ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。   作:ゔぁいらす

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海水浴前日

 多かった書類の整理もこれで最後の一枚になり、それに俺はハンコをひと突きした。

よし・・・これで今日の書類整理は終わりだ!

俺は達成感から伸びをしつつ時計を確認した。

時計は12:30を指している。

「ふぅ〜なんとか時間通りに終わったぁ!」

俺は安堵の息を洩らす。

昨日の今日で海水浴場警備の最終確認やらなんやらで書類の量はいつもよりも多かったがなんとか約束の時間までに終わらせることができた。

すると

「お疲れ様です」

大淀がそう言って俺の机にアイスティーをゴトンと音を立てて置いた。

こう言う時大淀は大抵機嫌が悪い。

本当に機嫌が悪い時は入れてすらくれないけど・・・

しかしなんで怒ってるんだ?やっぱり昨日のことまだ怒ってるのか?

でもさっきまでは別に機嫌が悪い感じでもなかったし・・・

「な、なあ大淀」

「なんですか?」

大淀は険のある返事をする。

やっぱりなんか怒ってる・・・?

「なあ・・・もしかして昨日のことまだ怒ってるのか・・・?」

「違います!」

恐る恐る尋ねてみるもそう即答されてしまった。

「じゃ・・・じゃあなんでそんな怒ってんだ?」

「別に怒ってません!」

いやいや絶対怒ってるだろ

俺が一体この短時間で何をしたって言うんだよ・・・

ただいつもより1~2割増しで仕事してただけだぞ?

「それより早くしないと天津風ちゃんとの約束の時間に遅れてしまうのでは?せっかく張り切っていたんですからさっさと行ったらどうです?」

「え、ああ・・・」

確かに大淀が不機嫌なのも気になるが天津風を怒らせたらそれどころでは済まない。

背に腹は代えられないし大淀も行けと言ってくれている。

ここで嫌だと食い下がれば逆に大淀の気分を悪くさせてしまうだろう。

「それじゃあ行ってくる・・・なんかわかんないけどごめん!」

俺はそう言い残して逃げるように執務室を後にして、ひとまず私服に着替える為自室に戻ると吹雪がベッドに座っていた。

「あっ、お兄ちゃん!お仕事終わったの?お疲れ様」

珍しいな。なんで吹雪がこんな時間に部屋にいるんだ?

いつもは演習かトレーニングをしている時間のはずだ。

「あれ?吹雪?今日は訓練してないのか?」

吹雪がサボっているとも考えにくいし・・・

「今日はおやすみなの。昨日いっぱいお仕事したから高雄さんが明日以降に備えてゆっくり備えなさいって」

「そうだったのか。いつも休みなくトレーニングに哨戒に忙しいもんな。¥」

吹雪にも休息は必要だ。

それに海開きの期間はいつもは朝と夕方の2回だけだった哨戒を交代で夜まで続けなければならないんだからそれを考えれば今日くらいはゆっくり休んだってバチは当たらないだろう。

「・・・でも」

吹雪が言いにくそうに口を開く

「どうした?」

「本当は自主練をしようって春風ちゃんたちと話してたんだけどね、天津風ちゃんが急用があって休むって言うからそれならもう今日はやらなくていいかなって思って・・・だからいまから春風ちゃんのお部屋で遊ぶんだ。お兄ちゃんも一緒に行かない?」

「そうだったのか」

吹雪も他の駆逐艦たちとしっかり打ち解けたみたいで本当に良かったなぁ・・・って天津風!?

そうだ早くしないと約束の時間に遅れる!

とっさに部屋の時計を確認すると時間は12:55を指している。

まずい!完全に早めに終わったから油断してた!

遅れて言ったら何されるか・・・流石に金的キックだけは避けたい。

「ごめん吹雪!俺も急用なんだ!!ちょっと出かけなきゃいけなくて」

俺はとっさに制服を脱ぎ捨てる。

流石にフルチンじゃないからセーフだろ

「きゃぁ!お兄ちゃん!?そんな急に脱がないでよ!!」

吹雪は驚いて顔を手で覆った

「悪い!急いでるんだ」

俺は急いでズボンとTシャツを取り出して袖を通す。

「よし・・・!それじゃあ俺行くから。悪いけど春風の所にはいけないな」

「・・・そうなんだ。じゃあ私一人で行くね」

吹雪は残念そうな顔をする。

なんだか罪悪感があるが仕方ない。

「ああ。すまんそうしてくれ!」

あれ?ちょっと待てよ・・・?吹雪って水着持ってるのかな・・・流石に遊びに行く約束をしてる吹雪を一緒に連れて行くのも春風に悪いし・・・

「吹雪!お前水着は持ってるか?」

「えっ・・・水着?うん。前の鎮守府でもらったすくーる水着・・・?って言う水着ならあるしそれで泳ごうかなって・・・あんまり前の鎮守府のことは思い出したくないけどこれなら私のアザも隠せるしみんなと遊べるから・・・」

吹雪の表情が暗くなった。

聞いちゃいけなかったかな・・・

でもそんな以前のことを思い出してしまう水着で遊んだって吹雪はしっかり海水浴を楽しめないんじゃないか?

