ハイスクールD×D ~勝手に転生させられた男の話~   作:瞬殺

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第7話 可愛い娘が現れました!?

 

「はぁ、はぁ。ざまぁみろ」

 

 

先ほど、レイナーレをぶん殴った俺は、いい加減体の限界が来ていた。

 

足に力が入らず、そのまま床に倒れそうになったが、木場が支えてくれた。

 

 

「1人で堕天使を倒しちゃうなんてね」

 

 

「おせーよ、イケメン王子」

 

 

「君の邪魔をするなと、部長に言われてさ」

 

 

そういえば、部長はなにをしているのだろう。

 

レイナーレ以外にも堕天使はいたはずだが……

 

もしかして、部長が足止めをしてくれていたとか?

 

その可能性はあるな。うん、ちゃんと部長にお礼を言っておこう。

 

 

「その通り、あなたなら倒せると信じていたから」

 

 

「部長!?」

 

 

「用事が済んだから、ここの地下にジャンプしてきたの。

 

そしたら、佑斗と小猫が大勢の神父たちと戦っているじゃない」

 

 

やっぱり、部長は裏でいろいろとやってくれてたんだ。

 

なんだかんだ言って、部長は優しいな。

 

 

「部長が来てくれて助かりました」

 

 

「なんだ、心配して損したぜ」

 

 

俺が口を尖らして言うと、扉の外から小猫ちゃんが来た。

 

俺がボコボコにした、レイナーレを引きずりながら。

 

 

「部長、持って来ました」

 

 

小猫ちゃんが、レイナーレを部長の前まで持ってきた。

 

 

「う、ううっ」

 

 

「初めまして、堕天使レイナーレさん。私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主よ」

 

 

「グレモリー家の娘か!」

 

 

部長の家はなにかと凄い家らしい。

 

まぁ、眷俗を持てるのは上級悪魔だけだし、部長の家も偉い貴族のお家なのだろう。

 

 

「えぇ、以後お見知りおきを、短い間でしょうけど。それと……あなたのお友達、私が消し飛ばしておいたから」

 

 

「そ、そんな……!?」 

 

 

「消し飛ばした?」

 

 

「部長は『紅髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)』と呼ばれているんだ」

 

 

「滅殺って……俺、そんな人の眷俗になったんだな」

 

 

滅殺って滅ぼすことだよな?

 

めちゃくちゃカッコいいよな!

 

こう、なんとも言えないけど、なんかカッコいい!

 

あ、でも、女の人にカッコいいは違うか。

 

 

「以前、イッセーが襲われた時から、複数の堕天使がなにか企んでることは察してわ。

 

私達に危害を加えないから無視してたけど」

 

 

「それじゃあ部長、俺のために?」

 

 

ここで違うとか言われたら、悲しいな。

 

なんか、自分だけ舞い上がってたみたいな風になって。

 

 

「イッセー、その神器(セイクリッド・ギア)は?」

 

 

「あぁ、これですか。レイナーレと戦っている途中から、姿が変わっていて」

 

 

神器(セイクリッド・ギア)は持ち主の思いによって変わるからな、

 

もしかしたら神器(セイクリッド・ギア)が、俺の思いに応えてくれたのかもな。

 

 

「赤い龍……なるほど、そういうことなのね」

 

 

ん?部長は俺の神器(セイクリッド・ギア)を知っているようだ。

 

やっぱり部長は凄いな。物知りだし、それでいて美人だし、欠点がないな。

 

 

「堕天使レイナーレ。この兵藤一誠の神器(セイクリッド・ギア)は、たんなる龍の手(トゥワイス・クリティカル)ではないわ」

 

 

「なに?」

 

 

「持ち主の力を10秒ごとに倍加させ、魔王や神すら殺すことが出来ると言われている、

 

13種の神滅具(ロンギヌス)の一つ、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)。あなたも知っているわよね?」

 

 

えぇ!?俺の神器(セイクリッド・ギア)って、魔王や神なんかを殺せるのか!?

 

しかも、13種類しかないないって……俺って、どんだけ運が良いんだ!?

 

もしかして、俺ってめちゃくちゃ強かったりして……

 

 

「パワーアップに時間が掛かるから万能ではないわ。相手が油断してたから勝てたようなものよ」

 

 

そうなのか……別に俺が強いってことじゃなくて、運が良かっただけか。

 

はぁ~期待して損したぜ。

 

けど、修行とかすれば俺も強くなれるのかな?

