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「はぁ…はぁ…」
息を上げ必死になって走ってる者が3人。
マルク、フィン、サーシャだ。
盗賊に襲われた後ユウヤのみ囚われ自分達はギリギリのところで逃げ出してきた。
後少し走ればリムルーブ城へ着くはず…
3人で声を掛け合いながらリムルーブ城に向かって走り続けていた。
夜になれば魔物は活発になり危険度は増す。
日が沈みかけた時、彼らはリムルーブ城へとたどり着いた。
すぐに城に向かいカルロスに会いたい事を伝える。
城に入りカルロスに会った僕たちは何が起きたのかを説明する。
4人で護衛するために向かったフェルト村にいるルーブについて、そして帰りに起こった出来事。
カルロスはかなり動揺しながら話を聞いていた。マルク達からの報告が終わり城から帰すとカルロスはまず王へ報告に行き、その後
◆
カルロスさんに聞いたところ彼はもう死んでしまっているかもしれないと言われたあの日、私の中で何かが崩れるような気がした。
それ以降というもの何に関してもやる気が出ずとても訓練という気分にすらならず常に城の一室に篭っていた。
「委員長っ!
「大丈夫よ。今
ドアの外から2人の声がする。
1人はクラス委員長をしてる
稚菜ちゃんが発した言葉で雲出君が何処かへと行ったあとドアをノックして稚菜ちゃんが入ってくる。
「遥香、大丈夫?ここ何日かご飯も食べずに部屋に閉じこもっててみんな心配してるよ?」
「大丈夫だよ。全然元気だよ?心配しなくても平気!」
一生懸命元気に振舞おうとするが何処か不自然な部分があるのだろう稚菜ちゃんは不安ですとでも言いたそうな顔をしていた。
そこに稚菜ちゃんは再び言葉をかけて来た。
「
彼らは盗賊に襲われた後、風吹君が睡眠系の毒で倒されて馬車の荷台に乗せられてる途中でこいつは
最初は何を言ってるのかわからなかった。
カルロスさんは私たちに祐哉君は死んでしまったと思われると言った。理由としては王族に関係のあるものでも無く金品を持ち歩いているわけでもない。そんな者を捕らえたとしても盗賊側に利益がないから無事でいる確率は低いだろうと言っていた。
でも今の話を聞くと盗賊側の利益が確かに存在している。
稚菜ちゃんのその発言は完全に死んでしまったと思っていた私の考えを改めさせるには十分な物だった。
私は稚菜ちゃんの方をしっかりと見てさっきとは違う形で元気になりましたって伝えた。
「稚菜ちゃん。私、もっと強くなって必ず祐哉君を見つけてみせるよ。
それで今度こそ言うね…」
ずっと前から好きでした。って…
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遥香が再びクラスメイトと訓練をすることを決意するのと同時に祐哉は…
オークション会場から出てフェルダースへと着いた後門番の人にステータスストーンを見せるように言われ見せた後女の子のは持ってるのかわからない。と伝える。
今回は特別にということで何も聞かれたりすることなく通れたがすぐに冒険者ギルドにでも行ってステータスストーンを作ってもらいなさいと忠告を受けた。
そんな忠告を受けた後町に入った俺はオークション会場で拾ったお金とか街の外でたまたま出くわした魔物を倒して手に入れたお金で宿に泊まるため宿を探していた。
「宿の場所、聞いとけばよかったな…」
後悔先に立たず。とはまさにこのことだ。
宿を探してうろちょろしてると変な人達が後ろからついて来てることに気がつく。
足を止めて後ろを振り向く。
そして大きな声で叫ぶ。
「すみませーんっ! 宿の場所って何処ですか!?」
もちろんそんなことを聞いても教えてくれるような人たちではないから後ろをついて来てるんだろうけど一様聞いてみる。
しかし返事は無い。
その代わりにガタイの良い男の人が3人前に出てくる。
「その嬢ちゃんを置いてけば宿まで案内してやんよ。」
後ろを向いた瞬間に何も飛んで来なければ良かったんだけど。
ふと気づけばギリギリのところで無意識に避けた矢が床に刺さっていた。
頰が少しピリッと痛む。
逃がしてくれる気配はなく振り向くとすでに男の人3人は全員戦闘準備完了とでも言いたげな雰囲気だった。
「この世界の人たちってどうもこう死にたがりなのかな…」
少女を床に下ろし剣を抜く。一本だけ
殺さないように注意しないといけないと思いながら剣を構える。
構えた瞬間相手は動き出す。
1人ずつ攻撃をしてくる。
しかし俺に当たる事はない。
1つ1つの動きが俺にはすごく遅く見えていた。
盗賊と戦い少女を背負いながらフェルダースまで歩いて来て疲れているはずなのに。
と思いながらも攻撃を難なく避けた後相手の動きを封じていく。
難なく3人とも無力化したところで剣を納める。
その後少女を再び背負い歩き出そうとしたらチンピラ?の1人が声を出す。
「坊主。そっちに宿はねぇ 来た道を戻って2つ目の角を左へ曲がれば宿に着く。 人気のない宿だが坊主がその嬢ちゃんの目がさめるまで使うならもってこいの場所だ。」
なんだかんだでいい人達だったチンピラを後ろに俺は宿に向かって歩き出した。
宿に向かう途中何人かの人が俺の方へ来て冒険者かい?とか聞いてくるが違うとだけ答えるとそれならギルドに一度行って見たらどうだ?とか色々急に話を始めて来た。
とりあえず考えておくとだけ言い少し駆け足で宿に向かう。
遠くから見ると少し古ぼけた宿だったが中に入るとしっかりと手入れなされた綺麗な場所で何故人気が無いのかと疑いたくなるレベルだった。
「すみません。 二人分の部屋を貸していただきたいのですが…」
再び訪れる静寂に人居ないのかなとまで思わせた所で中から人が出てくる。
「もう…お婆ちゃんたら受付はお婆ちゃんの仕事でしょ…
えっと二名様ですか…?」
文句を言いながらも受付としての仕事を果たそうとする女の子は多分俺と同じくらいだったが俺の方を見つめたまま硬直して居た。
「あ、えっと二人分の部屋を貸していただきたいのですが…」
少しの静寂の後彼女は口を開いた。
「あ、はい。別々の部屋が良いですか?」
「いやこの子が何時、目がさめるがわからないし同じ部屋に2つのベッドがある部屋が良いんですけどありますか?」
「はい。少々お待ちください。」
そう言って奥に戻っていく彼女は少し顔を赤くして居たが
祐哉には見えていなかった。
「はい。これが部屋の鍵ですね。 後ろにある階段を上がって左に行った角の部屋です。 朝食などのご飯はすぐそこの通路を通って貰うと食堂がありますので。」
軽い説明を受けた後すぐに部屋に行き少女をベッドの上に寝かせる。
俺は別のベッドで横になり目を閉じた。
なんか祐哉の性格がわけわからなくなってきてます。
なんとか戻したい。
いつかクラスメイト視点を大量に描きたいなぁ…
誤字脱字等あったら報告して貰えると助かります。