元気なのね♡私は愛宕、それでこっちの黒髪ショート爆乳美人が高雄よ。よろしくね」

「は・・・はいっ!よろしくお願いしますっ!!自分謙の友人の大須海斗ですっ!自分と付き合ってくださいっ!」

ちょっと優しく声かけられたからって急すぎるだろ!!

「あらあらせっかちさんね♡でもごめんなさい私も高雄も既婚者なの。ほらね」

愛宕さん恥ずかしがる高雄さんの手を持って薬指にはめられた指輪をこちらに見せて来た

「ひ・・・人妻・・・・!こんな美人さんと結婚できた男の人はきっと幸せなんだろうなぁ・・・」

高雄さんと愛宕さんの結婚相手は目の前にいる二人でしかも二人は男だって知ったら海斗はどうなるんだろうなぁ

「ふふっありがとね♡ほら高雄も!高雄と結婚した男の人は幸せなんだって」

「・・・あ、ありがとうございます・・・」

高雄さんは照れ臭そうに小さな声で言った

「それじゃあ私たちは汗も流した事だし提督のお仕事の代わりをもうしばらくやらなくっちゃ!いくわよ高雄」

「・・・はい」

愛宕さんに手を引かれて高雄さんは執務室の方へ歩いて行った

よく見ると二人は恋人繋ぎをしていて高雄さんは完全に女の顔になっている

「いやぁ・・・人妻の艦娘なんて居るのかー謙お前絶対手出しちゃダメだぞ!それにしても仲よさそうだなあの二人」

「あ、ああ・・・」

俺には仲睦まじい夫婦に見えたけど海斗からは仲のいい女友達に見えるんだろうな

「それじゃあもう一通り案内したけどどうするよ?」

「いいやまだだ」

「いやもう全部見せただろ?」

「まだお前の部屋見てないぞ」

「はぁ?なんで部屋なんか見せなきゃならねーんだよ!」

「そりゃダチがこんな離れた場所でどんな部屋に住んでんのか気になるだろ?」

「そ、そうか・・・まあ見られて困るもんなんか全部実家に置いて来てるけどさ・・・」

「えーなんだよ俺があげたエロゲーとか置きっぱかよー」

「そんなの持ってこれるわけないだろ!」

「そうかーまあいいや案内してくれよ」

「ああわかった」

さっき吹雪は演習場に居たし海斗を上げても大丈夫だろう。

俺は海斗を部屋に連れて行った

「へーなかなかいい部屋じゃん。それにしてもお前の部屋にしては小綺麗に片付いてんな」

「そりゃ必要最低限のものしか持ってこなかったからな」

「えーじゃあゲーム機とかも無いのかよー久々に鋼拳で勝負してやろうと思ったのに」

「あーすまん家だわ」

「そうかーあっ、座っていいか?」

「ああ」

この感じ久しぶりだな・・・

海斗達と過ごした他愛のないひとときは忘れられない大切な時間だった事を再認識させられる。

そんな時間の中に大淀・・・いいや淀屋も居たんだよな。

今この場に彼が居ない事を少しもどかしく感じてしまう

「あーそういや謙」

「なんだよ?」

「淀屋ってどこ行ったか分かったか?」

「・・・・いやあれっきりだ」

俺はまた海斗に嘘をついた。

本当はすごく近くに居るのにそのことを海斗に言う訳にはいかない。

あいつが寂しそうだったのってやっぱり・・・・

「そうかーあいつ今どこで何してるんだろうな?」

「さあな・・・」

「なんだ淀屋にべったりなお前にしちゃ淡白な返しだな」

「べ・・・別にべったりなんてしてないだろ!?」

「そうだったか?まあまたなんか分かったら教えてやるよ」

「あ、ああ頼む」

「いやぁそれにしても謙が元気そうでよかった。これで踏ん切りもつくわ」

「急にどうしたんだよ・・・?」

「ああいや俺大学やめて地元離れようと思ってさ」

「な!?急すぎるだろ!!辞めて何処行くんだよ」

「それはまだ言えねぇな。でも当分お前にも会えそうにないしその前にちょっと顔だけ見に来ようと思ってな。」

「・・・いつもお前は急なんだな」

「ああ。いつも急な俺になんだかんだで着いて来てくれてありがとうな。淀屋にあったらあいつにもそう伝えといてやってくれ」

その言い方はどこか今生の別れのような気もした

「・・・・・・・ああ」

「お前も相変わらずみたいで安心したし俺そろそろ帰るわ」

「へ?また急だなぁ部屋も会いてるし泊まってけばいいのに」

「俺こう見えて結構忙しいんだよ。急にも関わらず付き合わせちまって悪かったな」

確かに海斗の荷物の量は泊まりに来るような量ではなかったがあいつのことだし後先考えずに来ただけなのかと思っていたがそうではなかったらしい。

「ああそれじゃあ送ってく」

俺は正門まで海斗を連れて行った。

「それじゃあ艦娘さんたちによろしくな」

「あ、ああ・・・また・・・会えるよな?」

なんだか不安になって俺は海斗についそう尋ねてしまった

「はぁ?何行ってんのお前!別に死ぬ訳じゃないしまた会えるだろ・・・多分な」

「多分ってなんだよ!」

「まあそん時はまた可愛い子紹介してくれや」

「あ、ああ・・・考えとく」

「・・そうか。じゃあまたな」

「今度来る時は事前に連絡しろよ」

「ああ」

海斗はそう言うと振り向かずにバス停の方に歩いて行く

俺はその背中が見えなくなるまで見送った

 

そして海斗が帰ったことを報告しに執務室へ戻り、大淀と二人きりになった

「ま、なあ大淀。海斗が心配してたぞお前のこと」

「そ、そう・・・なんだ・・・もう私のことなんかどうも思ってないのかと思ってた」

「でもお前が淀屋だってことはバレてないしほかの艦娘たちも男だってバレなくて一安心だな」

「そうね。お疲れ様、謙 紅茶入れるね」

「あ、ああありがとう」

そして大淀は俺に紅茶を入れてくれた

「な、なあ大淀」

「何?」

「艦娘になるって寂しいことなのか?それまでの友達とも会いづらくなるし・・・」

「・・・どうかしらね?でも私には謙が・・・それに吹雪ちゃんに那珂さん達だって居る。だから寂しくないよ・・・それにもともと私友達も親も居なかったから・・・それに比べたら謙も今の私を受け入れてくれたし前よりもずっと私の周りは賑やかになったわ」

「そう・・・か」

相変わらずの海斗と会った後だと少し前とは全く違う淀屋を見て俺は少し寂しさを感じた。

それでもどれだけ変わろうとも淀屋は俺にとっていつまでも大切な友達だ。

そんな時ふと以前淀屋にかけた「きっとお前を元に戻す方法もあるはずだ。だからこれから一緒に頑張ろうぜ淀屋・・・いや大淀・・・絶対お前を元に戻してやる」という言葉を思い出す。

もし戦いが終わって大淀が淀屋に戻ったら俺は本当に以前のただの友人に戻れるのだろうか?

友達としての淀屋も今の秘書官として俺を支えてくれる大淀もどちらも大切だ。

あの時はその言葉に何も思わなかったが今の大淀が居なくなることを拒む自分が居た

結局俺は大淀と・・・淀屋とどうなりたいんだろう?

あいつは本当はどうなりたいんだろう?

阿賀野の漏らした言葉の意味が少し俺にも分かった気がした。


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