 

 

「あなたには消えてもらうわ」

 

 

「はいはい、そこまでだぜ、リアス・グレモリー」

 

 

突然、扉の外から零也が入ってきた。

 

俺が連絡しても来なかったくせに、今さらになって来やがった。

 

そのことに俺は、少し笑いながら話そうとしたが部長がそれを止めた。

 

 

「小林。あなた、なにしに来たの」

 

 

「おいおい、そんな怒った顔をするなよ。怒ると血糖値が上がって、早死にするぞ?

 

あ、お前悪魔だからそんなことは関係ないか、ハッハッハ!」

 

 

「なにしに来たのって聞いているの!」

 

 

部長、なんで怒ってるんだろ?

 

確かに零也は、いつもヘラヘラしていて、やる気がないけど、そこまで怒らなくても……

 

零也は、いざとなったらちゃんと助けてくれるし…… 

 

 

「はぁ~やれやれ、これだから最近の娘は。我慢という言葉を知らないようだ」

 

 

「小林、なぜ止めたの」

 

 

「なにが?」

 

 

「この堕天使を庇ったでしょ」

 

 

「あ~それね。そりゃ、当然だろ。なんせ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の彼女だし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

† † † † † † † † † † † † † † †

 

 

「え?」

 

 

イッセーが意味が分からないという顔をしていた。

 

他のメンツを見ていると、木場はいつでも斬りかかれる体勢をし、

 

小猫ちゃんは、まだ俺のことを信じているみたいな感じで見ていて。

 

リアス・グレモリーは……まぁ、あれだ。めちゃくちゃ機嫌が悪い。

 

 

「やっぱり。あなたは堕天使サイドだったのね」

 

 

「いや、違うけど?確かに、堕天使とは仲良くしてるが。別に、属してるわけじゃないぞ?」

 

 

「だったら!なぜ、その堕天使を庇うのよ!」

 

 

うーん、どう言ったものか。

 

素直に言えば、それで済むかもしれないが、なんせこんなことをしちまったからな。

 

どうするか……

 

 

「お、おい、零也。なに、バカなこと言ってんだよ」

 

 

イッセーが、このタイミングで話かけてきた。

 

間違っていてくれ、という感じが物凄く出ている。

 

すまんな、イッセー。これは真実なんだよな。

 

 

「ん?なにがだ?」

 

 

「なんで、そいつのことを庇うんだよ。そいつはアーシアを、アーシアを殺したんだぞ!

 

そうか、零也は操られてんだな。待ってろ、いま助けるからな」

 

 

イッセー……お前のそういうところ、本当にいいな。

 

だけど、今回は悪いな。お前のことを裏切っちまうな。

 

 

「イッセー、俺は操られてないぞ?それと、アーシアが殺されたことは知っていたぞ?」

 

 

「え?……な、なんでだよ!どうしてだよ!お前だって、アーシアのことが好きだったんじゃないのかよ!?」

 

 

「あぁ、とても優しかったな」

 

 

「だったら、どうしてだよ!?なんで見殺しにした!」

 

 

これは、一言でも間違えたら殴られるな~

 

別に、殴られても痛くないけど、親友からの顔面パンチは心に響くな~

 

 

「イッセー、お前は聞いただろ?アーシアのこと」

 

 

「あぁ、聞いたよ。それが、どうした!アーシアは普通に暮らしてい「それが、甘いって言ってんだよぉ!」!?」

 

 

「いいか、イッセー!アーシアの神器(セイクリッド・ギア)は悪魔の傷さえ癒せるんだ!」

 

 

「だ、だから、それがどうしたんだよ」

 

 

「それがだと!?お前、本当にアーシアのことを大事にしてんのか!?

 

いいか!もともと、シスターは天界側だ。天界とは、天使がいるところだ。

 

分かるだろう?悪魔も癒せるんだったら、それは異常だ。

 

神に使えるべき者が、その神の敵である悪魔の傷なんか治してどうする?

 

お前も聞かされただろう?アーシアは異端者だって、それが理由だよ。

 

人間は、自分達とは違う存在をとことん嫌う。そういう生き物なんだよ、悲しいことにな。

 

だから、アーシアは教会から追い出された。当然のことだっただろう。

 

だから俺は、アーシアを一度殺して悪魔に転生させようとしたんだ。

 

ちょうど、リアス・グレモリーの僧侶の駒が空いてたしな。

 

それなら、アーシアは無事だ。

 

リアス・グレモリーの兄は魔王だからな、彼女の身柄は無事になる。

 

魔王の妹の眷俗をどうかにかしようと思う奴はいないからな

 

これが、俺がアーシアを見殺しにした理由だ。

 

別に、この考えが気にいらないなら、俺を好きなだけ殴ればいい、見殺しにした結果は変わらないからな」

 

 

これで、イッセーには嫌われたかな。

 

それも仕方ないか。俺は、イッセーの心を深く抉っちまったからな。

 

だったら、表だってイッセーのことは助けられないけど、裏方でやるしかなさそうだな。

 

 

「零也、お前がどういう奴なのかはわかんねーよ。

 

俺が知らないこととか、いっぱい知ってるしさ。

 

お前が、レイナーレと付き合ってたなんて、俺、知らなかったしな。

  

お前がアーシアを見殺しにしたことは許せない、これだけは絶対に!

