ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。   作:ゔぁいらす

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今回は初雪視点でお話が進みます。


【side初雪】雪雲の行き着いた先

 私があんな事を言って無ければもう少しマシな今を送れていたのかもしれない。

 

「いつまでウジウジしてんの?私だって辛いけど吹雪に言われた以上吹雪達の分まで頑張らないと・・・!ちゃんと真っ当に人として生きて行くの」

青白い髪をした私の妹・・・・いや弟なのかな?がそう言って私に手を差し伸べてくれた。きっと彼も辛いだろうけど彼なりに私を元気づけてくれていたのだろう。

でも私は

「いや・・・・私なんかが生き残って・・・それで吹雪達の分まで生きるなんてそんな大層な事私には・・・・できない・・・・それなのになんでそんな事平気で言えるの!?こんな気持ちになるなら私があのまま吹雪達の代わりに沈んでたらよかったんだ・・・・!」

私はそう言って彼の手を振り払った。

本当は彼に慰めて欲しかった。そんな事無いってそれでも一緒に人として生きて行こうって手を引いて欲しかった。

でも

「なっ・・・・そ、そうよ!!アンタが大破なんかしなかったら吹雪達は死なずに済んだのよ!!全部アンタのせいよ!!もうアンタなんか知らない。ずっとそうやって日影でウジウジしてれば良いのよバーカ!!!」

彼は涙を浮かべてそう吐き捨てて行ってしまった

 

吹雪達が沈んだのは私のせい・・・?

 

私が撤退したから・・・・?

 

違う

 

私のせいじゃ無い・・・!

 

でも・・・・

 

「違う!私は・・・・私は・・・!」

 

そう言いかけた所で私は目を覚ます。

「嫌な夢見ちゃった・・・」

久しぶりにあの時の事を思い出し少し嫌な気分になった。

そして霞む目を擦り時計を眺めるともう昼過ぎだ。こんな生活が当たり前になってからどのくらい経っただろう・・・・そんな事すら考える事をやめていたがあの時の事を思い出すとつい考え込んでしまい嫌な気分になる。

「顔・・・洗わなきゃ・・・」

重い身体を持ち上げ洗面所へ向かう

そして洗面所の鏡に映ったのは髪は伸びきり死んだ魚のような目をしていた私だった。

「はは・・・本当に幽霊みたい・・・・」

少し前に新しく着任してきたという司令官の言っていた言葉を思い出し自嘲する。

そのまま自分の顔を見続けるのも嫌なのでさっさと洗顔を済ませいつもの定位置につき、ネットサーフィンを始めた。特にやる事もないのでいつもこんな調子で眠くなるまでネトゲかネットサーフィンで時間をつぶしているのだ。

そしていつも巡回している動画サイトで動画を見ていると動画の上に表示されるニュースサイトの

【第2次深海棲艦撃滅作戦から5年進まぬ復興、相次ぐ深海棲艦被害】

というバナーに目がいってしまう。

「そうか・・・もうあれから5年経つんだ・・・・」

もうこんな引きこもり生活をして5年経つという現実を直視した私はとても長い時間を無駄にしてしまったような気がして怖くなった。

そんな時脳裏にあの人達の事が思い浮かぶ

 

「初雪ちゃん!叢雲ちゃん!私達からプレゼントがあるの!」

「私と吹雪さん・・・深雪さんの3人であなた達の名前を考えたの!」

「結構頑張って考えたんだぜ?じゃーん!」

そういうと何やら漢字が書かれた半紙を渡される。

「ゆき・・なま・・・・ひと・・・・?」

 

「初雪ちゃん。あなたのは雪に生に人って書いてゆきと!叢雲ちゃんは雲に人って書いてゆくと!あのね・・・?戦いが終わったら2人にはまた人として生きて行って欲しいなって・・・本当はあなた達を戦場に駆り出させない様に頑張るのが私達の勤めだったのにあなた達を命の危険に晒してしまった私達艦娘からのプレゼント・・・だから大事にしてね?」

どこか寂しそうだけど覚悟を決めた吹雪の顔は私の脳裏に焼き付いて離れない

 

吹雪達は今の私を見たらどう思うだろう・・・・?

