ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。   作:ゔぁいらす

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俺の親友がこんなに可愛いわけがない

 「はぁ?那珂ちゃんにデートを申し込まれたって!?」

「ちょ・・・・声大きいよ謙!!」

思わず声を出してしまったが大淀は赤面して取り乱している。

しかし一体なんで那珂ちゃんとデートなんて・・・

「えーっと・・・・で、なんでそんな事になったか教えてくれないか」

「え、ええ・・・それは・・・・・あのね・・・私、那珂さんに最近おしゃれとかについて相談してて」

そう言えばこの間那珂ちゃんもそんな事を言っていたような気がする。

「でもなんで那珂ちゃんなんだよ?他にも居るだろ?高雄さんとか」

「え、ええ。那珂さんが来るまでは高雄さんや愛宕さんに聞いてはいたんだけど・・・その・・・」

そこで大淀は言葉を濁した。

「聞いてはいたけどどうなんだよ?」

「最初は折角だし謙に少しでも可愛く見てもらいたくって二人に聞いてたの。でもね、高雄さんの服はなんだか私の趣味に合わなくて・・・それに愛宕さんはなんだか露出度の高い服ばっかり進めて来てちょっと恥ずかしいかな・・・って思ってて・・・・」

そうだったのか・・・って愛宕さん・・・いやあのスケベオヤジ何やってくれてんだよ俺の大淀に!!

俺の・・・・?

ナチュラルにそんな言葉が俺の頭をよぎっていた。

俺のだなんてそんな・・・俺・・・・やっぱりこいつの事そんな意識してるんだな・・・・

俺は少しむず痒い気分になる。やっぱり俺、大淀の事・・・・

「謙?どうしたのニヤニヤして・・・?」

いけない顔に出てた様だ。

「ああ、いやなんでも無い。それじゃあ阿賀野に聞きゃいいじゃん」

話を逸らそうと大淀にそう聞いてみると

「それだけはやだ」

大淀は即答した。

「なんで!?あいつ・・・その・・・男だけどさ・・・結構私服とかかわい・・・・かったりする・・・じゃん?」

これだけは認めざるを得ない。

しかしその言葉を聞いた大淀は俺を睨みつけてくる。

「あっ・・・いや・・・その・・・」

「そ、そうだよ・・・・どうせ私なんてあの子の足元にも及ばないし・・・・でもあの子に聞いたらなんだか負けな気がして・・・・」

大淀はへそを曲げたのか口を尖らせてそう言った。

「ああでも・・・この間偶然ショッピングモールで会った時のお前の服も似合ってたし・・・・その・・・お前にはお前の良さがあると言うか・・・・」

畜生・・・!気の聞いた事を言ってやれねぇ・・・・

「そ・・・そうなんだ・・・・ありがと・・・・あの服、私が自分で選んだの」

大淀はまんざらでもなさそうだ。

よかった。なんとかなった・・・のか?

「そ、それでさ、那珂ちゃんに聞く様になってどうなったんだよ?」

俺は即座に話題修正にかかる。

「あ、ええ。それで・・・この間私が気の迷いで男の子に戻ろうとした事があったじゃない?」

「うん・・・」

「その時ぶつかってこけそうになった那珂さんを私だって気付かれない様に介抱してあげたの。そしたら・・・・なんでかあれが私だって那珂さんにバレててそれっきり私の事を見る度ソワソワするようになって・・・・」

あれ・・・もしかして俺が那珂ちゃんに教えたせい?

「ただその時は私もバレてるとは思わなかったからなんだか様子が変だし私が何かしたんじゃないかって思ってどうしたんですか?って聞いたの。そしたら那珂さんが那珂ちゃんのお願い聞いて欲しいな・・・って言ってきたからいつもお世話になってるからなんでも仰ってください!って答えたんだけど・・・・そしたらなんでも良いって言ったよね?って言われてなんかそのまま流れで告白されちゃって・・・・」

えっ・・・今なんて・・・・・こく・・・はく・・・?