せっかく吹雪がみんなと楽しく遊べるチャンスなんだ。

そんなことあっていいわけがないじゃないか

「吹雪!そんなの気にしなくていい。俺がとびっきりの水着を買ってきてやるから!じゃあな」

「え?そんな・・・悪いよ」

「悪くない!気にすんなそれじゃあ俺行くから!!」

俺はそう言い残して部屋を飛び出した。

 

そして猛ダッシュで鎮守府の門の方へ行くと小さな人影が見える。

天津風そりゃもうきてるよな・・・

俺はその人影に駆け寄り

「ごめん待たせた!天津か・・・・ぜ?」

と声をかけるが目の前に居たのは風に綺麗な銀髪の長い髪をたなびかせた少女だった。

てっきり天津風のことだから先に待ってるものかと思ったけど先につけたようで一安心だ。

ひとまずこの子はこんなところで立っているってことは何かこの鎮守府に用があるってことだよな・・・?

とりあえず聞いてみるか

「あっ、ごめん人違いだったよ!ところで鎮守府に何か用かな・・・?それとこの辺りで君と同じくらいの背丈の女の子・・・・?女の子!うん女の子!なんか愛想が悪そうで目つきが悪い女の子見なかったかい?」

尋ねると女の子がどんどん不機嫌そうな顔になっていく。

あれ・・・?どっかで会ったことあったような・・・・・

「・・・そう。その愛想が悪そうで目つきが悪い女の子ってこんな子じゃなかったかしら?」

女の子はそう言うとポケットから取り出したリボンで長い髪を左右に結いはじめた。

「ああそうそうそんな感じでそうやって俺を蔑むような目で睨みつけて来て愛想のなさそうな・・・・って」

この髪型にこの目つき・・・まさか・・・・!

「お、お前天津・・・風!?」

いつもよりめかし込んでいた上に髪型が違って気づかなかったが間違いなく天津風だ!

やばい!完全にやらかしてしまったぞ

「お兄さんのバカ!この炎天下のなか人をどれだけ待たせるのよ!?大人なら10分前行動5分前到着くらいはしなさいよね!?それになんで気づかないのよ!!目腐ってるんじゃないの!?愛想がなさそうで目つきが悪くて悪かったわね!!!」

俺を睨みつける天津風は今にも殴りかかって来そうだ

「ごっ、ごめんっ!ギリギリに来たのも気づかなかったのも謝るから!天津風がいつもの格好じゃないし髪も下ろしてたから気づかなかったんだよ!!だから金的だけはやめてくれ!!」

俺は股間をしっかりガードすると天津風の動きが止まる

「いつもの格好じゃないから気づかなかったですって?」

「あ、ああそうだ!まさかそんな女の子みたいな服持ってるとは思わなくて・・・」

「・・・そう・・・・別に好きできたわけじゃないけどね・・・」

「どうしたんだその服?」

「ここに着任したときに芹本さんにもらったの。男の子だった時の私服は全部置いて来ちゃったから。きっともう捨てられてるわ。だからこれしかなくて仕方なく着たの!悪い?制服でうろつくよりはマシでしょ?」

芹本・・・?たしかこの間天津風宛てに小包を送って来てた人だよな・・・?

「え、ああ・・・そうなのか・・・・すごく似合ってる。本当に別人だと思ったくらいにな」

「なにそれ?いつもの制服が似合ってないってこと!?」

「いやそういうわけじゃないけど」

「・・・似合ってるって本当・・・?」

「ああ。本当」

「私男の子なのよ?それなのにこんな服着てても変だとか思わないの?」

「ああ。確かにお前はソラだって知ったときはびっくりしたけど今はお前と同じような境遇の艦娘たちに囲まれてるから何も変には思わないよ」

「・・・そう。ギリギリに来たことは許してあげる。こんなところで油売ってたらバスの時間に遅れちゃうし。ほら置いてくわよ・・・っとまずはその社会の窓をなんとかしなさい。すっごくかっこ悪いわよ?チャック全開のお兄さん」

天津風はそう言うと俺を置いてバス停の方に歩き出した。

社会の窓・・・・?はっ!

股間をとっさに確認するとズボンのチャックが全開だ。

急いで出て来たから閉め忘れてたんだ!!