このままじゃダメだ。そう心のどこかでは思っているがきっと高雄さんも他の皆も私のせいで吹雪達が沈んでしまったと思っているに違いない。

そう思うと怖くて部屋から出られない。

そうだ。全部私があそこで大破してしまったから・・・

全部私が悪いんだ。それにこんな女なのか男なのかもわからない身体で外に出てもきっと気味悪がられてしまうだけ。それならずっとここに居た方がみんな幸せなはずだ。

だれにも迷惑はかけていないしお金も自分で稼いでいる。

 

だから・・・・私は外に出なくても・・・ここに居ても良い・・・

 

嫌な事を思い出したらいつもこうやって自分を正当化している。

少し頭も落ち着いた所で今日もネトゲにログインしようかと思ったその時

扉がドンドンと音を立て、私は突然の事に身を縮ませた

「初雪ちゃんあなたにお客さんよ。初雪ちゃん?起きてる?」

そんな声が扉の向こうから聞こえてくる。

高雄さんだ。でもここ最近面と向かって話してさえいない。

きっと高雄さんも口ではああいっても私の事を嫌っているに違いない。

それにしてもお客さんって誰だろう・・・・?

誰であってもめんどくさいし会う気はないから帰ってもらおう。

私はパソコンを閉じ扉の前に座り込み

「・・・・うるさい・・・私の安眠を妨害しないで・・・」

と声をひねり出した。

自分の口からでたその言葉は自分でもびっくりするくらい小さく消えそうな声だった。

私が返事をした声が聞こえたのか

「初雪ちゃん!起きてるなら出て来て!!」

高雄さんの声が扉越しに聞こえてくる。

いつもはこんなに執拗に私を呼びつけたりしないのに・・・嫌な事を思い出した事もあるしいつもの様に放っておいて欲しい。

なにせ今の私は人に合えるような恰好でもないし・・・

「やだ」

私の口からは自然にそんな言葉が洩れていた。

「なんで嫌なの?あなた髪も伸びて来てるでしょ?そろそろ切らなくちゃ・・・」

そういえば最近髪切ってもらってないな・・・と言っても私が引きこもっているからだけど・・・

だめだ・・・誰が来ているかもわからないし扉は開けたくない。

しかし高雄さんは扉を叩くのをやめないので

「めんどくさい。それに・・・・ねむい。だからドア叩くの・・・やめて」

また消えそうな声をひねり出す。

すると扉を叩く音がぴたりと止まった。

よかった・・・・諦めてくれた・・・・

そう安心したのもつかの間

また扉が叩かれ

「おーい初雪ーその・・・・俺・・・ここに着任した新しい提督の大和田って者なんだけど・・・挨拶がしたくってさ」

という聞き慣れない男の人の声がする。

大和田・・・この間出くわしたここの新しい司令官だろう。暗くて良く見えなかったが私の事を幽霊呼ばわりしていた少しバカそうで幸の薄そうな人だ。

「あ・・・あのときの・・・・さえない幸の薄そうな人・・・・?お客さんってあなたの事・・・・?」

私は扉の向こうに居る彼に尋ねると

「そ・・・そう!この間君の事を幽霊呼ばわりしちゃったしそのお詫びもしたくてさ・・・その・・・・一応君もここに住んでる艦娘だし・・・提督として挨拶くらいはしとかないと・・・・って思って」

と彼は言う

これまで全く干渉してこなかったくせに何を今更。適当に言って諦めてもらおう。

「私・・・・もう艦娘じゃないし・・・別に放っておいてくれてもいいし・・・」

「そ・・・そうだったね。ごめん・・・それでもここに住んでる以上は一回面と向かって挨拶したいしこないだの事も謝りたいんだよ。だから一回君に会って話をしてみたいなーって・・・・」