「こっ・・・・告白!?」

「だーかーらー声が大きいってば!!」

大淀は顔を赤らめて俺の口を塞ごうとしてくる。

「いやいやいやそりゃびっくりするわ!!告白された!?どうやって!?」

「どうやって・・・ってその・・・・大淀ちゃんの男装してる姿見て那珂ちゃんはぁ・・・皆の物なんだけどぉ・・・あなただけの物になりたくなっちゃった・・・キャハ・・・・付き合ってくださいって」

大淀は恥ずかしそうに少し那珂ちゃんの真似をしながら言った。

ガチ告白じゃないですか!!いやしかし恥じらいながら那珂ちゃんの真似する大淀めちゃくちゃ可愛いなおい!!

ってそれどころじゃないで、で!!その後どうなったんだよおいいいいいい

「おおおおお前はそれにどう返したんだよ!!教えてくれよ!!」

俺は大淀が那珂ちゃんに盗られるんじゃ無いかと不安に駆られていた。

「きゃぁ!そんな近付かないでよ謙・・・・!それはもちろん・・・」

「もちろん・・・・?」

「私には好きな人が居るからって言って丁寧にお断りしたよ」

はあ・・・・・よかった・・・・

俺はそっと胸を撫で下ろす

「そ・・・それって・・・誰だよ?」

わかってる。でも俺は大淀からその答えを聞きたかった。我ながらめんどくさい奴だよほんとに・・・・

「そ・・・・そんなの言わなくてもわかるでしょ?謙しかいないじゃない・・・言わせないでよ・・・・」

大淀は顔を赤らめて小さな声で言った。

ありがとうございます・・・・ありがとうございます・・・・

「大淀ぉ・・・」

「うわぁ!謙っ・・・ちょっとこんな所で抱きつかないでよ!!こんなところ誰かに見られたらぁ・・・・」

「少し位いいじゃんかよぉ」

俺は大淀が好きだと言ってくれた事、それに那珂ちゃんの告白をきっぱりと断ってくれた事の安心感を噛み締めていた。

そんな時部屋の戸の開く音がしたので俺はすかさず大淀を離す

「お兄ちゃん、お風呂空いたよ。それに誰と話してるの?」

「ふ、吹雪!?ちょっと大淀と今後の鎮守府の方針について話してたところなんだよ!な、大淀!!は、ははは・・・」

「え、ええ。そうよ!!け・・・提督!!!運営状況の確認は大切ですから・・・・!」

「あ、ああその通りだぞ大淀!もう少し話に時間かかりそうだから吹雪は部屋で待っててくれ!!」

俺と大淀は必死に誤摩化した。

「そうなんだ・・・お兄ちゃんもお姉ちゃんもこんな夜遅くまで鎮守府の為に頑張ってるんだ!!私ももっと頑張らなきゃ・・・・!それじゃあお兄ちゃん。私お部屋で待ってるからお風呂冷めないうちに戻ってきてね!」

そう言って吹雪は部屋に大人しく戻って行った。

はあ・・・・よかった。抱きついてたのは見られてなかったみたいだ・・・・

「・・・・ごほん・・・・それで相談ってなんなだよ?告白は断ったんだろ?」

「えーっと・・・話はそこからなんだけど断ったは良いんだけどそれじゃあ一日だけで良いから男の子の恰好で一緒に遊びに行って欲しいって言われて・・・いつもお世話になってるから断る訳にもいかなくて・・・・でもこれってデートなんじゃないかなって・・・・謙に黙って行ったら悪いかなって思って・・・・ごめんね。謙がやめろって言うなら私断ってくるから・・・」

大淀は申し訳無さそうに言った。

でもそれってデートなのか?

二人で出掛けるだけで別に大した事ではない様に思える。

でも心配じゃないかと言われると・・・・

「うーん・・・・でもただ遊びに行くだけだろ?お前もここ最近色々あって疲れてるだろうし息抜きくらいしてきても良いんじゃないか?それに他の艦娘と親交を深めて貰うのは提督としては大歓迎だし・・・・ただ絶対・・・その・・・・那珂ちゃんと付き合うなんて言わないでくれよ?」