「ちょ、ちょっと待ってくれ天津風」

俺はズボンのチャックを閉めて天津風を追いかける。

「ふふーんだ!ギリギリに来た上に私に気づかないお兄さんなんか待ってあげないんだから!」

天津風はなんだか嬉しそうにスカートと左右に結った髪を揺らしながらバス停の方へどんどんスピードをあげて走って行く。

怒ったり喜んだり忙しい奴だなぁ・・・

そんなことを思いながら天津風を追ってバス停に向かった。

 

そしてなんとか天津風に追いつきバス停にたどり着いたので天津風と共にバスに乗った。

「はぁ・・・・はぁ・・・なんとか乗れたな」

「お兄さん足遅すぎ。それにあんな距離走ったくらいで息あげてるなんて運動不足なんじゃない?ちょっとは運動でもしたら?」

「ああ。考えとくよ」

「その言い方は絶対やんないわね・・・」

天津風は呆れたのか俺にそっぽを向いてバスの車窓を眺め始めた。

バスが揺れるたびに左右で結われた綺麗な銀色の髪がゆらゆらと揺れて隣にいるからなのかほんのりいい匂いも漂ってくる。

俺は天津風の髪にいつの間にか見とれていた。

少し前まであんなに髪の短かった男の子だったはずだし大淀と違ってその時の面影も結構残っているとは思っていたがまじまじと見ると本当に女の子みたいだ。

「何?そんなジロジロ見て気持ち悪いんだけど?」

天津風俺は我に返った。

「あっ、ごめんぼーっとしてた、ところで天津風」

「何よ?私景色見るのに忙しいんだけど?」

「それって地毛なのか?前はウィッグだったろ?」

「地毛よ!あれからなんだかものすごい勢いで伸びたの。最近髪洗うのが面倒ったらありゃしないわよ・・・女の子って結構大変よね。服とかも前みたいにシャツ1枚じゃ済まないからめんどくさいし」

天津風は車窓の景色を眺めたまま結った髪の先を指で弄っていた。

「そうなのか?俺男だからわかんないや」

「私だってこんなだけど男よ!」

「そうだよなごめんごめん・・・」

「ふんっ・・・!でも・・・・・」

「ん?でも?」

「なんでもないわよ!」

「そ、そうか。ならいいや」

 