しつこいなこの人・・・早くネトゲやりたいのに

「もーいい・・・寝かせてよ・・・・私の司令官はもういないし・・・・私は艦娘をやめたから・・・・もう構わないで。私こう見えても忙しいから・・・それにもうあの事怒ってないし・・・・ね?もうこれでいいでしょ?」

よし。これでもう後は放っておいて早くネトゲしよ・・・

私が扉を離れまた定位置に戻ってパソコンを起動させようとしたその時

「えーっと・・・俺はそれでも君に会ってみたいなーって・・・・」

という声が扉の先から聞こえる

本当に諦めの悪いしつこい人だ・・・私の嫌いなタイプ・・・・こんなどうしようもないし自分の特になんかならない事諦めた方が楽なのにバカじゃないの?

私の中から何かが溢れ出してくる。

「あなたいい加減しつこい・・・・!私はもう艦娘はやめたしあなたにも誰にも会いたくもないの!!帰って!!」

私は今日一番に大きい声を出した。私こんな声出せたんだ・・・・

自分でもその大きさに驚いてしまう

するとその言葉で彼を刺激してしまったのか

「それじゃあお前はずっとそうやってその部屋の中で一人で居るつもりなのかよ!?」

という彼の声が聞こえた。

何も知らないくせにしったような口を聞かないで欲しい。

一人で何が悪いの?それに私には貢いでくれる囲いもしょうもない事にも反応してくれるフォロワーも一緒にゲームを遊んでくれるフレンドだっている。これ以上に何があると言うのか。吹雪達を助けてくれなかったこんな現実なんて糞食らえだ。

もうこれ以上話しても何も変わらないし反応しなければあちらもそのうち諦めてくれるだろう

私がまた定位置に戻ろうとしたその時

「アンタいい加減にしなさいよ!!!」

という聞き覚えのある声が聞こえた。

いいや忘れる筈もない。この声は・・・・でもなんで・・・・

「むむむむむ叢雲!?な・・・・なんでここにいるの・・・・!?」

うそ・・・・なんで・・・・?なんであの子がここに・・・・私も酷い事を言ったのに・・・・もう私の事なんかどうでも良いと思ってたのに・・・・

聞き間違いかもしれない。私は扉に耳を付けて外の様子をうかがうと

「すみません高雄さん、謙さん。急に大きな声出して。私・・・さっきまで初雪が出てこないことに今日はもう会わなくて良いってどこかで安心していました。でも・・・・やっぱりそれじゃダメなんです。だから・・・私が直接話します」