俺は念を押した。

「そう・・・・うん。そうだよね。それに当たり前じゃない。私が大好きなのは謙だけだから・・・・」

「ありがとう。それが聞けただけで安心だぜ。それじゃあ当日は楽しんでこいよな」

「う、うん・・・・わかったよ謙・・・それじゃあお休み」

「ああ。お休み大淀」

俺がそう言うと彼女は思い出した様に言った

「あっ、そうだ謙」

「ん?どうした?」

「あのさ・・・・最近二人っきりの時も私の事大淀ってちゃんと呼んでくれてるよね・・・・?」

「あ、ああ。お前がそう見て欲しいって言ってたし・・・それに上手く言えないけど淀屋は親友だってのは変わらねぇけど今のお前は俺が好きな人だから俺の中でも一種の踏ん切りがついたと言うか・・・」

「そうなんだ・・・ありがと。これからもずっと大淀としてあなたの側にいれたら良いな・・・」

「ああ、当たり前だろ?お前は俺の秘書官で・・・それに俺の大切な人なんだからな!もちろん淀屋もだぞ!!でもお前がその姿で俺の事を好きで居てくれるなら俺にも親友としてじゃなくて・・・その・・・好き・・・な人として付き合わせてくれよ」

「ええ。ありがとう謙。私うれしいよ・・・それじゃあまた明日の朝ね」

「ああ。それじゃあな」

俺は大淀に別れを告げ部屋に戻るとそれを見た吹雪が俺の方へ駆け寄ってくる。

「あっ、お兄ちゃんお帰り!」

「ただいま。ちょっと待たせちゃったな」

「ううん。待ってないよ!あれ?お兄ちゃんなんだか嬉しそうだけど大淀お姉ちゃんと何かあったの?」

吹雪は俺を見つめてくる。

やばい・・・また顔に出てたのか?