そうこうしているうちにバスはショッピングモールへと到着した。

「それじゃあ行くか」

「ええ。言われなくてもね!さっさと行くわよ」

はぁ・・・せっかく可愛いとか思ったのに中身は相変わらずだよなぁ・・・

でもそんな所に少し安心を覚えたりもする。

「あっ、おい一人で先に行くなよ」

俺は天津風を追いかけた。

しかし天津風が向かったのは水着売り場ではなくゲームセンターだった

「お兄さん!私あれ遊んでみたいんだけど」

そう言って2人プレイでゾンビシューティングゲームを指差した。

「天津風、お前水着買いに来たんだよな?」

「そ、そうだけどせっかく来たんだからそれ以外のことしちゃいけないって言うの?」

「いやそんなことはないけどさ・・・わかった。付き合うよ」

「やった・・・!こほん、あんまり足引っ張らないでよね」

ほんと素直じゃないなこいつ・・・

俺と天津風は投入口に100円を入れてゲームを遊んだ。

そういえば昔よく淀屋とやったなぁこの手のゲーム。

あいついつもは物静かだけどこう言うのやると豹変するんだよな。

奇声を上げるとか乱暴になるとかじゃなくてただただ不気味に笑いながら淡々と敵をキルしていく姿は正直敵のゾンビより怖かったが今となっては笑い話だ。

そんな昔のことを思い出しつつ天津風の方に目をやると

「このっ!ああもうなんで当たんないの!?」

ピョコピョコと飛び跳ねながら銃を上下左右に動かしている

結局そのまま俺たちのライフが尽きてしまいゲームオーバーになってしまった。

「もうっ!お兄さんがあそこでアシストしてくれないから負けちゃったじゃない」

「いやいや待てよアシストも何もお前のエイムがガバガバすぎるんだよこっちは下手なりに善戦したつもりだけ」

「そ、そうだけど・・・・こんなはずじゃなったのに・・・」

天津風は悔しそうに唇を尖らせた。

「ま、まあ初めてにしてはよくやったんじゃないか?俺なんか初めてやった時すぐ死んでたし」

「そんなお世辞なんかいいわよ・・・!次はあれ!あれやりたい!!」

天津風は次に目を輝かせてダンスゲームを指差した。

そりゃ天津風も遊び盛りの年頃なんだからこれが普通なんだよな。

「あれ1人用だぞ?それにやったことあんのか?結構ああいうの難しそうだけど」

「やったことないけどいいの!お兄さんは黙って見てて。私の演習で培った敏捷さを見せてやるんだから!」

天津風は勇んでコイン投入口に100円を入れてゲームを始め、hardを選択した。

「おいおい初めてでハードは流石にきついんじゃないか?」

「どの難易度選ぶのも私の勝手でしょ!?」

天津風はそう言って選曲をして曲が始まった。

天津風は素早く足を動かしgoodを連発していく。

さすが艦娘と言った所なのか運動神経は人並みはずれたものがあるな。

天津風が足を動かすたびにスカートがふわりと宙に浮くこれ以上激しく動いたらスカートの中身が見えちゃうんじゃ・・・

「お、おい天津風・・・?」

「何よ今いい所なんだけど!?あっ、ちょっ・・・」

俺の呼びかけで集中力が削がれたのか一度ミスをしてしまった天津風はそのミスを必死に取り戻そうと必死になるがそれがアダとなってそのままミスを連発する

「あっ、もうなんで!?さっきまでうまくいってたのにっ!きゃぁっ!!」

天津風はそのまま足をつまづかせてその場で尻餅をついた

「天津風!大丈夫か!?」

俺はとっさに天津風に駆け寄る。

「あいたたたたたた・・・・お兄さんが急に声かけるから・・・・・」

「ごめんごめん・・・ほら。立てるか」

「え、うん・・・ちょっと転んだだけだからだいじょう・・・・」

天津風はそう言いかけたところで顔を真っ赤にする。

どうしたんだろう・・・

少し視線を下の方にやると天津風のスカートがめくれ上がっていてスカートの中から猫の柄のパンツが顔を覗かせていた。

「ねこ・・・?」

「きゃぁぁぁちょっと見ないでよ!!」

「うわぁぁぁごめんっ!!本当にごめんっ!!」

 

結局天津風は自力で立ち上がって興が冷めたのか水着売り場に向かって歩き出した。

「全く・・・男のパンツなんか見るなんてどれだけ変態なのお兄さんは」

いやいや完全に女性物のだったし・・・

「あれは事故だ!好きで見たわけじゃないって!」

「本当ぉ?阿賀野さんとか大淀さんと一緒にお風呂でいかがわしいこととかしてるし本当はお兄さん男の人が好きなんじゃないの?」

「ばっ・・・そんなわけないだろ!?それに阿賀野は勝手に入って来ただけで大淀は・・・・・」

「大淀はなんなのよ」

「大淀は・・・その・・・というかいかがわしいことなんかしてねぇよ!断じてな」

「そうかしら・・・?お兄さんのことだしやりかねないんじゃない?」

「やりかねなくない!」

そんな言い合いを天津風としていると

「あ〜新しい提督のお兄さんなの〜こんにちは〜なの!」

聞き覚えのある声に呼び止められた。

「あっ、育田さん。こんちは」

「誰この人?」

天津風が尋ねてきたので俺は育田さんについて天津風に話した。

「これがイク先輩って人なのね・・・」

「あれ?天津風知ってたのか?」

「ええ。この間阿賀野さんにちょっと聞いたの。それに何回か泳いでるのを見たことあるかも・・・」

「そうか。そりゃ同じ街で暮らしてるんだから少しくらいは知っててもおかしくないよな」

「ん〜?お兄さんその子だれなの?毎度取っ替え引っ替えで女の子連れて歩いてるなんてお兄さんも隅に置けないのね」

育田さんのそんな言葉を聞いて天津風は俺を睨みつけてきた。

「違いますって!阿賀野たちも女の子じゃないじゃないですか!!こいつは鎮守府に新しく着任した天津風です!」

「む〜お兄さんレディーの扱いがなってないのね・・・あっ、初めまして天津風ちゃん。私、育田玖李って言うの!ちょ〜っと前まであの鎮守府で伊19って名前で艦娘してたの〜今はあのお店の店員さんやってるの!よろしくね」