 

だけど、お前はちゃんとアーシアのために考えて行動していた。

 

だったら、俺は許す!アーシアを大切にしてたんだったら!」

 

 

「あぁ、大切にしてたよ」

 

 

「それなら良かった。危うく、お前の顔面を殴るところだったぞ」

 

 

俺とイッセーは少し笑った。

 

木場と小猫ちゃんはその光景を見て、少し笑って落ち着いていた。

 

だけど、1人だけ俺に向かってビンタしてきた奴がいた。リアス・グレモリーだ。

 

まさか、ビンタされるとは思っていなかったがので、そのまま受けてしまった。

 

マズイ!と、思っても遅かった。

 

彼女の手は、原型を留めておらず、グシャグシャになっていた。

 

前にも言ったと思うが、俺の体は丈夫すぎて、攻撃してきた相手の方が傷つくほどだ。

 

あ、でも、レイナーレとの初夜の時は、俺の力を無くしたから、レイナーレは無事だったよ。

 

と、話が逸れた。

 

いまは、一刻も早くリアス・グレモリーを治療しなければ。

 

そう思い、俺はリアス・グレモリーの手の時間を戻した。

 

それによって、リアス・グレモリーの手は元通りになっていた。

 

 

「あれ!?手が治ってる!?」

 

 

「すまないな、リアス・グレモリー。俺の体は丈夫すぎるから、殴った方が怪我するんだよ」

 

 

「そ、そうなの。て、それどころじゃないわ!

 

なんで、あなたが私の眷俗のことを知っていて、私の兄が魔王だって知っているのよ!」

 

 

「そのことはまた明日。それじゃあね、リーアたん」

 

 

俺は、レイナーレを連れて自宅にテレポートした。

 

その時に、レイナーレの中にある聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)は、ちゃんとアーシアに返しておいた。

 

レイナーレは、リアス・グレモリーに殺されかけたので、体が震えていた。

 

まずは、この体の震えをなんとかしなければ。

 

そう思って、レイナーレの近くに寄り、背中を優しく撫でてあげた。

 

そうすると、だんだんレイナーレが落ち着いてきたようで、体の震えが止まった。

 

 

「レイナーレ、大丈夫?」

 

 

「れ、零也?う、うえーん!怖かった、死ぬかと思ったよー!」

 

 

「ほらほら、泣くなって」

 

 

「グ、グスっ。う、うぅ」

 

 

泣き顔も可愛いなレイナーレは。

 

この顔を待ち受けにしたら、毎日顔がにやけそう。

 

 

「分かったか?いくら、人間が弱いからって慢心しちゃいけないんだ。

 

あんな風に、返り討ちにあうかもしれないからね。

 

だからこれからは、人間を襲わない、堕天使だからといって悪さをしない。約束できるか?」

 

 

「うん、分かった。約束する」

 

 

「それと、これが一番重要なんだけどね。堕天使サイドから抜けてもらう」

 

 

「えぇ!?どうして!?」

 

 

「さっき、気がついたんだけど。レイナーレは少し女神になってるんだ」

 

 

「どうして女神なの?」

 

 

「ほら、俺がレイナーレとした時があっただろう?その時に、俺の神性がレイナーレに移ったと思うんだ。

 

だから、いまのレイナーレは、堕天使と神の力を半分半分持ってるんだ。

 

だから、レイナーレには堕天使サイドを抜けてもらって、俺と一緒に住んでもらう。

 

アザゼルには俺から言っておくから、心配はしなくていいよ」

 

 

いやー、まいったまいった。まさか、した時に俺の神性がレイナーレに移ったなんてな、予想外だぜ。

 

なんか、レイナーレの気配が違うなと思って調べたら、神性が少しあるんだもん。ビックリしちゃったぜ。

 

いまごろ、あっちではアーシアが悪魔になってる頃だろうな。

 

……やっぱり、嫌だな。大切な人が死ぬのは。

 

いくら原作通りだからって、死ぬのはやっぱり嫌だな。

 

そうだ……原作ぶち壊せばいいか!

 

よーし、こうなったら俺がしたいように原作をぶち壊してやる!