吹雪には俺と大淀の関係を打ち明けても良い気がするけど大淀に秘密にしておいて欲しいって言われてるしなぁ・・・・

「ああ。ちょっとな・・・!」

俺は適当に誤摩化す。

「もーなにそれ?それじゃあ早くお風呂入っちゃってね!私ベッドで待ってるから・・・・」

吹雪はそう言うとベッドに腰掛けた

「ああ。それじゃあささっとひとっ風呂浴びてくるからもう少し待っててな」

「はーい!」

吹雪の返事を聞いてから俺は風呂を済ませる。

そして寝巻きに着替えようとしたのだが風呂に入る前に脱ぎ捨てたシャツがない事に気付く。

「あれ?シャツが無いぞ?シャツだけ片付けたって事もないだろうし・・・まあいいや。どっかに紛れてるのかもしれないな。」

どうせ後は洗濯するだけだしそのうち出てくるだろう。

俺は残りの脱ぎ捨てた服を片付けてから寝巻きに着替え吹雪の待つベッドへと脚を進める。

「ふぅ〜吹雪、上がったぞ」

しかしベッドの上に吹雪の姿はなかった。

「あれ・・・?何処いったんだろ?」

辺りを見回すが出て行った形跡もない。

「おーい吹雪ー?」

俺はひとまず呼びかけてみる。すると

「ひゃぁっ!お、お兄ちゃん!?もうお風呂上がったの!?」

少し息を上げた吹雪の声がトイレから聞こえてきた

「ああなんだトイレか」

「う・・・うん・・・・!ちょっとお腹痛くなっちゃって・・・」

「大丈夫なのか!?」

「だ・・・だいじょうぶ・・・うぁっ・・・」

しかしその声はどこか辛そうで息を上げている

「ほんとに大丈夫かよ!?」

「だ・・・だいじょうぶだから・・・んっ・・・・」

吹雪はそう言うがどう聞いても大丈夫そうには聞こえないので

「無理しなくても良いぞ吹雪!下痢止め貰ってきてやるからちょっと待っててくれ!!」

「え!?あ・・・うん!!そうしてくれるなら助かるよお兄ちゃん!!」

「ああ!わかった!!」

俺は部屋を飛び出して医務室へ向かうと医務室には灯りが点いていた。

よかった・・・誰か居るみたいだ

「すみませーん下痢止め欲しいんですけど」

そう言って医務室のドアを開けるとそこのは高雄さんが居た

「あら、こんな遅くに提督どうしました?」

「あの・・・吹雪が腹痛いみたいで・・・なんか腹痛とかマシになる薬置いてないですかね?」

「まあそれは大変ね。それじゃあひとまず整腸剤で様子を見てあげて」

そう言って高雄さんは棚から茶色い小瓶を取り出してきた。

「吹雪ちゃんならそうね・・・1回2錠でいいわ。明日執務室に来た時にでも返してくださいね」

俺は高雄さんからその瓶を受け取り

「ありがとうございます!」

と礼を言ってからすかさず部屋に戻った。

「吹雪ー!!薬貰ってきたぞ!!」

息を上げて部屋に入ると俺の心配はよそに吹雪はベッドに座っていた。

「あっ、お兄ちゃん・・・心配かけてごめんなさい。もう大丈夫みたい」

「本当か!?一応薬は貰ってきたからまた腹痛くなったらすぐに言ってくれよ」

「あ、うん・・・ありがとうお兄ちゃん」

吹雪が大丈夫そうで少し安心した。そしてふと風呂場の方を見ると俺のシャツが綺麗に畳んで洗濯物を入れるかごに引っ掛けてあった。

さっきまであんな所にはなかった筈なんだけどな・・・・きっと吹雪がやってくれたんだろう

「吹雪・・・俺のシャツなんだけどさ」

「ええ?シャ・・・シャツ!?シャツがどうかしたのお兄ちゃん?」

吹雪は俺の言葉に何やら驚いている。

「ああいや・・・さっき見当たんなくて探してたんだけど吹雪が畳んで入れといてくれたんだな。ありがとう」

「あ・・・うん・・・そうなんだ!シワになったらいけないと思って片付けておいたの!」

「吹雪は気が利くなぁ」

「う・・うん・・・ありがとうお兄ちゃん」

吹雪は少し遠慮がちに頷く

「でもあれ洗濯する奴だし別にわざわざ畳んでくれなくてもよかったんだぞ?」

「え・・・・!?そうだよね!!私ったらうっかりしてて・・・ごめんなさいお兄ちゃん」

「別に謝る事じゃないけど・・・」

「う・・・うん・・・」

なんだろう?吹雪の様子が少し変な気がする。

でもまあいいや。今日は色々あって疲れたし眠いしそろそろ寝よう。

「それじゃあ寝るか」

「うん!」

俺がベッドに入ると吹雪もすかさず入ってきた

「お兄ちゃん。くっついても良い?」

「ああ」

吹雪がベッドの中で俺に抱きついてくる。

そのほのかな暖かさで俺は自然と眠りに落ちていった。

 

それから数日後・・・

那珂ちゃんと大淀が外出するという届け出を出してきたので今日が二人で出掛ける日と言う事で書類整理を足早に済ませて大淀を送り出す

「それじゃあ謙・・・・私これから出かける準備するから」

「あ、ああ。それじゃあ楽しんでこいよな」

「うん・・・」

俺は大淀を見送った。どうやらここから車で40分ほど先にある水族館へ行くそうだ。

そして大淀を見送ったは良いがなんだか落ち着かないので鎮守府の中を訳も無くうろうろしていると

「あれ?提督さんどうしたの?」

阿賀野に声をかけられる。

阿賀野に那珂ちゃんと大淀が一緒に出掛けたのが心配だなんて言えないしなぁ・・・

「ああ、いやなんでも無い」

俺はそう答える。

しかしそんな俺を見た阿賀野は少し悪い笑みを浮かべて

「ふふ〜ん・・・那珂ちゃんと大淀ちゃんの事、気になってるんでしょ?」

なっ!心を読まれた!?