そんなあの子の声がして足音がこちらに近付いてくる。

そしてその足音が扉の前で止まり

「ごめんなさい。ここまでしてもらったのに・・・・でも少し私と雪生人の二人だけにしてください」

「は、はいわかりました」

「叢雲ちゃん・・・それじゃあ後は任せるわ」

そんな声がした。

「久しぶり・・・あの・・ね、雪生人と話しをしにきた・・・の」

私の名前を呼ぶ彼の声がする。この名前で私を呼んでくれるのは名前を付けてくれた吹雪たちだけだ。

でも私はこの名前が好きじゃない。

確かに大切な人から貰った大切な名前だ。でもこの名前を受け入れてしまったら吹雪達の願いに背いた生き方をしている事が情けなくてそれに吹雪達に会わせる顔がなくなるから

その口調は以前と変わらない様に思えるたがどこか無理をしている様にも聞こえた。

「ふーん・・・お客さんって新しい司令官じゃなくて叢雲の事だったんだ・・・」

「ええ。ずっとあなたに謝りたかった・・・でもきっと怒ってると思って怖くて会いに来れなくて・・・ごめん・・・」

彼は声を振わせて言った

謝らないといけないのはこっちなのに・・・

それなのに私はここでずっとひとりぼっちで引きこもっていた事を考えると少し自分が情けない。

「あ・・・謝るなんて・・・・そんな・・・・」

「私があんたのせいで吹雪達が沈んだなんて言わなければあなたに辛い思いをさせずに済んだ筈なのに・・・」

確かに私はその言葉で傷ついた。でも本当はただそんな事無いって言って欲しかっただけなのに

でも彼もそんな私にかけた言葉で苦しんでいたんだ。

私が素直じゃなかったから・・・

「そ・・・それは私が・・・・叢雲に代わりに自分が沈んでれば良かったなんて言わなければそんな事言わせずに済んだのに・・・私を連れてあそこから退避したあなただって辛い事なんてわかってたはずなのに・・・全部私のせい・・・ただ慰めて欲しかっただけの私のせいなの!だからもう私の事なんかこのままずっと放っておいてくれれば良かった!!私の事なんか忘れて叢雲・・・・雲人だけでも人として幸せになって欲しいって思ってたのに!!!」

・・・あれ?今私・・・・なんて・・・・

「あ・・・あれ・・・・?おかしいな・・・・なんで私・・・・こんな・・・・」

扉越しとはいえ久しぶりに人と喋ったからなのか?それとも相手が彼だったからなのか?私の口からは今まで彼に言えなかった言葉が自然と溢れていた。

それになんだか頬に暖かい物がつたっていく。

「雪生人・・・・アンタをほったらかしにして幸せになれる訳ないじゃない!アンタは私の・・・艦娘になる前からずっと一緒だった兄弟じゃない・・・私は施設でアンタに声をかけてくれて・・・そんなアンタの言葉に救われてここにいるんだから!!そんなアンタを私が言葉で傷つけてしまったのならなんとしてでもアンタに許してもらわなきゃ・・・・・ずっとずっと怖かった・・・でも・・・あの子が背中を押してくれたから!!!」

そんな彼の声が扉の先から聞こえてくる。

そうだ。彼はずっと私の・・・・ずっと・・・

 

あの頃は何もわからなかったが動かない両親から引き離され、そのまま一人施設に連れていかれた。私自身わけもわからずその施設に連れてこられたのでここの生活に馴染めずにいた。そんな時私は彼と出会った。透き通るような青白い髪をした彼と・・・

初めて施設で出会った頃の彼は今とは別人の様に暗く、いつも隅でひとりぼっちで居る事が多かった。

最初は何もわからなかった私ももう両親に会えない事、ここで過ごして行かなければいけない事を徐々に悟っていた。

それに自分自身もその施設に馴染めず、どこか彼に親近感のような物を覚えていたのかもしれない。

そんな私はある日意を決して彼に声をかける事にした。

「きみも・・・・ひとり?」

「うん。パパもママもしんじゃったんだ」

彼は小さな声でそう言った。

しんじゃった。その言葉が自分にも重くのしかかった。

本当は自分でも感付いていたのかもしれない。でもそんな彼の言葉で自分の両親も死んでしまったのだろうと言う現実を突きつけられる。

それなら自分もこの子と一緒でひとりぼっちじゃないか。それに帰る場所ももう無いし自分にはもう本当に何もないんだという虚無感に襲われ、同時にこの子もそんな虚無感を覚えているんだ。そんな気がして誰かと一緒に居たい。それにこの子を放っておけない。そう思えた。

だから私は

「それならぼくがきみのかぞくになってあげる!」

そう言って彼に手を差し伸べたんだ。

 

「覚えてて・・・くれたんだ・・・・」

「忘れる訳無いじゃない・・・・アンタはずっとずっと私のたった一人の家族なんだから・・・・」

彼は私にそう言ってくれた。そうだ。血なんか繋がってなくても艦娘になる前からずっと彼は・・・雲人は私の側に居たじゃないか

気付いた時には私はドアの鍵を開いていた。

「開いてるよ・・・」

私はわざと素っ気なくそう言ってみる

「開けたんでしょ?入って・・・良い?」

彼がそう尋ねてくる・・・入ってくる?