 

だったら、俺の原作知識は邪魔だな。こんなのがあったら、楽しめないからな!

 

ていうわけで消去!……はい、消去完了!

 

俺が原作知識を思いだそうとしても、思いだせないでーす。

 

これにて、一件落着。

 

 

「そうなの、あの時にね……それと、零也と一緒に住めるなんて、私嬉しい!」

 

 

レイナーレが俺に向かってダイブしてきた。

 

このままでは、レイナーレの体が壊れてしまうので、俺の力を無くして受け止めた。

 

丈夫な体も、良いことだらけじゃないね~

 

 

「おっと、俺も嬉しいぞ」

 

 

「零也……しよ?」

 

 

その夜、レイナーレの神性が上がった。

 

 

† † † † † † † † † † † † † † †

 

 

翌日。

 

レイナーレを起こして、二人で朝飯を食べた俺は、学校に向かった。

 

さすがに、レイナーレは一緒には来れない。

 

なので、かわいそうだがお留守番をしとくように説得した。

 

だが、学校に行く途中、変な幼女に絡まれた。

 

 

「お前、なに?」

 

 

黒の髪の毛をしていて、目はどこかおぼろげな感じをした、ゴスロリ姿の少女だった。

 

だが、その姿がけしからん!

 

服は、前の方が完全にオープンしており、腕だけを通して羽織ってる感じだ。

 

それなら、まだ許していたが……下に服を着ていないのだ!

 

なので、胸やらお腹やらが丸見えなのだ。

 

だが、俺は健全な男子高校生。決してロリコンではない。

 

アーシアの時は、ロリコン認定をしたが、あれは彼女がいけない。彼女の可愛さがいけない。

 

なので、俺はロリコンではない……と、願いたい。

 

話を戻すと、彼女の胸は、乳首のところにバツのシールが貼ってあるので、なお質が悪い。

 

なので、彼女を近くの公園に避難させ、事情聴取を行うことにした。

 

 

「君のお名前は?」

 

 

「我はオーフィス、無限を司る龍神」

 

 

……か、かわいそうに。まだ、こんなちっちゃいのに、あの病に犯されるとは。

 

だが、ここで諦めてはいけない。たとえ、病気が直らなくても、彼女のファッションセンスだけは直してみせる!

 

 

「それじゃ、オーフィスちゃん。どうして、こんなところにいるのかな?お父さんとお母さんは?」

 

 

てか、両親最低だろ!

 

こんな服装の娘を放っておいて、どこかに行くとは、許すまじ!

 

 

「我、お前に会いに来た。お前、我と同じ感じがする」

 

 

「とりあえず、お前はダメ。俺の名前は小林零也、ちゃんと名前で呼んでね」

 

 

「小林零也……それでは、零也と呼ぶ」

 

 

なんだ、素直で可愛い子供じゃないか。

 

少し、社会的に問題な病気にかかってるけど、少ししたら直るだろ。

 

俺も、中学校の頃によくやったものだ。

 

朝早くに学校に来ては、校庭に魔方陣を描いて、みんなが驚いているところを屋上から見て笑ったり。

 

カッコよさから、ドイツ語を勉強したり。

 

最終的には、片手に包帯、片目に眼帯。更には、真っ黒いローブを着て学校に行って、1週間停学になったり。

 

いまでは、いい記憶だ。

 

 

「それで、オーフィスちゃん。俺に会いに来たってどういうことかな?」

 

 

「零也、我と同じ感じがする。けど、少し違う。なんで?」

 

 

なんで?って聞かれてもな~

 

我と同じ感じ……さっき、無限を司る龍神って言ってたよな?

 

いやでも、それはあくまで設定上の話……

 

いや、待てよ。よくよく考えて見ろ。

 

こんな小さい子が、あの病気にかかることはまずないだろう。

 

そういった価値観がまだできてないはずだ。

 

それと、親が一向に姿を見せない。

 

普通なら、娘がいなくなったことを知り、探しているだろう。

 

なのに、姿が見えない。

 

となると……

 

まさか、本当に無限を司る龍神?

 

調べてみるか。

 

 

【全てを見通す】

 

 

この能力は、俺のオリジナルの能力で、質問に対して、その質問の答えが自然と頭に入ってくる能力だ。

 

だけど、未来までは見通せないようにしておいた。

 

未来を知っていたら、つまらないからな!