「ええ・・・!?そ・・・そんな事無いぞ!」

「やっぱり提督さん噓下手だね。気になるんだ」

これ以上誤摩化しても状態が悪化するだけだ。仕方ない。話そうか・・・

「え・・・まあうん・・・・一応秘書艦だし・・・」

「那珂ちゃん今日はデートなんだー!って張り切ってたよ?」

「デ・・・デートって男同士で出掛けただけじゃないか・・・」

「えー大淀ちゃん男の子の恰好してたけど那珂ちゃんはいつものままだったよ?あんなの端から見ればデートだよ!」

阿賀野にそう言われて更に不安感が増して行く

「デ・・・デートってそんな・・・」

「阿賀野もー那珂ちゃんが今何してるか気になるしー提督さんも大淀ちゃんが気になるんでしょ?」

「え・・・・そんなことは・・・」

「信じて送り出した秘書艦が那珂ちゃんの虜になるなんて・・・」

阿賀野は耳元でそう囁いてくる

「バカ!縁起でもない事言うなよ!!」

「ほーらやっぱり気になるんだー」

「う・・・」

「それにぃこの間阿賀野と提督さんがデートしてたときも大淀ちゃん私達の事尾行してたみたいだしー」

「はぁ!?デート!?ただ映画行って買物付き合ってやっただけだろ!?それにあいつは単に偶然居合わせただけだし・・・・」

「ええ〜ほんとかなぁ?でも男の子と女の子が一緒に映画の後にお買い物なんてそれはもうデートじゃない?」

うっ・・・言われてみればそんな気もしなくもないぞ・・・?

「で・・・でもお前は男だろ!?」

「えーでもあれはデートだと思うなーどう見ても阿賀野みたいな美少女連れて歩いてたらそう見える筈だけどな〜」

こいつ言い切りやがったぞ・・・・でも否定は出来ないのが悔しい・・・

確かに客観的に見ればこんな美少女と映画行って買物なんてしてたらそう見えなくもないかもしれないし・・・・

「う・・・・」

ダメだ反論が思いつかねぇ・・・

「ほぉらやっぱりデートだと思ってくれてたんだ♡だからぁ・・・そんな阿賀野と提督さんの水入らずな所見られちゃったしぃ・・・その仕返しもかねて阿賀野と一緒に二人のび・こ・う♡しよ?」

阿賀野はそんな提案をしてきた。

いくらなんでも他人のプライベートを覗き見るような事・・・それに大淀の事信じてやらなきゃ行けないのに・・・

「はぁ?お前一人で行けば良いだろ!?それに断じて俺はあの二人はただ遊びに行っただけでデートなんて思ってねーし・・・断じてだぞ!?」

「ええ〜ほんとかなぁ?もしあのまま大淀ちゃんと那珂ちゃんがいい感じになってもいいの?」

「えっ・・・そ・・・それは・・その・・・」

「ほーらちょっと心配なんでしょ?それなら阿賀野と一緒にどうなってるのか見に行きましょうよ!」

上手く阿賀野に丸め込まれた気がするがそう言われるとなんだか心配になってきたぞ・・・・?

「ちょっと遠くから二人の事眺めるだけだって。だから提督さん、阿賀野と一緒に見に行こ?」

阿賀野はそう言って俺を見つめてくる。

なんだか断り辛い上に気になって仕方が無くなってきてしまっている俺が居る・・・・

でもそうだ。すこし見に行くだけなら・・・・それだけなら別に・・・・

「う・・・うん・・・ちょっと遠巻きに見に行くだけなら・・・」

「よし!決まり!!それじゃあ提督さん!こっち来て」

「えっ?何するんだ?」

「そりゃ尾行するんだから変装するに決まってるんじゃない!ほらこっち来て」

「ちょ・・・うわぁ!!」

俺は無理矢理阿賀野に引っ張られて医務室に連れてこられていた

「高雄ーちょっと手伝って欲しいの!」

「阿賀野!いつも入るときはノックしろって言ってるでしょ?あら?提督も一緒なのね。どうしたの?」

「あのねーごにょごにょ・・・・」

阿賀野は何やら高雄さんに耳打ちをすると高雄さんは不敵な笑みを浮かべた。

「あら・・・・面白そうじゃない・・・・」

「でしょー?」

二人が何やら俺の方を悪い顔で見つめてくる。嫌な予感しかしないんですけどー!?

「提督、少し失礼しますね・・・?」

「提督さん?痛いのは一瞬だからね?」

そう言って二人は俺ににじり寄ってきた

「な・・・なにするんだ・・・・や・・・やめろ・・・・・・・・・・」

俺・・・一体これから何されるんだ!?

「ぎゃぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 


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