「は、はい・・・天津風です。よろしくお願いします・・・」

天津風はぺこりと頭を下げた。

「育田さん今日はお休みなんですか?」

「遅めの休憩なの!特にやることもないから少し他のお店を敵情視察してたの!久しぶりに潜水艦の血が騒いじゃったのね!!」

「そ、そうだったんですか」

「ところで今日は何しに来たの?」

「はい。天津風が水着を買いに行くのに付き添って欲しいって言うのでついて来たんです」

「水着?なにかあるの〜?」

「安全確認も兼ねて明日海水浴場を貸切にしてもらえるみたいなんですよ」

「え〜何それ聞いてないの!!阿賀野ちゃんなんで誘ってくれないの〜!?それじゃあイクはそろそろ仕事だから行くのー!!」

育田さんは俺の話を聞くや否や育田さんは慌ただしく走り去ってしまった。

「ちょっと変わった人ねあの人・・・」

「ああ。俺もそう思う」

そんなことを話しながら俺たちは特設された水着コーナーにたどり着く。

「ここで良いのか?」

「ええ。ブランドものの水着なんか高くて買えないし安物ので良いわよ」

「水着にもそういうのあるのか。」

「はぁ?当たり前でしょ・・・・ところでお兄さんはどんな水着が好きなの?」

「やけに詳しいな・・・ってはぁ!?急に何言い出すんだよ」

そんな急に言われてもなぁ・・・女物の水着なんか中学生の頃に授業でクラスメイトのスクール水着を生で見て行こう全く無縁だったし・・・

「別に私はお兄さんの好みなんか興味ないけど一応参考程度に聞いておこうと思ったんだけど?」

「いやその・・・俺もよくわからないと言うか・・・」

「何よそれ!?」

「あっ、そうだ!ついでに吹雪にも水着を買って行ってやろうと思うんだけど吹雪にはどんなのが似合うと思う?」

「人の質問に質問で返さないでよ・・・私は傷が目立たないように上と下が繋がってる奴の方が良いと思うけど?」

「そうだよな・・これとかどうだ?」

俺はいちごの柄がプリントされたワンピースタイプの水着を手に取る

「・・・センス最悪。やっぱりお兄さんに聞くんじゃなかったわ。適当に吹雪の分も何着か選んできてあげるからお兄さんはその辺のベンチで座ってたら?こんなところでお兄さんみたいな男の人が1人でいたら変な目で見られるわよ?」

そう言って天津風は1人で水着を選び始めた。

確かに天津風の言う通りここで1人で立ってるのは目のやり場に困って恥ずかしいし何より気まずい。

「はいはいわかったわかった。それじゃあ任せたぞ」

俺は近くにあったベンチに腰掛けて待つことにした。

 

しばらくしてひょこりと店から顔を出した天津風がこちらに手招きをする。

もう選んだのか。

俺が天津風の方へ行くと

「とりあえず吹雪に似合いそうなのを何着か選んであげたわよ感謝しなさい」

天津風がワンピースタイプの水着を4着こちらに突きつけてくる。

どれも控えめだけど可愛らしいデザインで吹雪が着ることを考えると甲乙つけがたいものがある。

でも全部買うほど余裕もないしなぁ・・・

「どれが良いんだろ・・・?」

そういえば吹雪が好きなものってなんなんだ・・・?

あれだけ一緒に暮らしているのに何も知らないぞ

それに多分聞いてもお兄ちゃんの好きなので良いよって言うだろうし・・・

少なくとも背中がぱっくり空いていないデザインの奴を天津風が選んでくれたからその一点は全てクリアしている。

うーん・・・どれが一番喜んでくれるだろう?

「あれだけ毎日一緒にいて吹雪に似合う水着を選べないって言うの?まったく・・・毎日何考えて生きてるんだか・・私はこれとか良いと思うんだけど?」

天津風は一着の水着を指差す。

「なんでそう思うんだ?俺はどれも可愛いと思うけど」

「ほんと優柔不断ね・・・理由は簡単。私だって男の子なのよ?吹雪が着てる所を見たい奴を選ぶに決まってるじゃない」

「そうか・・・ならそれで良いんじゃないか?俺も可愛いと思うし・・それに俺が選んでやるより天津風が選んだ奴の方が喜ぶんじゃないか?」

「何よそれ!?少しぐらい真面目に自分で選ぶ努力くらいしなさいよ!!それにあなたが選んだって言った方が吹雪は喜ぶに決まってるわよ・・・・それに私だって女の子の水着選ぶの結構恥ずかしいんだからね?」

