そしてついに?少女が目覚めます。
ここはどこだろう。
薄暗く手足の自由を奪っていた鋼鉄の物も無くなっている。
盗賊に捕まりその後のことが思い出せない。
何が起きてここに来たのか、誰が私をここまで運んでくれたのか。
その答えを教えるかのようにドアが開く。
そこから入って来たのは黒髪の少年だった。
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朝食を軽く済ませ部屋に戻る。
すると少女は体を起こしこちらを見つめてくる。
目を覚ましたというそれだけで凄く嬉しかったが今はそれどころでは無い。
少しずつ近づいていき隣のベッドに腰掛け声をかけた。
「えっと…初めまして。俺は
そう言ってステータスストーンを手に取ろうとすると少女も喋り出した。
「私の…名前?」
少しの沈黙の後再び声を出す。
「私の…名前は メア。他は…」
「記憶がないんだね… きっと魔力枯渇状態なのに魔法を使ったからじゃないかな。時間をかければ治ると思うよ。
それでメア…ちゃん?は盗賊に捕まったことは覚えてる?」
「盗賊に捕まったのは覚えてる。けどどうして捕まったのかとかはわからない。」
「そうか…それだとどこから来たのかとかはわからないなぁ…」
「ユーヤはどうして私を助けたの?」
ある意味当然の質問だろう。
盗賊に捕まり何が起きてるのかわからないのに自分を助けてくれた人。
何故?と思うのも仕方がない。
「俺は何故か君を助けないとって思って…」
「ありがとう…。 ユーヤはこの後どうするの?」
「俺はこの後リムルーブ城にいる友達のところに戻ろうと思ってる。」
「私もついていく。足手まといにはならない。」
真剣な表情でこちらを見つめるメアちゃんに俺は断ることができなかった。
「わかったよ… それじゃあメアちゃ…」
「メア。それが良い」
「わかった。それじゃあメア。ステータスストーンとか持ってないよね?」
ステータスストーンと言われてもわからないと言いたげな顔を見て俺はステータスストーンを出し見せる。
そこで初めて俺のステータスが変化してることに気づいた。
名前:
体力:C+
魔力:F
筋力:C+
敏捷:C+
所持スキル: 『剣術』『双剣技』『身体能力制限-』『魔法使用不可』『自動翻訳』
『身体能力制限-』-が付いたことで制限の量が減ってステータスが伸びたのだろう。すぐにそう解釈できるがこの世界の一般人はオールD程度のステータス。俺は今C+。少し強い。無事にギルドで登録出来るのかという問題。
そして俺の横で感動してるメアもまたステータスが普通ではない可能性もあった。
メアはステータスストーンを見ても持ってない。と答えたので何か言われても仕方ないと思いながら二人は冒険者ギルドに向かった。
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