人を部屋に入れる事なんてなかったので考えて居なかったが私は部屋を見渡しはっとなる

こんな部屋誰かに見られるわけにはいかない!!!

「やっぱダメ・・・!私が出るから!!!」

私は慌てて部屋を飛び出していた。

「ゆ・・・雪生人・・・」

目の前には最後に会った時よりずっと大きくなった彼が居る。

とっさに出たし運動不足だった私はそんな急な動きで息が上がり、なんと言えば良いのかわからなかった私は

「はあ・・・はあ・・・・大きく・・・なった・・・ね・・・」

と彼に言った

「あ・・・・・当たり前じゃない!あれから何年経ったと思ってんの!?そう言うアンタはあのときと全然変わらない・・」

彼はそう言ったと思った途端私を抱きしめていた。

「あったかい・・・」

人ってこんなにあったかかったんだ。

「雪生人・・・!やっと会えた・・・!にいちゃん・・・!」

にいちゃん・・・艦娘になってからはずっと初雪って呼ばれてたけどそう言えばそれまではそう呼ばれてたっけ・・・

でも今は彼の方がずっと私より背丈も何もかも大きくなっている様に感じる

「やめてよにいちゃんなんて・・・恥ずかしいから・・・」

「にいちゃん・・・!今だけはこう呼ばせて・・・ああ・・・にいちゃん・・・こんなに細くなって・・・それにこんなに髪も伸ばして・・・ごめんなさい・・・にいちゃんもあの時辛かった筈なのに私はにいちゃんみたいに手を差し伸べる事が出来なくて・・・・ごめんなさい・・・・とっても遅くなったけど・・・また・・・私の事家族だって・・・にいちゃんの弟だって言ってくれる?」

彼は私にそう言ってくれた。

「あたりまえ・・・・じゃん・・・・」

私は少し恥ずかしくなった。でもなんだか久しぶりに自分は一人じゃないんだってそんな気分になれた。

「それじゃあ私とここの新しい司令官さんと高雄さんに挨拶と謝りに行こうか。大丈夫。私が一緒に居るから」

彼はそう行って私の頭を撫でてくれた。

「う・・・うん・・・」

「それじゃあそんな恰好じゃ駄目よ?着替えられる?」

彼はそう尋ねてくる。流石にあの部屋・・・それにあのコスプレ達を見せるわけにはいかない・・・・

「わ・・・わかった・・・・ちょっと待ってて・・・・」

新しい司令官に挨拶に行くのはあまり気が進まなかったがせっかく雲人に会えたんだ。それくらいやらなきゃ・・・それに高雄さんにも謝る良い機会かもしれないし・・・

私はクローゼットの中からマシな服を探した。

でも長年の引きこもり生活をしていたせいで汚い部屋着と配信用のコスプレ衣装ばかりで人に会えるような服が無い。

そのまま服を探し続けていると一番奥に懐かしいものを見つけた

「これ・・・私の制服・・・」

艦娘としてここに居た時に来ていた制服だ。捨てたと思ってたけどこんなところにあったんだ・・・

「さすがに・・・着れないよね?」

私は恐る恐る袖を通してみる。

その制服は少しキツい気もしたがなんとか着る事が出来た。

でもあれから身体も心も少ししか成長できていない自分が恥ずかしくなったがもう着てしまった物は仕方が無い!いつも画面の先の変態達の前ではもっと恥ずかしい女装コスプレをしてるんだからこれくらいなんてことない・・・はず・・・

私はそう自分に言い聞かせ制服を着て部屋を出る。

「おまたせ・・・」

制服を着た私の姿を見て目を丸くした彼は

「その服、懐かしいわね・・・・それじゃあ行きましょうか」

そう言って私に手を差し伸べてくれた。

 


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