「え、ああ・・・ごめん・・・それじゃあ俺はこれが一番吹雪に似合うと思うからこれとか・・・どうかな?」

俺は水着の中から水色で控えめなデザインの物を選んだ。

これなら吹雪に似合うと思うし着ている所を見てみたい。

きっと吹雪ならこれくらいシンプルな方が映えるはずだ。

「ふぅん・・・お兄さんにしてはまだマシなセンスしてるじゃない。それじゃあその水着買ってあげなさい」

「え、ああ。うん。ありがとうな」

「な、なんでお礼なんか言われなきゃいけないのよ!?」

「いやだってお前がここまで絞り込んでくれなきゃ決められなかっただろうし」

「ふんっ!それだけお兄さんが優柔不断って事でしょ?これに懲りたら少しは自分で考えるようにしたら?」

「ああ。努力するよ。それじゃあ次は天津風の水着だな」

「えっ!?そ、そうね・・・」

「お前はどうするんだ?また待ってた方がいいか?」

「え・・・それは・・・その・・・もう買ったから!」

「えっ?」

「そう!吹雪の水着選んでる時に可愛いの見つけたから買っちゃった・・・でも絶対お兄さんには見せてあげないから」

「見せてあげないってお前明日嫌でもそれ着て泳ぐことになるんだぞ・・・?」

「それでもよ!なんでも良いからさっさとそれレジに持って行きなさいよ!」

「はいはいわかったわかった。それじゃあこれだけ買ってくるから少し待っててくれ」

「それじゃあ私はその間に取って着た水着戻してくるわね」

俺は選んだ水着をレジに持って行き購入した。

「ふぅ・・・これで用事は済んだな。もう明日も遊ぶんだしそろそろ帰るか」

「帰りたいのは山々だけどまだバスが来るまで30分くらいあるんだけど?」

そうだ。鎮守府方面行きのバスは極端に少ないんだった。

じゃあそれまで何をしてよう・・・そうだ!なんか機嫌悪そうだったし大淀に何か買って行ってやろう。

あいつが喜びそうなものは・・・・

あっ!さっきゲームセンターにあれがあったはずだ!

「天津風、もう一回ゲームセンター寄っていっても良いか?」

「え、いいけど・・・」

俺は天津風を連れてゲームセンターに戻った。

 

 そしてゲームセンターのクレーンゲームを探すとやっぱりあった。

あの時淀屋にあげたぬいぐるみと同じシリーズのぬいぐるみだ。

なんで怒ってるかは結局わからなかったけどこれを大淀にあげれば多少は機嫌を直してくれるはずだ。

「お兄さんこんなの取るの?」

「ああ。暇なら他のところ行っててくれても良いんだぞ?」

「ううん。お兄さんのクレーンゲーム見てるわ」

「そうか。まあ見てろすぐ取ってやるから」

俺はコイン投入口にひとまず500円を投入した。

「ああっ・・・!くそっ!今のはいけただろなんだよこの激弱アーム!!」

「ああもうなんで取れないのよ!!」

横で天津風がまるで自分のことのように悔しがっている。

最近やっていなかったブランクからなのか単にこの台が渋いのか予想外に手間取ってしまったがなんとか1500円で取ることに成功した。

「よっしゃぁぁぁ!!・・・はぁ・・・手間取ったけど沼らなくてよかった・・・」

「やった・・・!でもそんなぬいぐるみのどこが良いんだか。やっぱりお兄さんのセンスはよくわからないわ」

「悪かったな!それじゃあそろそろ帰・・・ってもうバスの時間ギリギリじゃないか」

「バカ!お兄さんがこんなのに1500円も突っ込むから!!」

「ごめん・・・!このバス逃したら次は1時間以上後のやつしかないし急ぐぞ!晩飯に間に合わなくなる」

「わかってるわよ!誰のせいでこんなことになったと思ってんの!?」

流石にぬいぐるみをそのまま担いでいくわけにもいかないので袋を一枚もらってそこにぬいぐるみを詰めながら俺は走った。

しかしそんな努力も虚しくバスは目の前で行ってしまった。

あたりはもう日が傾いて暗くなり始めている。

こりゃもう晩飯の時間までには帰れないな・・・

「はぁ・・・はぁ・・・・くそっ!ギリギリ間に合わなかった・・・」

「はぁ・・・はぁ・・・・・・何がギリギリよ!元はと言えばお兄さんがクレーンゲームなんかしようって言うから!!」

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・す、すまん天津風・・・・1時間どこかで時間潰さなきゃな・・・一回鎮守府に連絡入れといた方がいいかな・・・」

俺たちがショッピングモールに戻ろうとした時

「あれ〜お兄さんたち今帰りなの〜?」

後ろから聞き覚えのあるのんきそうな声が聞こえた。

「育田さん?今仕事終わりですか?」

「うんっ!イク、仕事終わって今帰るところなのね」

「そうだったんですか・・・でも俺たちはあと少なくとも1時間は帰れないんですよね・・・」

「あ〜バス乗り遅れちゃったの?ほんとにあそこバスの本数少なくて不便なのね〜そうだ!イクが車で送って行ってあげるの!」

「えっ、免許持ってるんですか?」

「む〜失礼なのね!この辺りは車持ってないと不便すぎたから頑張って取ったの!」

育田さんは誇らしげに胸を張った。

「でも良いんですか?」

「遠慮はいらないの!伊号潜水艦に乗ったつもりでイクに任せるのね!」

よくわからないけど多分大船に乗ったつもりって言いたいんだろうな。

「は、はい。それじゃあお言葉に甘えて」

「それじゃあこっちなの!」

育田さんは車が停めてある駐車場まで俺たちを連れて行き、若葉マークのついたミニバンの前で立ち止まった

「これなの!ささ!早く乗るのね」

育田さんは後部座席と助手席のドアを開けてくれたので俺は助手席、天津風が後部座席に乗ると育田さんは車を発進させた。

そして車を走らせてしばらくすると

「そうだ!お兄さん!イク明日有給取れたの!ずっと使ってなかったから今のうちに消化できてよかったのね!!だから明日はイクも海水浴行くの〜!阿賀野ちゃんたちにも会いたいし久しぶりにめいいっぱい泳いでやるのね!」