 

というわけで、オーフィスちゃんの情報が頭に入ってきた。

 

 

『無限の龍神』オーフィス

 

種族:ドラゴン

 

無限を司る龍神。

 

この世界において『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』グレートレッドと並び、世界最強の存在。

 

以前は、次元の狭間に身を置いていたが、次元の狭間の支配権をかけてグレートレッドと対決。

 

結果は敗北。

 

なので、いまはグレートレッドを倒し、ふたたび次元の狭間に戻ろうとしている。

 

 

ま、マジだったよ!

 

設定とかそんな感じじゃなくて!純粋に、この世界の最強さんだったよ!

 

なんだよ!無限を司るとか!チート過ぎだろ!

 

あ、でも皆さんご安心ください。

 

私の能力は無を操る。

 

つまり、無から生まれた無限など、私にかかれば造作もございません。

 

戦闘になった場合、その無限を無にし、あまつさえは私が無限の力を使い勝利してみましょう。

 

あ、でも戦う気はないからね?

 

こんな可愛い幼女、もとい龍神を痛めつけるのは、ちょっと……

 

というわけで、彼女が俺と同じ感じがするというのは、このことだったのだろう。

 

彼女は、無から生まれた存在。いわば、俺の子供みたいなものだ。

 

実際は、俺が生まれる前にいたから違うけど。

 

なので、彼女の身柄は我が家で保護することにした。

 

異論は認めん!

 

 

「オーフィスちゃん。これから、俺と一緒に住まないか?」

 

 

ここだけ切り取ったら、間違いなく警察に通報されるな!

 

幼女に、一緒に住まないか?などという質問は危険だ。

 

もし、近くに人がいたら、間違いなく携帯に手を伸ばしていただろう。

 

 

「なんで?我、グレートレッドを倒し、静寂を得たい」

 

 

なるほど、彼女は次元の狭間に戻り、静かに暮らしたいのか。

 

でも、いまのままじゃ、そんな彼女の願望を悪い奴等が悪用するかもしれん。

 

そんなことをしたら、彼女と対立する可能性がある。

 

それだけは嫌だ。

 

自分の娘みたいな存在と戦うというなら、この世界を壊すかもしれない。

 

なので、彼女には悪いけど、ここは絶対に俺の家に住んでもらう。

 

 

「だったら、俺が一緒にグレートレッドを倒すの、手伝ってあげるから」

 

 

「本当に?零也、手伝ってくれる?」

 

 

「あぁ、だから、いまは俺の家に住んでくれないか?」

 

 

「それはどうして?」

 

 

「オーフィスちゃんが、俺の娘みたいな存在だからだよ」

 

 

「娘みたいな?」

 

 

「見せたほうが早いね」

 

 

俺は、神の力を解き放った。

 

眩い光が周りを包み込み、俺の真上の天気だけ空が晴れた。

 

そして、光が晴れた時、俺は新世神ゼロの姿になっていた。

 

その圧倒的存在感を出していると、オーフィスちゃんの口が開けっぱなしになっていた。

 

その光景に俺が少し笑うと、オーフィスちゃんは「ハッ!」となり、意識を戻した。

 

 

「零也は、何者?」

 

 

「俺は神様だよ。それも、神様の中で一番偉い神様だよ」

 

 

「懐かしい感じがする。初めてこの世界に生まれた時、ううん、その前の感じがする」

 

 

「俺は、無を操る神様だからね。オーフィスちゃんが司る無限は、無から生まれた存在だからね。

 

だから、俺の娘みたいなものなんだよ」

 

 

「お父さん?」

 

 

その時、俺の身体中に電撃が走った。

 

そのすぐ後に、俺の体をなにかが満たした。

 

嫌な感じではなく、悲しい感じでもない。

 

まるで、生まれた娘が初めて言葉を喋り、自分のことを呼んだ時みたいな、そんな感じだ。

 

ていうか、めちゃくちゃ可愛いんですけど!

 

なんですか!最初から可愛いとは思っていたけど、ますます可愛さが増したんですけど!?

 

それと、なんだ!?この感じは!?

 

オーフィスちゃんを、無性に守ってあげたくなる、この感じ!?

 

いや、もう本能的と言っても良いだろう。

 

そして、俺は気がついた。この感情の高ぶりの理由を。

 

あ、俺、お父さんになったんだ。

 

そして、神様モードを解除して、オーフィスちゃん、いや、オーフィスを担ぎ、

 

登校中ということを忘れ、家に全速力で戻った。

 

 

「は~、零也がいないと退屈だな~」

 

 

「ただいま!」

 

 

「え、零也!?学校はどうしたの!?」

 

 

「レイナーレ、俺たちの娘だ!」

 

 

「初めまして、我の名はオーフィス」

 

 

「えぇー!?」

 

 

 




オーフィスは可愛い。

異論は認めん!

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