育田さんは嬉しそうに言った。

でも良いんだろうか?あくまで鎮守府の人間に貸し切る約束のはずだけどもう退役してしまっている育田さんを呼んでも

「えっ、ちょっと待ってくださいもう育田さんは部外者ですよね・・・?そんな急に大丈夫なんですか?」

「いいのいいの!こっちから長門に直接話はつけるのね!長門のことだしきっとOKしてくれるの〜はぁ・・・楽しみなの!」

そんな心を躍らせている育田さんとは対照的に天津風はなんだか表情が暗い。

「どうした天津風?」

「あ、あの育田さん・・・?長門って・・・・?」

天津風は育田さんに尋ねる。

「あれ?天津風ちゃん会ってないの?今は確かえーっと・・・そう!ながみね・・・だったの?そんな名前で観光協会の会長さんとかをやってるのね!」

あっ・・・マズい・・・!天津風に秘密にしておけって言われたことをまさかこんな場所でバラされるとは・・・・!!

「・・・うそ・・・・長峰さんが・・・長門さん・・・!?」

天津風は口を手で押さえる

「あ、天津風・・・それは・・・」

「そんな・・・・嘘・・・それじゃあ私・・・」

「ん?天津風ちゃんどうかしたの?」

育田さんは訳がわからず首を傾げる。

「ごめん天津風。事情が事情だから話すぞ。あの育田さんちょっといいですか?実は・・・」

俺は赤信号で車が止まったタイミングで育田さんに長峰さんと天津風・・・いやソラの関係を伝えた。

「そ、そうだったの・・・イクすごくマズいことしちゃったの!?ごめんなさい天津風ちゃんイク知らなくて・・・」

「い、いえ。育田さんは悪くないです・・・それなら私長峰さんに謝らなくっちゃ・・・」

「謝る?お前が何したっていうんだよ?」

「私・・・何も知らなくて・・・長峰さんのせいなんかじゃないのに私・・・長門として謝りに来てくれたのに・・・お父さんとお母さんが死んだのは私のせいだってずっと泣きながら謝ってくれたのに私は何も言ってあげられなかった。それに私何も知らないで長峰さんに酷いことを・・・」

「ごめん天津風・・・長峰さんから秘密にしておいてほしいって言われてたんだけど・・・」

「長峰さんも私と同じで知られるのが怖くて黙ってたんだ・・・それじゃあ私がソラだって隠してたのもバカみたいじゃないでももしそうなら長峰さんに・・・長門さんに私はあなたのせいでお父さんとお母さんが死んだなんて思ってないし恨んでもないって伝えなくっちゃ!」

思ったよりも天津風は自体をしっかりと飲み込んでくれたようだ。

「天津風・・・」

「・・・でも今日はもう疲れちゃった。帰ったら1人にして・・・」

天津風は声を震わせてる。

無理してんのかな天津風・・・

車内はそんな気まずい雰囲気のまま鎮守府に着くまで俺たちは一言も天津風に言葉をかけてやれなかった。

そして鎮守府の前で車は止まり、そこで俺たちは降りた。

「ごめんなさいなの・・・・イク余計なこと言っちゃったのね・・・」

「いえ。いつか直面する自体だったと思いますし・・・むしろ俺も良い機会だと思います」

天津風はうつむいたまま何も言わなかった。

「それじゃあイクは帰るの。天津風ちゃんのことは長門にこっちからも伝えておくのね・・・何言われるかわからないけどイクのせいだからそれくらいのことはやるの」

「はい。送ってくれてありがとうございました。それじゃあまた明日」

天津風は何も言わなかったが育田さんに小さく礼をした。

そして育田さんは車を発進させる。

「天津風・・・ごめんな。俺も長峰さんにもお前にも秘密にしておいてほしいって言われてどうすれば良いのかわからなくて」

「・・・・全部知ってたの?」

「ああ。長峰さんのことも長峰さんがお前のことそソラだって知ってるのも全部な」

「・・・それならそうって言ってくれたら良いじゃない・・・バカ」

天津風は小さな声でそう言ってとぼとぼと1人で歩いて行ってしまった

俺は天津風にかける言葉がみつからずただただその背中を見送ることしかできなかった。

こんなときいつも俺は何もできないでいる。

そんな無力感に打ちひしがれていた。

 

そして俺も自室に戻ると

「あっ、お兄ちゃん!お帰りなさい。どこ行ってたの?なんか元気ないみたいだけど」

吹雪が部屋で待っていてくれたようだ。

「あ、ああ。色々あってな・・・そうだ吹雪、水着買ってきたぞ。」

「え、そんな・・・私あの水着で良いって言ったのに・・・」

「そんな地味なのより可愛い奴の方が良いだろ?それに辛いこと思い出してたら楽しいものも楽しくないじゃないか。ほらこれ俺と天津風が選んだんだ。気に入ってくれたら嬉しいな」

俺は袋から買った水着を取り出して吹雪に手渡した

「うわぁ〜!ありがとうお兄ちゃん!大事にするね」

吹雪は渡した水着をぎゅっと抱きしめる。

「天津風ちゃんも選んでくれたの?あとでお礼言わなくっちゃね」

「うーん・・・今日はやめといた方が良いんじゃないかなぁ」

「なんで?天津風ちゃんどうしたの?」

「え?ああ、ちょっと色々あってな・・・だから明日その水着を着て遊びにいた時にでもお礼を言ってやってくれ」

「うん。お兄ちゃんがそう言うならそうするね!・・・そうだ!お兄ちゃん。これ着てみても良い?」

「ああ良いぞ」

「それじゃあ着替えてくるね」

吹雪は洗面所に入って行き、しばらくして水着姿の吹雪がゆっくりと洗面所のドアを開けて出てきた。

「・・・どう・・・かな?サイズはちょうど良いけど似合ってる・・・かな?その・・・・こことか目立ったりしてない?」

吹雪は水着に縫い付けられているスカートを引っ張って股間を隠そうとしているがスカートは股間部まで隠れる長さはあるし吹雪のアレ自体も小さいので全く気にならない。

それに思った通りやっぱり似合ってる。

「ああ。似合ってるぞ。そこも大丈夫だ。スカートで良い感じに隠れてるよ」

「本当・・・?よかったぁ〜それじゃあ明日は安心してこれ着て遊べるね!本当にありがとうお兄ちゃん!」

「ああ。喜んでくれてよかった。あっ、そろそろ夕飯の時間じゃないか?」

「そうだね。それじゃあ私、服に着替え直してくるね。」

「ああ。ゆっくりでいいぞ」

そしてまた制服に着替え直した吹雪とともに俺は食堂へ向かって夕飯を済ませたが天津風は結局食堂に顔を出さなかった。

心配だったから部屋に行ってみたが食欲がない。1人にしてほしい。というような返事しか帰ってこなかったし無理やり連れ出すのも悪いと思ったので

「明日は・・・遊べそうか?それと吹雪がお前にもありがとうって言ってたぞ」

と伝えると

「・・・うん明日は行く。長峰さんたちもくるだろうし・・・ここで言わなかったらきっと僕・・・また後悔すると思うから」

ドアの向こうから今にも泣きそうな声が聞こえてきた。

「あ、ああ・・・とにかく無理だけはするなよ。おやすみ」

俺はそう言い残して天津風の部屋を後にした。

 

そして部屋に戻るとゲームセンターのロゴの入った袋が目に入ってくる。

そうだ。これせっかく取ったんだから大淀に渡さなきゃ

俺はその袋を持って大淀の部屋に向かった。

「な、なあ大淀今いいか?」

大淀の部屋をノックすると

「えっ?謙!?ちょ・・・ちょっと待って!きゃうっ!」

そんな声と同時にゴンという何かが壁にぶつかった音がした。

それからしばらくすると大淀が赤くなったおでこをさすりながら部屋から出てきた。

「大丈夫か大淀」

「え、ええ。ちょっとバランス崩して壁にぶつかっただけだから・・・たんこぶとかにもなってないし大丈夫」

よかった。怪我はしていない様だ。

「そ、そうか・・・それならよかった。あの・・・これ」

俺は持っていた大淀に袋を手渡す。

「なにこれ・・・?」

大淀は不思議そうに袋を見つめてきた。

「まあ中身見てみろって」

「え、ええ」

俺が促すと大淀は袋の中身を取り出した。

その中身を見るなり目に見えて大淀の表情が明るくなる。

「これ・・・どうしたの?」

「ああ。なんか今日大淀機嫌悪かったしショッピングモールに行ったついでになんか機嫌が治りそうなものでも渡そうかなって思ってさ」

「ごめんね謙・・・なんか気を使わせちゃったみたいで」

「ああいや気にしないでくれ。なんにせよ多分俺に原因があったんだろうからさ」

「違うの。今回のことは私が勝手にイライラしてただけで・・・ごめんなさい」

「えっ、昨日のこと怒ってたわけじゃないのか?」

「うん。それとは関係ない話」

「そ、そうか・・・まあいいや。それじゃあ明日は久しぶりにめいいっぱい遊ぼうな!それじゃあおやすみ」

「ええ。これありがとうね謙。おやすみなさい」

俺は大淀の部屋を後にして部屋に戻った。

 

そして次の日・・・・


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